イタリア語のデザイン思考ワークショップに参加したものの、議論の速さに言葉が追いつかない。そんな悩みを抱える方へ向けた記事です。
デザイン思考は、高度なイタリア語力よりも、各段階で使う「型のフレーズ」を知っているかどうかで参加のしやすさが大きく変わります。
この記事で分かることは次の3つです。
- 共感・問題定義・発想・プロトタイプ・検証の各段階で使う定番フレーズ
- ユーザーインタビューやフィードバックでそのまま使える言い回し
- 避けたい言い方と、議論を止めないための前向きな言い換え
デザイン思考の5段階は、共感(empatia)・問題定義(definizione)・発想(ideazione)・プロトタイプ(prototipo)・検証(test)です。
段階ごとにフレーズを整理しておくと、話の流れにすぐ乗れるようになります。
共感・ユーザーインタビューのフレーズ
共感の段階では、ユーザーの本音を引き出すことが目的になります。
誘導せず、相手に自分の体験を語ってもらう質問が基本です。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Mi può raccontare come fa di solito? | ミ プオ ラッコンターレ コメ ファ ディ ソリート | 普段どうやっているか、話してもらえますか? |
| Qual è stata la parte più difficile? | クアレ スタータ ラ パルテ ピュ ディッフィチレ | 一番大変だったのはどの部分でしたか? |
| Mi dica qualcosa in più su questo. | ミ ディーカ クアルコーザ イン ピュ ス クエスト | その点をもう少し詳しく教えてください。 |
| Perché pensa che sia successo? | ペルケ ペンサ ケ シア スッチェッソ | なぜそれが起きたと思いますか? |
「perché(なぜ)」「come(どうやって)」で始める開かれた質問は、相手の言葉を引き出しやすくなります。
逆に「はい・いいえ」で答えられる質問ばかりだと、本音はなかなか出てきません。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Cosa intende esattamente? | コーザ インテンデ エザッタメンテ | それは正確にはどういう意味でしょうか? |
| Come si è sentito in quel momento? | コメ シ エ センティート イン クエル モメント | そのとき、どう感じましたか? |
| Mi può fare un esempio concreto? | ミ プオ ファーレ ウン エゼンピオ コンクレート | 具体的な例をいただけますか? |
沈黙を恐れず相手に考える時間を渡すと、より深い答えが返ってきます。
問題定義(definizione)のフレーズ
集めた情報を整理し、解くべき問題を一文にまとめる段階です。
「誰が・何を・なぜ」を明確にすると、チームの認識がそろいます。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Quindi il vero problema sembra essere… | クインディ イル ヴェーロ プロブレーマ センブラ エッセレ | つまり本当の問題は〜のようですね。 |
| Come potremmo rendere tutto più semplice? | コメ ポトレンモ レンデレ トゥット ピュ センプリチェ | どうすれば全体をもっと簡単にできるでしょう? |
| Riformuliamo il problema dal punto di vista dell’utente. | リフォルムリアーモ イル プロブレーマ ダル プント ディ ヴィスタ デッルテンテ | ユーザー視点で問題を捉え直しましょう。 |
| Cosa stiamo cercando davvero di risolvere? | コーザ スティアーモ チェルカンド ダッヴェーロ ディ リゾルヴェレ | 私たちは結局、何を解こうとしているのでしょう? |
「Come potremmo…?(どうすれば〜できるか)」は、問題を前向きな問いに変える定番表現です。
英語の「How might we」にあたる言い回しで、発想段階への橋渡しとしてよく使われます。
発想・アイデア出しのフレーズ
発想の段階では、まず量を出すことを優先します。
批判を後回しにして、アイデアを広げる空気をつくります。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Proponiamo più idee possibili. | プロポニアーモ ピュ イデーエ ポッシビリ | できるだけたくさんアイデアを出しましょう。 |
| E se provassimo un approccio del tutto diverso? | エ セ プロヴァッシモ ウナップロッチョ デル トゥット ディヴェルソ | まったく違うやり方を試したらどうでしょう? |
| Partendo da quell’idea, potremmo anche… | パルテンド ダ クエッリデア ポトレンモ アンケ | そのアイデアに乗せて、〜もできそうです。 |
| Per ora rimandiamo i giudizi. | ペル オーラ リマンディアーモ イ ジュディーツィ | 今は良し悪しの判断を保留しましょう。 |
「Sì, e…(いいね、それなら)」で受けると、相手のアイデアを否定せず広げられます。
逆に「Sì, ma…(でも)」は否定に聞こえやすいので、発想段階では控えます。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Sì, e potremmo spingerci ancora più in là. | シ エ ポトレンモ スピンジェルチ アンコーラ ピュ イン ラ | いいですね、もう一歩進められそうです。 |
