ポルトガル語学習アプリは数が多く、どれをメインに据えるかで悩みがちです。
筆者は通勤中にスマホ一台で学べる環境を作りたくて、10 本以上試してきました。
今回はその中から、目的別に効いたものを実体験込みで紹介します。
総合学習アプリ
Duolingo
2011 年創業の Duolingo Inc. が提供するゲーム型アプリで、本社は Pittsburgh の 5 Shenley Pl にあります。
ポルトガル語はブラジル方言のみですが、無料で全レッスンが開放されている点は大きな強みです。
筆者は 300 日連続ログインを達成した時期があり、基礎語彙の定着に役立ちました。
Busuu
2008 年にマドリードで創業した Busuu Online S.L. は、現在ロンドンに本社を置いています。
本国とブラジル両方のポルトガル語コースがあり、Premium プランは月額 13.99 USD です。
文法解説の深さは Duolingo より上で、ネイティブによる作文添削機能がユニークです。
Mondly
2014 年にルーマニア Brașov で創業した ATi Studios のアプリで、現在は Pearson 傘下です。
1 日 5 分の短時間レッスンが軸で、音声認識による発音チェックが組み込まれています。
月額 9.99 USD から、年額買い切り 89.99 USD もあります。
単語特化アプリ
Anki
2006 年に Damien Elmes が開発した間隔反復学習アプリで、デスクトップは無料、iOS 版のみ 24.99 USD です。
他人が作成したデッキを読み込めるので、Top 5000 Portuguese Words や CAPLE 対策デッキなど即戦力が揃います。
筆者は自作デッキで映画のセリフを登録する運用にしており、記憶の定着が目に見えて速くなりました。
Memrise
2010 年にロンドン大学の研究者 Ed Cooke と Greg Detre が創業したアプリで、単語学習にゲーム要素を組み込んだ先駆けです。
本国方言コースには Lisboa の街中で収録した短い動画クリップが含まれており、リアルな発音に触れられます。
月額 8.49 USD の Pro プランで全機能が開放されます。
Quizlet
2005 年に当時 15 歳だった Andrew Sutherland がフランス語の勉強用に作ったフラッシュカードサービスです。
CAPLE や CELPE-Bras 向けの既存セットが豊富で、自作も手軽です。
Plus プランは月額 7.99 USD で、オフライン機能と画像アップロードが使えます。
リスニング特化
LingQ
2007 年にカナダで Steve Kaufmann が創業したアプリで、本人は 20 以上の言語を操るポリグロットとして有名です。
音声付きの読み物が数千本登録されており、未知語をタップして語彙として保存できます。
Premium は月額 12.99 USD、Premium Plus は 39.99 USD です。
FluentU
2011 年に創業した FluentFlix 社のアプリで、YouTube 動画を教材化したシステムが特徴です。
字幕の各単語をタップすると発音と例文が出てきて、視聴しながら語彙が拾えます。
月額 29.99 USD と高めですが、動画好きには刺さります。
会話練習アプリ
Tandem
2015 年にベルリンで Arnd Aschentrup らが創業した言語交換アプリで、世界 160 カ国以上のユーザーがいます。
ポルトガル語話者は数十万人単位で登録されており、チャット、音声通話、ビデオ通話が全て無料です。
筆者は Tandem でリオ出身のエンジニア Bruno と知り合い、半年ほど週 1 回の通話を続けていました。
HelloTalk
2012 年に香港で創業した言語交換アプリで、ユーザー数は Tandem より多いと言われています。
チャットの訂正機能と翻訳機能がネイティブの手間を減らすため、返事がもらいやすい印象です。
VIP は月額 6.99 USD で、入門者には無料版で十分です。
Speaky
2009 年創業のベルギー発アプリで、インターフェースが簡素な分使い勝手は軽快です。
完全無料で音声通話までこなせるのが強みです。
本国ポルトガル語話者の比率が他より高く、欧州方言狙いなら候補に入れたいところです。
発音特化
Forvo
2008 年にスペイン Bilbao で創業したネイティブ発音辞書で、ポルトガル語だけで 70 万語以上が収録されています。
単語ごとに本国とブラジルの音源が並んで聞けるので、方言差の確認に最適です。
