来週退職する。チーム全員に送別メールを送るが、ベタベタにならず、将来につながる一通を書きたい。
Farewell Emailは「感謝・ハイライト・連絡先・未来」の4要素で構成します。LinkedIn・Personal Emailの開示が、関係継続の鍵です。
この記事では退職者本人からのメールと、送り出す側の返信、グループ別のトーン調整まで解説します。
Farewell Emailの4要素(FIA構造)
送別メールには、4つの必須要素があります。
Gratitude(感謝)
在籍中の機会や関係への感謝を、冒頭で伝えます。I’m grateful for the [X] years I’ve spent at [company].のような書き出しです。
感謝の対象は、会社・チーム・特定のメンター・学びの経験などです。
Highlights(記憶)
印象に残った仕事や経験を、1-2点引用します。From launching [product] to navigating [challenge], every moment has been formative.のような形です。
具体エピソードで、テンプレ感を消します。
Contact Info(連絡先)
退職後も連絡が取れるよう、Personal EmailとLinkedInを開示します。Let’s stay in touch: john@personal.com / linkedin.com/in/johnのような形です。
連絡先を明示しないFarewell Emailは、関係を断つサインとして受け取られます。
Future Wish
相手の今後の活躍を祈る1行です。Wishing the team continued success.やLooking forward to seeing what you all accomplish.のような表現です。
自分の次のステップに言及する必要はありません。
自分の退職メール(個人発)
自分から送る側のメール設計です。
Last dayの明示
Today/Friday is my last day at [company].と冒頭で明記します。いつが最終日か分からないと、相手は対応タイミングに困ります。
通常、最終日当日または前日に送信します。
チーム全体への感謝
Thank you to everyone I’ve had the privilege of working with here.のような包括的な感謝を含めます。
個別名を出しすぎず、チーム全体をカバーします。
後任への橋渡し
業務引継ぎの相手を明示します。[Name] will be taking over my responsibilities. Please direct any questions to them.のような情報提供です。
ビジネス継続への配慮で、相手の不安を減らします。
送信相手のグルーピング
送信先を3グループに分けて、別のメールを送ります。
Close Team
毎日仕事をしていた10-20人のコアチームです。感情的な表現、内輪ネタ、具体エピソードが許容されます。
個別送付またはグループメールで、温かみのある送別メッセージを送ります。
Broader Team / Company
部署全体・会社全体への送別です。短く、温かく、簡潔に書きます。
All-handsメーリングリスト宛に、1通送るケースが多いです。
External Clients
取引先・クライアントへの送別は、ビジネス継続に配慮します。後任担当者の紹介を含めます。
顧客のビジネスが止まらないように、引継ぎ情報を明確化します。
Close Team向けFarewell
親しいチーム向けの温かいメールです。
具体エピソード
Remember when we pulled an all-nighter before the Q3 launch?のような共通体験を引用します。
抽象的な「楽しかった」より、具体場面の方が心に残ります。
個別メッセージ
チーム宛のメールとは別に、キーパーソン数人には個別メールを送ります。[Name], thank you for mentoring me through the [X] transition.のような個別感謝です。
個別メッセージは、関係性の深さに比例して差をつけます。
送別会情報
If you’re around, join us for drinks this Friday at [場所] starting 6pm.のような送別会の告知を添えます。
リモートチームには、Virtual Farewell Callの時間も併記します。
会社全体向けFarewell
オールハンズ宛の短文メールです。
短く・温かく・簡潔に
5-7文に収めます。長いメールは全社宛では読まれません。
感謝・最終日・連絡先・祈念の4要素だけで構成します。
Personal Email開示
Keep in touch: john@personal.comのように、個人メールを明示します。会社メールは退職後すぐ使えなくなります。
個人メールが不安なら、LinkedInだけでも開示します。
LinkedIn URL
linkedin.com/in/[プロフィール名]を併記すると、professional networkに接続しやすくなります。
退職前にLinkedInプロフィールを最新化しておくのが推奨です。
クライアント向けFarewell
取引先への送別は、ビジネスインパクト最小化が優先です。
後任担当者紹介
Moving forward, [Name] will be your primary contact. I’ve briefed them on our recent discussions.のように、後任の名前と引継ぎ状況を明示します。
後任のメールアドレス・電話番号も含めます。
移行スケジュール
[Name] will reach out by end of next week to schedule a handover call.のような移行プロセスを書きます。
クライアントが不安にならないよう、具体日付を示します。
継続関係の提案
I’ll remain in touch personally, and I’d love to continue our conversations in my new role.のような関係継続の意思を示します。
別会社に移っても、業界での関係は続きます。
同僚を送り出す返信
送られた側の返信パターンです。
共通エピソード
Those late nights debugging [project] will stay with me forever.のような共通体験への言及で、思い出を共有します。
送り出す側も、相手の記憶に残る返信を書きます。
Keep in touchの誓い
Let’s definitely keep in touch—adding you on LinkedIn now.のように、具体的アクションを添えます。
「また会おう」だけだと、社交辞令で終わりがちです。
ReferralやRecommendation提案
Happy to write a LinkedIn recommendation or serve as a reference anytime.のような提案を添えます。
Proactiveなサポート申し出は、強い関係性を示します。
Farewell for a Laid-off Colleague
レイオフされた同僚への送別は、特別な配慮が必要です。
原因に触れない配慮
解雇理由・会社の業績問題に言及しません。That’s tough news, but I’m confident you’ll land somewhere great.のような、前向きな言葉だけを送ります。
本人の能力ではなく、会社側の事情であることを踏まえます。
Referral提供の申し出
