人って色んな性格の人がいますよね。
遺伝的なものだったり育った環境だったりで、同じ兄弟とか双子でも違う性格になるし、もちろん「○○人は真面目」なんてクソデカ主語で一括りにはできません。千差万別です。
そんなわけで本稿では、
- ちょっとクセのあるいくつかの性格についてイメージを存分に膨らます
- 単語を見る
- 語源を知って納得する
- ついでに関連語も覚えちゃう
というステップで上級英単語を学びボキャブラリーを増やしていきましょう。
(最初は簡単なのからいきます。)
あなたはどんな性格?
自分第一主義
興味のあることはいつもシンプルで直接的。
何事においても気になるのは「それは自分にとってどんなメリットがあるのか?」
自己中心的な態度や貪欲さは他人を傷つけているかも…
そんな性格の人のことを英語ではこう言います。
egoist
うぬぼれ野郎
「おれの今年の年収聞きたい?」
「また上司に褒められちゃってさあ」
「必勝法見つけちゃったんだよねw」
「いやいやいや!絶対俺の言う通りにしたほうがいいって!」
うぬぼれ野郎はいつも自分のことしか話しません。
- 自分はどう思うのか
- 自分がどんなすごいことをしてきたのか
- 自分がどんなにイケてるのか
鬱陶しくて反吐が出ますよね。
そんな性格の人のことを英語ではこう言います。
egotist
先ほどの”egoist”とはニュアンスが違うし、スペルもTが入っていますので間違えないように。
お節介焼き
人の為になること、人を喜ばせることこそが真の幸せだ。
『嫌われる勇気』の著者であるアドラーも幸福=貢献感と定義していましたしね。
そんな性格の人のことを英語ではこう言います。
altruist
あつかましく感じることもありますが自分勝手なのよりはずっとマシなはず。
陰キャ・内向的
「他人は自分のことをどう思っているのだろう?」
「あんなこと言うべきじゃなかったかな…」
こうして悩むほど他人は自分のことなんて気にかけちゃいないのですが、「気にしい」な人はいつでも他人からの評価を気にして自己内省を繰り返します。
仕事においても仲間と協力して進めるよりは、自分のペースで進めるのを好んだり、しばしばクリエイティブな能力に長けていたりする。
こんな性格の人のことを英語ではこう言います。
introvert
陽キャ・外向的
教師とか、カウンセラーとか、経営者とか、保険の営業マンとかに多いですよね。
自分がどう思われてるとか一切気にせず、とにかく他人に働きかけまくる。恥とかメンツとか、彼らの辞書にはないようです。
いつもたくさんの人と一緒にいてなんだか楽しそうに見える。
そんな性格の人のことを英語ではこう言います。
extrovert
普通な人
「そんなパリピってわけじゃないけど人と話すの好きだしな…人見知りしないし。」
「でも家でひとりでゴロゴロするのも好きかも。一人旅とかも楽しかったし。」
そんなどっちつかずな性格の人のことを英語ではこう言います。
ambivert
人間不信症
「この世で一番怖いのは人間だよ」
「人間なんてみんな嘘つきで自分勝手で、信用できる人なんていないんだ。」
こんな病的な信条を持った人のことを英語ではこう言います。
misanthrope
女性恐怖症
「女ってのは怖いね。僕に気のある素振りを見せていたのに、他の男と付き合っていたんだ」
「女ってのは信用できないね。彼氏がいるのに平気でホテルまでついてきたよ」
「女ってのは恐ろしいね。ひとりに知られたら次の日には会社中に広まってるよ」
こんな風に女性を信じられなくなってしまった人のことを男に限らず英語ではこう言います。
misogynist
独身貴族
「結婚ってっ結局は経済的な契約に過ぎないよね」
「法的なしがらみに囚われるの、嫌じゃない?」
「本当に愛し合っていれば法的な手続きなんて必要ないのよ」
「結婚してないから私たちの友情は嘘だって言うの?」
こんな性格の人のことを英語ではこう言います。
misogamist
修行僧
現代の人類はあまりに強欲です。米、小麦、じゃがいもをありったけ栽培して、家畜を殺生し、アルコールを流し込んで肥え太っている。
果たしてそれが人生と呼べるのでしょうか?
