タイ語契約書の語彙完全ガイド 売買・NDA・賃貸借で使う必須用語

タイ語で契約書(สัญญา)を読むのは、多くの日本人駐在員にとって最大のハードルです。

民商法典(ประมวลกฎหมายแพ่งและพาณิชย์、1925年制定、1935年現行版)を下敷きにしたタイの契約書は、サンスクリット・パーリ語由来の法律用語が大量に登場し、日常タイ語の知識だけでは歯が立ちません。

本記事では、取引基本契約・売買契約・秘密保持契約・賃貸借契約でよく登場する用語を、実際の条文例とともに整理します。

契約書の基本構成

前文(บทนำ)

「สัญญานี้ทำขึ้นเมื่อวันที่ 1 เมษายน 2569 ระหว่าง(本契約は2569年4月1日、以下の両者間で締結される)」という一文から始まります。

仏暦(พุทธศักราช、พ.ศ.)は西暦に543を足した年号で、公式文書では必ず仏暦を使います。2026年=2569年です。

当事者表記

「ฝ่ายหนึ่ง(一方)」「อีกฝ่ายหนึ่ง(他方)」「ผู้ซื้อ(買主)」「ผู้ขาย(売主)」「ผู้ว่าจ้าง(発注者)」「ผู้รับจ้าง(受注者)」が頻出です。

会社名は「บริษัท〇〇จำกัด(〇〇株式会社)」、公開会社は「บริษัท〇〇จำกัด(มหาชน)(〇〇公開会社)」と表記します。

必須の契約書用語20

権利・義務

สิทธิ(権利)、หน้าที่(義務)、ความรับผิด(責任)、ความรับผิดชอบ(責務)、การชดใช้(賠償)、ค่าเสียหาย(損害賠償金)、เบี้ยปรับ(違約金)。

例文「คู่สัญญาทั้งสองฝ่ายมีสิทธิและหน้าที่ตามที่กำหนดไว้ในสัญญานี้(両当事者は本契約に定める権利と義務を有する)」

期間・解除

ระยะเวลา(期間)、วันที่มีผลบังคับใช้(効力発生日)、การต่ออายุ(更新)、การยกเลิก(解除)、การบอกเลิกสัญญา(契約解除通知)、สัญญาสิ้นสุด(契約終了)。

例文「สัญญาฉบับนี้มีผลบังคับใช้เป็นระยะเวลา 2 ปีและอาจต่ออายุได้โดยความยินยอมของทั้งสองฝ่าย(本契約は2年間有効であり、両当事者の合意により更新される)」

支払い

การชำระเงิน(支払い)、งวด(分割)、ดอกเบี้ย(利息)、ภาษีหัก ณ ที่จ่าย(源泉徴収税)、ภาษีมูลค่าเพิ่ม(付加価値税、VAT、通称 ภ.พ.30)、ใบแจ้งหนี้(請求書)、ใบเสร็จรับเงิน(領収書)。

タイのVATは7%で、1992年の付加価値税法導入以来据え置かれています。

紛争・準拠法

ข้อพิพาท(紛争)、การระงับข้อพิพาท(紛争解決)、อนุญาโตตุลาการ(仲裁)、ศาล(裁判所)、กฎหมายที่ใช้บังคับ(準拠法)、เขตอำนาจศาล(裁判管轄)、เหตุสุดวิสัย(不可抗力、force majeure)。

例文「ข้อพิพาทที่เกิดขึ้นจากสัญญานี้ให้ระงับโดยอนุญาโตตุลาการตามข้อบังคับของสถาบันอนุญาโตตุลาการไทย(本契約から生じる紛争はタイ仲裁機関の規則により仲裁で解決する)」

タイ仲裁機関(Thai Arbitration Institute、TAI)は1990年設立で、国際商事紛争の主要な仲裁地として機能しています。

秘密保持契約(NDA)の定型

NDAは สัญญารักษาความลับ または สัญญาไม่เปิดเผยข้อมูล と呼びます。

重要語は ข้อมูลที่เป็นความลับ(秘密情報)、ผู้เปิดเผยข้อมูล(開示者)、ผู้รับข้อมูล(受領者)、การใช้ข้อมูล(情報の使用)、ระยะเวลาการรักษาความลับ(秘密保持期間)です。

「ผู้รับข้อมูลตกลงจะเก็บรักษาข้อมูลที่เป็นความลับเป็นระยะเวลา 5 ปีนับจากวันที่ลงนาม(受領者は署名日から5年間、秘密情報を保持することに同意する)」が典型的な条項です。

売買契約の要点

สัญญาซื้อขาย(売買契約)では、สินค้า(商品)、ราคา(価格)、เงื่อนไขการส่งมอบ(引渡条件)、การตรวจสอบ(検査)、การรับประกัน(保証)が必須項目です。

