オランダ語の会議で問題が起きたとき、どう切り出して、どう決めればいいのか。そんな悩みを持つ方へ。
問題解決は、特別なオランダ語力よりも「進め方の型」を知っているかで差がつきます。
この記事で分かることは次の3つです。
- 課題定義・原因分析・選択肢検討・優先順位・意思決定の各場面で使うオランダ語の定番フレーズ
- 合意形成やリスク評価で角を立てずに進める言い回し
- システム障害対応の想定シーンでのフレーズの使い方
オランダのビジネス文化は、率直さ(directheid)と全員参加の合意形成(het poldermodel)で知られています。意見をはっきり言いつつ、相手の立場も尊重する。
その両立を支えるのが、ここで紹介する場面別の型です。
課題を定義するフレーズ
問題解決の出発点は、解くべき課題を一文で言い切ることです。
最初に範囲を絞ると、議論が脱線しにくくなります。
| オランダ語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Laten we eerst het probleem definiëren voordat we naar oplossingen zoeken. | ラーテン ヴェ エールスト ヘット プロブレーム デフィニーレン フォールダット ヴェ ナール オプロッシンゲン ゾーケン | 解決策を探す前に、まず問題を定義しましょう。 |
| Wat proberen we hier precies op te lossen? | ヴァット プローベレン ヴェ ヒール プレイシス オプ テ ロッセン | 私たちがここで解こうとしているのは、正確には何ですか? |
| Laten we ervoor zorgen dat we het allemaal eens zijn over het probleem. | ラーテン ヴェ エルフォール ゾルゲン ダット ヴェ ヘット アレマール エーンス ゼイン オーフェル ヘット プロブレーム | 課題について全員の認識を合わせましょう。 |
| Kunnen we dit terugbrengen tot één kernvraag? | クンネン ヴェ ディット テルフブレンゲン トット エーン ケルンフラーフ | これを一つの核心的な問いに絞れますか? |
「問題(probleem)」と「症状(symptoom)」を混同しないことが、的外れな対策を防ぐ第一歩です。
状況・事実を整理するフレーズ
原因に進む前に、起きている事実を客観的に並べます。
意見と事実を分けて話すと、誤った前提に気づきやすくなります。
| オランダ語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Laten we beginnen met de feiten die we hebben. | ラーテン ヴェ ベヒンネン メット デ ファイテン ディ ヴェ ヘッベン | まず手元の事実から始めましょう。 |
| Wat vertellen de gegevens ons tot nu toe? | ヴァット フェルテレン デ ヘーヘフェンス オンス トット ニュー トゥー | これまでのデータは何を示していますか? |
| Laten we feiten van aannames scheiden. | ラーテン ヴェ ファイテン ファン アーンナーメス スハイデン | 事実と推測を分けましょう。 |
| Wanneer is dit probleem voor het eerst opgetreden? | ヴァンネール イス ディット プロブレーム フォール ヘット エールスト オプヘトレーデン | この問題は最初にいつ現れましたか? |
「いつから」「どこで」を押さえると、原因の範囲が一気に狭まります。
原因を分析するフレーズ
表面的な対処で終わらせないために、根本原因まで掘り下げます。
「なぜ(waarom)」を重ねて問うと、真の原因にたどり着きやすくなります。
| オランダ語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Laten we de grondoorzaak hiervan achterhalen. | ラーテン ヴェ デ フロントオールザーク ヒールファン アハターハーレン | これの根本原因を突き止めましょう。 |
| Waarom is dit eigenlijk gebeurd? | ヴァーロム イス ディット アイヘンレイク ヘブールト | そもそもなぜこれが起きたのですか? |
| Is dit een symptoom of de werkelijke oorzaak? | イス ディット エーン シンプトーム オフ デ ヴェルケレイケ オールザーク | これは症状ですか、それとも本当の原因ですか? |
| Wat is het onderliggende probleem hierachter? | ヴァット イス ヘット オンダーリヘンデ プロブレーム ヒールアハター | この背後にある根本的な問題は何ですか? |
| Laten we nog geen overhaaste conclusies trekken. | ラーテン ヴェ ノッホ ヘーン オーフェルハースト コンクルーシス トレッケン | まだ性急な結論に飛びつかないようにしましょう。 |
原因究明の手法として、「なぜ」を5回繰り返す Five Whys(オランダ語では de vijf keer waarom)が知られています。
トヨタ生産方式から広まった考え方で、対症療法を避けるのに役立ちます。
選択肢を出し合うフレーズ
原因が見えたら、対策の候補を幅広く出します。
この段階では、批判より数を優先すると良い案が集まります。
| オランダ語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Laten we wat mogelijke opties brainstormen. | ラーテン ヴェ ヴァット モーヘレイケ オプティス ブレインストルメン | 考えられる選択肢を出し合いましょう。 |
| Welke opties hebben we hier? | ヴェルケ オプティス ヘッベン ヴェ ヒール | ここでの選択肢は何がありますか? |
| Eén manier om dit aan te pakken is om klein te beginnen. | エーン マニール オム ディット アーン テ パッケン イス オム クライン テ ベヒンネン | これに取り組む一つの方法は、小さく始めることです。 |
