「いまTOEIC300点台ですが700点以上の人からアドバイスしてもらいたいです」
「TOEIC700点を取るには何から始めるのが最短ですか?」
「社会人なので学生の頃のように時間はとれません」
うんうんうん。
英語が苦手だけど急遽やらなきゃいけなくなった方々はみな同じような悩み・疑問を持ちます。
こういう疑問をお持ちの初心者の方&英語が苦手な方は、「英語を克服した状態」に至るまでの全体像&道のりが見えていない状態なんですね。
全体像が見えていれば「何から始めるのが最短か」という質問をしようという気持ちにならないはずだからです。
ということで本稿では、TOEIC300点台の方が730点、860点を突破するために勉強よりもまず先にやってほしいことを解説していきます。
全体像を把握して恐怖心をなくせ
何ごとも、先が見えないのは怖いものです。全体像が見えていないと怖気づいてしまって、アクセルを踏み込めなくなっちゃうんですね。
最初はやる気たっぷりだから言われたことを信じてやってみるんですが、すぐに壁にぶち当たって「やっぱり自分はアホなんだ…」とか考えだしたらもうオワリ。再出発には半年かかっちゃいますね。
でも先が見えていればたとえスランプに陥っても、ちょっとテンション下がるくらいで済みます。「数日寝かせればピンと来るっしょ」と思えるからですね。
知識を身に付けるってそういうものです。
高校で習う文法は全部必要
大丈夫。怖くありません。
TOEIC700点を取るためには目指すべき得点率というのがあって、その率を網羅するには高校で習う文法は全部勉強する必要があります。じゃないと取りこぼして700点は取れません。これはもう紛れもない事実。
でも大丈夫です。高校で習う範囲を覚えるなんてそんな大げさなことじゃありません。
たしかにみなさんお仕事やプライベートで忙しいでしょうが、そのかわりに社会人は数学も古文もやる必要ありません。
実は時間は子供のころと同じだけあるし、科目が少ない分頭がすっきりしていますので、案外らくちんですよ。気楽にいきましょう。
言語を分解して偏見を取っ払おう
さて、文法をマスターする際に必要な下準備がこの「言語を分解して偏見をなくす」という作業です。
よく「赤ちゃんが英語を覚えるように」みたいな考え方がありますが、大人はあれを真似できません。
なぜなら大人は「もう日本語を覚えて」「快適な生活を送っている」からです。
赤ちゃんや子供は言葉を覚えないと、死ぬんですよ。マジで。だから必死に覚えます。
しかもまっさらな白紙状態からスタートするので、あらゆる言語システムを受け入れられるんですね。
でも大人は英語や外国語ができなくても十分に安全で快適な生活が保障されているし、日本語のせいで「言葉とはこういうものだ!」という思い込みがめちゃくちゃ根深いので、これを取り除くには工夫が必要なんです。
文法書の目次を何度も読もう
これは勉強じゃありませんよ。
「これからどんなことを勉強するんだろうな~?」という下見をとっても丁寧に行うのです。
ネタバラシをしておくと、語学では「仮定の話をできる」というのが一旦のゴールになります。
実はこの「仮定の話をできる」というのは人間に固有な能力でして、他の動物との決定的な差でもあります。それだけ高度な技術だと思って下さい。
そしてその話している内容が「仮定の話である」ことを示すには、結構回りくどい表現が必要で、文法ルールをしっかり勉強する必要があるんですね。
もちろんそこに至るまでに名詞を修飾する形容詞、あるいは動詞を修飾する副詞の使い方と作り方などもマスターしていくことになります。
そうした包括的な表現力を伴って、「もしもの話」を上手くすることができたら、あるいはもしもの話をそれが現実ではないと理解しながら聞けたら、高校英語卒業です。
日本語の発音について知ろう
文法の話ばかりしてしまいましたが、TOEICにはリスニングもあります。
リスニングが無くても発音をマスターすることは語学習得への近道です。
さて、でもなんでそんなに発音が大事なのか、というか「わたしの発音のどこがそんなにいけないの?」と思うかもしれません。
そこでまずやってもらいたいのがこの「日本語の発音について知る」という作業です。
もう少し具体的に言うと、
- 人間が出せる音の中で、
- 日本語がどの部分”だけ”を使っているのか
を把握する作業です。
これをやると、「なるほど本当は他にも音がたくさんあるけど日本語はこの部分に偏っているんだな」「他の部分を使いたがる人種がいても不思議ではないな」と納得することができます。