Please let me know if there’s anyone in my network I can introduce you to.のような具体的支援を申し出ます。
Referralは、次の職探しで最も効果的なチャネルの1つです。
長期関係維持
レイオフされた人との関係を維持することは、将来の互恵関係に発展することがあります。
3ヶ月後・6ヶ月後にチェックインのメールを送ります。
退職に伴う業務引継ぎ
退職前の業務整理も、Farewell Emailと並行します。
Transition Documentの作成
自分の業務フロー・定期タスク・重要連絡先を1つのドキュメントにまとめます。後任がゼロから聞かなくても動ける情報密度を目指します。
Notion・Confluence・Google Docsで、共有可能な形式で残します。
後任への紹介メール
関係者に後任を紹介するメールを送ります。I’d like to introduce [後任名], who will be taking over from [退職日]. Please treat them as you would have treated me.のような形です。
関係資産を、スムーズに次世代に継承します。
保留事項のリスト
進行中の案件、保留中の判断、懸案事項をリスト化します。「これは来週の会議で決まる」「この案件は法務確認待ち」のような状況を明示します。
引継ぎの抜け漏れを最小化します。
退職後のLinkedIn戦略
退職後の関係構築は、LinkedInが主舞台になります。
コネクションリクエスト
退職前後に、まだ繋がっていない同僚にLinkedInリクエストを送ります。It was great working together at [company]. Let’s connect here.のような1行を添えます。
退職後にリクエストを送ると、承認率が下がる傾向があります。
Recommendation依頼
上司や同僚に、LinkedIn Recommendationを依頼します。Could you write a brief recommendation about our work together?のような丁寧な依頼です。
自分の「売り」になる具体スキル・成果を、依頼時に言語化して渡します。
Endorsement交換
Skill Endorsementは相互にサポートします。相手のスキルをエンドースしたうえで、自分のスキルもエンドースしてもらう流れです。
Endorsementの数は、プロフィールの信頼性指標として機能します。
Alumni Networkの活用
退職後の元同僚との繋がりは、大きな資産です。
元同僚グループ(LinkedIn/Slack)
多くの大手企業には、Alumni Groupが存在します。LinkedInの公式Alumni Groupに参加します。
中小企業では、有志のSlackワークスペースが運営されることがあります。
再就職情報共有
Alumni Network内で、「今募集中」「転職検討中」の情報が流通します。会社の公式求人情報より早く機会を知れることがあります。
定期的にAlumni Eventに参加すると、関係が維持されます。
逆リファラル
自分が次の会社で採用権を持つようになったら、元同僚をリファラル採用することもあります。
関係は時間を経ると、双方向の互恵関係に発展します。
退職時に絶対書かないNG
送別メールで書くと後悔する内容です。
会社・経営への不満
経営判断への批判、上司への不満、社内政治への皮肉は、送別メールに一切書きません。
退職メールが業界に広まり、次の就職先での評判に影響します。
競合会社への匂わせ
次の就職先を競合として暗に示す書き方は、法的問題になることもあります。Non-compete条項の対象になっている場合は特に慎重です。
次の会社名は、退職後に別途開示するのが無難です。
機密情報の暴露
プロジェクト詳細、財務情報、人事情報などの機密を、送別メールに書いてはいけません。
NDAや就業規則違反になり、退職後の法的リスクを残します。
Farewell Email例8
シーン別の骨格例です。
スタートアップ退職
Hi team, Today’s my last day. Thank you for the wild ride—from pre-launch to Series B. Reach me at john@personal.com. Looking forward to your next milestone!
外資系退職
Dear colleagues, After 5 wonderful years, today is my last day at [company]. Grateful for the experiences and friendships. Let’s stay in touch: john@personal.com / LinkedIn.
日系大企業退職
本文例: 皆様、本日をもちまして退職いたします。10年間お世話になりました。
個人連絡先: john@personal.com。今後ともよろしくお願いいたします。
定年退職
Dear colleagues, After 35 years of service, today marks my retirement. Thank you for the privilege of working with you. Wishing the next generation every success.
転職先非公開
Hi team, Today’s my last day. Exciting next chapter ahead—will share more when appropriate. Grateful for [company] and everyone I’ve worked with. Stay in touch: personal details below.
競合への転職
Hi all, Last day today. I’ll be joining [業界名] next. Given the industry proximity, I’ll keep things professional. Grateful for the years here. Contact via LinkedIn.
起業のため退職
Hi team, After [X] years, stepping out to build something of my own. Thank you for teaching me so much. Follow the journey at [URL]. Keep in touch!
育児休暇から退職
Hi team, After maternity leave, I’ve decided not to return. Thank you for the incredible years. Keeping options open for the future—let’s stay connected.
送別会・Farewell Partyの招待
送別会の案内方法です。
社内予算 vs 私費
大きな企業では送別会に会社予算が出ます。中小企業やスタートアップでは私費の集まりが一般的です。
参加費が必要な場合は、招待状で明示します。
リモート同僚向けVirtual Farewell
リモートチームには、Zoomでの30分Farewell Callを企画します。物理的に集まれない同僚も、気持ちを共有できます。
時差を考慮した時間設定が重要です。
ギフトの扱い
送別ギフトの相場は、文化・業界で変わります。米国では本1冊・ギフトカードが標準、日本では花束・お菓子などです。
個人からの高額ギフトは、相手に気を使わせるので避けます。


