スウェーデン語で交渉となると、急に言葉が出てこなくなる。そんな悩みを持つ方へ。
交渉は、特別な語学力よりも「型」を知っているかどうかで差がつきます。
スウェーデン語圏のビジネスは、合意(överenskommelse)を急がず、フラットな関係の中で落としどころを探る文化です。声を張り上げるより、静かに条件を交換する姿勢が好まれます。
この記事で分かることは次のとおりです。
- 交渉の各場面(切り出し・価格・譲歩・反論対応・合意)で使う定番のスウェーデン語フレーズ
- オンライン会議での言い回しと、避けたいきつい表現の言い換え
- 単価交渉の想定シーンでのフレーズの使い方
交渉を切り出すスウェーデン語フレーズ
最初のひと言で、交渉の空気が決まります。
いきなり要求から入らず、目的の共有から始めると相手も身構えません。スウェーデン語の “vi”(私たち)を主語にすると、対立ではなく共同作業の雰囲気が出ます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Ska vi gå igenom huvudpunkterna först? | スカ ヴィ ゴー イェノム ヒューヴュドプンクテルナ フシュト | まず要点を確認しましょうか? |
| Jag vill hitta en lösning som funkar för oss båda. | ヤー ヴィル ヒッタ エン ロースニング ソム フンカル フォール オス ボーダ | お互いにとって良い着地点を見つけたいです。 |
| Innan vi pratar siffror, får jag fråga om era prioriteringar? | インナン ヴィ プラータル シフロル、フォール ヤー フローガ オム エーラ プリオリテーリンガル | 金額の話の前に、御社の優先事項を伺えますか? |
| Vad är viktigast för er i den här affären? | ヴァード エール ヴィクティガスト フォール エール イ デン ヘール アッフェーレン | 今回の取引で最も重視される点は何ですか? |
相手の優先事項を先に聞くと、譲りどころと守りどころが見えてきます。スウェーデン語では “ni” より親しみのある “ni/er” の使い分けに迷ったら、ビジネスでは丁寧な “ni” を選んでおくと無難です。
価格・条件を交渉するスウェーデン語フレーズ
価格交渉は、断定より「相談」の形にすると角が立ちません。
根拠を添えると、単なる値切りに聞こえなくなります。スウェーデン語の “Finns det…”(〜の余地はありますか)は、やわらかく可能性を尋ねる便利な切り口です。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Finns det något utrymme på priset? | フィンス デ ノーゴット ウートリュンメ ポー プリーセット | 価格に調整の余地はありますか? |
| Det är lite högre än vad vi hade budgeterat för. | デ エール リーテ ホーグレ エン ヴァード ヴィ ハーデ ブュッゲテーラット フォール | こちらの予算より少し高いです。 |
| Om vi ökar volymen, kan ni då erbjuda ett bättre pris? | オム ヴィ オーカル ヴォリューメン、カン ニー ドー エルビューダ エット ベットレ プリース | 数量を増やせば、単価を下げていただけますか? |
| Skulle vi kunna mötas på halva vägen? | スクッレ ヴィ クンナ モータス ポー ハルヴァ ヴェーゲン | 折衷案で歩み寄っていただけませんか? |
| Vad kan ni göra om vi skriver på innan månadsslutet? | ヴァード カン ニー ヨーラ オム ヴィ スクリーヴェル ポー インナン モーナッズスルーテット | 月末までに契約したら、どんな条件が可能ですか? |
「数量」「契約時期」など、価格以外の条件をセットにすると交渉の幅が広がります。スウェーデン語で “mötas på halva vägen”(半分の道で会う)は、日本語の「歩み寄る」にそのまま重なる表現です。
譲歩を引き出す・代替案を出すスウェーデン語フレーズ
一方的に譲るのではなく、条件付きで譲るのが交渉の基本です。
スウェーデン語では “Om…”(もし〜なら)を文頭に置くと、見返りのある譲歩を自然に提案できます。英語の “if” と同じ感覚で使えます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Om ni kan betala i förskott kan vi erbjuda fem procents rabatt. | オム ニー カン ベターラ イ フォーシュコット カン ヴィ エルビューダ フェム プロセンツ ラバット | 前払いいただければ、5%お値引きできます。 |
| Vi kan förlänga deadline bara om omfattningen är oförändrad. | ヴィ カン フォーレンガ デドライン バーラ オム オムファットニンゲン エール オーフォーエンドラッド | 範囲が変わらなければ、納期を延ばせます。 |
| Om ni binder er till ett tvåårsavtal slopar vi startavgiften. | オム ニー ビンデル エール ティル エット トヴォーオーシュアヴタール スローパル ヴィ スタートアヴユィフテン | 2年契約なら、初期費用を無料にします。 |
