スウェーデン語の交渉では、決まった単語が場面ごとに繰り返し出てきます。
逆に言えば、頻出語をテーマ別に押さえておけば、会話の8割は聞き取れます。
この記事では、交渉でよく出るスウェーデン語の単語と熟語を6つのテーマに分けて並べます。
- 価格・お金にまつわる語
- 条件・取引にまつわる語
- 譲歩・歩み寄りにまつわる語
- 契約・合意にまつわる語
- 反論・押し返しにまつわる語
- 交渉戦略にまつわる語
各表の前後に、使い方やニュアンスの注意点を短く添えます。意味を覚えるだけでなく、どの場面で出るかを意識して読むと記憶に残ります。
価格・お金にまつわる単語
まずは、価格交渉でいちばん出番の多いお金まわりの語です。
“rabatt” は値引きを指す中心語、”offert” は「見積り(書)」を指す重要語です。スウェーデン語の名詞は en/ett の性で冠詞が変わるので、セットで覚えると安心です。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| offert | オッフェルト | 見積り(書) |
| uppskattning | ウップスカットニング | 概算見積り |
| styckpris | スティュックプリース | 単価 |
| rabatt | ラバット | 値引き |
| påslag | ポースラーグ | 上乗せ・利益幅 |
| budget | ブュッゲット | 予算 |
| prisklass | プリースクラス | 価格帯 |
| fast pris | ファスト プリース | 定額料金 |
| förskottsbetalning | フォーシュコッツベターニング | 前払い |
| delbetalning | デールベターニング | 分割払い |
| faktura | ファクトゥーラ | 請求書 |
| smärtgräns | スメートグレンス | 最低ライン・これ以上は譲れない金額 |
“smärtgräns”(直訳は「痛みの限界」)は「これ以上は譲れない最終ライン」の意味で、交渉の終盤に登場します。”påslag” は売り手側の利益の上乗せ分を指すので、買い手としては内訳を聞く手がかりになります。
条件・取引にまつわる単語
価格以外の「条件」を表す語は、交渉の幅を広げる土台になります。
“villkor” は契約条件全般、”affär” は取引そのものを指す万能語です。両方とも会話で頻繁に出てきます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| villkor | ヴィルコール | 条件 |
| affär | アッフェール | 取引・契約 |
| erbjudande | エルビューダンデ | 提示・申し出 |
| förslag | フォーシュラーグ | 提案 |
| ordervolym | オーデルヴォリューム | 発注量 |
| ledtid | レードティード | 納期・所要期間 |
| deadline | デドライン | 締め切り |
| leverans | レヴェランス | 納品・配送 |
| omfattning | オムファットニング | 対応範囲 |
| garanti | ガランティー | 保証 |
| betalningsvillkor | ベターニングスヴィルコール | 支払条件 |
| krav | クラーヴ | 要件・要求 |
“omfattning” は「どこまで対応するか」の範囲を指し、後から揉めやすいので早めに確認したい語です。”erbjudande” と “förslag” は近い意味ですが、”erbjudande” は具体的な数字を伴う提示、”förslag” はより広い提案という感覚です。
譲歩・歩み寄りにまつわる単語
交渉の山場は、互いに歩み寄る場面です。
“kompromiss” や “eftergift” は、譲り合いを表す中心的な語です。スウェーデン語圏は合意(konsensus)を重んじるので、これらの語は前向きに使われます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| kompromiss | コンプロミス | 妥協・歩み寄り |
| eftergift | エフテルイフト | 譲歩 |
| flexibilitet | フレクシビリテート | 柔軟性・調整の余地 |
| avvägning | アーヴヴェーグニング | 交換条件・トレードオフ |
| ge och ta | イェ オク ター | 譲り合い |
| mötas på halva vägen | モータス ポー ハルヴァ ヴェーゲン | 折衷する |
| dela på mellanskillnaden | デーラ ポー メッランシルナーデン | 差額を折半する |
