オープンイノベーション、つまり社外のスタートアップや大学、他社と組んで新しい価値を生む取り組み。そのスウェーデン語のやり取りで言葉に詰まる方へ。
協業の打診から共同開発、成果配分の確認まで、場面ごとの「型」を知っておくと落ち着いて進められます。
スウェーデンのビジネスは「du(君)」で呼び合うフラットな文化で、合意(konsensus)を重んじます。押しの強い売り込みより、相手の意向を尋ねながら一緒に形を探る姿勢が好まれます。
この記事で分かることは次の3つです。
- 協業の打診・パートナー探索・PoC合意・役割分担・知財確認といった場面の定番フレーズ
- スタートアップへの質問やピッチ・売り込みで使う言い回し
- オンライン会議やメールでの応用と、次のステップを決めるフレーズ
協業を持ちかけるフレーズ
最初のひと言で、相手が前向きになるかが決まります。
いきなり条件から入らず、共通の狙いを示すと話が進みやすくなります。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Vi skulle gärna vilja utforska ett samarbete med ert team. | ヴィ・スクッレ・イェーナ・ヴィリヤ・ウートフォルスカ・エット・サマルベーテ・メド・エート・ティーム | 御社のチームとの協業をぜひ検討したいです。 |
| Vi ser stor potential i att jobba tillsammans. | ヴィ・セール・ストゥール・ポテンシャール・イ・アット・ヨッバ・ティルサンマンス | 協業に大きな可能性を感じています。 |
| Skulle ni vara öppna för ett gemensamt initiativ? | スクッレ・ニ・ヴァーラ・ウッペナ・フョール・エット・イェメーンサムト・イニシアティーヴ | 共同の取り組みにご関心はありますか? |
| Vi letar efter en partner inom det här området. | ヴィ・レータル・エフテル・エン・パートネル・インオム・デ・ヘール・オムローデット | この領域でパートナーを探しています。 |
| Jag tror att våra styrkor kan komplettera varandra. | ヤーグ・トルール・アット・ヴォーラ・スティルコル・カン・コンプレッテーラ・ヴァランドラ | 互いの強みを補い合えると思います。 |
「komplettera varandra」は、互いの足りない部分を補い合うニュアンスで協業の場面によく合います。
自社の強みと狙いを伝えるフレーズ
協業では、自社が何を提供できるかを明確に示すと信頼につながります。
狙いと提供価値をセットで伝えると、相手も組む意義を理解できます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Det vi kan bidra med är vårt distributionsnät. | デ・ヴィ・カン・ビードラ・メド・エール・ヴォート・ディストリブションスネート | 当社が提供できるのは販路です。 |
| Vårt mål är att skapa en ny tjänst tillsammans. | ヴォート・モール・エール・アット・スカーパ・エン・ニー・シェンスト・ティルサンマンス | 狙いは新サービスの共創です。 |
| Vi har infrastrukturen, ni har tekniken. | ヴィ・ハール・インフラストゥルクトゥーレン・ニ・ハール・テクニーケン | 当社には基盤が、御社には技術があります。 |
| Vi kan erbjuda marknadstillträde som ni kanske saknar. | ヴィ・カン・エールビューダ・マルクナードスティルトレーデ・ソム・ニ・カンシェ・サークナル | 御社にまだない市場への接点を提供できます。 |
| Tillsammans kan vi röra oss mycket snabbare än ensamma. | ティルサンマンス・カン・ヴィ・ローラ・オス・ミュッケ・スナッバレ・エン・エーンサンマ | 協業すれば単独より速く動けます。 |
「bidra med」は「提供できる・持ち寄れる」を表す表現で、協業の議論でよく登場します。
PoC・実証の進め方を提案するフレーズ
いきなり本格契約ではなく、小さく試すPoC(概念実証)から始めると双方が安心です。
範囲と期間を区切って提案すると、相手も判断しやすくなります。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Ska vi börja med ett litet proof of concept? | スカ・ヴィ・ボリヤ・メド・エット・リーテット・プルーフ・オブ・コンセプト | まず小さなPoCから始めませんか? |
