TOEIC Part6は、長文の空所に語句や一文を補う、リーディング中盤のパートです。
4セット16問と問題数は少なめですが、文法力と読解力の両方が問われる、Part5とPart7の橋渡し的な存在です。
「Part5のつもりで解くと文挿入で外す」「文脈を読む時間がなくて雑に選んでしまう」という悩みは、多くの学習者に共通します。
でも安心してください。単独で解ける問題と文脈が要る問題を見分けられれば、Part6は10分以内で安定して処理できます。
この記事では、Part6で点を落とす原因を一つずつ言葉にし、文挿入問題の攻略から教材の使い方まで、手取り足取り解説します。
この記事で分かること
- Part6でつまずく本当の原因と、文法力と文脈力の使い分け
- 最難関の文挿入問題を具体例つきで攻略する方法
- でる1000問・関正生・読解特急の「使い方」と4週間プラン
TOEIC Part6の基本をおさえる
まずは、Part6がどんなパートで、なぜ重要なのかを整理しましょう。
形式と問題数
Part6は、1つの文書につき4問の空所を埋める形式で、4セット・計16問です。メールや告知などの文書が題材になり、各セットに1問、文を選んで挿入する問題が含まれます。
設問の4タイプ
空所には、文法・語彙・接続表現・一文挿入の4タイプが混在します。タイプを見極めて、解き方を切り替えるのがポイントです。
時間配分の目安
目標は8〜10分で、1問あたり30〜40秒のペースが目安です。文挿入に時間を取られすぎないよう、先に単独問題を片付けます。
Part6でつまずく本当の理由
Part6で失点する人には、共通する3つの原因があります。
すべてPart5のように即決する
文脈を読まずに空所の前後だけで判断して、語彙問題や文挿入を落とすのが典型的な失敗です。タイプによっては、前後の文を読まないと決められません。
文挿入に時間を溶かす
最難関の文挿入問題に粘りすぎて、他の問題やPart7の時間を削ってしまいます。難しい文挿入は、後回しにする判断が必要です。
文書全体を精読してしまう
短い文書とはいえ、すべてを丁寧に訳していると時間が足りません。空所に関係する箇所を中心に、効率よく読む必要があります。
Part6は文法力と文脈力のハイブリッド
Part6は、Part5の文法力とPart7の読解力を合わせて問うパートです。
単独で解ける問題
品詞や時制の問題は、空所の前後だけで解ける場合が多くあります。これらはPart5と同じ要領で、文脈を読まずに即決します。
文脈が要る問題
語彙選択や時制の一部は、前後の文を読まないと決められません。空所単体で迷ったら、その段落の論理の流れを確認してください。
文挿入が最難関
一文を選んで入れる問題は、Part6で最も正答率が下がる型です。前後の文との論理的なつながりを読む必要があり、ここが得点差になります。
Part6の頻出パターンと解法
空所のタイプごとに、対処を変えます。
文法問題(Part5型)
品詞・態・主述一致は、空所の前後構造から機械的に判断します。文脈を読まず、Part5と同じ反射で即決してください。
語彙問題(文脈型)
似た意味の語が並ぶ語彙問題は、文脈に合うものを選びます。前文の内容を受けているかを、必ず確認してください。
接続表現の問題
「however」「therefore」などの接続副詞は、前後の論理関係で決まります。順接か逆接か、追加か結論かを見極めるのが鍵です。
文挿入問題
代名詞・指示語・接続副詞を手がかりに、前後とつながる一文を選びます。最も時間がかかるので、後回しにするのが基本です。
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文挿入問題の攻略
文挿入は、手がかりを3つに絞ると正答率が上がります。
代名詞・指示語をたどる
挿入文の「it」「this」「they」が何を指すかを、前の文から探します。指す対象が前にあれば、その位置に挿入するのが自然です。
接続副詞で論理をつなぐ
挿入文の冒頭が「However」なら前文と逆の内容、「Therefore」なら結論を導きます。冒頭の接続副詞は、前後関係を示す最大のヒントです。
時系列でつなぐ
「First」「Then」「Finally」のような時系列の語は、前後の順序の手がかりになります。流れに沿う位置に挿入してください。
頻出する接続副詞一覧
接続副詞は、論理の種類で整理すると覚えやすくなります。
