タイドラマ・映画で学ぶタイ語:おすすめ作品と学習法

タイドラマや映画は、教材では手に入らない「生の会話・感情表現・文化」を一気に吸収できる最高のタイ語学習素材です。

この記事では、筆者が繰り返し見てきた作品を中心に、ジャンル別に具体的なタイトルを挙げてご紹介します。

ラブコメ・青春ドラマ:初級〜中級に最適

日常会話と若者言葉の宝庫で、恋愛系は感情表現のバリエーションが豊富です。

2gether: The Series(2020年/GMMTV)

「2gether」はGMMTV制作のBL青春ドラマで、大学生のSarawat(Bright Vachirawit)とTine(Win Metawin)の恋模様を描きます。

キャンパス会話・友人同士のスラング・告白シーンが詰まっており、若者のリアルなタイ語に触れられます。

続編「Still 2gether」も同年に放送されました。

F4 Thailand: Boys Over Flowers หัวใจรักสี่ดวงดาว(2021年/GMMTV)

日本の漫画「花より男子」のタイ版リメイクで、Bright、Win、Dew、Nani扮するF4が人気を集めました。

恋愛表現のほか、学校・家族・階級に関わる語彙が学べます。

Hormones วัยว้าวุ่น(2013年〜/GMM)

タイの10代のリアルな高校生活を描いた先駆的作品で、シーズン3まで制作されました。

ティーンのスラングが自然に身に付くので、若者と話したい学習者に特におすすめです。

歴史・時代劇:中上級の語彙強化に

Bupphesanniwat บุพเพสันนิวาส(2018年/Ch3)

邦題「運命のふたり」で、現代の女性がアユタヤ時代にタイムスリップするタイで社会現象となった大ヒット時代劇です。

主演はRanee Campen(Bella)とThanavat Vatthanaputi(Pope)。

古語と現代語が混在するので、単語力が一気に拡張されます。

続編「Phrom Likhit พรหมลิขิต」(2023年)も放送されました。

The Sixth Sense สื่อรักสัมผัสหัวใจ系の時代ミニ作品

Ch3制作のレトロ衣装ドラマは毎年数本制作されており、バンコクの書店「B2S」や「Asia Books」で脚本集やガイドブックも販売されています。

スリラー・サスペンス映画

Bad Genius ฉลาดเกมส์โกง(2017年)

Nattawut Poonpiriya監督による、国際カンニング事件を題材にしたスリラーです。

主演のChutimon Chuengcharoensukying(Aokbab)は本作でアジア各国の映画賞を受賞しました。

セリフのテンポが速く、試験・教育・金銭をめぐる語彙が大量に出てくるので、中級後半から上級のリスニング教材として最適です。

The Medium ร่างทรง(2021年)

Banjong Pisanthanakun監督、韓国のNa Hong-jin製作総指揮によるモキュメンタリーホラーです。

タイ東北部イサーン地方のシャーマン文化を描き、イサーン訛りやタイ東北方言が聞けるのも貴重です。

Shutter ชัตเตอร์ กดติดวิญญาณ(2004年)

タイホラー映画の金字塔で、Banjong PisanthanakunとParkpoom Wongpoomの共同監督作品です。

日常の口語表現が多く、中級者がホラーを通じて生きたタイ語を学ぶのに向いています。

コメディとアクション

Pee Mak พี่มาก..พระโขนง(2013年)

GTH制作のホラーコメディ映画で、タイで歴代興行収入1位を長く保っていた国民的ヒット作です。

主演はMario MaurerとDavika Hoorne(Mai)で、タイの有名な幽霊伝説Mae Nak Phra Khanongを題材にしています。

タイの笑いのツボや古くからの慣用句がたっぷり学べます。

Tony Jaa作品:Ong-Bak องค์บาก(2003年)

ムエタイアクションスターTony Jaa主演の代表作で、シリーズ化されています。

セリフは少なめですが、タイ東北地方の村落文化と伝統的な価値観を知る入り口として有益です。

Netflix・LINE TVで見られる作品

Girl from Nowhere เด็กใหม่(2018年〜/Netflix)

Netflix制作の初のオリジナルタイドラマで、Chicha Amatayakul(Kitty)演じる謎の転校生が学校の闇を暴くダークな作品です。

世界190カ国で配信された国際的ヒットで、学校・社会問題に関わる現代的な語彙が学べます。

I Told Sunset About You แปลรักฉันด้วยใจเธอ(2020年/LINE TV)

