スウェーデン語のファシリテーションダイアログ|会議進行の会話例

スウェーデン語

スウェーデン語の会議で進行役を務めるとき、フレーズ単体を覚えても「実際の流れの中でどう使うか」が分からないと不安が残ります。

ファシリテーション(進行)は、開始から締めまでの一連の会話として体に入れておくと、本番で自然に口が動きます。

この記事で分かることは次の3つです。

  • 進行役と参加者の往復を、実際の会議の流れに沿ったスウェーデン語ダイアログで確認できる
  • 発言促し・脱線整理・時間管理・合意形成といった場面で進行役が何を言うか分かる
  • 会話の直後に日本語解説があり、なぜその一言が効くのかが理解できる

ここでは進行役を Ledare(リーダー)、参加者を A・B・C と表記して、3つの場面を見ていきます。

スウェーデンの会議は合意(konsensus)とフラットさを重んじます。進行役がどう全員を巻き込むか、会話の中で観察してみてください。

場面1|会議を開始し、発言を引き出す

定刻になり、進行役が会議を立ち上げる場面です。

最初にゴールを共有し、黙っている参加者から意見を引き出していきます。

話者 スウェーデン語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
Ledare Tack för att ni är här allihop. Då sätter vi igång. タック フォル アット ニー エール ヘール アッリホープ。ドー セッテル ヴィ イゴング みなさん、ご参加ありがとうございます。では始めましょう。
Ledare Jag leder mötet idag. Målet är att spika budgeten. ヤーグ レーデル モーテット イダーグ。モーレット エール アット スピーカ ブッジェテン 本日は私が進行します。ゴールは予算を確定することです。
A Låter bra. Ska vi börja med marknadsföringen? ローテル ブラー。スカ ヴィ ボリヤ メード マルクナードスフォーリンゲン 了解です。マーケティング費から始めますか?
Ledare Bra idé. Vi börjar där och tar resten i tur och ordning. ブラー イデー。ヴィ ボリヤル デール オク タール レステン イ トゥール オク オルドニング いいですね。そこから順に進めましょう。
Ledare Vad tänker du om siffrorna, Björn? ヴァード テンケル ドゥー オム シッフロルナ、ビョーン ビョルンさん、今の数字についてどう思いますか?
B Jag tycker marknadsföringen är lite hög för det här kvartalet. ヤーグ テュッケル マルクナードスフォーリンゲン エール リーテ ホーグ フォル デット ヘール クヴァルターレット 今期はマーケティング費が少し高いと思います。
Ledare Tack. Jag skulle gärna höra från någon som inte sagt något än. タック。ヤーグ スクッレ イェーナ ホーラ フローン ノーゴン ソム インテ サッグト ノーゴット エン ありがとうございます。まだ発言していない方の意見も聞きたいです。
C Jag håller med Björn. Vi kan flytta en del till nästa kvartal. ヤーグ ホッレル メード ビョーン。ヴィ カン フリュッタ エン デール ティル ネスタ クヴァルタール ビョルンに同意です。一部を来期に回せそうです。