順接・結論
「therefore」「as a result」「consequently」は、前文の結果を導きます。原因と結果がつながる箇所で使われます。
逆接・対比
「however」「nevertheless」「on the other hand」は、前文と逆の内容を示します。話の流れが変わる合図です。
追加・例示
「in addition」「moreover」「for example」は、情報を足したり例を挙げたりします。前文を補強する位置で使われます。
文脈判断のコツ
文脈が要る問題は、見る範囲を決めておくと速く正確に解けます。
前の文だけで足りるか見極める
語彙や代名詞は、直前の1文を読めば決まることが多くあります。まず前の1文を見て、足りなければ段落全体に範囲を広げてください。
時制は文書全体の時間軸で決める
過去の出来事の報告か、今後の予定の連絡かで、選ぶ時制が変わります。文書の冒頭で時間軸をつかんでおくと、時制問題で迷いません。
固有名詞と数字に印をつける
日付・金額・担当者名は設問の根拠になりやすいので、読みながら印をつけます。後で戻るときに、すぐ見つけられます。
Part6の解き方を具体例で確認
社内メールで「新システムの導入」を知らせる文書を想定し、解き方を追ってみましょう。
文法問題は即決
空所が品詞問題なら、前に冠詞があるかなどを見て、文脈を読まず即決します。Part5と同じ反射で処理してください。
接続副詞は前後で判断
前文が「これまで不便だった」で後文が「改善する」なら、逆接の「However」を選びます。論理の向きが分かれば一瞬です。
文挿入は指示語でつなぐ
「This change will take effect next month.」という挿入文なら、「This change」が変更内容を述べた段落の直後に入ると判断できます。指示語が指すものを前に探すのがコツです。
語彙問題は文脈で選ぶ
「新システムにより業務が( )になる」で efficient と difficult のどちらかなら、前後の前向きな文脈から efficient を選びます。語彙問題は、空所単体ではなく段落の流れで決めるのが鉄則です。
TOEIC Part6のおすすめ教材|役割で選ぶ
Part6は文法の土台を固めつつ、文脈読解の演習を重ねるのが王道です。
文法の土台を作る:でる1000問

アスク出版『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』(TEX加藤)は、Part5・6共通の文法力を固める定番です。品詞・時制を反射化すれば、Part6の文法問題も一瞬で解けます。
1,049問と多いので、苦手な問題にタグや付箋をつけてそこだけ周回するのがコツです。答えの位置を覚えるのではなく、「なぜその答えか」を説明できるかを基準にしてください。
理屈から理解する:関正生

KADOKAWA『世界一わかりやすいTOEICテストの英文法』(関正生)は、接続詞・接続副詞の使い分けを根本から理解させてくれます。文挿入や接続表現でつまずく人に、特に効きます。
468ページと分厚いので通読は不要で、苦手なテーマだけ開く辞書的な使い方が向いています。なぜhoweverとthereforeを使い分けるのか、といった疑問をその場で解消できます。
文脈読解に慣れる:読解特急
朝日新聞出版『読解特急』シリーズ(神崎正哉ほか)は、文書の論理を追う読解力を鍛えられ、文挿入の文脈判断にそのまま生きます。解説がコンパクトなので、サクサク数をこなせるのも魅力です。
まずはシングル中心の1冊目で「前後のつながりを読む」感覚を養ってください。これがPart6の文挿入とPart7の両方に効いてきます。
本番形式で仕上げる:公式問題集

国際ビジネスコミュニケーション協会『公式TOEIC Listening & Reading 問題集』で、本番の文書量と難易度に合わせます。解いた後は、文挿入を落とした理由(指示語か接続副詞か)を必ず振り返ってください。
教材選びは役割分担で
文法はでる1000問、理解は関正生、文脈は読解特急、と役割で分けると効率的です。何冊も薄く回すより、1冊ずつ完成させるのが近道です。
Part6を支える文法と語彙の土台
Part6のテクニックも、文法と語彙の土台があって初めて効きます。
Part5の文法を完成させる