| Is er een alternatief dat we nog niet hebben overwogen? | イス エル エーン アルテルナティーフ ダット ヴェ ノッホ ニート ヘッベン オーフェルヴォーヘン | まだ検討していない代替案はありますか? |
| Laten we het beoordelen van ideeën nu even uitstellen. | ラーテン ヴェ ヘット ベオールデーレン ファン イデーエン ニュー エーフェン アウトステレン | 今は案の評価を後回しにしましょう。 |
突飛に見える案も、組み合わせれば現実的な解になることがあります。
選択肢を比較・評価するフレーズ
出そろった案を、同じ基準で並べて比べます。
「良い・悪い」だけでなく、長所と短所の両面を確認します。
| オランダ語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Laten we de voor- en nadelen van elke optie afwegen. | ラーテン ヴェ デ フォール エン ナーデーレン ファン エルケ オプティ アフヴェーヘン | 各案の長所と短所を比較しましょう。 |
| Wat zijn hier de afwegingen? | ヴァット ゼイン ヒール デ アフヴェーヒンゲン | ここでのトレードオフは何ですか? |
| Hoe verhoudt deze optie zich tot de andere? | フー フェルハウト デーゼ オプティ ジッヒ トット デ アンデレ | この案は他と比べてどうですか? |
| Welke levert ons de meeste waarde voor de inspanning op? | ヴェルケ レーフェルト オンス デ メーステ ヴァールデ フォール デ インスパンニング オプ | 労力に対して最も価値が高いのはどれですか? |
同じ評価軸(コスト・効果・期間など)で揃えると、比較がぶれません。
優先順位をつけるフレーズ
すべてを一度に解決はできないので、着手順を決めます。
影響度と緊急度の二軸で見ると、判断が楽になります。
| オランダ語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Wat moeten we als eerste aanpakken? | ヴァット ムーテン ヴェ アルス エールステ アーンパッケン | まず何に取り組むべきですか? |
| Laten we prioriteren op basis van impact en urgentie. | ラーテン ヴェ プリオリテーレン オプ バーシス ファン インパクト エン ユルヘンティ | 影響度と緊急度で優先順位をつけましょう。 |
| Dit is snel resultaat, dus laten we daar beginnen. | ディット イス スネル レスュルタート、ドゥス ラーテン ヴェ ダール ベヒンネン | これは早く成果が出るので、そこから始めましょう。 |
| Kunnen we dit voorlopig op de lange baan schuiven? | クンネン ヴェ ディット フォールローピッヒ オプ デ ランゲ バーン スハウフェン | これは一旦後回しにできますか? |
影響大・緊急高の案件から手をつけると、限られた時間を活かせます。
リスクを評価するフレーズ
決める前に、その案が外れたときの備えを確認します。
最悪の想定を一度言葉にしておくと、後で慌てずに済みます。
| オランダ語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Wat is het ergste dat er kan gebeuren als dit mislukt? | ヴァット イス ヘット エルフステ ダット エル カン ヘブーレン アルス ディット ミスルクト | これが失敗したら最悪どうなりますか? |
| Wat zou er mis kunnen gaan met deze aanpak? | ヴァット ゾウ エル ミス クンネン ハーン メット デーゼ アーンパック | この方法で何がうまくいかない可能性がありますか? |
| Hebben we een terugvalplan? | ヘッベン ヴェ エーン テルフファルプラン | 代替の計画はありますか? |
| Hoe waarschijnlijk is het dat dat risico zich voordoet? | フー ヴァールスハインレイク イス ヘット ダット ダット リシコ ジッヒ フォールドゥート | そのリスクが起きる可能性はどのくらいですか? |
リスクは「起こりやすさ」と「影響の大きさ」で見分けると優先順位がつきます。
意思決定するフレーズ
議論を引き延ばさず、どこかで決め切ることも大切です。
誰がいつまでに何をするかをセットで言うと、決定が動き出します。
| オランダ語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Laten we voor de tweede optie gaan. | ラーテン ヴェ フォール デ トヴェーデ オプティ ハーン | 2番目の案で進めましょう。 |
| Ik denk dat we genoeg informatie hebben om te beslissen. | イク デンク ダット ヴェ ヘヌーフ インフォルマーツィ ヘッベン オム テ ベスリッセン | 決めるのに十分な情報は集まったと思います。 |
| Laten we een besluit nemen en verdergaan. | ラーテン ヴェ エーン ベスラウト ネーメン エン フェルダーハーン | 決定して前に進みましょう。 |
| Wie wordt hiervoor verantwoordelijk, en tegen wanneer? | ヴィ ヴォルト ヒールフォール フェラントヴォールデレイク、エン テーヘン ヴァンネール | これは誰が担当で、いつまでですか? |
「決めない」という先送りも一つの決定で、放置とは違うと意識します。
合意を形成するフレーズ
決定を全員のものにするには、反対意見も拾っておきます。
一度受け止めてから返すと、納得感が高まります。
