イタリア語の決算資料やアナリストレポートを読むと、EPS・EBITDA・guidance といった略語や専門語が次々に出てきて手が止まる。そんな方へ。
IR(投資家対応)のイタリア語は、頻出単語をテーマ別に押さえると、決算説明も質疑応答も一気に読み解けます。
この記事で分かることは次の3つです。
- 決算・財務指標で頻出するイタリア語を、サブテーマ別に整理
- EPS・EBITDA・guidance など、略語の意味とイタリア語での言い方
- 損益・キャッシュフロー・株式指標・コーポレートアクションの語彙
決算・損益計算書の頻出単語
まずは損益計算書(conto economico)まわりの基本語からです。
売上から各段階の利益へ落ちていく順に並べると、構造が頭に入ります。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| ricavi / fatturato | リカーヴィ / ファットゥラート | 売上高 |
| vendite nette | ヴェンディテ ネッテ | 純売上高 |
| costo del venduto | コスト デル ヴェンドゥート | 売上原価 |
| utile lordo | ウティレ ロルド | 売上総利益(粗利) |
| utile operativo | ウティレ オペラティーヴォ | 営業利益 |
| costi operativi | コスティ オペラティーヴィ | 営業費用(販管費等) |
| utile netto | ウティレ ネット | 当期純利益 |
| utili | ウティリ | 利益・収益 |
| risultati trimestrali | リズルターティ トリメストラーリ | 四半期業績 |
| esercizio / anno fiscale | エゼルチーツィオ / アンノ フィスカーレ | 会計年度 |
「ricavi」と「fatturato」はどちらも売上高を指し、IRの場ではほぼ同義で使い分けられます。
利益率・収益性の指標
収益性は「率(margine)」で語られることが多く、改善・悪化の判断軸になります。
EBITDA は本業の稼ぐ力を示す指標として質疑で頻出します。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| margine lordo | マルジネ ロルド | 売上総利益率 |
| margine operativo | マルジネ オペラティーヴォ | 営業利益率 |
| margine netto | マルジネ ネット | 純利益率 |
| EBITDA | エビッダ | 利払い・税・償却前利益 |
| EBIT | エビット | 利払い・税引前利益 |
| redditività | レッディティヴィタ | 収益性 |
| punto base | プント バーゼ | 0.01%(利率の単位) |
| espansione del margine | エスパンスィオーネ デル マルジネ | 利益率の改善 |
| compressione del margine | コンプレッスィオーネ デル マルジネ | 利益率の悪化 |
EBITDA は英語の Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の頭文字で、イタリアでもそのまま使われます。
株式・1株当たり指標
投資家は1株あたりの数字(per azione)で企業を比較します。
EPS と PER は株価評価の基礎となる重要指標です。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| utile per azione (EPS) | ウティレ ペル アツィオーネ(イーピーエッセ) | 1株当たり利益 |
| rapporto prezzo/utili (P/E) | ラッポルト プレッツォ ウティリ(ピーエ) | 株価収益率(PER) |
| valore contabile per azione | ヴァローレ コンタービレ ペル アツィオーネ | 1株当たり純資産 |
| capitalizzazione di mercato | カピタリッザツィオーネ ディ メルカート | 時価総額 |
| azioni in circolazione | アツィオーニ イン チルコラツィオーネ | 発行済株式数 |
| utile per azione diluito | ウティレ ペル アツィオーネ ディルイート | 希薄化後1株当たり利益 |
| dividendo per azione | ディヴィデンド ペル アツィオーネ | 1株当たり配当 |
| rendimento da dividendo | レンディメント ダ ディヴィデンド | 配当利回り |
| tasso di distribuzione (payout) | タッソ ディ ディストリブツィオーネ(ペイアウト) | 配当性向 |
「diluito」(希薄化後)は、新株予約権などが行使された場合を織り込んだ数字を指します。
見通し・ガイダンス関連
将来見通しは IR で最も注目される部分で、専用の語彙があります。
上振れ・下振れ、市場予想との比較が議論の中心になります。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| guidance / orientamenti | ガイダンス / オリエンタメンティ | 業績見通し |
| prospettive | プロスペッティーヴェ | 見通し |
| previsione | プレヴィズィオーネ | 予想・予測 |
| stima di consenso | スティーマ ディ コンセンソ | 市場予想(アナリスト平均) |
| potenziale rialzo | ポテンツィアーレ リアルツォ | 上振れ余地 |
| rischio di ribasso | リスキオ ディ リバッソ | 下振れリスク |
| superare le stime | スペラーレ レ スティーメ | 市場予想を上回る |
| deludere le stime | デルーデレ レ スティーメ | 市場予想を下回る |
| in linea con le attese | イン リーネア コン レ アッテーゼ | 予想どおり |
| dichiarazione previsionale | ディキアラツィオーネ プレヴィズィオナーレ | 将来見通しに関する記述 |