もっと健康的な食事をして、精神を研ぎ澄ませ、鼓動を感じ取る。
そのほうが生きてるって実感するんだよね。
そんな性格の人のことを英語ではこう言います。
ascetic
語源を学んで関連語も一緒に覚えよう
ego: I
egoはラテン語の一人称代名詞、つまり「私」のことです。
egoistにとって最も大事なトピックであり、またegotistの発する内容に頻繁に登場する語でもあります。
これは語呂なんですが、tをtalkのtだと思っておく覚えやすいです。
ego(私)についてt(talk)するからegotist。
さて、egoistについて自分第一主義と訳しましたが、日本語でもっと一般的に使われるのは「自己中」ですよね。自己中心的な人。
自己中にはもっとぴったりな英語があります。
egocentric
egoがcenterにある。そのまんまですね。これは名詞でも形容詞でもあります。
そして英語にはさらにこれの上位互換となる単語があります。
egomaniac
ego(私)のmania(マニア)です。もう自分に執着しちゃってどうしようもないやつのことです。
これは名詞なので形容詞としてつかいたいときは-alを付加して、
egomaniacal
とします。が、あまり見ませんしmaniacが形容詞として使われているので-alなしでも通じるでしょう。
alter: others
alterはラテン語でotherの意味です。非常に多くの英単語にalter-とついていますよね。
- altruist
- altruism
- alternate
- alternative
などなど。
日本語でも最後のオルタナティブがカタカナ英語として定着しています。代用とか代替品という意味で使われています。
比較的使用頻度の低いものとしては、
alteration
もあります。文字通り、「他のものにする」といった意味合いです。
これと似たスペルのものに、
altercation
がありますが全然意味が違くて、これは「意見が噛み合わない相手とめっちゃ喧嘩する」という意味です。
「言い争う」という意味の英単語には、
dispute
quarrel
もありますが、altercationはそれよりもずっと激しく、殴り合いも辞さないほど激しい対立、といったニュアンスです。
ego=Iとalter=otherを学んできましたが、これらを単純に組み合わせた英熟語があります。
alter-ego
他人を自分みたいにする、といった意味合いです。ハイフンは書かないことも多いです。
verto: to turn
陰キャ・陽キャの英単語に共通していたのは-vertの部分ですね。
これはturnを意味するラテン語のvertoから来ています。
内側に(intro)向く(verto)からintrovert。
外側に(extro)向く(verto)からextrovert。
ambi: both
どっちつかずな人のことはambivertと言いました。
ambi-はboth(両方)を意味するラテン語です。
ambi-がつくかっこいい単語を紹介しておきましょう。
ambidextrous
これは「両利きの」という意味の形容詞です。
名詞にするときは、
ambidexterity
というスペリングになり、TとRの間にEが挿入されるので注意しましょう。
この辺はアクセントの位置の問題でEの部分がちゃんと発音されたりされなかったりという差異があり、結果Eの有無があります。
dexter: right hand, skillful
ambidextrousという単語を覚えましたが、後ろについているdexterはラテン語でright hand、右手という意味です。
人類は右利きの人が多いので、それが転じてskillfulという意味合いで使われています。
両方とも(ambi)よく機能する(dexter)でambidextrousというわけですね。
なので、接頭辞のambi-がなければ普通に、
dexterous
でskillful、技巧的、上手く使えるという意味になります。アクセントの問題でこちらはTとRの間のEが残っています。
名詞形にすれば、
dexterity
となり、単に「技術」といった意味合いです。
ちなみにラテン語でleft hand(左手)は
sinister
と言い、英語にも借用されていますが、意味は「変な奴」という意味で使われています。
普通は右利きだから左利きの人は「変な奴」扱いされるのですね。かわいそう。
gauche: left hand, clumsy
英語はラテン語からの借用も多いですが、ノルマンコンクエスト(フランス人がブリテン島を統治した出来事)の影響でフランス語からの借用も多いです。
そしてleft hand的な意味ではラテン語のsinisterよりもフランス語の
gauche
のほうがよく使われます。
*ガウチェじゃなくてフランス語っぽく「ゴーシュ」と読みます。
意味合いはsinisterよりも酷くて、「ダセェ奴」くらいの悪口です。
利き手じゃないほうの手でやってるくらい、何やっても下手くそでおぼつかないからですね。左利き人権なさすぎ…
そしてそんなgaucheな人が何かしている様や事物を、
gaucherie
と言います。読みは「ゴーシェリー」です。
adroit: dexterous
さあ、ラテン語で右手はdexter、左手はsinister。フランス語で左手はgauche。じゃあフランス語で右手は?
ということで、フランス語で右手はdroit(ドロワ)です。
そして英語では、
adroit
という形で借用されています。こちらの読みは英語式で「アドロイト」です。*アドロワじゃないです。
意味はdexterとほとんど同じで、利き手でやってるみたいになんでも上手くやれるという意味ですが、実際の手先がどうとかよりも、「賢い」くらいの意味合いで比喩的に言われます。
あと、頭についているa-はonが変化したものです。
misein: to hate
「○○嫌い」という英単語にたいていついているのがこのmiseinというギリシャ語由来の接頭辞。
anthropos: mankind
上のmiseinと組み合わさってmis(嫌い)anthrope(人間)ということでした。
逆に性善説を信じているような、募金とかボランティア活動とかやりまくるタイプの人のことを、
philanthropist
と言います。
また、人間について研究する
anthropology
という学問があります。
gyne: woman
日本語でも「ミソジニー」として一部の人が使っているでしょうか。
miseinと組み合わさって「女性嫌い」ということでした。
女性特有の病気に特化した医者や研究者などのことは
gynecologist
と呼びます。
gamos: marriage
これは日本語では見かけませんね。miseinと組み合わさって「結婚嫌い」ということでした。
ギリシャ語由来の数字の接頭辞である、
- mono-: one
- bi-: two
- poly-: many
と組み合わさることでそれぞれ、
- monogamy: 一夫一妻
- bigamy: 重婚
- polygamy: 一夫多妻
といった意味になります。
特に一夫多妻では、gamos(結婚)よりもgyne(女性)のほうを使って、
polygyny
とも言います。
では多夫一妻はというと、男性を表すギリシャ語由来の接頭辞androsを使って、
polyandry
と言います。チベットあたりで続いている珍しい形態です。
asceticus, asketes: exercise
asceticusはラテン語で、asketesはギリシャ語由来です。
asceticという単語自体はギリシャ語由来なのですが、スペルはKでなくCになっていますね。
英語ではCをカ行で読んだりサ行で読んだりしますが、多くのカ行読みのCはある時期にKに置き換えられた歴史があります。
asceticは日々節制をして禁欲的な生活をしているような人を指し、そのような生活様式を嗜好する思想のことは
asceticism
と言います。
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