| medelväg | メーデルヴェーグ | 妥協点・落としどころ |
| alternativ | アルテルナティーヴ | 代替案 |
| i gengäld | イ イェンイェルド | その代わりに |
| vinna-vinna | ヴィンナ ヴィンナ | 双方に利益のある |
| ge med sig | イェ メ サイ | 譲る・態度を変える |
“ge med sig” は “vill inte ge med sig”(譲ろうとしない)の形でよく使われ、相手の頑なさを表すときに便利です。”i gengäld”(その代わりに)は譲歩の見返りを示す決め言葉で、一方的に譲らないための合言葉になります。
契約・合意にまつわる単語
交渉の終盤、合意を固める場面で出てくる語です。
“överenskommelse” は合意全般、”avtal” は法的な契約書を指します。後者は実務でいちばん目にする語です。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| överenskommelse | オーヴェレンスコンメルセ | 合意 |
| avtal | アヴタール | 契約(書) |
| klausul | クラウスール | 条項 |
| åtagande | オートーガンデ | 確約・約束 |
| godkänna | グードシェンナ | 承認する |
| slutföra | スルートフォーラ | 最終決定する |
| skriftligt | スクリフトリグト | 書面で |
| förnya | フォーニューア | 更新する |
| förlänga | フォーレンガ | 延長する |
| säga upp | セーガ ウップ | 解約する |
| skyldighet | シュルディヘート | 義務 |
| vara överens | ヴァーラ オーヴェレンス | 認識が一致している |
“godkänna”(承認する)は社内決裁の話でもよく出ます。”skriftligt”(書面で)は「口約束でなく書面で」を強調する語で、合意確認の場面で安心材料になります。
反論・押し返しにまつわる単語
相手の主張に反論したり、押し返したりする場面の語です。
強い否定語ばかりだと角が立つので、やわらかい表現とセットで覚えます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| motbud | モートブード | 対案・逆提案 |
| motstånd | モートストーンド | 反発・抵抗 |
| invändning | インヴェンドニング | 反対・異議 |
| oro | オーロ | 懸念 |
| tveksamhet | トヴェークサムヘート | 賛成しきれない留保 |
| dealbreaker | ディールブレイカル | 取引を壊す決定的な問題 |
| stå fast | ストー ファスト | 立場を崩さない |
| motivering | モティヴェーリング | 根拠・論拠 |
| motivera | モティヴェーラ | 正当性を示す |
| skjuta upp | シューータ ウップ | 保留する・見送る |
| återkomma till | オーテルコンマ ティル | 改めて議論する |
| förtydliga | フォーテュードリガ | 明確にする |
“dealbreaker” は英語からの借用語で、スウェーデン語のビジネス会話でもそのまま使われ、「これがあると取引が成立しない」決定的な条件を指します。”återkomma till”(〜に立ち返る)は「あとで蒸し返す」のではなく「改めて検討する」前向きな保留として使えます。
交渉戦略にまつわる単語
最後は、交渉の進め方そのものを語るときの語です。
専門書やビジネス記事にも出てくるので、概念ごと覚えると応用が利きます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| hävstång | ヘーヴストーング | 交渉を有利にする材料・てこ |
| BATNA | バトナ | 交渉決裂時の最善の代替案 |
| dra sig ur | ドラー サイ ウール | 交渉から降りる |
| utgångsbud | ウートゴーングスブード | 最初に出す基準値・初手 |
| gemensam grund | イェメンサム グルンド | 共通点・合意できる土台 |
| intressent | イントレッセント | 利害関係者 |
| prioriteringar | プリオリテーリンガル | 優先事項 |
| intresse | イントレッセ | 立場の裏にある利害 |
| ståndpunkt | ストーンドプンクト | 立場・主張 |
| förtroende | フォートロエンデ | 信頼関係 |
