congiuntivoは話し手の主観の時制
私はミラノ留学中、最も苦しんだ文法項目が接続法congiuntivoでした。
イタリア語の接続法は「願望・疑い・感情・判断・必要」を表す主節に続くche節で必須となります。
Penso che sia bello|「美しいと思う」のように、客観事実ではなく話し手の認識を示します。
客観事実ならSo che è bello(直説法)になります。
この記事ではZanichelli社の文法書とCorriere della Seraの社説で覚える方法を整理します。
congiuntivo presente|接続法現在
parli/parli/parli/parliamo/parliate/parlinoが第1活用の標準形です。
第2・3活用はparta/dorma型、不規則動詞はsia/abbia/vada/faccia/diaなどを丸暗記します。
主節の動詞はpenso che/credo che/spero che/voglio che/è necessario cheなどが代表格です。
Spero che tu venga a Roma a maggio|「5月にローマに来てくれることを願う」が典型例です。
Voglio che tu mi diaのように、目的語節でも頻出します。
私は最初vengaとvieneを混同し、ミラノの先生からSe non usi il congiuntivo, sembri un turista vecchio stileと厳しく叱られました。
congiuntivo passato|接続法過去
abbia/sia+過去分詞で作る複合時制です。
Penso che sia arrivato ieri sera con il Frecciarossaは「昨夜到着したと思う」を意味します。
主節が現在形で従属節が過去なら、ほぼ自動的にcongiuntivo passatoになります。
essereをとる動詞では性数一致が必須で、Penso che Maria sia tornata a Bolognaのように-aで一致します。
congiuntivo imperfetto|接続法半過去
parlassi/parlassi/parlasse/parlassimo/parlaste/parlasseroが基本形です。
仮定文とSe+接続法半過去のセットで覚えるのが王道です。
Se avessi tempo, andrei a Firenze a vedere gli Uffizi|「時間があったら、フィレンツェのウフィツィに行くのに」のように、現在の事実に反する仮定を表します。
主節の動詞が過去形ならVolevo che tu venissi a casa miaのように半過去で時制一致します。
私はZanichelli文法書のSe節章を3回繰り返し、ミラノBocconi大学の演習で叩き込みました。
congiuntivo trapassato|接続法大過去
avessi/fossi+過去分詞で作ります。
Se fossi arrivato in tempo, avrei preso il Frecciarossa per Roma|「時間通りに着いていたら、ローマ行きフレッチャに乗れたのに」が典型例です。
過去の事実に反する仮定で必須となります。
Corriere della Seraの社説Editorialeで日常的に登場する時制で、私は毎朝1本読んで時制感覚を養いました。
主節動詞のリスト
意見|penso che, credo che, ritengo che, suppongo che
感情|sono felice che, mi dispiace che, ho paura che
願望|spero che, desidero che, vorrei che
必要・命令|è necessario che, bisogna che, voglio che
疑い|dubito che, non sono sicuro che
このリストはGrammatica italiana di base(Marcello Sensini, Zanichelli)の付録から抜粋した自分用ノートです。
時制一致のルール
主節の動詞時制によって、che節の接続法時制が決まります。
主節が現在形ならche節は接続法現在または過去です。
主節が過去形(近過去・半過去・遠過去・大過去)ならche節は接続法半過去または大過去になります。
Pensavo che fossi a Veneziaは「ヴェネツィアにいると思っていた」、Penso che tu sia a Veneziaは「いると思う」と現在形対応します。
この時制スライドを叩き込むのに、私はNuovo Espresso 4(Alma Edizioni、フィレンツェ)の演習問題を3周しました。
接続法か直説法か迷ったときの判断
主節動詞が確信を示すならsoや è certo che で直説法を使います。
主節動詞が主観を示すなら接続法です。
否定形になると話者の主観性が強まり、接続法に切り替わる動詞があります。
例えばDico che sei intelligente(直説法)に対しNon dico che tu sia intelligente(接続法)となります。
この感覚はLa Repubblicaの社説3か月分を読むことで身につきました。
口語での接続法回避
北部の若者言葉では接続法を避け、直説法で済ませる傾向が強まっています。
ミラノBocconi大学の20代友人はPenso che è belloと言ってしまい、教授に叱られていました。
しかしフィレンツェやローマの教養層は依然として接続法を厳格に使います。
RAI Radio 3のアナウンサー Sergio Ferrentinoの発音と用法を聞き続ければ、自然に正しい接続法が身につきます。
Corriere della Sera見出しで実例採取
新聞見出しは紙幅節約のため接続法が頻出します。
「Si teme che il prezzo del gas aumenti」|「ガス価格が上がることが懸念されている」のような構造です。
「Chiede che il governo intervenga」|「政府の介入を要請」も典型例です。
私は1か月毎日3本ずつ見出しを書き写し、接続法の主節動詞リストを自作しました。
この習慣でB2レベルでの接続法運用が安定しました。
イタリア人作家で接続法を浴びる
Italo CalvinoやElena Ferrante、Andrea Camilleriの小説は接続法の宝庫です。
Calvino『Le città invisibili』(Einaudi 1972年)の哲学的記述は接続法だらけです。
Ferrante『L’amica geniale』四部作(e/o出版)はナポリ弁混じりですが標準語の接続法も豊富です。
Camilleri『La forma dell’acqua』(Sellerio 1994年)のシチリア舞台でも接続法が効果的に使われます。
CILS試験と接続法
CILS試験(Università per Stranieri di Siena実施)ではB2以上で接続法運用が必須です。
作文で接続法を1度も使わない受験者は事実上不合格になります。
私はSiena大学のサイトから過去問をダウンロードし、模範解答の接続法箇所をマーカーで塗りつぶしました。
この訓練でCILS B2を一発で取得できました。
毎日5分でできる接続法ドリル
朝起きたらSpero che oggi+接続法を1文作ります。
昼にÈ necessario che io+接続法を1文書きます。
夜寝る前にPensavo che ieri+接続法半過去を1文書きます。
これを30日続けると、6つの接続法時制すべてが手に染み込みます。
私はミラノ滞在中、A5サイズのMoleskineノートに毎日3文書き続けました。
結論
接続法は単なる文法項目ではなく、イタリア人らしさを示す指標です。
正しく使えれば「教養あるイタリア語話者」と見なされ、ローマでもミラノでも会話の質が変わります。
Zanichelli文法書とCorriere della Sera社説、CILS過去問の3点セットで半年あれば中級話者として通用するレベルに到達できます。
接続法を間違えると起きる誤解
Sembra che è arrivato(誤)と言うとイタリア人は一瞬固まります。
Sembra che sia arrivato(正)が正しい形で、教養レベルが瞬時に判定されます。
私はミラノで初めての商談中にこのミスを犯し、相手の重役 Riccardo Conti の表情が曇ったのを今でも覚えています。
その夜帰宅してSensini文法書の接続法章を最初から読み直しました。
音楽で耳から覚える
Lucio Battisti「Acqua azzurra, acqua chiara」やFabrizio De André「La canzone di Marinella」には接続法が散りばめられています。
De Andréの「Bocca di rosa」は仮定法表現の練習に最適です。
私はSpotifyのプレイリスト「Cantautori italiani anni 70」を毎日通学路で繰り返し聞きました。


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