| Vi kör en pilot på tre månader först. | ヴィ・ショール・エン・ピロート・ポー・トレー・モーナデル・フョーシュト | まず3か月の試験運用をしましょう。 |
| Vi kan validera idén i liten skala. | ヴィ・カン・ヴァリデーラ・イデーン・イ・リーテン・スカーラ | 小規模でアイデアを検証できます。 |
| Hur ser framgång ut för det här testet? | フール・セール・フラムゴング・ウート・フョール・デ・ヘール・テステット | この実証の成功基準は何でしょう? |
| Om piloten fungerar skalar vi upp den. | オム・ピローテン・フュンゲラル・スカーラル・ヴィ・ウップ・デン | 試験運用がうまくいけば本格展開します。 |
「Hur ser framgång ut?(成功はどう見えるか)」と成功基準を先に確認すると、PoC後の判断で揉めにくくなります。
役割分担を決めるフレーズ
協業では、誰が何を担うかを早めに決めると後のトラブルを防げます。
あいまいなまま進めず、責任範囲を言葉にしておきます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Vem tar ledningen för utvecklingen? | ヴェム・タール・レードニンゲン・フョール・ウートヴェックリンゲン | 開発は誰が主導しますか? |
| Låt oss klargöra varderas ansvar. | ロート・オス・クラールユーラ・ヴァルデラス・アンスヴァール | 双方の役割を明確にしましょう。 |
| Vi sköter baksidan, kan ni ta gränssnittet? | ヴィ・フューテル・バークシーダン・カン・ニ・ター・グレンスニッテット | 当社が裏側を、御社がUIを担当できますか? |
| Vem äger projektet på er sida? | ヴェム・エーゲル・プロイェクテット・ポー・エール・シーダ | 御社側の責任者はどなたですか? |
| Låt oss sätta upp en gemensam projektplan. | ロート・オス・セッタ・ウップ・エン・イェメーンサム・プロイェクトプラーン | 共通の計画書を作りましょう。 |
「Vem äger projektet?(誰がプロジェクトを持つか)」は責任者を尋ねる言い方で、窓口を一本化するのに役立ちます。
知財・成果配分を確認するフレーズ
共同開発では、生まれた成果や知的財産の扱いが後で問題になりがちです。
直接的すぎず、しかし明確に確認しておくのが大切です。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Hur ska vi hantera de immateriella rättigheterna? | フール・スカ・ヴィ・ハンテーラ・デ・イマテリエッラ・レッティヘーテルナ | 知的財産はどう扱いましょうか? |
| Vem ska äga resultaten av den gemensamma utvecklingen? | ヴェム・スカ・エーガ・レスルターテン・アヴ・デン・イェメーンサンマ・ウートヴェックリンゲン | 共同開発の成果は誰に帰属しますか? |
| Låt oss komma överens om hur vi delar intäkterna. | ロート・オス・コンマ・ウーヴェレーンス・オム・フール・ヴィ・デーラル・インテークテルナ | 収益の分け方を合意しましょう。 |
| Vi vill behålla rättigheterna till vår kärnteknik. | ヴィ・ヴィル・ベホッラ・レッティヘーテルナ・ティル・ヴォール・シェーンテクニーク | 自社の基幹技術の権利は保持したいです。 |
| Ska vi skriva ett sekretessavtal först? | スカ・ヴィ・スクリーヴァ・エット・セクレテッスアヴタール・フョーシュト | まず秘密保持契約を結びましょうか? |
「immateriella rättigheter(知財)」や「sekretessavtal(秘密保持契約、英語のNDA)」は、本格的な情報共有の前に必ず触れておきたい語です。
スタートアップに質問するフレーズ
スタートアップと組むときは、技術や実績、資金状況を見極める質問が役立ちます。
相手を試すのではなく、協業の相性を確かめる姿勢で尋ねます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Vilket problem löser er lösning? | ヴィルケット・プロブレーム・ローセル・エール・ロースニング | 御社の製品はどんな課題を解決しますか? |
