クロアチア語の決算資料やアナリストレポートを読むと、EPS・EBITDA・smjernice といった略語や専門語が次々に出てきて手が止まる。そんな方へ。
IR(投資家対応)のクロアチア語は、頻出単語をテーマ別に押さえると、決算説明も質疑応答も一気に読み解けます。
クロアチア語は名詞が格変化する言語ですが、財務用語は基本形(主格)で覚えておけば十分に通じます。なお、クロアチアは2023年にユーロを導入したので、金額は基本的にユーロ(euro)で表します。
EPSやEBITDAなどの英語略語も、クロアチアの決算開示ではそのまま使われます。
この記事で分かることは次の3つです。
- 決算・財務指標で頻出するクロアチア語を、サブテーマ別に整理
- EPS・EBITDA・smjernice など、略語や見通し関連語の意味
- 損益・キャッシュフロー・株式指標・コーポレートアクションの語彙
各表は、左からクロアチア語・読み方(カタカナ発音)・日本語訳の順で並べています。
決算・損益計算書の頻出単語
まずは損益計算書(račun dobiti i gubitka)まわりの基本語からです。
売上から各段階の利益へ落ちていく順に並べると、構造が頭に入ります。
| クロアチア語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| prihod | プリーホド | 売上高・収益 |
| neto prihod od prodaje | ネート プリーホド オド プローダイェ | 純売上高 |
| trošak prodanih proizvoda | トローシャク プローダニフ プロイーズヴォダ | 売上原価 |
| bruto dobit | ブルート ドービト | 売上総利益(粗利) |
| operativna dobit | オペラティーヴナ ドービト | 営業利益 |
| operativni troškovi | オペラティーヴニ トローシュコヴィ | 営業費用(販管費等) |
| neto dobit | ネート ドービト | 当期純利益 |
| gubitak | グービタク | 損失 |
| tromjesečni rezultati | トロミェーセチュニ レズルターティ | 四半期業績 |
| poslovna godina | ポスローヴナ ゴーディナ | 会計年度 |
prihod(売上)と neto dobit(最終利益)は、損益計算書の上端と下端にあたる基本語です。dobit(利益)と gubitak(損失)は対になって頻出します。
利益率・収益性の指標
収益性は「率(marža)」で語られることが多く、改善・悪化の判断軸になります。
EBITDA は本業の稼ぐ力を示す指標として質疑で頻出します。クロアチアの開示でも英語の略語のまま使われます。
| クロアチア語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| bruto marža | ブルート マールジャ | 売上総利益率 |
| operativna marža | オペラティーヴナ マールジャ | 営業利益率 |
| neto marža | ネート マールジャ | 純利益率 |
| EBITDA | エビトダ | 利払い・税・償却前利益 |
| EBIT | エビト | 利払い・税引前利益 |
| profitabilnost | プロフィタービルノスト | 収益性 |
| postotni bod | ポストートニ ボド | パーセンテージ・ポイント |
| širenje marže | シーレニェ マールジェ | 利益率の改善 |
| pritisak na maržu | プリーティサク ナ マールジュ | 利益率の悪化(圧迫) |
EBITDA は「dobit prije kamata, poreza i amortizacije(利払い・税・償却前利益)」のことを指し、クロアチア語では略さず説明することもあります。širenje marže(利益率の拡大)と pritisak na maržu(利益率への圧迫)は対の表現です。
株式・1株当たり指標
投資家は1株あたりの数字(po dionici)で企業を比較します。
EPS と P/E(PER)は株価評価の基礎となる重要指標です。dionica が「株式」、dioničar が「株主」です。
| クロアチア語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| dobit po dionici (EPS) | ドービト ポ ディオーニツィ(イーピーエス) | 1株当たり利益 |
| omjer cijene i dobiti (P/E) | オーミェル ツィイェーネ イ ドービティ(ピーイー) | 株価収益率(PER) |
| knjigovodstvena vrijednost po dionici | クニゴヴォードストヴェナ ヴリイェドノスト ポ ディオーニツィ | 1株当たり純資産 |
| tržišna kapitalizacija | トゥルジーシュナ カピタリザーツィヤ | 時価総額 |
| broj dionica u optjecaju | ブロイ ディオーニツァ ウ オプティェーツァユ | 発行済株式数 |
| razrijeđena dobit po dionici | ラズリイェージェナ ドービト ポ ディオーニツィ | 希薄化後1株当たり利益 |
