ドイツ語はインド・ヨーロッパ語族・ゲルマン語派の西ゲルマン語群の言語で、英語と同じグループです。
格変化や名詞に性があること、枠構造、第1音節アクセントが特徴です。比較的「古めかしい要素」を維持していると言えます。
母語話者数は1億2000万人程度で、ドイツ、オーストリア、スイス、リヒテンシュタインに集中しています。
かつては現在のチェコ(旧ズデーテンラント)やポーランド(西3分の1程度などは戦後ドイツから割譲)にも多くのドイツ語話者が住んでいましたが、戦後の強制退去によって激減しました。
フランスのアルザス地方(ドイツ国境で旧ドイツ帝国領、ドイツ語ではエルザス)とイタリアの南チロル地方(オーストリア国境で旧オーストリア=ハンガリー帝国領)にも母語話者がいます。
一方で、EUにおけるドイツの影響は根強く、出稼ぎのためにドイツ語を覚える東欧出身者が現代でも多く存在します。
日本人からすると信じがたいですが「英語は話せないがドイツ語ならできる」というポーランド人やルーマニア人もよくいます。(ポーランド語はスラヴ語派でルーマニア語はロマンス諸語)
英語とは兄弟言語にあたり、多くのルーツを共有しています。英語ほどではありませんが、フランス語やラテン語及びギリシャ語による影響を強く受けており、多くの借用語を持っています。
英語以上に近い存在なのがオランダ語で、政治的には別の言語とされますが「方言」と言ってもよいほど似ています。(方言にすると「どちらが本家でどちらが方言なのか」という問題が生まれ、言うまでもなくこれは政治的に厄介。)
また、ドイツ語自体の方言も多様で、スイスのドイツ語とベルリン(ドイツ北東部)或いはケルン(ドイツ北西部=オランダの近く)のドイツ語とでは大きな差があります。