| Hur mogen är er teknik just nu? | フール・モーゲン・エール・エール・テクニーク・ユスト・ヌー | 技術は現在どの程度の完成度ですか? |
| Har ni några testfall vi kan titta på? | ハール・ニ・ノーグラ・テストファル・ヴィ・カン・ティッタ・ポー | 参考になる導入事例はありますか? |
| Hur mycket draghjälp har ni hittills? | フール・ミュッケ・ドラーグイェルプ・ハール・ニ・ヒッティルス | これまでの成長実績はどうですか? |
| Hur kan ett företag som vårt stötta er tillväxt? | フール・カン・エット・フューレターグ・ソム・ヴォート・ストッタ・エール・ティルヴェクスト | 当社のような企業はどう成長を後押しできますか? |
「draghjälp(直訳は引っ張る助け)」は英語の traction にあたり、顧客数や売上の伸びといった成長の手応えを指します。
ピッチ・売り込みのフレーズ
自社をスタートアップとして売り込む側、または相手に提案する側の言い回しです。
短く、価値が伝わる形にまとめると印象に残ります。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| I en mening, det här gör vi. | イ・エン・メーニング・デ・ヘール・ユール・ヴィ | 一文で言うと、当社はこういう事業です。 |
| Vår lösning sänker kostnaderna med upp till 30 procent. | ヴォール・ロースニング・センケル・コストナデルナ・メド・ウップ・ティル・トレーティオ・プロセント | 当社の製品はコストを最大30%削減します。 |
| Vi jobbar redan med tre stora kunder. | ヴィ・ヨッバル・レーダン・メド・トレー・ストゥーラ・クンデル | すでに大手3社と取引しています。 |
| Det som skiljer oss från andra är vår snabbhet. | デ・ソム・フィーレル・オス・フローン・アンドラ・エール・ヴォール・スナッブヘート | 当社の差別化要因は速さです。 |
| Vi skulle passa bra för era innovationsmål. | ヴィ・スクッレ・パッサ・ブラー・フョール・エーラ・イノヴァシオーンスモール | 御社のイノベーション目標に適した相手です。 |
「Det som skiljer oss från andra är…(他社と違う点は〜)」は、ピッチで強みを一言で示す便利な型です。
オンライン・メールで協業を進めるフレーズ
初回の打診や資料共有は、オンライン会議やメールで行うことが増えています。
口頭よりも要点を短く区切ると、相手に伝わりやすくなります。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Jag delar en kort sammanfattning av vårt förslag. | ヤーグ・デーラル・エン・コルト・サンマンファットニング・アヴ・ヴォート・フョーシュラーグ | 提案の概要を簡潔にまとめてお送りします。 |
| Låt mig gå igenom vår presentation. | ロート・メイ・ゴー・イエーノム・ヴォール・プレセンタシオーン | 資料をご説明させてください。 |
| Jag lägger sekretessavtalet i chatten. | ヤーグ・レッゲル・セクレテッスアヴターレット・イ・シャッテン | 秘密保持契約の案をチャットに送ります。 |
| Kan vi boka ett uppföljningsmöte nästa vecka? | カン・ヴィ・ブーカ・エット・ウップフョリュニングスムーテ・ネスタ・ヴェッカ | 来週フォローの打ち合わせを設定できますか? |
| Jag tar med vår utvecklingschef till nästa möte. | ヤーグ・タール・メド・ヴォール・ウートヴェックリングスシェフ・ティル・ネスタ・ムーテ | 次回は開発の責任者も同席させます。 |
「ta med(連れてくる・同席させる)」は、関係者を次の会話に加えるときの自然な言い方です。
次のステップを決めるフレーズ
協業の話は、次に何をするかを決めて初めて前に進みます。
あいまいに終わらせず、担当と期限を確認して締めます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Vad är nästa steg härifrån? | ヴァード・エール・ネスタ・ステーグ・ヘーリフローン | ここから次のステップは何でしょう? |
