e-Račun (Elektronski Račun)はクロアチア国家認定電子請求書システムです。
2019年から公共機関向け義務化、2025年から大企業B2Bへ拡大予定で、日本や韓国に存在しない制度です。
本記事はFina(国営)・Moj-eRačun(民間ポータル)等の主要プラットフォームと送付・受信フローを解説します。
e-Račun発行・送付・受信のメールテンプレと、自社プラットフォームの選定ガイドを提示します。
e-Računシステム概要
e-Računシステム概要です。
クロアチア国家認定電子請求書
e-Račun(Elektronski Račun)はクロアチア国家認定電子請求書システムです。
クロアチア政府主導で2018年に開始、2019年に公共機関義務化されました。
EU電子請求書指令(Directive 2014/55/EU)の国内実装です。
(1) Elektronski Račun
(2) エレクトロンスキ ラチュン
(3) 電子請求書
2019年公共機関向け義務化
2019年から公共機関向け義務化されました。
政府機関、地方自治体、国営企業との取引はすべてe-Račun経由です。
紙の請求書は受け付けられません。
2025年以降大企業B2Bへ拡大予定
2025年以降、大企業B2Bへ拡大予定です。
段階的義務化が進められています。
中小企業も2026-2027年で対応予定です。
主要プラットフォーム
主要プラットフォームです。
Fina(Financijska agencija)― 国営運営
FinaはFinancijska agencija(金融機関)の略称です。
クロアチア国営金融機関で、e-Računシステムを運営します。
公共機関向けe-Računは Fina経由必須です。
Moj-eRačun ― 民間ポータル
Moj-eRačunは民間ポータルです。
Fina sustavのフロントエンドとして機能します。
中小企業向けに使いやすいUIを提供しています。
Pansoft・Microsoft Dynamics統合等
Pansoft、Microsoft Dynamics統合等の各種ソリューションがあります。
ERPとの統合で会計処理を自動化します。
クロアチア大企業はSAP、Microsoft Dynamics経由が主流です。
e-Računの法的位置づけ
e-Računの法的位置づけです。
ePorezna(電子税務)との連携
ePorezna(電子税務システム)との連携が標準です。
e-Račun発行データは自動的にePorezna送信されます。
PDV(VAT)申告も自動連携します。
PDV(VAT)申告自動連携
PDV申告自動連携が大幅な業務効率化を実現します。
月次・四半期PDV申告のデータ収集が自動化されます。
監査対応も容易になります。
紙の請求書と同等の法的効力
紙の請求書と同等の法的効力を持ちます。
10年保存義務もデジタルで対応可能です。
クロアチア商法・税法上の正式書類です。
e-Račun送付メールの定型
e-Račun送付メールの定型です。
件名「e-Račun broj [INV-2026-04-23-001] – [Tvrtka]」
標準件名です。
Predmet:e-Račun broj INV-2026-04-23-001 – Tvrtka d.o.o.
請求書番号と発行会社を含む構造です。
本文「U privitku Vam šaljem e-Račun broj [X] poslan kroz Fina sustav」
標準本文です。
「U privitku Vam šaljem e-Račun broj [X] poslan kroz Fina sustav」(添付でFina sustav経由送信のe-Račun番号[X]を送ります)の形式です。
送信経路を明示します。
PO番号との対応明記
PO(Purchase Order)番号との対応を明記します。
「Referenca PO: [PO-2026-04-001]」(PO参照:)の形式です。
後日の照合作業を容易にします。
e-Račun発行依頼メール(受信側から)
e-Račun発行依頼メールの定型です。
「Molim Vas izdavanje e-Računa za [usluga]」
「Molim Vas izdavanje e-Računa za [usluga]」([サービス]のe-Račun発行をお願いします)の標準依頼形式です。
サービス・商品の特定が必須です。
金額の暫定確認も併せて行います。
受取会社情報(OIB・名称・住所)
受取会社情報を提供します。
「Naši podaci: Naziv: [tvrtka], OIB: [11-znamenkasti broj], Adresa: [adresa]」(弊社情報:会社名、OIB、住所)の形式です。
OIBは11桁のクロアチア法人識別番号です。
金額・品目の確認
金額・品目の確認を含めます。