| È un’idea audace, teniamola sulla lavagna. | エ ウニデア アウダーチェ テニアーモラ スッラ ラヴァーニャ | 大胆な案ですね、ボードに残しておきましょう。 |
| Costruiamo sull’idea di Giulia. | コストルイアーモ スッリデア ディ ジュリア | ジュリアさんの案に乗せていきましょう。 |
突飛な案ほど後で核になることがあるので、まずは消さずに残します。
アイデアを選ぶ・絞り込むフレーズ
広げたアイデアを、次は現実的な候補へと絞り込みます。
多数決やシール投票で、感覚ではなく合意で選ぶと納得感が出ます。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Votiamo le tre idee migliori. | ヴォティアーモ レ トレ イデーエ ミリオーリ | 上位3つのアイデアに投票しましょう。 |
| Quale ha il massimo effetto con il minimo sforzo? | クアーレ ア イル マッシモ エッフェット コン イル ミニモ スフォルツォ | 最小の労力で最大の効果が出るのはどれですか? |
| Raggruppiamo le idee simili. | ラッグルッピアーモ レ イデーエ シミリ | 似たアイデアをまとめましょう。 |
| Possiamo ridurre tutto a una sola da provare? | ポッシアーモ リドゥッレ トゥット ア ウナ ソーラ ダ プロヴァーレ | 試作する1案に絞れますか? |
「効果」と「実現しやすさ」の2軸で並べると、選ぶ基準を共有しやすくなります。
プロトタイプを提案するフレーズ
プロトタイプは、完璧さよりも早く形にすることが目的です。
紙でも画面でも、試せる最小の形をまず作ります。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Facciamo un prototipo veloce per provare l’idea. | ファッチアーモ ウン プロトーティポ ヴェローチェ ペル プロヴァーレ リデア | アイデアを試す簡単な試作を作りましょう。 |
| Non deve essere perfetto, basta che si possa testare. | ノン デーヴェ エッセレ ペルフェット バスタ ケ シ ポッサ テスターレ | 完璧でなくていいです。試せれば十分です。 |
| Per ora usiamo un prototipo di carta. | ペル オーラ ウジアーモ ウン プロトーティポ ディ カルタ | 今は紙の試作で進めましょう。 |
| Rendiamolo solo abbastanza reale da avere riscontri. | レンディアーモロ ソーロ アッバスタンツァ レアーレ ダ アヴェーレ リスコントリ | 意見をもらえる程度のリアルさにしましょう。 |
「試せれば十分(abbastanza per testare)」という考え方が、作り込みすぎを防ぎます。
早く作って早く直す姿勢が、デザイン思考の核になります。
検証・フィードバックのフレーズ
検証では、作ったものを試してもらい、率直な反応を集めます。
批判をもらいに行く姿勢で臨むと、改善のヒントが増えます。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Cosa ha funzionato e cosa no? | コーザ ア フンツィオナート エ コーザ ノ | うまくいった点と、いかなかった点は? |
| Dove si è bloccato? | ドーヴェ シ エ ブロッカート | どこで詰まりましたか? |
| Non si preoccupi di offenderci, sia sincero. | ノン シ プレオックピ ディ オッフェンデルチ シア シンチェーロ | 遠慮はいりません、率直にお願いします。 |
| Se potesse cambiare una cosa, quale sarebbe? | セ ポテッセ カンビアーレ ウナ コーザ クアーレ サレッベ | 一つだけ変えるなら、どこを変えますか? |
フィードバックを返すときは、人ではなく案そのものに向けて伝えます。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Questa parte mi piace, su quella forse possiamo migliorare. | クエスタ パルテ ミ ピアーチェ ス クエッラ フォルセ ポッシアーモ ミリオラーレ | ここは良いです。あの部分は改善できそうですね。 |
| Una cosa che suggerirei è… | ウナ コーザ ケ スッジェリレイ エ | 一つ提案するとすれば〜です。 |
| Qual è il prossimo passo, alla luce di questo? | クアレ イル プロッシモ パッソ アッラ ルーチェ ディ クエスト | これを踏まえて、次の一手は何でしょう? |
良い点と改善点をセットで伝えると、相手が受け取りやすくなります。
ワークショップを進行するフレーズ
進行役は、時間管理と全員の発言機会づくりを担います。
短い区切りで声をかけると、議論がだれません。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Dedichiamo dieci minuti a questo, poi andiamo avanti. | デディキアーモ ディエチ ミヌーティ ア クエスト ポイ アンディアーモ アヴァンティ | これに10分使って、次へ進みましょう。 |