| Låt oss skriva en kort avsiktsförklaring. | ロート・オス・スクリーヴァ・エン・コルト・アヴシクツフョークラーリング | 簡単な基本合意書を作りましょう。 |
| Jag skickar en sammanfattning och en föreslagen tidsplan. | ヤーグ・フィッカル・エン・サンマンファットニング・オク・エン・フョーレスラーゲン・ティーズプラーン | まとめと想定スケジュールをお送りします。 |
| Ska vi sikta på att starta piloten nästa månad? | スカ・ヴィ・シクタ・ポー・アット・スタルタ・ピローテン・ネスタ・モーナド | 来月のPoC開始を目指しましょうか? |
| Låt oss hålla farten uppe. | ロート・オス・ホッラ・ファルテン・ウッペ | この勢いを保ちましょう。 |
「avsiktsförklaring(意図の表明)」は英語の MOU にあたり、正式契約の前に方向性を確認する文書です。
想定シーン|スタートアップへの協業打診
たとえば、有望なスタートアップに協業を持ちかける場面を想定してみましょう。
共通の狙いから入り、PoCを提案する流れが自然です。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Vi ser stor potential i att jobba tillsammans med det här. | ヴィ・セール・ストゥール・ポテンシャール・イ・アット・ヨッバ・ティルサンマンス・メド・デ・ヘール | この件での協業に大きな可能性を感じています。 |
| Ska vi börja med ett litet proof of concept? | スカ・ヴィ・ボリヤ・メド・エット・リーテット・プルーフ・オブ・コンセプト | まず小さなPoCから始めませんか? |
| Låt oss klargöra rättigheterna och nästa steg skriftligt. | ロート・オス・クラールユーラ・レッティヘーテルナ・オク・ネスタ・ステーグ・スクリフトリクト | 知財と次の段取りを書面で明確にしましょう。 |
このように「狙いの共有→PoC提案→知財と次手の確認」と運ぶと、相手も安心して一歩を踏み出せます。
よくある質問
Q. 協業を打診する最初の一言は何がいいですか?
条件からでなく、共通の狙いから入ります。
「Vi ser stor potential i att jobba tillsammans.(協業に大きな可能性を感じています)」が使いやすい一言です。
Q. PoCとは何ですか?スウェーデン語ではどう言いますか?
Proof of Concept(概念実証)の略で、本格契約の前にアイデアを小さく試す段階です。スウェーデンのIT・スタートアップ界隈では英語のまま「proof of concept」と呼ぶのが一般的です。
「Ska vi börja med ett litet proof of concept?」のように提案します。
Q. 知財や成果配分はいつ確認すべきですか?
本格的な情報共有や共同開発に入る前が目安です。
「Ska vi skriva ett sekretessavtal först?(まず秘密保持契約を結びましょうか)」と切り出すと角が立ちません。
Q. draghjälpという単語の意味は?
スタートアップが得た成長の手応え(顧客数や売上の伸び)を指す語で、英語の traction にあたります。
「Hur mycket draghjälp har ni hittills?」と実績を尋ねるときに使います。
Q. スウェーデン語で気をつける敬語のポイントは?
スウェーデンでは初対面でも「du(君)」で呼び合うのが普通で、英語やドイツ語のような硬い敬称はほとんど使いません。フラットさが信頼につながります。
そのぶん「Skulle ni vara öppna för…?(〜にご関心はありますか)」と相手の意向を尋ねる問いかけを添えると、丁寧さと対等さを両立できます。
まとめ
オープンイノベーションのスウェーデン語は、場面ごとの型を持っておくと落ち着いて臨めます。
- 打診は条件からでなく、共通の狙いと互いの強みの共有から。
- 本格契約の前に、PoCで小さく試して成功基準を決める。
- 知財・成果配分は早めに確認し、次のステップを書面で残す。
スウェーデンのビジネス文化ではフラットさと合意形成が信頼を生みます。やわらかい問いかけと明確な意図を両立させるのがコツです。
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