| ungefärlig nivå | ウンゲフェーリグ ニヴォー | おおよその範囲 |
| i god tro | イ グード トルー | 誠実な姿勢で |
“hävstång”(てこ)は「相手より優位に立てる材料」を指し、量・納期・代替案などが該当します。交渉学では、表に出る “ståndpunkt”(立場)の裏にある “intresse”(利害)に注目せよ、とよく言われます。
たとえば「値下げしてほしい」という立場の裏に「予算が厳しい」という利害があれば、分割払い(delbetalning)など別の解も見えてきます。
覚えた語を会話につなぐコツ
単語を並べただけでは、本番で口から出てきません。
頻出語は、よく組む「型」とセットで覚えると定着します。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Finns det något utrymme på priset? | フィンス デ ノーゴット ウートリュンメ ポー プリーセット | 価格に調整の余地はありますか? |
| Det är en dealbreaker för oss. | デ エール エン ディールブレイカル フォール オス | それは当方には決定的な問題です。 |
| Låt oss hitta en gemensam grund. | ロート オス ヒッタ エン イェメンサム グルンド | 共通の土台を見つけましょう。 |
| Vad har vi för hävstång här? | ヴァード ハール ヴィ フォール ヘーヴストーング ヘール | こちらの交渉材料は何でしょう? |
“utrymme på priset”(価格の余地)のように、単語+前置詞のかたまりで覚えると応用が利きます。交渉決裂時の代替案を BATNA(Best Alternative To a Negotiated Agreement)として用意しておけば、”dra sig ur”(降りる)の判断にも迷いません。
また、似た意味の語は使い分けの軸を一緒に覚えておくと混乱しません。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 使い分けの軸 |
|---|---|---|
| rabatt / påslag | ラバット / ポースラーグ | 前者は値引き、後者は売り手の上乗せ分 |
| erbjudande / förslag | エルビューダンデ / フォーシュラーグ | 前者は数字を伴う提示、後者は広い提案 |
| ståndpunkt / intresse | ストーンドプンクト / イントレッセ | 前者は表の主張、後者は裏の本音 |
| säga upp / förlänga | セーガ ウップ / フォーレンガ | 前者は解約、後者は延長 |
反対の意味のペアでまとめると、相手の発言の方向もすばやくつかめます。スウェーデン語の動詞は不定詞のまま辞書に載るので、ペアごと並べると活用も思い出しやすくなります。
よくある質問
Q. スウェーデン語の交渉単語はどこから覚えればいいですか?
A. まずは価格まわりの “offert”(見積り)”styckpris”(単価)”rabatt”(値引き)など出番の多い語から始めます。そのあと条件・譲歩・契約とテーマを広げると、無理なく語彙が増えます。
Q. “villkor” と “betalningsvillkor” の違いは何ですか?
A. “villkor” は契約条件全般を指し、”betalningsvillkor” はそのうち支払いに関する条件(前払いか掛けか、など)に絞った語です。会話では “villkor” だけで全体の条件を表すことが多いです。
Q. BATNA はどんな場面で出てくる語ですか?
A. 交渉が決裂したときの最善の代替案を指し、戦略を語る場面で登場します。用意しておくと不利な条件を飲まずに済み、”dra sig ur”(降りる)の判断もしやすくなります。
Q. “ståndpunkt” と “intresse” はどう違いますか?
A. “ståndpunkt” は表に出す立場や主張、”intresse” はその裏にある本当の利害です。立場でなく利害に注目すると、双方が納得できる解を見つけやすくなります。
まとめ
交渉のスウェーデン語単語は、テーマ別にまとめて覚えるのが近道です。
- 価格・条件・譲歩・契約・反論・戦略の6テーマで語彙を整理する。
- 単語は前置詞や決まり文句とセットで覚え、そのまま口に出せる形にする。
- “ståndpunkt” でなく “intresse”、”hävstång” や “BATNA” など概念ごと押さえる。
語彙が増えたら、あとは実際の会話の流れで使ってみると一気に身につきます。
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