※本稿は英語以外の作文・ライティングの勉強方法についての説明です。
英語以外の言語での
- 作文・ライティングの勉強方法の決め方
- 良い学習リソースの候補
- 良い学習リソースの探し方
を知ることができます。
英作文の勉強方法は大学受験用のサイトで良いものがたくさん出ているのでそちらをご覧ください。
ボキャビルと英単語帳についての稿ですが当サイトのこちらも参考になると思います↓
戦略の考え方
基本的に「英作文 勉強方法」で出てくる情報を応用したい
学生の頃の英語の勉強スタイルを覚えていますか?
基本的には”あの頃”のように、
- 文法を覚えて
- 並び替え問題を解いて
- 自分で作文をしてみる
というステップを踏みます。
英語と違う点①:教材が全然無い
中国語はフランス語のようなメジャー言語でも英語と比べればライティング教材はとても少なく探しづらいです。
そのため本稿ではおすすめの学習リソースと、自分で学習リソースを見つける方法を紹介します。
英語と違う点②:やる意義は自分で考案する
英語は学校の課題だから、受験に必要だからという理由でとりあえず参考書を解くことができたかもしれませんが、第二外国語は自分で「目的」を決めることになります。
逆に言えば、目的に必要ない項目は勉強の必要もないわけです。
例えば仕事に使うのではなくただチャットがしてみたい、Youtubeを楽しめればそれでOK、という方は「社内メールのテンプレート」の知識は必要ありません。その代わり、現代的なIT用語とか最新の略語とかの知識は必要です。
高校生の頃のように闇雲に参考書を買っても積読になるだけなので、目的を明確にしてから取り組みましょう。
全体像
何事も全体像を把握していなければ怖くて先に進みづらいものです。
先の「戦略の考え方」でも少し書きましたが、もう少し具体的にライティング力を身に付けるまでの道のりを確認していきましょう。
文法ドリルで一定レベルに達し作文の土台を作る
まずは文法書でインプットした知識の練習をしていきます。品詞の活用の多い言語ほど念入りに行います。
文法書を読んだだけではせいぜい「活用表の暗記ができた」くらいの状態ですが、このステップで目標の目安にしたい状態は「頻繁に使う単語の活用が暗記された状態」です。
暗記ですから、言い換えれば、活用表のことをいちいち思い浮かべなくても一瞬で適切な活用を使える、という状態ですね。
これでストレスなく作文の練習を始めることができるようになります。
苦手分野は例文暗記や瞬間作文をする
日本語や英語にない構文はみなさん苦手でしょう。そうした文法項目は簡単な話、インプットが足りないのです。
言い換えれば日本語や英語にも見られた構文は概念的な部分でインプットが十分に行われているからラクに習得できた、とも言うことができます。
そうなればやることはひとつで、その文法項目を含む構文をたくさん暗記するほかありません。チェックは日本語→外国語の瞬間作文で行います。
特定のジャンル・場面に絞って例文を学ぶ
文法をマスターしたら、あなたが必要としているジャンル・場面に絞って例文を学んでいきます。
どの言語でも場面に応じて慣習的な言い回しが数多く存在し、それらは日本語や英語からの発想で思いつくことができません。
また、英語の授業では各場面に応じた言い回しを教わる機会も多かったかもしれませんが、第二外国語の入門書にはそれが含まれていないことがほとんどなので、ここで専用の学習リソースを手に入れて各種フレーズを覚えることになります。
文法の知識を持った状態でそうしたフレーズに触れれば、その言語らしい特色が鮮明に浮かび上がって見えて楽しいですよ。
文法ドリル編
文法の練習問題を使おう
いきなり例文を暗記できればいいですが、文法の定着が弱い状態で暗記に取り組むと負荷が重くて勉強がイヤになってしまいます。せっかく文法書まで読んだのにそれはもったいないですよね。
そこで文法ドリルの練習問題はギア1的な役目を果たしてくれます。
簡単な穴埋めや並び替えからトレーニングを始められる
文法ドリルは空欄に当てはまる形の活用を選ぶものから始まり、応用問題にはたいてい並び替え問題が載っています。
語彙力の問題を抜きにして文法の定着度を上げられるので、ストレスなく作文力をつけることができます。
また、文法の定着が進めば単語の学習もより捗るというものです。コロケーションを使って実践的な形で暗記を行えるからですね。(コロケーションは前後の単語との兼ね合いで活用が頻繁に発生する)
探す手順
Amazonで「○○語 文法 問題」と検索
メジャーな言語の文法ドリルはこれで見つかります。
他にも「問題」のところをドリルとかトレーニングとかに変えてもいいです。
日本語で良いのが無ければAmazonで「–ese grammar drill」と検索
ほとんどの言語で英語のほうが教材が充実しています。英語版の問題集はグラマードリルと表題についていることが多いです。
あと、韓国語と中国語のドリルは日本語版のほうが充実しています。
お金をかけたくない人は東京外大言語モジュールがある
文法ドリルって2000円から、洋書なら4000円くらいかかりますよね。それ買うなら今晩焼き肉行きたいなあという方は、東京外国語大学の言語モジュールを使いましょう。