| オランダ語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Is iedereen het eens met deze richting? | イス イーダーエイン ヘット エーンス メット デーゼ リヒティング | この方向で全員賛成ですか? |
| Voelen we ons er allemaal goed bij om hiermee verder te gaan? | フーレン ヴェ オンス エル アレマール フート バイ オム ヒールメー フェルダー テ ハーン | これで進めることに全員納得していますか? |
| Ik begrijp je punt, maar er is ook een andere invalshoek. | イク ベフレイプ イェ プント、マール エル イス オーク エーン アンデレ インファルスフーク | おっしゃることは分かりますが、別の見方もあります。 |
| Laten we een middenweg vinden die we allemaal kunnen accepteren. | ラーテン ヴェ エーン ミデンヴェッハ フィンデン ディ ヴェ アレマール クンネン アクセプテーレン | 全員が受け入れられる落としどころを探しましょう。 |
沈黙を賛成と決めつけず、ひと言ずつ確認すると後の反発を防げます。オランダではこうした全員参加の合意づくりを「polderen(ポルダーで干拓するように話し合いで折り合いをつける)」と呼びます。
避けたい言い方と言い換え
強すぎる否定は、議論の空気を一気に閉ざします。
同じ指摘でも、やわらかい言い換えにすると意見が出続けます。
| 避けたい言い方 | 言い換え(読み方) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Dat werkt niet. | Ik weet niet zeker of dat het probleem volledig oplost.(イク ヴェート ニート ゼーケル オフ ダット ヘット プロブレーム フォレーディッヒ オプロスト) | それで問題が完全に解けるか不安です。 |
| Dat is een slecht idee. | Laten we naar de nadelen daarvan kijken.(ラーテン ヴェ ナール デ ナーデーレン ダールファン カイケン) | その案の弱点も見てみましょう。 |
| Je mist het punt. | Ik denk dat we naar verschillende kanten van het probleem kijken.(イク デンク ダット ヴェ ナール フェルスヒレンデ カンテン ファン ヘット プロブレーム カイケン) | 私たちは課題の別の面を見ている気がします。 |
| Doe het gewoon zo. | Wat als we het op deze manier zouden proberen?(ヴァット アルス ヴェ ヘット オプ デーゼ マニール ゾウデン プローベレン) | こうやってみるのはどうでしょう? |
意思決定論では、反対役をあえて置く Devil’s advocate(オランダ語では advocaat van de duivel)が有効とされます。
あえて穴を探す役がいると、思い込みによる失敗を減らせます。
想定シーン|システム障害への対応
たとえば、サービスで障害が起きた場面を想定してみましょう。
原因の特定から決定まで、次のように運ぶと自然です。
| オランダ語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Laten we feiten van aannames scheiden. Wanneer begonnen de fouten? | ラーテン ヴェ ファイテン ファン アーンナーメス スハイデン。ヴァンネール ベホンネン デ ファウテン | 事実と推測を分けましょう。エラーはいつ始まりましたか? |
| Is dit een symptoom of de werkelijke grondoorzaak? | イス ディット エーン シンプトーム オフ デ ヴェルケレイケ フロントオールザーク | これは症状ですか、本当の根本原因ですか? |
| Laten we eerst terugrollen en daarna onderzoeken. | ラーテン ヴェ エールスト テルフロレン エン ダールナー オンダーズーケン | まず切り戻しで対応し、その後で調査しましょう。 |
| Wie wordt verantwoordelijk voor de oplossing, en tegen wanneer? | ヴィ ヴォルト フェラントヴォールデレイク フォール デ オプロッシング、エン テーヘン ヴァンネール | 修正は誰が担当で、いつまでですか? |
このように「事実確認→原因の切り分け→暫定対応の決定→担当の明確化」の順が安全です。
よくある質問
Q. 問題解決の会議でオランダ語で最初に言うべきことは?
解決策の前に課題の定義をそろえます。
「Wat proberen we hier precies op te lossen?(私たちがここで解こうとしているのは正確には何ですか)」が使いやすい一言です。
Q. 根本原因を尋ねるオランダ語は?
「Laten we de grondoorzaak achterhalen.」や「Waarom is dit eigenlijk gebeurd?」が定番です。
grondoorzaak が「根本原因」を一語で表す重要語です。
Q. 角を立てずに反対意見を言うには?
「Ik begrijp je punt, maar er is ook een andere invalshoek.」のように、相手の意見を受け止めてから別の視点を出します。
Q. 優先順位を決める基準は?
影響度(impact)と緊急度(urgentie)の二軸で見ます。
「Laten we prioriteren op basis van impact en urgentie.」と切り出すと判断がそろいます。
まとめ
問題解決は、場面ごとの定番フレーズを持っておくだけで落ち着いて臨めます。
- 最初に課題を定義し、事実と推測を分ける。
- 「waarom」で根本原因を掘り、選択肢は批判より数を優先する。
- 影響度と緊急度で優先順位をつけ、担当と期限まで決め切る。
あとは、原因分析や意思決定でよく出る単語をまとめて覚えておくと、本番でフレーズがすっと出てきます。
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