| dividenda po dionici | ディヴィデーンダ ポ ディオーニツィ | 1株当たり配当 |
| dividendni prinos | ディヴィデーンドニ プリーノス | 配当利回り |
| omjer isplate dividende | オーミェル イスプラーテ ディヴィデーンデ | 配当性向 |
razrijeđen(希薄化された)は、新株予約権などが行使された場合を織り込んだ数字を指します。dividendni prinos(配当利回り)と omjer isplate dividende(配当性向)は配当の議論でセットで出ます。
見通し・ガイダンス関連
将来見通しは IR で最も注目される部分で、専用の語彙があります。
上振れ・下振れ、市場予想との比較が議論の中心になります。smjernice と projekcija が「見通し・ガイダンス」にあたります。
| クロアチア語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| smjernice | スミェールニツェ | 業績見通し(ガイダンス) |
| projekcija | プロイェークツィヤ | 見通し・予測 |
| prognoza | プログノーザ | 予想・予測 |
| tržišni konsenzus | トゥルジーシュニ コンゼーンズス | 市場予想(アナリスト平均) |
| prostor za rast | プローストル ザ ラスト | 上振れ余地 |
| rizik pada | リーズィク パーダ | 下振れリスク |
| nadmašiti očekivanja | ナドマーシティ オチェキーヴァニャ | 市場予想を上回る |
| razočarati očekivanja | ラゾーチャラティ オチェキーヴァニャ | 市場予想を下回る |
| u skladu s očekivanjima | ウ スクラードゥ ス オチェキーヴァニマ | 予想どおり |
| izjava o budućnosti | イズヤーヴァ オ ブドゥーチノスティ | 将来見通しに関する記述 |
nadmašiti(上回る)と razočarati očekivanja(予想を裏切る=下回る)は、決算が市場予想に対しどうだったかを表します。izjava o budućnosti は決算冒頭の免責で必ず触れる定番フレーズです。
キャッシュフロー・財務体質
利益だけでなく、現金の流れ(novčani tok)と財務の健全性も重視されます。
負債と自己資本のバランスを示す指標が議論の対象になります。dug は「負債」、kapital は「自己資本」です。
| クロアチア語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| novčani tok | ノーヴチャニ トーク | キャッシュフロー |
| slobodni novčani tok | スローボドニ ノーヴチャニ トーク | フリーキャッシュフロー |
| operativni novčani tok | オペラティーヴニ ノーヴチャニ トーク | 営業キャッシュフロー |
| kapitalna ulaganja | カピターウナ ウラーガニャ | 設備投資 |
| bilanca | ビーランツァ | 貸借対照表 |
| obveze | オーブヴェゼ | 負債 |
| kapital | カピタール | 自己資本・純資産 |
| neto dug | ネート ドゥーグ | 純有利子負債 |
| zaduženost | ザドゥージェノスト | 負債活用の度合い(レバレッジ) |
| likvidnost | リクヴィードノスト | 流動性(資金繰り余力) |
slobodni novčani tok(フリーキャッシュフロー)は、設備投資後に手元へ残る現金で、還元余力の目安になります。zaduženost(負債の度合い)と likvidnost(流動性)は財務の健全性を語る基本語です。
収益性・効率性の経営指標
投資した資本をどれだけ効率よく利益に変えたかを示す指標群です。
ROE と ROIC は資本効率の代表的なものさしで、クロアチアでも英語の略語のまま使われます。
| クロアチア語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| povrat na kapital (ROE) | ポーヴラト ナ カピタール(アールオーイー) | 自己資本利益率 |
| povrat na imovinu (ROA) | ポーヴラト ナ イーモヴィヌ(アールオーエー) | 総資産利益率 |
| povrat na uloženi kapital (ROIC) | ポーヴラト ナ ウロージェニ カピタール(ロイック) | 投下資本利益率 |
| trošak kapitala | トローシャク カピターラ | 資本コスト |
| ključni pokazatelj uspješnosti (KPI) | クリューチュニ ポカザーテリュ ウスピェーシュノスティ(ケーピーアイ) | 重要業績評価指標 |
| organski rast | オルガーンスキ ラスト | 自律成長(買収を除く) |
| u odnosu na prošlu godinu | ウ オードノス ナ プローシュル ゴーディヌ | 前年同期比 |
| u odnosu na prethodno tromjesečje | ウ オードノス ナ プレートホドノ トロミェセーチェ | 前四半期比 |
