フランス語はインド・ヨーロッパ語族イタリック語派で、ロマンス諸語のひとつ、ラテン語から派生した言語のひとつです。
鼻音が多いこと、リエゾン(連音化)、名詞に性があることが特徴です。
名詞の性はインド・ヨーロッパ語族全体に見られる特性であり、発音はケルト語(アイルランドやスコットランドの言葉)の影響で大きく変化したため他のロマンス諸語(イタリア語やスペイン語)とだいぶ違うものになったとされています。
使用地域はフランス本土及び国境を接するベルギーとスイスのみならず、カナダのケベック州と旧植民地であるアフリカ西半分とカリブ海、オセアニアの島々、南米のギアナ(現在もフランス領)に及びます。
総話者は2億人程度とされていますが、アフリカ系移民も多いために使用地域の広さに反して母語話者は1億2000万人程度(日本語と同じくらい)です。
戦前のフランスの国際影響力は非常に強く、政治・経済において現代の英語のような地位を占めていました。
また、中世~近世ヨーロッパにおいてフランスは常に文化先進国であり、英語やドイツ語などに多くの借用語をもたらしています。
特に英語に対してはノルマンコンクエスト(フランス人がブリテン島を統治)によって高級語彙(日本語で言うと小難しい漢字語にあたる)の多くをフランス語に置き換えました。
ゲルマン系言語である英語のアクセントの規則性が分かりづらいのはフランス語の影響です。
(※ドイツ語が第1アクセントなのに対しラテン語は後ろから2番目にアクセントがメインであり、真逆に等しい。)
同じくロマンス諸語=ラテン語の派生であるイタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語とは現在も多くの共通点を持ち、文法と単語が似ています。
特にイタリア語とスペイン語とは語彙の80%以上を共有しています。
しかし発音が特異なフランス語はそれらとの口頭での意思疎通は不可能であり、一部の基礎語彙の相違(dans=in, pas=notなど)によって筆記でも理解度は7割未満です。
(※ほんの少し勉強すれば分かることなので実際のイタリア人などはもう少し理解できるはず)