その後、同じように英語の発音がどの部分を使っているのか調べると吸収=発音の習得が段違いに早くなります。
TOEIC対策|まだ勉強は始めません
さて、英語学習の全体像を概観したところで、今度は試験対策をしましょうか。
試験対策はどの試験でも過去問・公式問題集いのちです。ドラゴン桜もホリエモンも過去問やれって言ってますよね。
TOEICは過去問は一切出回らないので、「TOEIC対策」と書かれた有名そうな参考書を使えばOKです。
TOEICの日本語バージョンを読もう
当然TOEICの日本語版なんてものはないんですが、それでも恐怖心を取っ払うために日本語版を作ってくれている人がいます。
ググれば出てきますし、もし見つからなくても問題集の解説パートにはたいてい日本語訳が載っています。
TOEIC対策の参考書とかたくさん売っていますが、まずやるべきなのはどれでもいいから日本語バージョンで全体を把握することです。
英語だと「勉強してる感」が出ちゃうし、何より難しそうに感じます。難しいってやっぱりストレスなので、良くありません。
日本語版なら「案外TOEICって簡単なことを言ってるんだな」ということを体感できますので、ここもやはり下見を丁寧に行いましょう。
単語帳の日本語訳だけを読もう
単語を覚えるのって抵抗あるかもしれませんが、大丈夫。
TOEIC700点とかなら6000語くらいは覚える必要がありますし、時間もかかりますが別に苦行じゃありませんよ。工夫すれば楽しく進められます。
そのための第一歩として、単語もやはり下見を丁寧に行います。
適当に本屋さんでTOEIC用の単語帳を開いて、日本語訳を読みましょう。英語なんか読んじゃだめですよ。覚えられないし英語嫌いになっちゃうから笑
日本語訳で「ああ大体こんなことを言えるようになればいいのね」と。「TOEIC800点なんてその程度の内容なのね」と。楽観視ができればOKです。
英語のしくみの本を読もう|まだ勉強は始めません
TOEICがどんなテストなのか把握できたところで、勉強を始める前にもう一度全体像を掴む作業を挟みます。
先ほどの文法書の目次やらを見ていたのは、ひたすら自分の立ち位置と目標地点を見定める、「そもそも外国語はどう覚えるものなのか」を学ぶ作業でした。
今度はお目当てである「英語」に絞ってより深く下見をしていきます。
全体像編
まずは読み物系の本で英語の全体像をつかみましょう。
「あ~~イギリス人はこういう思考回路をしているんだなあ」「こういう文化背景のもと生きてるんだなあ」と想像できればOKです。
おすすめはこちら↓
単語編
たしかに英単語は無数にあるのですが、その作り方にはある程度パターンがあるんですね。
漢字の部首でなんとなく意味を想像できるように、英単語もいくつかのパーツを組み合わせてできているものがほとんどです。
そのことについて楽しく学べるのがこちらの本↓
関正生さんは入門者向けの本がとても上手くて、この本が気に入れば他の本も開いてみるといいです。ご存知スタディーサプリの講師でもあります。
文法編
日本人の悪い癖として「翻訳をやりすぎてしまう」という習性があります。
だからよく「”琴線に触れる”は英語で?」みたいな広告に振り回されるんですね。
しかし通訳者にでもならない限り、つまり「外国人と雑談したり」「TOEICで高得点を取ったり」するだけなら翻訳能力は要らないんですよ。気付けばついてくるというのが正しい状態。
英語を話すときに「琴線に触れる」なんて日本語を思いつくこと自体、おかしいのです。英語を話すなら思考回路も英語に変えましょう。
それを実現させてくれるのがこちらの本↓
英文法にといて根幹を司る単語の「イメージ」を教えてくれる本ですね。
イメージをベースにして覚えれば「日本語に訳すとこういう意味になるのに…」とか「あれ、上手く日本語に訳せないから英語の意味が分かってないのかな…」という迷いがなくなります。
この本まで読み切れば、下見は完了です!
さあ勉強を始めよう|まずは発音とスペリングルールのマスター
たくさん本を読んだかもしれませんが、今までのは勉強じゃありませんでした。
「あー世の中にはそんな世界観も広がってるのかへぇ~」と思っていただけです。
ここからいよいよ勉強を始めますが、本稿のタイトルは「勉強より先にやるべきこと」なので今回はここまでです。
語学の勉強方法やその第一歩である発音の勉強方法については別記事でまとめてありますのでそちらをお読みください。
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