「Iznos: [iznos] EUR (bez PDV-a) za [stavka]」(金額:[金額] EUR・税抜・[項目]分)の形式です。
事前合意の再確認です。
e-Računの受信確認
e-Račun受信確認の定型です。
Fina sustav経由の通知
Fina sustav経由の通知が自動送信されます。
受信側システムへの自動取込みが標準です。
受信確認メールも併せて送ります。
受領確認メール定型
受領確認メール定型です。
「Potvrđujem primitak e-Računa broj [X] dana [datum]」([日付]e-Račun番号[X]の受領確認)の形式です。
日付明示が標準です。
PDF複本との照合
PDF複本との照合を行います。
e-Račun(XML形式)とPDF複本の整合性確認が標準です。
金額、品目、税率の照合が必要です。
e-Račun訂正(Storno Račun)
e-Račun訂正(Storno Račun)です。
金額誤記時のStorno発行
金額誤記時はStorno(取消)発行が標準です。
クロアチアe-Računシステムは厳格な訂正手続を要求します。
修正版を上書きすることはできません。
(1) Storno Račun
(2) ストルノ ラチュン
(3) 取消請求書・訂正請求書
「Šaljem Vam Storno Račun za prethodni e-Račun broj [X]」
「Šaljem Vam Storno Račun za prethodni e-Račun broj [X]」(前回e-Račun番号[X]のStorno Računを送付)の標準形式です。
前回番号の引用が必須です。
新規e-Računも同時送付します。
訂正理由の説明
訂正理由を説明します。
「Razlog ispravka: [opis]」(訂正理由:[説明])の形式です。
具体的事由を記載します。
PDV(VAT)処理
PDV(VAT)処理です。
25%(標準)/13%/5%の3段階
クロアチアPDV税率は3段階です。
標準25%、軽減13%(ホテル・レストラン等)、最軽減5%(書籍・新聞・薬等)です。
業種により適用税率が異なります。
「Osnovica/PDV/Ukupno」の3分割
「Osnovica/PDV/Ukupno」(税抜/PDV/合計)の3分割明示が必須です。
「Osnovica: 10.000 EUR / PDV (25%): 2.500 EUR / Ukupno: 12.500 EUR」の形式です。
クロアチアe-Računの標準項目です。
零税率(輸出・EU内取引)の場合別途記載
零税率(輸出・EU内取引)の場合は別途記載します。
「PDV 0% – oslobođeno po članku [X] Zakona o PDV-u」(PDV 0% – PDV法[X]条により免除)の形式です。
VAT番号(PDV-ID)の交換が必須です。
公共機関向けe-Račun
公共機関向けe-Računです。
義務化(2019年以降)
2019年以降、公共機関向けは義務化されています。
政府機関、地方自治体、国営企業(INA、HEP等の一部)が対象です。
紙の請求書は法的に無効です。
Fina経由必須
Fina経由必須です。
他経路(Moj-eRačun等の民間ポータル)も最終的にFina sustavに集約されます。
標準化された経路です。
拒否されると入金されない
拒否されると入金されません。
e-Račun形式不備、必須項目不足等で拒否される場合があります。
形式遵守が支払受領の前提です。
B2B向けe-Račun(2025年以降義務化)
B2B向けe-Računです。
大企業(売上一定以上)から義務化開始
大企業から義務化が開始されます。
売上一定以上(数値は政府公示)が判断基準です。
2025年以降、段階的に拡大します。
中小企業の対応スケジュール
中小企業の対応スケジュールです。
2026-2027年で中堅企業、2028年以降で全企業対応予定です。
移行準備期間が設けられています。
移行期間中のメール対応
移行期間中のメール対応です。
「Trenutno još šaljemo PDF-Račun, ali pripremamo se za e-Račun」(現在はPDF Računを送付、e-Račun準備中)の形式です。
移行スケジュールの共有が信頼を高めます。
国際取引でのe-Račun
国際取引でのe-Računです。
EU内取引(VAT番号確認)
EU内取引はVAT番号(PDV-ID)確認が必須です。
「VIES」(VAT Information Exchange System)でEU各国VAT番号を検証します。
Reverse Charge(受取側VAT処理)が標準です。
日本との取引(e-Račun対象外)
日本との取引はe-Račun対象外です。
EU外取引のため、通常のPDF請求書で対応します。
クロアチア側のPDV処理は輸出免税です。