南部プーケットを舞台にした青春BLで、Naravit Lertratkosum(Billkin)とPutthipong Assaratanakul(PP Krit)が主演です。

南部方言と標準語の違いが聞ける貴重な作品でもあります。

タイ作品を見られる配信サービス

Netflixには「Bad Genius」「Girl from Nowhere」「The Medium」など多くのタイ作品が揃っています。

Amazon Prime VideoやiQIYIにもGMMTVのドラマが順次配信されています。

LINE TVはタイ向けサービスですが、VPNを使わなくても一部の公式YouTube配信で本編を無料視聴できます。

GMMTV OFFICIALのYouTubeチャンネルでは「2gether」など過去作の本編を公式に公開していることもあるので、まずは無料で試してみてください。

ドラマ視聴を学習に変えるコツ

ただ見るだけではタイ語は伸びません。

筆者は「1話につき覚える表現は3つだけ」と決めています。

例えば「2gether」の第1話なら、告白シーンのตกลงนะ?(決まりね?)、เอาน่า(まあいいじゃん)、อย่าคิดมาก(考えすぎないで)の3つをノートに書くイメージです。

字幕はタイ語→英語→日本語の順で切り替えながら、同じ場面を3回見直すと記憶が定着します。

作品選びの指針:レベル別おすすめ順

初心者の方には、まず台詞がゆっくりで字幕が充実している「2gether: The Series」から始めることをおすすめします。

大学生同士の日常会話が中心で、家族会話や専門用語がほとんど出てこないため、リスニングのハードルが低いです。

2作目として「Hormones วัยว้าวุ่น」を選ぶと、若者のリアルなスラングに一気に慣れることができます。

中級レベルに達した方は「Bupphesanniwat(運命のふたり)」に挑戦してみてください。

現代語と古語が入り混じっているので最初は戸惑いますが、字幕で意味を確認しながら見ることで語彙が爆発的に広がります。

さらに上を目指す方は「Bad Genius」や「Girl from Nowhere」のような社会派作品で、抽象的な議論に使う語彙を増やしていくのが効率的です。

俳優・制作会社で作品を探す

GMMTVの看板俳優

GMMTVはBright Vachirawit(ブライト)、Win Metawin(ウィン)、Dew Jirawat(デュー)、Nani Hirunkit(ナニ)などの若手スターを多数抱えています。

お気に入りの俳優が見つかったら、その俳優が出演している他の作品を追いかけることで、自然と視聴本数が増えていきます。

Ch3とCh7の大衆ドラマ

Ch3(チャンネル3)とCh7(チャンネル7)はタイの2大民放で、夕方〜夜のゴールデンタイムに「ラコーン」と呼ばれる大衆向けドラマを毎日放送しています。

こうしたラコーンは中流家庭の日常会話や親戚同士のやり取りが豊富で、教科書にはない生活語彙の宝庫です。

Ch3のYouTube公式チャンネル「Ch3Thailand」とCh7の「Ch7HD」で過去回の一部が無料公開されています。

映画監督から探す

Nattawut Poonpiriya(「Bad Genius」)、Banjong Pisanthanakun(「Shutter」「Pee Mak」「The Medium」)、Apichatpong Weerasethakul(「Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives」2010年カンヌ・パルムドール受賞)の3名は、タイ映画を代表する監督なので、作家で追いかけると作品の幅が広がります。

サブスク以外の視聴方法

Netflix、Amazon Prime Video、iQIYIのほかに、WeTVとViuもGMMTV作品を多く扱っています。

どちらもタイ発のサービスで、無料会員でも一部のエピソードが視聴可能です。

また、YouTubeの公式チャンネル「GMMTV OFFICIAL」「Ch3Thailand」「Ch7HD」では予告編やハイライト、バラエティ派生番組が無料で見られるので、まずはそこから入るのが経済的です。

地方言語が聞ける作品

タイ語学習者にとってもう一歩進んだ楽しみが「方言」に触れることです。

先述の「The Medium」ではイサーン方言の呪文と日常会話が聞けます。

「I Told Sunset About You」ではプーケットの南部方言が随所に登場します。

Ch7で放送された「Nakee นาคี」シリーズは東北地方の神話をベースにしており、イサーン訛りが効果的に使われています。

標準バンコクタイ語にある程度慣れてきたら、こうした地方色のある作品で「同じタイ語でも聞こえ方が違う」体験をしてみてください。

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