| Sentiamo chi non ha ancora parlato. | センティアーモ キ ノン ア アンコーラ パルラート | まだ話していない方の意見も聞きましょう。 |
| Mettiamo da parte questo e ci torniamo dopo. | メッティアーモ ダ パルテ クエスト エ チ トルニアーモ ドーポ | それは一旦置いて、後で戻りましょう。 |
| Possiamo chiudere questa parte? | ポッシアーモ キウーデレ クエスタ パルテ | このパートをそろそろ締めましょうか? |
脱線した話題を「一旦置く(mettere da parte)」と言える進行役は、議論をうまくさばけます。
避けたい言い方と言い換え
発想の場では、強い否定がアイデアの芽を摘んでしまいます。
同じ内容でも、前向きな言い換えにすると場が続きます。
| 避けたい言い方 | 言い換え | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Non funzionerà. | Come potremmo farlo funzionare? | どうすればそれを実現できるでしょう? |
| È una cattiva idea. | Per ora teniamola sulla lavagna. | 今はボードに残しておきましょう。 |
| L’abbiamo già provato. | Cosa c’è di diverso questa volta? | 今回はどこが違うでしょうか? |
| Non è compito mio. | Chi è la persona giusta per occuparsene? | これは誰が担うのが良さそうですか? |
デザイン思考を広めたデザイン会社IDEOは、ブレストの原則として「判断を保留し、量を求める」ことを挙げています。
想定シーン|アイデア出しの一場面
たとえば、社内アプリの改善ワークショップを想定してみましょう。
進行役がアイデアを広げ、最後に絞り込む流れは次のように運べます。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Come potremmo rendere il login più veloce? | コメ ポトレンモ レンデレ イル ログイン ピュ ヴェローチェ | どうすればログインを速くできるでしょう? |
| Sì, e potremmo aggiungere un’opzione con un solo tocco. | シ エ ポトレンモ アッジュンジェレ ウノプツィオーネ コン ウン ソーロ トッコ | いいですね、ワンタップ機能も足せそうです。 |
| Votiamo e scegliamo una da prototipare. | ヴォティアーモ エ シェリアーモ ウナ ダ プロトティパーレ | 投票して、試作する1案を選びましょう。 |
このように「問い→発散→収束」の順で運ぶと、短時間でも形になります。
オンラインミーティングでの応用
これらのフレーズは、対面だけでなくオンラインのワークショップでもそのまま使えます。
画面共有やチャット欄を前提にすると、進行の声かけが少し変わってきます。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Scrivete le vostre idee nella chat. | スクリヴェーテ レ ヴォストレ イデーエ ネッラ チャット | アイデアをチャット欄に書き込んでください。 |
| Condivido lo schermo con la lavagna online. | コンディーヴィド ロ スケルモ コン ラ ラヴァーニャ オンライン | オンラインボードの画面を共有します。 |
| Chi vuole intervenire può alzare la mano. | キ ヴオーレ インテルヴェニーレ プオ アルツァーレ ラ マーノ | 発言したい方は挙手機能を使ってください。 |
オンラインでは発言が重なりやすいため、進行役が順番を明示すると流れがスムーズになります。
よくある質問
デザイン思考の各段階をイタリア語で何と言いますか?
共感はempatia、問題定義はdefinizione、発想はideazione、プロトタイプはprototipo、検証はtestです。
5段階をまとめてle cinque fasi del design thinkingと呼びます。
「Come potremmo…?」とはどういう意味ですか?
「どうすれば〜できるか」と問題を前向きな問いに変える表現です。
英語の「How might we」にあたり、発想段階の出発点としてよく使われます。
アイデアを否定せずに反応するには?
「Sì, e…」で受けて、相手のアイデアに自分の案を重ねます。
「Sì, ma…」は否定に聞こえやすいので、発想段階では避けます。
ユーザーインタビューで本音を引き出すコツは?
「perché」や「come」で始まる開かれた質問を使い、沈黙を恐れず考える時間を渡します。
まとめ
デザイン思考は、段階ごとの定番フレーズを持っておくだけで議論に参加しやすくなります。
- 共感では開かれた質問で本音を引き出す。
- 発想では「Sì, e」で広げ、判断は後回しにする。
- 検証では案そのものに向けて、率直な意見を交わす。
あとは、ワークショップでの会話の流れを通しで確認しておくと、本番でフレーズがすっと出てきます。
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