| Vi skulle sänka styckpriset om ni ökar orderkvantiteten. | ヴィ スクッレ センカ スティュックプリーセット オム ニー オーカル オーデルクヴァンティテーテン | 発注量を増やしていただければ、単価を下げます。 |
条件提示のほかに、代替案や折衷を持ちかける言い方も覚えておきます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Skulle ni vara öppna för ett alternativ? | スクッレ ニー ヴァーラ オップナ フォール エット アルテルナティーヴ | 代替案も検討いただけますか? |
| Vad sägs om att dela på mellanskillnaden? | ヴァード セッグス オム アット デーラ ポー メッランシルナーデン | 差額を折半するのはいかがでしょう? |
| I gengäld skulle vi vilja ha ett längre avtal. | イ イェンイェルド スクッレ ヴィ ヴィリャ ハー エット レングレ アヴタール | その代わり、契約期間を長くお願いしたいです。 |
交渉学では、譲れない場合に備えた次善策を BATNA(Best Alternative To a Negotiated Agreement)と呼びます。
BATNA を持っておくと、無理な条件を飲まずに済みます。スウェーデン語の交渉でも、降りる選択肢があるかどうかが落ち着いた態度につながります。
反論・押し返しに対応するスウェーデン語フレーズ
相手が強く出てきても、すぐに折れる必要はありません。
一度受け止めてから、こちらの立場を返すと冷静に進められます。”Jag förstår…”(理解します)は、同意ではなく受け止めの相づちとして使えます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Jag förstår er oro, men låt mig förklara vår ståndpunkt. | ヤー フォーシュトール エール オーロ、メン ロート マイ フォークラーラ ヴォール ストーンドプンクト | ご懸念は理解できます。ただ当方の立場を説明させてください。 |
| Tyvärr fungerar det inte för oss. | テューヴェール フンゲーラル デ インテ フォール オス | 申し訳ありませんが、それは難しいです。 |
| Vi kan återkomma till den punkten senare. | ヴィ カン オーテルコンマ ティル デン プンクテン セナーレ | その点は後ほど改めて議論しましょう。 |
| Kan ni hjälpa mig förstå tanken bakom det? | カン ニー イェルパ マイ フォーシュトー タンケン バーコム デ | その根拠を教えていただけますか? |
「ダメです」とだけ言わず、理由や代案を添えると、関係を保ったまま押し返せます。スウェーデン語の “Tyvärr”(残念ながら)は、否定をやわらげる枕詞として頻出します。
合意・クロージングのスウェーデン語フレーズ
最後は、決まった内容を口頭で確認して認識のズレを防ぎます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| För att bekräfta, vi har kommit överens om följande. | フォール アット ベクレフタ、ヴィ ハール コミット オーヴェレンス オム フォリャンデ | では確認です。以下の内容で合意しました。 |
| Jag tror att vi har ett avtal. | ヤー トルー アット ヴィ ハール エット アヴタール | これで合意ですね。 |
| Jag skickar en skriftlig sammanfattning senast i morgon. | ヤー フィッカル エン スクリフトリグ サンマンファットニング セナスト イ モロン | 明日までに書面でまとめをお送りします。 |
| Låt oss få det skriftligt för att undvika missförstånd. | ロート オス フォー デ スクリフトリグト フォール アット ウンドヴィーカ ミスフォーシュトーンド | 誤解を防ぐため、書面に残しましょう。 |
合意後にメールで要点を送る流れは、交渉でも忘れたくないステップです。口頭での “vi har kommit överens”(合意しました)を、そのまま書面の冒頭に置くと整理しやすくなります。
オンライン会議での交渉フレーズ
Zoom や Microsoft Teams での交渉は、画面共有と間(ま)の取り方がカギです。
音声が途切れやすいので、要点は短く区切って話します。スウェーデン語圏はリモート会議に慣れた人が多く、簡潔な発言が好まれます。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Jag delar min skärm med de reviderade siffrorna. | ヤー デーラル ミン シェルム メ デ レヴィデーラデ シフロルナ | 修正した数字を画面共有します。 |
| Jag lägger den uppdaterade offerten i chatten. | ヤー レッゲル デン ウップダテーラデ オッフェルテン イ シャッテン | 更新した見積りをチャットに送ります。 |