進行役が「Jag leder mötet idag(本日は私が進行します)」と宣言すると、参加者は誰が場を仕切るかを把握できます。

名前で指名し、さらに「まだ話していない人」に水を向けることで、発言が一部の人に偏るのを防いでいます。spika(くぎを打つ=確定する)は会議でよく使う口語です。

場面2|脱線を整理し、時間を管理する

議論が盛り上がるあまり、本題から外れてしまった場面です。

進行役は出た話題を否定せず、いったん預けてから本題に戻します。

話者 スウェーデン語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
A På tal om verktyg, det nya CRM-systemet har strulat rejält. ポー タール オム ヴェルクテューグ、デット ニーア セーエルエム システメット ハール ストルーラット レイェルト ツールといえば、新しいCRMが最近不具合だらけで。
B Precis, jag blir utloggad mitt under demos. プレシース、ヤーグ ブリール ウートロッガード ミット ウンデル デーモス そうそう、デモ中にログアウトされ続けるんです。
Ledare Det är ett riktigt problem, men vi lägger det åt sidan så länge. デット エール エット リクティグト プロブレーム、メン ヴィ レッゲル デット オート シーダン ソー レンゲ 確かに問題ですが、いったん保留にしましょう。
Ledare Jag sätter upp CRM på parkeringslistan så återkommer vi. ヤーグ セッテル ウップ セーエルエム ポー パルケーリングスリスタン ソー オーテルコンメル ヴィ CRMの件は課題リストに入れて、後で扱います。
Ledare Vi tar tillbaka det till budgeten. ヴィ タール ティルバーカ デット ティル ブッジェテン 予算の話に戻しましょう。
C Visst. Så är vi överens om att flytta tio procent till nästa kvartal? ヴィスト。ソー エール ヴィ オーヴェレンス オム アット フリュッタ ティーオ プロセント ティル ネスタ クヴァルタール 了解です。では10%を来期に回す方向で合意ですか?
Ledare Vi har ungefär tio minuter kvar, så vi avgör det nu. ヴィ ハール ウンゲフェール ティーオ ミヌーテル クヴァール、ソー ヴィ アヴヨール デット ヌー 残り10分ほどなので、そこを決めましょう。
A Det funkar för mig. デット フンカル フォル メイ 私は問題ありません。

lägga åt sidan(脇に置く)や parkeringslista(課題置き場)は、後で扱う話題をいったん置いておく進行役の定番表現です。

残り時間を口に出して共有すると、参加者が自然とペースを合わせ、決定に向かいやすくなります。det funkar(うまくいく=大丈夫)はカジュアルな同意表現です。

場面3|対立を整理し、合意して締める

2人の意見が割れ、議論が止まりかけた場面です。

進行役はどちらにも肩入れせず、一致点を探してから合意に持ち込みます。

話者 スウェーデン語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
B Jag tycker fortfarande att vi ska behålla hela marknadsbudgeten. ヤーグ テュッケル フォットファランデ アット ヴィ スカ ベホッラ ヘーラ マルクナードスブッジェテン やはりマーケティング予算は全額残すべきだと思います。
C Men då finns det inget utrymme för nyrekryteringen. メン ドー フィンス デット インゲット ウートリュンメ フォル ニューレクリテーリンゲン でもそれだと新規採用の余裕がなくなります。
Ledare Låt mig se till att jag förstår båda sidor. ロート メイ セー ティル アット ヤーグ フォシュトール ボーダ シードル 双方の意見を正しく理解させてください。
Ledare Det låter som att vi har två prioriteringar: tillväxt och rekrytering. デット ローテル ソム アット ヴィ ハール トヴォー プリオリテーリンガル:ティルヴェクスト オク レクリテーリング 成長と採用、2つの優先事項が出ているようですね。
Ledare Var är vi egentligen överens? ヴァール エール ヴィ エーゲントリゲン オーヴェレンス 私たちが一致している点はどこでしょう?
B Vi vill väl båda se resultat redan det här kvartalet. ヴィ ヴィル ヴェール ボーダ セー レスルタート レーダン デット ヘール クヴァルターレット 今期に成果を出したい点は共通していますね。
Ledare Då, kan vi hitta en medelväg, typ en delvis flytt? ドー、カン ヴィ ヒッタ エン メーデルヴェーグ、テュープ エン デールヴィース フリュット では一部だけ回すような折衷案で合意できますか?
C En flytt på tio procent låter rimligt för mig. エン フリュット ポー ティーオ プロセント ローテル リムリグト フォル メイ 10%の移動なら妥当だと思います。
Ledare Om ingen har invändningar kör vi på tio procents flytt. オム インゲン ハール インヴェンドニンガル シェール ヴィ ポー ティーオ プロセンツ フリュット 異論がなければ、10%移動で進めます。
Ledare Vi utser ansvariga så skickar jag anteckningarna efteråt. ヴィ ウートセール アンスヴァーリガ ソー シッカル ヤーグ アンテックニンガルナ エフテロート 担当を決めて、後で議事録を送ります。

