ポルトガル語圏といえばサッカーで、本国とブラジルの両方が世界トップクラスの文化を持ちます。
この記事では試合中継、ファン同士の雑談、スタジアムで飛び交うサッカースラングを整理します。
筆者は Benfica と Flamengo の両方のファンイベントに参加した経験があります。
ポルトガル本国のサッカー用語
三強クラブ
SL Benfica 1904年2月28日 Lisboa 創立、FC Porto 1893年9月28日 創立、Sporting CP 1906年7月1日 Lisboa 創立 がポルトガルリーグの三強です。
ファンの愛称は順に encarnados(赤)、dragões(ドラゴン)、leões(ライオン)です。
それぞれ歴代選手の愛称とセットで語られます。
実況で頻出する語彙
Golo は「ゴール」で、本国の実況は「Golooo!」と伸ばして叫びます。
ブラジルは Gol と綴ります。
Penálti(ペナルティ)、Livre(フリーキック)、Canto(コーナーキック)など本国独自の綴りが多数あります。
応援の決まり文句
Força(がんばれ)、Aos Leões(ライオンたちへ)といった応援歌が定番です。
Estádio da Luz 2003年10月25日開場 Lisboa は Benfica の本拠地で、65000人収容の大スタジアムです。
Estádio do Dragão 2003年11月16日開場 Porto は FC Porto の本拠地です。
ブラジルのサッカー用語
主要クラブ
Flamengo 1895年11月17日 Rio 創立、Corinthians 1910年9月1日 SP 創立、Palmeiras 1914年8月26日 SP 創立、São Paulo FC 1930年 SP 創立、Santos FC 1912年 Santos 創立 がブラジル屈指の名門です。
Pelé 1940-2022 は Santos FC 所属で Rei do Futebol(サッカー王)と呼ばれました。
ファンの愛称
Flamengo は rubro-negro(赤黒)、Corinthians は timão(大きなチーム)、Palmeiras は porco(豚)と自称します。
porco は侮辱から始まった愛称ですが、ファンが逆手に取り誇りに変えた例として有名です。
ブラジルの実況用語
Gol の後には「Gooool do 選手名!」と選手名を長く伸ばして叫びます。
Galvão Bueno 1950年生まれ Rede Globo の名物実況者 の独特な節回しはブラジル中で親しまれています。
Pênalti、Falta、Escanteio(コーナーキック)などブラジル綴りがあります。
応援歌と文化
Maracanã 1950年6月16日開場 Rio は78838人収容の伝説の聖地です。
Allianz Parque 2014年11月19日開場 SP は Palmeiras の本拠地で43713人収容です。
Neo Química Arena 2014年5月10日開場 SP は Corinthians の本拠地です。
両国共通のサッカースラング
Chuta!
Chuta! は「蹴れ!」の命令形で、観客がチャンスに叫びます。
試合終盤になるほど頻度が上がります。
Árbitro ladrão!