u odnosu na prošlu godinu(前年同期比)は、季節性をならして比較できるため決算で最も使われる比較軸です。povrat na kapital(ROE)は資本効率を測る代表指標です。
株主還元・コーポレートアクション
還元策や資本政策に関わる語は、株主との対話で頻出します。
配当・自社株買い・資本配分の三語はとくに重要です。uprava は「取締役会・経営陣」です。
| クロアチア語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| dividenda | ディヴィデーンダ | 配当 |
| otkup dionica | オートクプ ディオーニツァ | 自社株買い |
| povrat dioničarima | ポーヴラト ディオニーチャリマ | 株主還元 |
| raspodjela kapitala | ラスポーディェラ カピターラ | 資本配分 |
| podjela dionica | ポーディェラ ディオーニツァ | 株式分割 |
| spajanja i preuzimanja | スパーヤニャ イ プレウズィーマニャ | 合併・買収(M&A) |
| uprava | ウープラヴァ | 取締役会・経営陣 |
| glavna skupština | グラーヴナ スクープシュティナ | 株主総会 |
raspodjela kapitala(資本配分)は、稼いだ資金を投資・還元・負債返済へどう振り分けるかを指します。glavna skupština(株主総会)は年次の重要イベントで、案内文にも頻出します。
会議・開示の場面で使う単語
最後に、決算説明や開示の「場」に関わる語をまとめます。
電話会議や開示文書の名称を知っておくと、案内文も読めます。analitičar は「アナリスト」です。
| クロアチア語 | 読み方(カタカナ発音) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| poziv o rezultatima | ポーズィヴ オ レズルターティマ | 決算説明電話会議 |
| konferencijski poziv | コンフェレンツィイスキ ポーズィヴ | 電話会議 |
| analitičar | アナリーチャル | アナリスト |
| institucionalni investitor | インスティトゥツィオナールニ インヴェスティートル | 機関投資家 |
| objava | オーブヤヴァ | 情報開示・公表 |
| priopćenje za javnost | プリオープチェニェ ザ ヤーヴノスト | プレスリリース |
| godišnje izvješće | ゴーディシュニェ イズヴィェーシュチェ | 年次報告書 |
| razdoblje šutnje | ラーズドブリェ シュートニェ | 沈黙期間(決算前の発言自粛) |
| revizija smjernica | レヴィーズィヤ スミェールニツァ | 業績見通しの修正 |
razdoblje šutnje(沈黙期間)は、決算発表前に業績見通しへの言及を控える期間を指します。godišnje izvješće(年次報告書)と priopćenje za javnost(プレスリリース)は開示文書の基本です。
よくある質問
Q. EPSはクロアチア語で何と言いますか?
A.「dobit po dionici」と言い、1株当たり利益を意味します。EPSという英語略語もそのまま通じます。
当期純利益(neto dobit)を発行済株式数(broj dionica u optjecaju)で割って算出し、株価評価の基礎になります。
Q. EBITDAはクロアチアの決算でも使いますか?
A. はい。クロアチアの開示でも英語の略語 EBITDA のまま使われ、「エビトダ」のように読まれます。
正式には dobit prije kamata, poreza i amortizacije(利払い・税・償却前利益)で、本業の稼ぐ力を見るのに使われます。
Q. smjernice と projekcija の違いは?
A. どちらも業績見通しを指し、IRの場ではほぼ同義で使われます。
smjernice(複数形)のほうが会社が公式に示す数値目標のニュアンスがやや強めです。
Q.「前年同期比」はクロアチア語で何と言いますか?
A.「u odnosu na prošlu godinu」です。前四半期比は「u odnosu na prethodno tromjesečje」と言います。
Q. 金額はユーロで言えばよいですか?
A. はい。クロアチアは2023年にユーロ(euro)を導入したため、決算の金額は基本的にユーロで表します。
発音は「エウロ」、複数の文脈では eura(エウラ)となります。
まとめ
IRのクロアチア語は、テーマ別に整理して覚えると決算資料がぐっと読みやすくなります。
- 損益は prihod から neto dobit へ、利益率は marža で語られる。
- EPS・EBITDA・ROEなど略語は意味とセットで押さえる。
- smjernice まわりは nadmašiti / razočarati / prostor za rast / rizik pada が議論の中心。
単語を覚えたら、実際の決算説明で使うフレーズや質疑応答の流れもあわせて確認すると定着します。
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