外国語の単語や文法を勉強していると、
- 接辞をまとめて覚えることでラクに語彙力を伸ばせるのではないか?
- 前置詞をイメージで覚えたほうがより正確に読解できるのではないか?
というアイデアが生まれますよね。
英語の勉強ならこうした需要に応えるべく、
- 語源で覚える英単語
- 前置詞キャラクター
みたいな書籍が売られています。
そうした書籍に飛びつくことは、キクタンなどで機械的に覚えていくことや「単語は覚えるな!この500語で英語は話せる」みたいな眉唾物に吸い寄せられてしまうことと比べれば何万倍も崇高な状態です。
しかし、もうひとつ視点を高く上げて、
- そもそも○○語の単語はどのようにして造り上げられてきたのだろう?
- なぜこのような文法体系が出来上がったのだろう?
という疑問にたどり着くことができれば、タダで勉強できる可能性が高いのです。
というのも、「単語はどのように造るか」「文法はどのように定まるか」といった疑問は学術的でそれぞれ「形態論」「統語論」といった分野で研究されています。
大学で卒論をやった方なら分かるかと思いますが、そうした「研究結果」とか「ついでに書いたようなコラム」的な論文は普通にインターネット上で自由に読める状態になっています。
もちろんそうじゃないもの(学籍や申請が必要だったり)もあるのですが、こと語学においては無料で十分に良質な情報にたどり着ける状態です。
なのでみなさんにもぜひ利用してもらえたらなと思っております。
学術的だからといって毛嫌いする必要は全然なくて、そうした論文を読み込むことは結論から言って実用的なコミュニケーション能力が格段にアップさせてくれます。
論文を書いている研究者たちは案外、語学をやっている人たちが最初に買うような入門書や文法書、辞書を作っている張本人だったりして、まさにエキスパート、「実力」を手に入れている人たちです。
なのでその言語における「話せる状態」とは何か?について熟知していて、その状態に至るのに助けになるようなことが論文には書かれているんですね。
じゃあなんで中々広まっていないかというと、それだけ本質的すぎて、考え付きすらしない人がほとんどだからです。ほとんどの人は視点をそこまで高められない。
だから出版社から提案されるのもせいぜい「語源で覚える英単語」なんですね。売れなきゃ出版社が儲からないからです。彼らはあくまでビジネスマン。
言語学専攻の学生向けのテキストもちょこちょこ出ていますが、そういった本は4000円とかして結構高いです。売れないので。
それで、もっと専門的な書物はどうなるかというと、ついに書籍にはならず「論文」としてインターネット上に無料公開されるんですね。不思議なものです。(ものによっては結局4000円とかで出版されちゃうけど)
探し方は簡単で、
- ○○語 形態論
- ○○語 造語法
- ○○語 統語論
などとググるだけ。
詳しくはウィキペディアに研究分野が載ってるのでそこから選びましょう。
他にもその言語特有の論点とかも上のキーワードとセットでググると欲しい論文が出てきやすいです。ドイツ語なら「枠構造」とか、英語なら「音韻論」「大母音推移」とか。
最初は専門用語が多くて読みづらいかもしれませんが、生粋のバイリンガルではなく超人的な記憶力も持たない人が、ネイティヴ感覚(=実践的なコミュニケーション能力)を効率的に身に着けようと思ったら、今のところは論文を読むのが最短ルートです。
しかも無料。ぜひ挑戦してみてください。
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