おすすめ英単語帳とボキャビルのやり方(ラクに根性を作る方法)

英語

適切な方法でボキャビルを行えば、その知的な経験はあなたの人生を劇的に変えてくれます。

思考が豊かで研ぎ澄まされてものになり、あなたの知性は底上げされるでしょう。

”言語”を上手く扱えるようになり、自分の考えを表現したり、世界をより深く理解したりでき、ひいては自分自身の理解が深まり、高い自己肯定感を得ることにつながります。

ボキャビルというのはただ単語の意味を覚えたり、単語テストで良い点ををとる行為ではありません。

ボキャビルというのは、「人類の多種多様な営み」に慣れ親しみ精通する、という行為にほかなりません。

言葉や単語というのは元来それを口語的に示したものだからです。

つまり、適切なボキャビルはあなたを文字通り「知的」に変えてくれます。

豊富な語彙は脳みそにストックされた情報や思考回路に直に影響を与えるからです。そして自身の考えを表現したり、身の回りの問題に対処したりする力が向上するでしょう。

子供はどのようにして語彙を増やしているのか

子供と言えば思い浮かぶのは10歳くらいの子でしょうか、彼らはたいてい2万語の語彙力をもっていて、それまでのあいだに毎年何百、何千というペースで語彙を増加させてきています。

大人たちも皆、かつてはそんな子供だったのです。

大人たちも皆、かつてはそんな「理想的」なボキャビルをやってのけていたのです。

いったいどんな秘訣があったのでしょう?

毎日何時間も辞書を熟読していたでしょうか?

新しく見聞きした単語を全部ノートにまとめていたでしょうか?

親や年長者の発した新出単語の意味を調べていたでしょうか?

いやいや、そんなことしていたらもうなにもかも投げ出したくてたまらなくなります。

そう。先週買ってきた単語帳とにらめっこしてうなだれているあなたのようにね。

大人たちがかつて愛用していたボキャビル法はもっとシンプルなものです。

子供は毎日起きている間ずっと、世界(身の回り)について知りたい、理解したい気持ちでいっぱいです。なんでもかんでも「なんで?どうして?これはなに?」とやかましく聞いてきますよね。

なぜ大人は単語を覚えられなくなるのか

大人たちはたいていある時期を過ぎると、その「世界について知りたい、理解したい」という欲望を徐々に失ってしまいます。

すなわちそれは自分の中の「新しい単語を覚えたい」という需要を失うということです。

具体的に言うと新たな、身の回りの気づきとか、社会についての知識とか、表現の言い回しとかを得るチャンスをこれ以上欲しない、という状態になるんですね。

子供がなぜ単語を覚えまくるかと言えば、それらの欲求を非常に強く持っているからです。

言葉というのはそうした「現象」を表す「シンボル」、あるいは「手段」であるため、目的を達成するために手段である言葉を覚えるのです。

そして困ったことに、大人たちはたいてい、自分がその欲求を失ってしまったことについて「困ったことだ」とさえ思わないものです。

そうして学ぶのをやめ、知性は止まり、歳はとっても”あの頃”と変わらない自分がいるんですね。

しかしこれは、決して、取り返しのつかないことではありません。

欲求を失ってしまったら、取り戻せばよい。

見つけたい、気づきたい、知りたい、理解したい、そうした欲求を呼び起こせばよい。

さすれば、子供のころの同じペースで単語力を増やすことができるのです。

ボキャビルに年齢は関係ない理由

今あなたが何歳であろうと、関係ありません。

20歳を過ぎたら脳みそは一気に衰え、もう一生英語なんて覚えらんないんだ、そう考えているかもしれません。

しかしそれは、事実ではありません。

たしかに、脳みその能力は18歳から20歳にかけてピークに達し、学習に最適な状態になります。

そして多くの人の場合、受験勉強やら社会人デビューやらで学習のペースそのものも不可抗力的にピークに達したでしょう。

人生を生きていくうえで覚えるべきことはあらかたマスターしたかもしれません。

しかしだからといって、20歳を過ぎたからといって、学ぶ能力そのものを失くしたわけではありませんよね。

著名な心理学者エドワード・ソーンダイク博士の全年齢を対象にした実験によれば、

  • 脳みその学習能力は20歳にかけて向上する
  • そこから5年程度維持される
  • その後「ゆっくりと」低下する
  • 加齢による最も大きな能力低下も15%未満