| Kan vi ta en kort paus och fortsätta om tio minuter? | カン ヴィ ター エン コート パウス オク フォシェッタ オム ティーオ ミヌーテル | 10分休憩して再開できますか? |
| Jag vill ta med min chef till nästa samtal. | ヤー ヴィル ター メ ミン シェーフ ティル ネスタ サムタール | 次回は上司も同席させたいです。 |
「持ち帰って上司と相談する」は、その場で即決を避ける定番の交渉カードです。スウェーデン語の “min chef”(私の上司)を出すと、決裁の流れを自然に説明できます。
避けたい言い方と言い換え
強すぎる否定は、相手の態度を硬化させます。
同じ内容でも、やわらかい言い換えにすると交渉が続けやすくなります。スウェーデン語は直接的に響きやすい言語なので、クッション言葉が特に効きます。
| 避けたい言い方 | 言い換え(読み方) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Det är omöjligt.(不可能です) | Det blir svårt, men vi kan utforska alternativ.(デ ブリール スヴォート、メン ヴィ カン ウートフォシュカ アルテルナティーヴ) | 難しいですが、方法を探りましょう。 |
| Nej.(いいえ) | Tyvärr fungerar det inte för oss.(テューヴェール フンゲーラル デ インテ フォール オス) | あいにくそれは厳しいです。 |
| Ni har fel.(あなたは間違っている) | Jag ser det lite annorlunda.(ヤー セール デ リーテ アンノルルンダ) | 私は少し違う見方をしています。 |
| Ge mig rabatt.(値引きしろ) | Finns det något utrymme på priset?(フィンス デ ノーゴット ウートリュンメ ポー プリーセット) | 価格に調整の余地はありますか? |
交渉術の古典『Getting to Yes』(Roger Fisher・William Ury)でも、人と問題を切り分け、立場でなく利害に注目することがすすめられています。スウェーデン語圏の合意重視の文化とも相性の良い考え方です。
想定シーン|単価交渉の一場面
たとえば、スウェーデンのサプライヤーとの単価交渉を想定してみましょう。
相手の提示が予算より高かった場合、次のように進めると自然です。
| スウェーデン語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Det är lite högre än vad vi budgeterat. Finns det något utrymme? | デ エール リーテ ホーグレ エン ヴァード ヴィ ブュッゲテーラット。フィンス デ ノーゴット ウートリュンメ | 予算より少し高いです。調整の余地はありますか? |
| Om vi binder oss till ett årsavtal, kan ni sänka styckpriset? | オム ヴィ ビンデル オス ティル エット オーシュアヴタール、カン ニー センカ スティュックプリーセット | 年間契約にすれば、単価を下げられますか? |
| Låt oss dela på mellanskillnaden och få det skriftligt. | ロート オス デーラ ポー メッランシルナーデン オク フォー デ スクリフトリグト | 差額を折半して、書面にしましょう。 |
このように「根拠→条件提示→確認」の順で運ぶと、押しすぎずに合意へ近づけます。スウェーデン語では最後の “skriftligt”(書面で)まで言い切ると、相手も安心して握手に応じます。
よくある質問
Q. スウェーデン語の交渉で最初に言うべきことは?
A. いきなり要求からは入らず、目的の共有と相手の優先事項の確認から始めます。”Vad är viktigast för er i den här affären?”(今回の取引で最も重視される点は?)が使いやすい一言です。
Q. 「Nej(いいえ)」と言わずに断るには?
A. “Tyvärr fungerar det inte för oss.”(残念ながら難しいです)のように、やわらかい否定に理由や代案を添えます。”Tyvärr” を頭に置くだけで、ぐっと角が取れます。
Q. 価格交渉で角を立てない言い方は?
A. “Finns det något utrymme på priset?”(価格に調整の余地はありますか)と相談の形にすると、単なる値切りに聞こえません。”utrymme”(余地)という語が柔らかさを生みます。
Q. BATNAとは何ですか?
A. 交渉が決裂したときの最善の代替案(Best Alternative To a Negotiated Agreement)です。用意しておくと、不利な条件を飲まずに済み、スウェーデン語でも落ち着いて条件を提示できます。
まとめ
交渉は、場面ごとの定番フレーズを持っておくだけで落ち着いて臨めます。
- 切り出しは要求からでなく、目的と相手の優先事項の共有から。
- 譲歩は “Om…”(もし〜なら)を使った条件付きにして、見返りを得る。
- 合意は口頭と書面(skriftligt)の両方で確認し、認識のズレを防ぐ。
あとは、交渉でよく出るスウェーデン語の単語をまとめて覚えておくと、本番でフレーズがすっと出てきます。
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