「Var är vi egentligen överens?(一致点はどこでしょう)」と問い直すことで、対立していても共通の土台が見えてきます。

最後は「Om ingen har invändningar(異論がなければ)」で合意を取り、担当割り当てと議事録送付を約束して締めています。

進行役のダイアログから学べる3つのコツ

3つの場面に共通する、進行役ならではの動き方を整理します。

フレーズの暗記だけでなく、この型を意識すると会話が安定します。

コツ 使うフレーズの例 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
ゴールを最初に言い切る Målet är att spika budgeten. モーレット エール アット スピーカ ブッジェテン ゴールは予算を確定することです。
名前で発言を促す Vad tänker du om det här, Björn? ヴァード テンケル ドゥー オム デット ヘール、ビョーン ビョルンさん、これについてどう思いますか?
脱線をいったん預ける Vi lägger det åt sidan så länge. ヴィ レッゲル デット オート シーダン ソー レンゲ いったん保留にしましょう。
残り時間を共有する Vi har ungefär tio minuter kvar. ヴィ ハール ウンゲフェール ティーオ ミヌーテル クヴァール 残り10分ほどです。
一致点を探す Var är vi egentligen överens? ヴァール エール ヴィ エーゲントリゲン オーヴェレンス 一致している点はどこでしょう?
反対がなければ決定とする Om ingen har invändningar kör vi på det. オム インゲン ハール インヴェンドニンガル シェール ヴィ ポー デット 異論がなければ、これで進めます。

進行役は自分の意見を主張するより、参加者の意見を引き出して整える役割だと意識すると、言葉が選びやすくなります。

オンライン進行で起こりがちな一場面

オンライン会議では、声のかぶりやミュート忘れが進行を止めがちです。

進行役が交通整理する短いやり取りを見てみましょう。

話者 スウェーデン語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
A Jag tycker att vi borde— förlåt, varsågod. ヤーグ テュッケル アット ヴィ ボルデ— フォルロート、ヴァショゴード 私は思うんですが、あ、お先にどうぞ。
B Nej, du först— ネイ、ドゥー フォシュト— いえ、そちらからどうぞ。
Ledare Vi tar en i taget. Anna, varsågod och börja. ヴィ タール エン イ ターゲット。アンナ、ヴァショゴード オク ボリヤ 一人ずつ話しましょう。アンナさんからどうぞ。
A Tack. Jag föreslår att vi tidigarelägger deadline en vecka. タック。ヤーグ フォレスロール アット ヴィ ティーディガレレッゲル デッドライン エン ヴェッカ ありがとうございます。締切を1週間早める提案です。
Ledare Uppfattat. Carl, du är förresten mutad. ウップファッタット。カール、ドゥー エール フォレステン ムータッド 了解です。ちなみにカールさん、ミュートになっています。
C Hoppsan, förlåt. Jag stöder att tidigarelägga. ホップサン、フォルロート。ヤーグ ストーデル アット ティーディガレレッガ 失礼しました。前倒しに賛成です。
Ledare Toppen. Har ni mer, skriv det i chatten. トッペン。ハール ニー メール、スクリーヴ デット イ シャッテン いいですね。追加があればチャットへどうぞ。

「Vi tar en i taget(一人ずついきましょう)」と順番を整理するだけで、オンライン特有の沈黙と混線が解消します。

ミュートの指摘やチャット誘導も、進行役が担うと会議全体がスムーズに回ります。uppfattat(了解)や toppen(最高・いいね)は相づちとして頻出します。

よくある質問

Q. ダイアログを使った進行練習はどう活用すればいいですか?

進行役のセリフだけを音読して、自分の言葉として口になじませるのがおすすめです。

場面ごとに「開始・脱線整理・合意」の流れを通しで練習すると、本番でも順番が崩れにくくなります。

Q. 発言が止まったとき、進行役は何を言えばいいですか?

「Var är vi egentligen överens?(一致している点はどこでしょう)」と問い直すと、議論が再び動き出します。

名前で指名する「Vad tänker du, Björn?(ビョルンさん、どう思いますか)」も沈黙を破る定番です。

Q. 脱線をやんわり止めるフレーズは?

「Det är ett riktigt problem, men vi lägger det åt sidan så länge.(確かに問題ですが、いったん脇に置きましょう)」のように、いったん認めてから預ける形が角が立ちません。

Q. オンライン会議で声がかぶるときの対処は?

「Vi tar en i taget.(一人ずついきましょう)」と順番を指定し、必要なら名前で次の話者を指名します。

チャットや挙手ボタンの活用を促すのも効果的です。

まとめ

ファシリテーションは、フレーズ単体ではなく一連の会話の流れで覚えると本番で動けます。

  • 開始ではゴールを言い切り、名前で指名して発言を引き出す。
  • 脱線は預け、残り時間を共有しながら本題に戻す。
  • 対立は一致点(överens)を探して整理し、合意と担当割り当てで締める。

会話の型が身についたら、進行でよく出る単語をまとめて押さえておくと、さらに言葉が出やすくなります。

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