でる1000問で品詞・時制を反射化しておくと、Part6の文法問題が一瞬で片付きます。土台があるほど、文脈問題に時間を回せます。
語彙の幅を広げる

金フレで語彙を固めると、語彙選択問題で「なんとなく」を減らせます。文脈に合う語を、自信を持って選べるようになります。
論理マーカーに敏感になる
but・so・because のような論理を示す語に普段から注目すると、接続表現と文挿入に強くなります。文章の流れを意識する習慣をつけてください。
Part6を伸ばす練習メニュー
文法と文脈を同時に鍛える反復が、Part6を安定させます。
文法問題の反射化
でる1000問で品詞・時制を反射化し、Part6の文法問題を一瞬で解けるようにします。これがPart6の時短の土台です。
接続副詞の整理
接続副詞を論理の種類でノートにまとめ、前後関係で選ぶ練習をします。一覧で覚えると、本番で迷いません。
文挿入の集中演習
文挿入問題だけを集めて解き、代名詞・接続副詞で位置を決める手順を固めます。型が決まれば、最難関も怖くありません。
Part6の解答順序と時間配分
解く順番を決めておくと、文挿入で時間を溶かさずに済みます。
単独問題を先に解く
品詞・語彙の単独問題を先に片付け、確実な得点を確保します。これだけで、1セットの大半は終わります。
文挿入は最後に回す
時間のかかる文挿入を後回しにし、1セット2分半を目安に進めます。1問に1分以上かかりそうなら、一旦保留してください。
短い文書は一度通読する
空所だけ見るのではなく、短い文書なので一度通して論理をつかみます。通読が、文脈問題と文挿入の精度を上げます。
Part6の4週間強化プラン
4週間でPart6を安定させる、現実的なプランです。
1週目:文法問題の即決
でる1000問で品詞・態の問題を反射化します。Part5と共通なので、まとめて鍛えましょう。
2週目:接続副詞の整理
接続副詞を論理の種類で覚え、前後関係で選ぶ練習をします。一覧を見ずに選べるまで反復してください。
3週目:文挿入の集中対策
代名詞・指示語・接続副詞を手がかりに、挿入位置を決める練習を重ねます。読解特急で文脈を読む力も補強します。
4週目:本番スピード
公式問題集で4セットを10分以内に処理する感覚を固めます。解答順序を守り、文挿入を後回しにする練習をしてください。
スコア帯別のPart6の目標
目標スコアによって、Part6で取るべき問題数が変わります。
600点なら10問前後
600点を狙うなら、文法問題を確実に取って10問前後を確保したいところです。難しい文挿入は、無理に取りにいかなくて構いません。
730点なら13問以上
730点には、文挿入と語彙問題にも対応して13問以上を目指します。接続副詞を固めると、ここが安定します。
860点以上なら15問以上
860点以上を狙うなら、文挿入まで取り切る精度が必要です。文脈判断を、ほぼ落とさない水準まで高めてください。
Part6でやりがちな失敗とリカバリー
多くの人がつまずくポイントを、先回りでつぶしておきましょう。
文脈を読まずに即決する
Part5の癖で全問を即決すると、語彙と文挿入を落とします。タイプを見分けて、文脈が要る問題は前後を読む切り替えが必要です。
文挿入に時間をかけすぎる
難しい文挿入は後回しにし、単独問題を先に確定するのが時短のコツです。1問に固執して、Part7の時間を削らないでください。
戻り読みが多い
各空所を一度で判断する意識を持つと、戻り読みが減って時短になります。文脈が要る問題だけ、前の文に戻って確認しましょう。
Part6でよくある誤解
伸び悩む人ほど、次の思い込みにとらわれがちです。
「Part6はPart5の延長」
文法問題は共通でも、文挿入と語彙は文脈読解が必要です。Part5の対策だけでは、半分しか取れません。
「全部の文を完璧に訳す」
短い文書でも全訳は時間の無駄で、空所まわりと論理の流れを押さえれば十分です。精読と速読を使い分けてください。
Part6対策がもたらす副次効果
Part6の学習は、前後のパートにも効きます。
Part5との相互強化
文法問題は共通なので、でる1000問の演習が両方の得点になります。Part5・6はセットで伸ばせます。
Part7への橋渡し
文脈を読む練習は、そのままPart7の読解スピードにつながります。Part6で論理を追う力が、長文読解の土台になります。
本番でPart6を取り切る立ち回り