デザインはイマイチですが、かなりマイナーな言語まで文法の練習問題が載っていて、誰でも無料で利用できます。
わたしなら文法ドリル買ってその記念に焼き肉行きます。
アプリならDuolingoが使える
Duolingoは簡単な文章の翻訳をベースとしたアプリです。すなわち文法ドリルとしてかなり有用と言えます。
デメリットは単語力もある程度ないと後半のレッスンが解禁されないので、それまでは接続法などの発展的な問題に取り組めないことですね。
苦手分野を鍛えたいなら「口が覚えるシリーズ」を使おう
苦手分野の克服には例文暗記だと先述しましたが、それには「文法項目ごとに便利な例文がまとまっている教材」が必要ですよね。
「口が覚える○○語」シリーズはまさしくその条件に当てはまる本です。メジャーな言語ではひと通り出ています。
書きたいことを明確化しよう
社内メールを書きたいのか、志望理由書を書きたいのか、ツイッターをやりたいのか、詩を作りたいのか、とにかく試験に合格したいのか。
極端な話、これらはそれぞれ別の技能と言ってもよいです。相乗効果はもちろんあるんですが、第1歩は何か1つに特化するほうが混乱しません。
試験モノでさえも、たいていは社会的な内容が出題されるのでピンポイントで対策することができます。
必要なパッセージを揃えよう
メールは参考書が豊富
なぜか手紙やメールを書くための参考書は豊富に出ています。丸の内の丸善とか、大きめの書店に行けば何かしら見つかると思ってOKです。
それ以外のビジネス例文はPod101シリーズが充実
Pod101シリーズは場面別のフレーズが幅広く揃っていて、ビジネスシーン用のトピックもたくさんあります。
マイナーな言語にも対応しているので、参考書が見つからなかった場合はPod101シリーズを頼りにするといいです。
ツイッター用語はアプリで見つけやすい
Pod101にもネット・IT用語はたくさん載っていますが、ツイッター用のフレーズに限ってはアプリが多く出ています。
おすすめは「ひとりごと○○語」シリーズです。検索してみてください。
試験対策は過去問と公式問題集をまずは入手
試験対策は過去問と公式問題集の解答例を暗記することが主軸です。
暗記というと大変そうと感じるかもしれませんが、内容と文法を理解しながらやれば案外簡単に覚えられるので食わず嫌いせずにトライするといいです。
良いのが見つからない?とりあえず「耳が喜ぶシリーズ」がおすすめ
先に紹介した「口が覚える」シリーズの姉妹編で、耳が喜ぶシリーズがあります。
名前の通りメインはリスニングなのですが、文章量が多くて、しかもその音源が惜しみなく収録されているのでマルチリンガルたちの中でとても人気です。
単語・文法ともに守備範囲が広い
多様なトピックの長文が100個ほど載っているので、自ずと単語も文法も幅広くカバーしています。
なので難しいことは考えず思考停止させちゃってこの本を使ってみるのもありです。
音声スピードは速め
ナチュラルスピードに慣れ親しめるのもいいですが、スローバージョンもあってもいいなと思いますね。
シャドーイングに最適
シャドーイングって大ざっぱに言えばインプットを極めるために行うものです。短文集よりは「耳が喜ぶシリーズ」のように長文のほうが一気にインプットが行えるのでシンプルに効率が良いんですね。
そして過去問の作文・ライティング問題の解答例には音源はついていないのでシャドーイングできませんが、耳が喜ぶシリーズなら可能なので、シャドーイングに最適と言えるわけです。
難易度が3段階に分かれている
先ほど単語と文法の守備範囲が広いと書きましたが、初級者でも取り組めるように難易度が3段階に分かれています。
1段階目では接続法などは登場しないので、まずは人称変化などの定着を極めたいというフェーズの学習者でも使えます。
そして3段階目ではそうした発展的な文法も組み込まれた文章になっているので、CEFRで言うとB2(英検なら準1級)レベルまで末永く愛用できます。
その言葉を話す国の文化を知れる
肝心の文章の内容は、ドイツ語なら、ドイツやスイス。スペイン語ならスペインやメキシコ。といったようにその言葉を話す国の話題がメインです。
文化背景を知ることは普通に重要
少しライティングから逸れますが、実は語学において文化背景の知識を持つことは重要な技能のひとつです。
例えば”Oh, my God!”のニュアンスは、欧米人の多くがキリスト教という一神教の影響を大きく受けているという知識があってこそ理解できるものですよね。
文化を学びながらのほうが語学は楽しい
ただコミュニケーションをとるために外国語をやっていると、ふと「英語だけ分かれば十分じゃないか」「日本語が分かる人と話せばよくないか」という心の声が聞こえることもしばしばです。
そんなとき学習を続ける糧になるのは、その言語を話す社会への愛情なんですね。
言語は文化の一部であり、単語ひとつでもそれぞれにドラマがあります。そのドラマにハマってしまえばもういくらでも勉強モードになれそうなものですが、耳が喜ぶシリーズの文章はその入り口にあると言えます。
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