SEPA Wire Transferとの連携
SEPA Wire Transferとの連携が標準です。
EU内決済はSEPAが標準で、即日決済可能です。
e-Račun番号がSEPA決済リファレンスに使用されます。
e-Račun発行プロセスの段階
e-Račun発行プロセスの段階です。
発行前確認メール
発行前確認メールです。
「Pripremamo e-Račun za [usluga]. Molim potvrdu detalja」([サービス]のe-Račun準備中。詳細確認要請)の形式です。
事前確認で訂正リスクを軽減します。
発行通知メール
発行通知メールです。
「e-Račun broj [X] je izdan i poslan kroz Fina sustav」(e-Račun番号[X]を発行・Fina送信完了)の形式です。
発行完了の即時共有です。
受領確認メール
受領確認メールです。
「Potvrđujem primitak e-Računa broj [X]」(e-Račun番号[X]受領確認)の形式です。
受信側からの確認です。
入金確認メール
入金確認メールです。
「Potvrđujem primitak uplate za e-Račun broj [X]」(e-Račun番号[X]入金受領確認)の形式です。
サイクル完了の確認です。
トラブル対応
トラブル対応です。
e-Račun送信失敗時の対応
e-Račun送信失敗時は再送信を試みます。
Fina sustam障害、形式エラー等が原因です。
「Pokušaj ponovnog slanja e-Računa broj [X]」(e-Račun番号[X]再送信試行)の通知が標準です。
Fina sustamの障害時の代替
Fina sustam障害時の代替策です。
PDF複本のメール送付が応急対応として認められます。
Fina復旧後の正式送信を約束します。
PDF複本送付の慣行
PDF複本送付の慣行があります。
「U privitku PDF kopija e-Računa za pregled」(参照用PDF複本)の形式です。
受信側の利便性向上のためです。
Eurozone移行後のe-Račun
Eurozone移行後のe-Računです。
全e-RačunはEUR表記必須
全e-RačunはEUR表記必須です。
2023年1月のEurozone移行により、HRK表記は無効化されました。
クロアチアe-Računシステムも自動的にEUR表記に統一されています。
HRK表記のe-Računは無効
HRK表記のe-Računは法的に無効です。
移行期間(2023年)が終了し、HRK表記での発行は不可能です。
システム上もブロックされています。
旧HRK請求書の参照
旧HRK請求書の参照は可能です。
2022年以前のe-Račun(HRK表記)は履歴として保存されています。
監査・経理処理で参照可能です。
日本人のe-Račun対応NG
日本人が陥りやすいNGパターンです。
e-Računシステム未理解
e-Računシステム未理解は致命的です。
クロアチア固有制度であり、日本・韓国にない概念です。
事前学習が必須です。
PDV表示脱落
PDV表示脱落は形式不備です。
「Osnovica/PDV/Ukupno」の3分割は必須項目です。
不備があると拒否される可能性があります。
Fina sustam確認習慣未形成
Fina sustam確認習慣未形成は信頼性に影響します。
送信完了確認、受信確認のFina sustam確認が標準です。
クロアチア大企業の経理担当は毎日確認しています。
PO番号との対応不明確
PO番号との対応不明確は混乱を招きます。
「Referenca PO: [番号]」の明示が標準です。
クライアント側の照合作業を容易にします。
e-Računの将来展望
e-Računの将来展望です。
EU全域への拡大
EU全域への拡大が進んでいます。
EU電子請求書指令(Directive 2014/55/EU)の各国実装が進行中です。
クロアチアe-Računは将来的にEU横断的に使用可能になる見通しです。
AI連携の進展
AI連携の進展が予測されます。
請求書データ自動抽出、不正検知、予測分析等のAI活用が進んでいます。
クロアチア大企業はMicrosoft Copilot等を導入しています。
ブロックチェーン技術の導入検討
ブロックチェーン技術の導入も検討されています。
請求書改竄防止、監査証跡、自動決済等への活用が期待されています。
EU全域での標準化が将来課題です。
SMEs向け簡易プラットフォーム
中小企業(SMEs)向け簡易プラットフォームの開発が進んでいます。
Moj-eRačun、Pansoft等のソリューションが選択肢です。
使いやすいUIで、e-Račun発行・送信を完結できます。
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