無料で使えますが、API を使う場合は有料プランになります。
ELSA Speak
2015 年にシリコンバレーで創業した AI 発音矯正アプリで、英語特化ですが近年ポルトガル語にも対応しました。
月額 11.99 USD で、発話を波形とスコアで細かく分析してくれます。
辞書・翻訳アプリ
Priberam
1989 年にリスボンで創業した Priberam Informática 社が運営する本国ポルトガル語辞書です。
本社は Rua Alexandre Herculano 21 1250-009 Lisboa にあり、モバイルアプリ版も無料で提供されています。
新語や口語の収録が早く、本国方言の最新語を確認するときに筆者は必ず引きます。
Dicio.com.br
7Graus 社が運営するブラジル向け辞書サービスで、2009 年に開設されました。
ブラウザ版が主ですがスマホでも問題なく使えます。
例文の豊富さで定評があり、類語辞典モードも便利です。
Reverso Context
1998 年にパリで創業した Softissimo 社のアプリで、実際の文中で使われる対訳を検索できます。
ポルトガル語は本国とブラジル両方のコーパスが引け、翻訳のニュアンス確認に役立ちます。
Premium は年額 29.99 USD ですが、無料版でも十分実用的です。
筆者おすすめの組み合わせ
初級は Duolingo と Busuu で基礎を固め、Anki で語彙を定着させるのが王道です。
中級からは Tandem や HelloTalk でアウトプットを増やし、Priberam で精度を上げていくと伸びやすいです。
筆者は現在 Anki と Priberam と Practice Portuguese の 3 つを軸にしており、スマホのホーム画面 1 枚目に並べています。
毎日同じ画面から起動する習慣づけが続ける秘訣です。
続けるための工夫
通知を味方にする
多くのアプリは学習リマインダーを設定できますが、毎日同じ時間にすると通知慣れを起こします。
筆者は昼食後と寝る前の 2 回に散らし、それぞれ別アプリを開く運用にしています。
連続記録に縛られすぎない
Duolingo のストリークは便利ですが、途切れた瞬間にやる気を失う副作用もあります。
筆者は一度 400 日のストリークを断腸の思いで捨て、代わりに週単位の目標に切り替えました。
アウトプット日を決める
インプット中心のアプリだけだと話す筋力が育ちません。
週 1 回を Tandem や italki の会話デーに割り当てると、学んだ語彙が定着しやすくなります。
本国とブラジルの使い分け
本国方言は Memrise の動画クリップと Priberam 辞書が軸になります。
ブラジル方言は Duolingo と Dicio.com.br の相性が良いです。
両方を一つのアプリで賄うのは難しく、目的に合わせて 2 つ以上の組み合わせが現実的です。
価格帯別の推奨
完全無料で始めたい
Duolingo と Anki と Tandem と Forvo と Dicio.com.br を組み合わせれば、学費ゼロでも A2 程度までは十分到達できます。
筆者の知人はこの構成だけで半年間で Tandem の本国ユーザーと普通に雑談できるようになりました。
月 2000 円前後で本格派に
Busuu Premium か Memrise Pro を一つ契約し、Anki と組み合わせると費用対効果が高いです。
月額でちょうど 13 から 15 USD に収まるので、趣味の範囲として続けやすい価格帯です。
本気モード
Practice Portuguese 年額と italki 週 1 回を組み合わせ、Anki でサポートすると年間 500 USD 前後で B2 圏を狙えます。
筆者はこの構成で半年程度で Linguaskill Portuguese の B2 判定を取得しました。
筆者の乗り換え遍歴
最初は Rosetta Stone の買い切り版から入り、発音判定の厳しさに驚いた記憶があります。
次に Duolingo に切り替え、ゲーム性の楽しさで 1 年続きました。
B1 を超えたあたりから物足りなくなり、Practice Portuguese と italki の併用に移行しています。
レベルが上がるごとにアプリを入れ替えるのが伸びる近道です。
Anki のデッキ共有機能は派生サイト AnkiWeb でも無料で使えます。
同じ語彙を別形式で復習すると定着が加速します。


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