Árbitro ladrão! は「審判は泥棒!」で、微妙な判定に対する抗議です。
両国のスタジアムで耳にする鉄板のブーイングです。
Frango
Frango は「鶏」の意味ですが、サッカー用語ではゴールキーパーの凡ミスを指します。
GKがボールを弾くミスをすると「Que frango!」とヤジが飛びます。
選手の愛称と呼び方
本国の名選手
Cristiano Ronaldo 1985年2月5日 Funchal Madeira 生まれ は CR7 が愛称で、世界的なスターです。
Luís Figo 1972年11月4日 Almada 生まれ は1990-2000年代を代表する MVP です。
Eusébio 1942-2014 Lourenço Marques(現Maputo)出身 はO Rei(王様)と呼ばれた伝説です。
ブラジルの名選手
Neymar 1992年2月5日 Mogi das Cruzes SP 生まれ は通称 Ney で、Santos FC から世界へ飛び立ちました。
Ronaldinho 1980年3月21日 Porto Alegre 生まれ は Dentuço(歯の目立つ子)の愛称で親しまれました。
Zico 1953年3月3日 Rio 生まれ は Galinho de Quintino(キンティーノの小さな鶏)と呼ばれた伝説の10番です。
ワールドカップと国民的文化
ブラジル代表
Seleção Brasileira は1958年、1962年、1970年、1994年、2002年の5度W杯優勝しています。
黄色のユニフォームは canarinho(小さなカナリア)の愛称で呼ばれます。
ポルトガル代表
Seleção das Quinas は2016年フランス大会で初のEURO優勝を飾りました。
2019年 UEFA Nations League でも優勝し、近年の黄金期を迎えています。
ダービー文化
本国の Clássico は Benfica vs FC Porto、ブラジルの Dérbi Paulista は Palmeiras vs Corinthians が代表的です。
試合前から街全体が色分けされ、カフェでも話題がサッカー一色になります。
筆者のスタジアム体験
筆者は2018年に Estádio da Luz で Benfica vs Sporting の Derby da Segunda Circular を観戦しました。
前半の早い時間に Benfica が Golo を決めた瞬間、隣席の60代の紳士が筆者を抱きしめてきて、言葉の壁を一気に越えた気がしました。
その後覚えた「Força Benfica!」を繰り返し叫んだのが、今でも最高の思い出です。
サッカー中継で学ぶ教材
本国の放送局
RTP1 1957年3月7日 開局 は国営放送で、代表戦を無料中継します。
Sport TV 1998年9月25日 開局 は有料放送で、クラブ戦を多く配信しています。
ブラジルの放送局
Globo 1965年4月26日 Rio 開局 は Galvão Bueno の実況で知られるメイン放送局です。
SporTV 1991 は有料チャンネルで、クラブ戦と戦術分析番組を配信しています。
ポッドキャストと YouTube
Cartola Podcast は Fantasy リーグ Cartola FC 2006 Globo 発 を扱う番組で、選手名と戦術用語が頻出します。
筆者はこれを毎週聞いて、ブラジルサッカー用語を自然に吸収できました。
試合雑談フレーズ
試合前
Para quem é o jogo?(誰の試合?)と聞くと、会話がサッカー一色になります。
Aposto que vamos ganhar(勝てると思う)もファン同士の鉄板フレーズです。
試合後
Mereceram ganhar(勝つに値した)、Foi injusto(不公平だった)、Árbitro estragou tudo(審判が台無しにした)などが典型です。
勝ち負け問わず感情を言葉にするのがサッカーファンの流儀です。
サッカースラングまとめ
Golo と Gol、Frango と Perna de pau、Força と Vamos、といった言葉を押さえればファン同士の会話に入りやすくなります。
スタジアムで一緒に叫ぶのがいちばんの学習法です。
読者のみなさんも、好きなクラブを一つ決めて、その試合を字幕付きで観るところから始めてみてください。
次の大会が待ち遠しくなるはずです。
番外編 女子サッカーの盛り上がり
Marta Vieira da Silva 1986年2月19日 Dois Riachos AL 出身 は6度のFIFA年間最優秀選手に選ばれたブラジル女子サッカーの象徴です。
2023年 FIFA 女子W杯 オーストラリア・ニュージーランド大会 にブラジル代表として出場し、世界中から注目されました。
本国では Jéssica Silva 1994年生まれ が代表の主力として活躍し、Estádio Nacional 1944年 Oeiras で行われる代表戦が徐々に満員に近づいています。
サッカー以外のスポーツスラング
Futsal(フットサル)は本国・ブラジル双方で盛んで、Ricardinho 1985年生まれ Olhão 出身 は世界最優秀フットサル選手を6度受賞しました。
ビーチサッカーも両国で競技人口が多く、Copacabana や Algarve でビーチ大会が毎夏開催されます。
サーフィンは Peniche(本国)と Florianópolis(ブラジル)が聖地として知られ、それぞれ独自のスラングを持ちます。
Futebol de salão の歴史は1930年代ウルグアイに遡り、ブラジルで独自進化しました。
両国のサッカー文化を知ると、街角の雑談にもすっと入れます。
筆者はリスボンの Café A Brasileira でベンフィカ戦を観戦し、常連客から「encarnados」という愛称の語源を教わりました。


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