という結果が出ています。

「歳をとっても若いころの8~9割の学習能力はある」ということですね。

よって繰り返しますが、今あなたが何歳であろうと、関係ありません。

もし学習を止めてしまっているのなら、今あなたが何歳であろうと、また効率的なボキャビルを始めることができます。

30歳、40歳、50歳、60歳、70歳、80歳、それ以上かもしれません。それでも関係ないんです。

今あなたが何歳であろうと、「世界について知りたい、理解したい」という欲求を取り戻せば、ボキャビルができます。

「単語を覚えたい」じゃありませんよ?単語は「世界について知りたい、理解したい」という目的の手段です。

単語というのは知識をシンボル化したものです。豊富な知識は思考を正確に導いてくれます。

世界で最も成功した人物は、世界で最も語彙力のある人でしょうか?否、そうした人物を成功へと導いたのは豊富な語彙自身ではなく、知識や知性であるはずです。

しかし知識は、単語によってできています。

いわゆる成功している人たちは知識・知恵を増やす過程で、語彙を増やしています。それはちょうど子供たちが社会に順応するために驚異的なペースで語彙を増やすのと同じロジックです。

おすすめ単語帳

いい単語帳の条件

他の言語なら発音記号やイラストの有無を重視するところですが、今回は英語のボキャビルの話なので少し観点が違います。

英語のボキャビルにおける良い単語帳の条件は、本稿でこれまで話してきた通り、「あなたの好奇心を掻き立てる」ようにデザインされている本です。

具体的に言えば、

  • 実践的かつ具体的なシーンを前提としている
  • 言葉のルーツが説明されている

の2点が満たされているほど、あなたの知識・知恵を充実させ、(広義な意味での)成功へと導いてくれるでしょう。

初級編

世界一わかりやすい英単語の授業

英語初心者はまずこれを読みましょう。

日本語で言うと漢字の部首の意味とか、各種品詞の変形ロジック(動詞→名詞、形容詞→副詞など)を楽しく学ぶことができます。

語源とマンガで英単語が面白いほど覚えられる本

あれなんか語源面白くなってきちゃったよ~~と言う方はこちらもどうぞ。

あんまり語源ばかりに頼るのは良くないんですが、この本の知識くらいは英語上級者ならたいてい把握しています。

中級編

DUO 3.0

言わずと知れた神作。

「少ない例文で~~~」というのも大事ですが、本稿のコンセプト的に注目したいのは「例文がおもしろくて使ってみたくなる」という点ですね。

中級レベルまでは実際に「英語で考えてみよう」とか「英語で議論してみよう」というのはお遊び程度にしかならないので、従って「好奇心」が刺激されるのは無理があるのですが、Duo3.0の例文は使ってみたくて仕方がない気持ちになり、よってそれに必要な単語や熟語をスポンジのように覚えられます。

それに加えて、やっぱり「少ない例文で」覚えられるので効率的です。好奇心ありきの少ない例文。

[音声DL付]イラストだから覚えられる 会話で必ず使う英単語

こちらは生活に即した単語がイラスト付きでたくさん載っています。

似たような内容がよく「ネイティヴが本当に使う~~~」とかで売られていたりしますが、イラストの質の観点でこの本がベストです。

初級編の2冊やDuo3.0をやっていると、英単語の造り方(造語法)について感覚的にパターンが染みついていますので、身の回りにことについて「英語ではこう表現するんだなあ」という学びがあるはずです。

速読速聴・英単語 Core1900 ver.5

大学受験でお世話になったモノ好きな方もいるかもしれません。(普通はターゲット、ソクタン、データベース、鉄録会あたり)

本書の優れている点はとにかく実践的な使用シーンを想定していること。使用シーンというのは何も会話だけじゃありません。

日本の英語界隈だと受験英語の反動から軽視されがちですが、書物を読むのだって立派な使用シーンです。

「環境」「教育」「政治・国際情勢」「司法」「科学・テクノロジー」など8つの分野から、最新の時事動向をふまえた英文64本を選定。
おもしろく、読みごたえのあるニュース英語に触れながら、重要語を学習できます。

この本の単語を覚えてシャドーイングもすればちょっとした日記やお遊びレベルの議論が英語でできるようになります。1人で海外旅行ももう怖くありません。

上級編

Instant Word Power

日本では認知度は低いですが、語源学習の本家的存在。

構成は、語源に関する説明文のところどころに空欄があって、そこに答えていく形式。

ディスカッション形式の授業のようなノリです。つまり、眠くならない!!

程よいペースで同じ単語を複数回答えさせてくれるので、ただ読んで空欄埋めて進めているだけで復習までできちゃいます。

ひとつの単語についていろんな角度から定義してくれるのも頭に残りやすいなあと感じますね。

ネイティヴのちょっと落ちこぼれた高校生向けの本なので、説明文の単語が難しいときは素直に辞書を引きましょう。それはそれで記憶に残るはずです。

また、他の単語帳で載っていた「これ本当に使うのか?」と思っていた単語もバンバン登場しますので、Instant word powerでレッツ洋書デビュー!(←EIBUNPOU LOSE)