引渡条件はインコタームズ2020準拠で「FOB Laem Chabang」「CIF Yokohama」のように英語表記のまま使われることが多いです。

レムチャバン港は1991年開港のタイ最大級の深水港で、2024年のコンテナ取扱量は890万TEUを超えました。

賃貸借契約の用語

สัญญาเช่า(賃貸借契約)ではオフィス・倉庫・住居の契約が頻出します。

重要語は ผู้ให้เช่า(賃貸人)、ผู้เช่า(賃借人)、ค่าเช่า(家賃)、เงินประกัน(保証金、通常2〜3か月分)、ค่ามัดจำ(敷金)、การต่อสัญญา(更新)、การบอกเลิกล่วงหน้า(事前解約通知、通常30〜60日前)です。

タイでは賃貸借登記(การจดทะเบียนการเช่า)を県庁(สำนักงานที่ดิน)で行うと、3年超の賃貸借が第三者対抗要件を備えます。

契約書でよく見る接続表現

ทั้งนี้(ただし、その際に)、อย่างไรก็ตาม(しかしながら)、นอกจากนี้(加えて)、ในกรณีที่(〜の場合)、โดย(〜により)、เพื่อ(〜のために)、ตามที่(〜の通り)、ภายใต้(〜の下で)。

これらは日常会話ではあまり使わない硬い表現ですが、契約書では一行おきに登場するので、見慣れておく必要があります。

署名・押印

タイの契約書は両当事者が各ページに イニシャル(ย่อชื่อ)を入れ、最終ページに ลงลายมือชื่อ(署名)と ประทับตราบริษัท(会社印)を押します。

会社印のない個人事業主は สำเนาบัตรประชาชน(ID カードのコピー)を添付し、本人が直筆で「รับรองสำเนาถูกต้อง(原本相違なきことを証す)」と書いた上で再度署名する習慣があります。

学習リソース

タイ司法省法律事務局(สำนักงานกิจการยุติธรรม)の公式サイトには「ประมวลกฎหมายแพ่งและพาณิชย์」の全文が無料公開されており、キーワード検索で条文を引けます。

チュラロンコン大学法学部(1933年設立)のオンライン講座「Introduction to Thai Commercial Law」は英語とタイ語のバイリンガル教材で、日本人弁護士にも人気です。

JETROバンコクが発行する「タイ投資環境ガイド」は毎年改訂され、主要契約書の対訳サンプルが付録として掲載されています。

よくある落とし穴

仏暦と西暦の混同

契約書に「วันที่ 1 มกราคม 2569」と書かれていたら、西暦2026年1月1日です。うっかり2569年と誤読して「まだ先の日付だ」と勘違いしないよう注意が必要です。

印紙税(อากรแสตมป์)

タイでは契約書の種類ごとに印紙税が課されます。売買契約は取引額の0.1%、賃貸借契約は家賃総額の0.1%、業務委託契約は報酬額の0.1%が基本税率です。

印紙を貼り忘れると、契約書自体は無効になりませんが、裁判で証拠として採用されない恐れがあるため、署名の直後に貼付するのが鉄則です。

タイ語版と英語版の優先順位

バイリンガル契約書では「ในกรณีที่มีข้อความขัดแย้งกันระหว่างฉบับภาษาไทยและฉบับภาษาอังกฤษ ให้ยึดฉบับภาษาไทยเป็นหลัก(タイ語版と英語版で矛盾がある場合、タイ語版を優先する)」という条項が入ることが多く、タイ語版の精読は避けられません。

まとめ

契約書タイ語は日常会話と別ジャンルの専門領域ですが、本記事で紹介した約40語をマスターすれば、取引基本契約の8割は意味を取れるようになります。

不安なときは迷わずタイ人弁護士(ทนายความ)に相談するのが、結果的に最速・最安の道です。

実際の条文例

以下は、取引基本契約の一条をタイ語と日本語で併記したサンプルです。

「ข้อ 5. การชำระเงิน ผู้ซื้อตกลงชำระค่าสินค้าภายใน 30 วันนับจากวันที่ได้รับใบแจ้งหนี้ โดยโอนเข้าบัญชีธนาคารของผู้ขายตามที่ระบุไว้ในใบแจ้งหนี้ หากผู้ซื้อไม่ชำระภายในกำหนด ผู้ซื้อจะต้องชำระดอกเบี้ยในอัตราร้อยละ 7.5 ต่อปีของจำนวนเงินที่ค้างชำระ(第5条 支払い 買主は請求書受領日から30日以内に代金を支払うものとし、請求書に記載された売主の銀行口座に振り込む。買主が期限内に支払わなかった場合、買主は未払い額の年7.5%の利息を支払わなければならない)」

年7.5%という利率は、タイ民商法典第7条の法定利率(2021年4月改正で5.0%から3.0%に引き下げ、約定利率上限は7.5%)に由来します。

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました