クロアチア語のM&Aダイアログ|M&A交渉の会話例

クロアチア語

クロアチア語のM&A(合併・買収)は、単語を知っていても、実際の会話の流れがつかめないと使いこなせません。

ディール協議は、買い手・売り手・アドバイザーがどんな順序で何を話すかを知っておくと、自分の発言を組み立てやすくなります。

この記事で分かることは次の3つです。

  • 初期打診からデューデリ、条件交渉までのクロアチア語ダイアログの流れ
  • 買い手・売り手・アドバイザーそれぞれの典型的な言い回し
  • 会話で使われた重要フレーズの日本語での読み解き方

説明はすべて日本語で、会話のクロアチア語にはカタカナ読みと日本語訳を添えています。話者は「買い手(Kupac)」「売り手(Prodavatelj)」で示します。

場面1|初期打診とNDA

買い手側のアドバイザーが、対象企業のCFO(財務責任者)に買収の関心を伝える場面です。

いきなり価格に入らず、関心の表明と秘密保持から会話が始まります。

話者 クロアチア語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
買い手 Savjetujemo klijenta zainteresiranog za preuzimanje vaše tvrtke. サヴィェトゥイェモ クリイェンタ ザインテレシラノグ ザ プレウジマニェ ヴァシェ トヴルトケ 御社の買収に関心を持つ顧客の助言をしています。
売り手 To je zanimljivo. Tko je kupac, ako smijem pitati? ト イェ ザニムリヴォ。トコ イェ クパツ アコ スミイェム ピタティ 興味深いですね。差し支えなければ買い手はどなたですか?
買い手 To bismo otkrili nakon potpisivanja ugovora o povjerljivosti. ト ビスモ オトクリリ ナコン ポトピシヴァニャ ウゴヴォラ オ ポヴィェリュリヴォスティ 守秘契約の締結後に開示いたします。
売り手 Razumijem. Najprije potpišimo ugovor o povjerljivosti. ラズミイェム。ナイプリイェ ポトピシモ ウゴヴォル オ ポヴィェリュリヴォスティ 承知しました。まず守秘契約を締結しましょう。

「ako smijem pitati(アコ スミイェム ピタティ=差し支えなければ)」は、踏み込んだ質問をやわらげる定番表現です。

買い手の名前を明かす前に守秘契約を求めるのは、初期段階では自然な流れです。クロアチアでも秘密保持を先に固めるのが慣行です。

場面2|企業価値をめぐるやり取り

守秘契約の締結後、初期的な財務情報を踏まえてバリュエーションを議論する場面です。

買い手は評価の根拠を尋ね、売り手は将来性を強調します。

話者 クロアチア語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
買い手 Kako ste došli do tražene cijene? カコ ステ ドシュリ ド トラジェネ ツィイェネ 希望価格はどう算出されましたか?
売り手 Ona odražava deset puta prošlogodišnju EBITDA-u. オナ オドラジャヴァ デセト プタ プロシュロゴディシュニュ エビトダウ 昨年度EBITDAの10倍を反映しています。
買い手 Iskreno, taj nam se višekratnik čini malo previsokim. イスクレノ タイ ナム セ ヴィシェクラトニク チニ マロ プレヴィソキム 正直、その倍率はやや高めに見えます。
売り手 Naši ponavljajući prihodi brzo rastu, što opravdava premiju. ナシ ポナヴリャユーチ プリホディ ブルゾ ラスト シュト オプラヴダヴァ プレミユ 継続収益が急成長しており、プレミアムの根拠になります。
買い手 Dobra primjedba. Vratimo se na to nakon dubinskog snimanja. ドブラ プリミェドバ。ヴラティモ セ ナ ト ナコン ドゥビンスコグ スニマニャ 一理あります。デューデリ後に再検討しましょう。

「Dobra primjedba.(ドブラ プリミェドバ=一理あります)」は、相手の主張を一度受け止める便利な相づちです。

評価が割高だと感じても、即座に否定せずDD後に持ち越すと協議が円滑に進みます。「Vratimo se na to(ヴラティモ セ ナ ト=それに戻りましょう)」も交渉でよく使います。

場面3|デューデリジェンスの確認

買い手の財務担当が、データルームの資料を見ながら気になる点を確認する場面です。

懸念材料を率直に挙げつつ、売り手に説明を求めます。

話者 クロアチア語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
買い手 Primijetili smo da je koncentracija kupaca prilično visoka. プリミイェティリ スモ ダ イェ コンツェントラツィヤ クパツァ プリリチノ ヴィソカ 顧客の集中度がかなり高いと気づきました。
売り手 Naš najveći klijent čini oko trideset posto prihoda. ナシュ ナイヴェーチ クリイェント チニ オコ トリデセト ポスト プリホダ 最大顧客が売上の約30%です。
買い手 To je za nas upozoravajući znak. Je li ugovor dugoročan? ト イェ ザ ナス ウポゾラヴァユーチ ズナク。イェ リ ウゴヴォル ドゥゴロチャン それは懸念材料です。契約は長期ですか?
売り手 Da, traje još pet godina s mogućnošću obnove. ダ トライェ ヨシュ ペト ゴディナ ス モグーチノシュチュ オブノヴェ はい、更新権付きであと5年続きます。
買い手 Dobro. Ipak ćemo tražiti izjave i jamstva za taj ugovor. ドブロ。イパク チェモ トラジティ イズヤヴェ イ ヤムストヴァ ザ タイ ウゴヴォル 結構です。それでもその契約に表明保証を求めます。

「koncentracija kupaca(コンツェントラツィヤ クパツァ=顧客集中度)」は、収益が特定顧客に偏るリスクを示す指標です。

懸念点を見つけたら、契約の継続性を確認し、表明保証(izjave i jamstva)で備えるのが定石です。

場面4|条件交渉とアーンアウト

DDを踏まえ、価格差を埋めるために支払い条件を交渉する場面です。

買い手はリスクを抑える仕組みを提案し、売り手は手取りを意識します。

話者 クロアチア語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
買い手 Ne možemo dosegnuti vaš iznos u potpunosti u gotovini. ネ モジェモ ドセグヌティ ヴァシュ イズノス ウ ポトプノスティ ウ ゴトヴィニ 全額現金で希望額にはお応えできません。
売り手 Što imate na umu umjesto toga? シュト イマテ ナ ウム ウミェスト トガ 代わりにどのような案ですか?
買い手 Earn-out: dio cijene vezan uz buduće rezultate. アーンアウト ディオ ツィイェネ ヴェザン ウズ ブドゥーチェ レズルタテ アーンアウトです。価格の一部を将来業績に連動させます。
売り手 Prihvatio bih to ako su ciljevi realni. プリフヴァティオ ビフ ト アコ ス ツィリェヴィ レアルニ 目標が現実的なら受け入れます。
買い手 Podijelimo to: sedamdeset posto unaprijed, trideset kao earn-out. ポディイェリモ ト セダムデセト ポスト ウナプリイェド トリデセト カオ アーンアウト 7割を前払い、3割をアーンアウトで分けましょう。

「Što imate na umu?(シュト イマテ ナ ウム=どのような案ですか)」は、相手の代案を引き出す一言です。

価格が折り合わないときは、アーンアウトで折衷するのがM&Aの典型的な解決策です。クロアチアの取引でも earn-out という英語表現がそのまま通用します。

場面5|統合計画(PMI)の打ち合わせ

合意が見えてきた段階で、買い手と売り手の経営陣が統合方針を話す場面です。

人材の引き留めと文化の融合が、会話の中心になります。

話者 クロアチア語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
買い手 Nakon zatvaranja, želimo zadržati vašu ključnu ekipu. ナコン ザトヴァラニャ ジェリモ ザドルジャティ ヴァシュ クリュチヌ エキプ クロージング後、中核チームを引き留めたいです。
売り手 Trebat će im jasnoća o ulogama i linijama izvještavanja. トレバト チェ イム ヤスノーチャ オ ウロガマ イ リニヤマ イズヴィェシュタヴァニャ 役割と指揮系統を明確にする必要があります。
買い手 Slažem se. Osnovat ćemo integracijski odbor. スラジェム セ。オスノヴァト チェモ インテグラツィイスキ オドボル 同意します。統合委員会を立ち上げます。
売り手 Zadržimo brend prve godine kako bismo umirili klijente. ザドルジモ ブレンド プルヴェ ゴディネ カコ ビスモ ウミリリ クリイェンテ 顧客に安心してもらうため初年度はブランドを残しましょう。
買い手 Ima smisla. Ovdje je usklađenost kultura važna kao i brojke. イマ スミスラ。オヴディェ イェ ウスクラジェノスト クルトゥラ ヴァジュナ カオ イ ブロイケ 理にかなっています。ここでは文化の適合も数字と同じく重要です。

「Ima smisla.(イマ スミスラ=理にかなっています)」は、相手の提案に同意する自然な相づちです。

統合では、組織図の明確化とブランド維持が、現場の不安を和らげる打ち手になります。地域に根づいたクロアチア企業ではブランド維持が顧客の安心につながりやすいです。

場面6|クロージングに向けた最終確認

契約締結を目前に、当局承認やスケジュールを確認し合う場面です。

双方が前提条件を読み合わせ、認識のズレを最後に潰します。

話者 クロアチア語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
買い手 Transakcija još uvijek podliježe odobrenju za zaštitu tržišnog natjecanja. トランザクツィヤ ヨシュ ウヴィイェク ポドリイェジェ オドブレニュ ザ ザシュティト トルジシュノグ ナティェツァニャ 本件はなお独占禁止当局の承認を前提とします。
売り手 Koliko dugo očekujete da će to trajati? コリコ ドゥゴ オチェクイェテ ダ チェ ト トラヤティ それにはどのくらいかかる見込みですか?
買い手 Otprilike dva mjeseca. Cilj nam je zatvoriti do kraja kvartala. オトプリリケ ドヴァ ミェセツァ。ツィリ ナム イェ ザトヴォリティ ド クラヤ クヴァルタラ おおむね2か月です。四半期末のクロージングを目指します。
売り手 Potvrdimo sve uvjete zatvaranja u pisanom obliku. ポトヴルディモ スヴェ ウヴィェテ ザトヴァラニャ ウ ピサノム オブリク すべての前提条件を書面で確認しましょう。

「podliježe(ポドリイェジェ=〜を前提とする)」は、契約の発効条件を示す重要な言い回しです。

最後に前提条件を書面(u pisanom obliku)で確認する流れは、後日の食い違いを防ぐ基本動作です。

会話で押さえたい重要表現

各場面で繰り返し出てきた表現を、まとめて確認しておきます。

相づちと前提条件の言い方を覚えると、会話の流れに乗りやすくなります。

話者 クロアチア語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
共通 Dobra primjedba. ドブラ プリミェドバ 一理あります。
共通 Što imate na umu? シュト イマテ ナ ウム どのような案ですか?
共通 Vratimo se na to nakon dubinskog snimanja. ヴラティモ セ ナ ト ナコン ドゥビンスコグ スニマニャ デューデリ後に再検討しましょう。
共通 Transakcija podliježe odobrenju regulatora. トランザクツィヤ ポドリイェジェ オドブレニュ レグラトラ 本件は当局の承認を前提とします。

これらは買い手・売り手のどちらの立場でも使える、汎用性の高い表現です。

よくある質問

Q. 買い手の名前を聞かれたらクロアチア語で何と答える?

初期段階では「To bismo otkrili nakon potpisivanja ugovora o povjerljivosti.(守秘契約の締結後に開示いたします)」と返すのが定番です。

守秘契約の締結を条件に開示する流れが一般的です。

Q. 価格が高いと感じたときの会話の進め方は?

「Taj nam se višekratnik čini malo previsokim.(その倍率はやや高めに見えます)」と婉曲に伝え、「Vratimo se na to nakon dubinskog snimanja.(デューデリ後に再検討しましょう)」とDD後に持ち越します。

Q. アーンアウトはクロアチア語でどう切り出す?

「Earn-out: dio cijene vezan uz buduće rezultate.(アーンアウト=価格の一部を将来業績に連動)」のように仕組みを一言で説明すると伝わります。

Q. クロージング前に確認すべきことは?

当局承認などの前提条件です。「Potvrdimo sve uvjete zatvaranja u pisanom obliku.(すべての前提条件を書面で確認しましょう)」と書面確認を促します。

まとめ

クロアチア語のM&A会話は、場面ごとの流れを知っておくと、自分の発言を組み立てやすくなります。

  • 初期打診は守秘契約から。買い手名は秘密保持後に開示する。
  • 価格交渉は即否定せず、相づち(Dobra primjedba)でいったん受け止めてDD後に詰める。
  • 統合と契約は、人材引き留めと前提条件の書面確認を欠かさない。

あとは、会話に出てきたクロアチア語の単語をまとめて覚えておくと、本番でフレーズがすっと出てきます。

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