独学でインドネシア語を学びたい、でもどのオンライン講座が自分に合っているかわからない ―― この悩みは、語学学習を始めた誰もが通る道です。
私自身、2018年にインドネシア語の勉強を本格的に始めたとき、手当たり次第にオンライン講座を試して、合計で20以上のサービスを経験しました。
この記事では、その経験をもとに、2026年時点で日本から利用できるインドネシア語オンライン講座を、タイプ別に徹底比較します。
オンライン講座の三大タイプ
まず、インドネシア語のオンライン学習サービスは、大きく三つのタイプに分けられます。
自分の目的と予算、学習スタイルに応じてタイプを選ぶことが、失敗しない第一歩です。
タイプ1: マンツーマン講師マッチング型
italki(2007年設立、上海発)や Preply(2012年設立、ウクライナ発、現在は米ボストン本社)のように、現地の講師とビデオ通話で個別レッスンを受けるタイプです。
料金は1時間1,000〜3,000円程度で、講師を自由に選べる代わりに、自分でカリキュラムを組む必要があります。
インドネシア語学習者にとって、italki の強みは講師数の多さで、2025年時点でインドネシア語講師は500人以上が登録されています。
タイプ2: アプリ学習型
Duolingo(2011年設立、ピッツバーグ、CEO ルイス・フォン・アン)や Mondly(2014年設立、ルーマニア、現Pearson傘下)、Drops(2015年設立、ブダペスト)のように、スマホアプリでゲーム感覚で学ぶタイプです。
月額1,000〜2,000円前後で、自分のペースで続けられるのが魅力です。
Duolingoは2021年にインドネシア語コースをリリースし、今や最大の無料学習ルートになっています。
タイプ3: 体系的オンラインコース型
Udemy(2010年設立、現 Udemy Inc.、本社サンフランシスコ)や Coursera(2012年設立、スタンフォード発)、edX(2012年設立、MIT・ハーバード共同)で、大学やプロ講師が作った体系的なコースを受けるタイプです。
Udemyでは「Learn Indonesian Language Fast」「Complete Indonesian Course」などの講座が1本3,000〜5,000円(セール時)で購入でき、一度買えば一生視聴できる買い切り型です。
教科書的な順序で学びたい人に向いています。
italki 徹底レビュー
私が最も多くの時間を費やしたのが italki なので、ここでは詳しく紹介します。
講師の選び方
italki では、プロ講師(professional teacher)とコミュニティチューター(community tutor)の2種類が存在します。
プロ講師は教授資格や大学の教員経験を持ち、料金は1時間あたり15〜30USドル。
コミュニティチューターは資格は問われませんが、母語話者として会話練習の相手役に徹してくれて、料金は1時間あたり6〜15USドルと手頃です。
私のおすすめは、最初の2か月はプロ講師で文法と発音を固めて、その後はコミュニティチューターで会話量を増やす二段階方式です。
おすすめ講師のタイプ
ジャカルタ・バンドン・ジョグジャカルタなど都市部出身の講師は、bahasa bakuと bahasa gaulの両方を教えられます。
スラバヤ・スマラン・デンパサールなど地方都市出身の講師は、標準語に加えて地域方言のニュアンスを紹介してくれるので、旅行・文化研究目的の学習者に向いています。
講師のプロフィール動画で発音の明瞭さを確認し、無料の体験レッスン(trial lesson、通常5USドル以下)を申し込んでフィーリングを確認してから、正式に予約するのが失敗しないコツです。
Preply 徹底レビュー
Preplyは italki のライバル的存在で、2025年時点でインドネシア語講師は300人以上が登録されています。
italki との違い
Preply の最大の特徴は、初回レッスンの満足度保証(初回レッスン後に満足できなければ、別の講師と無料で交換できる)システムです。
また、レッスンを受けた回数に応じて料金が自動計算され、月額サブスクリプションに近い形で利用できます。
italki のように1レッスン単位で都度購入するよりも、継続前提の人には Preply のほうがコスパがいいケースもあります。
Duolingo のインドネシア語コース
無料学習アプリの代表格である Duolingo は、2021年にインドネシア語コースをリリースしました。
基礎文法と日常語彙を、短いレッスン単位でゲーム感覚に進められるのが最大の強みです。
Duolingoのメリット
毎日数分から続けられるので、忙しい日本の社会人でも習慣化しやすい点が一番の強みです。
