anのnをとってaになった話

「母音で始まる単語のときはaにnを付けてanします」
これは中学1年生で習うことですね。

しかし本当は元々anが存在し、母音以外で始まる単語のときにnを外してaに省略しているのです。

これは英語好きな人なら知っている有名な話ですが、当サイトの基本スタンスにも関わる話ですので、ご存知ない方向けにaとanを説明しながら英語教育と絡めてお話していきます。

one→an→a

英語を習い始めたときにこのaとかtheってなんなのか、冠詞ってなんで必要なのか、日本語に訳すとなんと言うのか、誰もが頭を悩ませるところです。

しかし先生はとりあえずこう答えてくれていたはずです。
「aは”ひとつの”」
もうこれに全て凝縮されているでしょう。(本意を意図してはいないと思うが)

元々数字の1を表す語が使われており、意味が拡大して「ある(ひとつの)」といったニュアンスとなり不定冠詞として定着してきたわけですね。

その過程で「弱化」という現象が起こりoneはanへと姿を変えました。

そして子音で始まる語はnが聞こえない&発音しづらいので脱落してaになり、割合的に子音で始まる語が多いので「不定冠詞といえばa」と考えられるようになりました。(「aとtheの使い分け!」とかよく見かけますよね)

 

ね、これを聞くともうどう考えても元がanだったとしか思えないでしょう?

英語教員は間違っているのか?

でもだからといって、中学校の英語教員もそう教えるべきだとは私は思いません。

なぜなら普通の中学生は英語に興味が無いからですね笑

英語に興味が無くて、そもそも外国語を初めて学ぶ人が「不定冠詞」とか「脱落」とか「昔はoneでした」とか、「元はanだけどほとんど子音で始まるのでaが多いです」とか、そんな授業聞くわけありません。

授業を聞かなければ、その生徒は落ちこぼれてしまうでしょう。

目的に合わせて最適な手段を選ぶ

学校、しかも義務教育でのとりあえずの役目は「aを使うべきところでaを使ってanも然り」を習得させることです。

であれば、

「いつもはaを使うけど、あいうえおで始まる時はnを足してanを使うよ!」

と教えた方がみんな聞いてくれて、義務教育の役目を果たせる確率が高いでしょう。

 

そして例えば

「せんせー、なんでtとかsじゃなくてnを付けるんですか?」

と聞いてきた子がいれば、その子は興味を持っているので、
「実は英語の古文ではoneだったんだよ」とでも答えればとってもいい英語の先生です。

当サイトのスタンス

当サイトでは今回のような「学校ではこう習うけど本当の仕組みは…」といったような話題を多く扱います。

しかし、必ずしもその…の部分が100%正確なわけではありません。

本当の仕組みはと言いつつ、視点によっては「あいうえおで始まる時はnを付け足す」ような説明していることもあります。

「外国語を楽に覚えて人生を楽しみたい」という読者さんの思いに応えるのが、当サイトの役目だからですね。

その範疇を超えた正確な説明は、ちょうど英語に興味の無い中学生にoneの話をしてしまうのと同じだと考えています。

言語学科の学生が使うテキストを少し易しくした程度の説明を心がけているので、書店で手前に置かれているとっつきやすそうな本や大手メディアよりは断然正確なはずですが、その点ご了承ください。

まとめ

結局のところ、語学に限らず興味関心がガソリンになるので、楽しけりゃなんでもいいのです。

そして語学においてはただ暗記術とかだけに頼るよりは、言語の歴史、実際の生活風景についても触れながら覚えた方が楽しいです。

なのでそういったコンテンツを増やすことで「外国語を楽に覚えて人生を楽しむ」という読者さんの目標達成をサポートしていきたい所存でございます。

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