Part6はPart5とPart7の間にあるので、ここで流れを止めないことが大切です。
Part5の勢いを保つ
Part5を速く抜けた勢いのまま、Part6の文法問題も即決していきます。リズムを崩さないことが時短につながります。
文挿入で立ち止まらない
難しい文挿入は飛ばし、4セットの単独問題を先に終わらせます。戻ってくる前提で、保留マークをつけてください。
Part7に時間を残す
Part6で粘りすぎると、配点の大きいPart7が削られます。10分を超えそうなら、潔く切り上げましょう。
TOEIC Part6についてよくある質問
Q: Part5のつもりで解いていると、文挿入問題でいつも外します。
Part6には、空所の前後だけで解ける「Part5型」と、前後の文を読まないと解けない「文脈型」が混在しています。文挿入や語彙問題まで反射で即決してしまうのが、外す原因です。
選択肢を見て、同じ語の活用形なら即決、意味の違う語や一文なら文脈を読む、と解き方を切り替えてください。タイプの見分けができれば、取りこぼしは大きく減ります。
Q: 文挿入問題を、何を手がかりに選べばいいのか全く分かりません。
文挿入は感覚ではなく、3つの手がかりで解きます。挿入文の「代名詞・指示語」が前のどの文を指すか、冒頭の「接続副詞」が前後をどうつなぐか、「時系列の語」が順序のどこか、です。
たとえば「This change…」で始まる文なら、変更内容を述べた段落の直後に入ります。型で解くと決めれば、最難関の文挿入も怖くなくなります。
Q: 接続副詞(however, thereforeなど)の使い分けが覚えられません。
1語ずつ丸暗記すると混乱するので、論理の種類で3つに分類してください。「逆接(however/nevertheless)」「順接・結論(therefore/as a result)」「追加・例示(in addition/for example)」の3グループです。
解くときは、空所の前後が「逆か・結論か・追加か」を1つ決めるだけで、選択肢は自然に絞れます。意味の深読みは不要です。
Q: Part6に時間がかかりすぎて、Part7を圧迫します。
時間がかかる原因は、難しい文挿入に粘ってしまうことです。解く順番を「単独で解ける文法・語彙問題が先、文挿入は最後」に固定してください。
文挿入は1問1分以上かかりそうなら一旦保留し、4セットを8〜10分で抜けるのが目安です。Part6で粘るより、配点の大きいPart7に時間を残すほうが得です。
Q: Part5の文法対策だけで、Part6も乗り切れますか?
半分は乗り切れますが、半分は足りません。Part6の文法問題はPart5と共通なのででる1000問が効きますが、文挿入と語彙の文脈判断は、読解力がないと解けません。
でる1000問で文法を固めたうえで、読解特急で「前後のつながりを読む」練習を足してください。この2本立てが、Part6攻略の王道です。
Q: 語彙問題で、似た意味の語のどれを選ぶか迷います。
語彙問題は空所だけ見ても決まらないので、必ず前の文の内容を受けているかで判断してください。「文脈に合うか」が唯一の基準です。
金フレで語彙の土台を固めつつ、読解特急で文脈から語を選ぶ感覚を養うと、迷いが減っていきます。
Q: Part6は何問取れれば十分ですか?
600点なら10問前後、800点を狙うなら14問以上が目安です。文法問題はPart5対策がそのまま効くので、まずそこを確実に取ってください。
残りの文挿入と語彙で1〜2問を上積みできれば、上位帯でも安定します。
まとめ
TOEIC Part6は、文法問題を即決し、文挿入を代名詞と接続副詞で攻略することで、10分以内で安定処理できるパートに変わります。
最後に、明日から始める3つの行動をまとめます。
- 単独で解ける文法問題と、文脈が要る問題を見分けて解き分ける
- 文挿入は代名詞・指示語・接続副詞を手がかりに位置を決める
- 教材はでる1000問・関正生・読解特急を役割で分ける
次のステップとして、「TOEIC Part7対策」を読むと、リーディング全体の時間配分が完成します。
スコア帯別の計画は、「TOEIC 600点台の勉強法」「TOEIC 700点台の勉強法」もあわせて参考にしてみてください。
📚 英語をもっと伸ばすなら、まず語彙から。
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