速読速聴・英単語 Advanced 1100 ver.5

中級編でCoreのほうを紹介しましたがこちらはAdvancedで、本書もシャドーイングに最適です。

巷では音読やシャドーイングが流行っていて、「音読パッケージ」なる書物も売られていますが、やはり実践的かつ具体的であるに越したことはありません。

本書は実際にニュースのような文章が終始載っており、シャドーイングすれば綺麗なアメリカ英語が身に付きます。

単語は英検1級レベル、そうは言ってもニュースのみならずスポーツやゲームの実況などでも普通に多用されるレベルのものです。覚えれば世界がグッと広がります。必ずマスターしましょう。

Word Power Made Easy: The Complete Handbook for Building a Superior Vocabulary

Instant word powerの続編的存在。

Instant word powerでは語源ごとに章分けされていましたが、こちらはトピックごとに章分けされています。

「○○について語りたい」という明確なニーズを持って取り組むことで、語源も交えながら単語を一気に覚えちゃおうというコンセプトですね。

日本人についての質問に論理的に答える 発信型英語トレーニング

英語を使うということは、外国人と話すんですよね?

そうしたらあなたはやっぱり日本人なので、日本や日本人のことを必ず聞かれます。

そのときに本書に載っている表現を使ってサッと返すことができれば、その外国人にとって「よき日本人の友達」になれるでしょう。

世界の歴史の知識と英語を身につける

英語を使うということは、外国人と話すんですよね?(2回目)

日本のことについて教えてあげるのも大事ですが、相手の話も聞いてあげなくちゃいけません。

そればかりか、外国人が何かを話すということは、本書に載っているようなことを前提として話しているのです。

彼らの前提を理解し共感を示すことで「よき日本人の友達」になりましょう。

英語で経済・政治・社会を討論する技術と表現

「あの女が可愛い」とか「あのバンドはイケてる」とか、そういう話をするのも楽しいんですが、時にはシビアな話をすることもあります。

というか、そういう世間話は政治や経済、環境問題などまじめな話が分かる奴がするからこそ深みが出るというものです。

本書ではそうした新聞やニュース番組で扱っていそうなトピックに関する単語、表現、主張、議論に必要な知識が載っています。

トピックがおびただしい数に細分化されており、各トピックに肯定的&否定的双方の短い主張が複数載せられています。

音声もダウンロードできる(別売で300円くらい)ので、シャドーイングを繰り返してすべて暗記してしまいましょう。新聞やニュース番組の理解度がグッとあがるはずです。

発信型英語スーパー口語表現

「なんかどんだけ勉強しても洋画観ると全然わかんないだよねええ!」
という方、口語が足りていないかもしれません。

日本語と同じく英語にも身近な動物や植物、動作を使ったイディオムが大量にあります。

日本語でも例えば「これは蛇足なんですが、、、」とか「ちょっと手前味噌で恐縮なんですけども、、、」とか、完全に本来の意味を失っている表現がありますよね。

外国人からしたら「なぜそこでそれに例えるのか?」と不思議でしかたない表現も、ネイティヴなら何も考えず慣習的に使うわけです。

味噌なんて現代では自作している家庭はほぼありませんが、それでも「手前味噌」と口をついて出てしまうのが日本人的思考です。

本書ではそうした英語の口語あるいはイディオムについて、使われている単語の基本的なイメージを紹介しながらイディオムとしての意味と使用例を学ぶことができます。洋画の理解度がグッとあがるはずです。

使い方に注意すべき単語帳

検定試験用の単語帳

なにかゴールを設定してそれに向けて努力することは悪くはありませんが、やはり目的は知識・知恵を充実させることに定めておきたいものです。

検定試験用の単語帳は英検にしろTOEICにしろTOEFLにしろIELTSにしろ、とにかく語彙を増やすことに集中しすぎてしまう傾向があります。

なので使用する場合は、例えば「英検1級の長文を理解できるようになりたい」のような少しでも具体的に実際の生活にメリットがあるような目的を持って取り組むようにしましょう。

ジャパンタイムズが出している英検用の出る順単熟語EXという単語帳があります。

パートごとに

  • 語彙問題の正答だった単語
  • 語彙問題の誤答だった単語
  • 長文問題で出る単語
  • リスニング問題で出る単語
  • 語彙問題で正答だった熟語
  • 語彙問題で誤答だった熟語

といった形で分けられていますから、これで言えばまずは長文やリスニングをマスターしたいという欲求を持って、中間のパートを覚えて、そのあとで語彙問題用の単語を覚えるようにしたほうがいいです。

「語彙問題を正解したい」という欲求はあまりに実生活からかけ離れていますから、飽きて止めてしまうリスクが高く、危険です。

英検対策的には、語彙問題をマスターすることは合格への近道ではあります。しかし、その心理的ハードルの高さは舐めないほうがいいです。本当に退屈ですからね。

○○語だけで話せる!系の本

これは言うまでもありません。人生を充実させるためには知識・知恵が必要で、それらは単語でできているのですから、覚えるのを妨げるような眉唾物には絶対に手を出してはいけません。

どうしても気になったらそのお金と時間で美味い酒でも飲みましょう。

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