ストリーク(連続学習日数)を伸ばすゲーム要素が、継続のモチベーションを支えてくれます。
音声もネイティブ録音で、ジャカルタ標準アクセントを自然に耳に入れられます。
Duolingoの限界
一方、Duolingoだけでは会話力は絶対に身につきません。
これは言語学習アプリ全般の限界でもあるのですが、アウトプットの機会がほぼ皆無なので、Duolingoで単語力と文型を入れたら、italki や Tandem で実戦に移す必要があります。
Duolingoを「主食」と勘違いせず、「おやつ」として活用するのが賢い使い方です。
Pimsleur インドネシア語コース
1963年創設のPaul Pimsleur教授による学習メソッドで、音声ベースの反復聞き取りが特徴です。
1レッスン30分、全90レッスンの構成で、会話を耳から覚えたい人には強力な選択肢です。
料金と評価
月額14.95 USドル〜のサブスク、あるいはレッスンの買い切りで利用できます。
日本人学習者の評価は高く、特に「通勤電車でヘッドフォンで学びたい」派には向いています。
ただし、文字を見ずに進めるメソッドなので、読み書き力は別の教材で補強する必要があります。
Tandem と HelloTalk の言語交換
完全無料で会話練習がしたいなら、言語交換アプリが選択肢になります。
Tandem(2014年設立、ドイツ・ベルリン本社)
世界170万ユーザー以上が登録する言語交換アプリで、インドネシア人ユーザーも数十万規模です。
相手の母語(日本語)を教える代わりに、こちらもインドネシア語を教えてもらう、相互学習型です。
HelloTalk(2012年設立、中国・深圳本社)
Tandemのライバル的存在で、インドネシアユーザー数はTandemよりやや多いとされます。
テキスト添削機能が優れており、自分の書いたインドネシア語文を相手に直してもらえます。
ただし、言語交換型は出会い系目的のユーザーが紛れ込むリスクがあるので、目的外のメッセージは遠慮なくブロック・通報するのが安全運用のコツです。
日本語話者向けの専門サービス
日本人学習者向けに作られたサービスもあります。
東京外国語大学オープンアカデミー
東京外国語大学(1899年創立、本郷から1960年に西ヶ原、1999年に府中移転)の生涯学習プログラムでは、オンラインでのインドネシア語講座が春・秋に開講されます。
料金は3か月で3〜4万円程度と高めですが、講師は大学の実績ある教員で、アカデミックな学びができます。
NHKラジオ講座(まいにちインドネシア語)
NHKは2004年から「まいにちインドネシア語」を放送しており、1年間の放送回数は約200回。
テキスト代は月500円前後で、コスパが極めて高い学習法です。
2024年度は降幡正志氏(東京外国語大学教授)が監修しており、内容の質は折り紙付きです。
大阪大学オープンコースウェア
大阪大学(1931年設立)外国語学部のインドネシア語専攻は全国有数の教育実績があり、一部の講義資料がOCWとして無料公開されています。
独学者は、これを補助教材として活用できます。
学習者タイプ別おすすめ
最後に、あなたのタイプに応じたおすすめを示します。
忙しい社会人(月予算5,000円以内)
Duolingo 無料+NHKラジオ+italki コミュニティチューター月2回。
短期集中で会話を伸ばしたい(月予算3万円)
italki プロ講師 週3回+Pimsleur サブスク。
じっくり長期で体系的に学びたい
東京外国語大学オープンアカデミー+Udemyコース+Tandem で週1の会話練習。
まとめ
オンライン講座は、選び方よりも「続け方」が全てです。
高いサービスに入っても続かなければ無意味で、無料アプリでも毎日続ければ必ず力になります。
一番の近道は、自分の生活リズムに合うサービスを1つ選び、3か月間だけ全力で試してみること。
その後に、足りないところを別のサービスで補強すれば、半年後には日常会話レベル、1年後にはSNSのスラングも読めるレベルに到達できます。
私の体験から ―― 最初の3か月で押さえるべきこと
私自身、最初の3か月は italki のコミュニティチューターとのレッスンを週2回、Duolingoを毎日15分、NHKラジオを通勤電車で聞く、というミックスで過ごしました。
この組み合わせで、3か月後にはジャカルタのスーパーで「apakah ini halal?(これハラルですか?)」と尋ねて、店員さんから「Ya, halal semua, Mas」と返ってきたときの感動を、今でも鮮明に覚えています。
大切なのは教材の「正解」を探すことではなく、自分にとってストレスなく続けられる組み合わせを見つけることだと、身をもって学びました。


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