「superare」(上回る)と「deludere」(下回る)は、決算が市場予想に対しどうだったかを表す動詞です。
キャッシュフロー・財務体質
利益だけでなく、現金の流れ(flusso di cassa)と財務の健全性も重視されます。
負債と自己資本のバランスを示す指標が議論の対象になります。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| flusso di cassa | フルッソ ディ カッサ | キャッシュフロー |
| flusso di cassa libero | フルッソ ディ カッサ リーベロ | フリーキャッシュフロー |
| flusso di cassa operativo | フルッソ ディ カッサ オペラティーヴォ | 営業キャッシュフロー |
| spese in conto capitale | スペーゼ イン コント カピターレ | 設備投資 |
| stato patrimoniale | スタート パトリモニアーレ | 貸借対照表 |
| passività | パッスィヴィタ | 負債 |
| patrimonio netto | パトリモニオ ネット | 自己資本・純資産 |
| indebitamento netto | インデビタメント ネット | 純有利子負債 |
| leva finanziaria | レーヴァ フィナンツィアーリア | 負債活用の度合い |
| liquidità | リクイディタ | 流動性(資金繰り余力) |
「flusso di cassa libero」(フリーキャッシュフロー)は、設備投資後に手元へ残る現金で、還元余力の目安になります。
収益性・効率性の経営指標
投資した資本をどれだけ効率よく利益に変えたかを示す指標群です。
ROE と ROIC は資本効率の代表的なものさしです。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| ROE (redditività del capitale proprio) | ロエ(レッディティヴィタ デル カピターレ プロプリオ) | 自己資本利益率 |
| ROA (redditività delle attività) | ロア(レッディティヴィタ デッレ アッティヴィタ) | 総資産利益率 |
| ROIC (redditività del capitale investito) | ロイック(レッディティヴィタ デル カピターレ インヴェスティート) | 投下資本利益率 |
| costo del capitale | コスト デル カピターレ | 資本コスト |
| indicatore chiave di performance (KPI) | インディカトーレ キアーヴェ ディ ペルフォルマンス(カッピアイ) | 重要業績評価指標 |
| crescita organica | クレッシタ オルガニカ | 自律成長(買収を除く) |
| su base annua | ス バーゼ アンヌア | 前年同期比 |
| rispetto al trimestre precedente | リスペット アル トリメストレ プレチェデンテ | 前四半期比 |
「su base annua」(前年同期比)は、季節性をならして比較できるため決算で最も使われる比較軸です。
株主還元・コーポレートアクション
還元策や資本政策に関わる語は、株主との対話で頻出します。
配当・自社株買い・資本配分の三語はとくに重要です。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| dividendo | ディヴィデンド | 配当 |
| riacquisto di azioni proprie | リアクイスト ディ アツィオーニ プロプリエ | 自社株買い |
| remunerazione degli azionisti | レムネラツィオーネ デリ アツィオニスティ | 株主還元 |
| allocazione del capitale | アッロカツィオーネ デル カピターレ | 資本配分 |
| frazionamento azionario | フラツィオナメント アツィオナーリオ | 株式分割 |
| fusioni e acquisizioni | フズィオーニ エ アクイズィツィオーニ | 合併・買収(M&A) |
| consiglio di amministrazione | コンスィーリオ ディ アンミニストラツィオーネ | 取締役会 |
| assemblea degli azionisti | アッセンブレーア デリ アツィオニスティ | 定時株主総会 |
「allocazione del capitale」(資本配分)は、稼いだ資金を投資・還元・負債返済へどう振り分けるかを指します。
会議・開示の場面で使う単語
最後に、決算説明や開示の「場」に関わる語をまとめます。
カンファレンスコールや開示文書の名称を知っておくと、案内文も読めます。
| イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| conference call sui risultati | コンフェレンス コール スイ リズルターティ | 決算説明電話会議 |
| teleconferenza | テレコンフェレンツァ | 電話会議 |
| analista | アナリスタ | アナリスト |
| investitore istituzionale | インヴェスティトーレ イスティトゥツィオナーレ | 機関投資家 |
| informativa al mercato | インフォルマティーヴァ アル メルカート | 情報開示 |
| comunicato stampa | コムニカート スタンパ | プレスリリース |
| relazione annuale | レラツィオーネ アンヌアーレ | 年次報告書 |
| periodo di silenzio | ペリオド ディ スィレンツィオ | 沈黙期間(決算前の発言自粛) |
| revisione della guidance | レヴィズィオーネ デッラ ガイダンス | 業績見通しの修正 |
「periodo di silenzio」(沈黙期間)は、決算発表前に業績見通しへの言及を控える期間を指します。
よくある質問
EPSはイタリア語で何と言いますか?
「utile per azione」と言い、1株当たり利益を意味します。
当期純利益を発行済株式数で割って算出し、株価評価の基礎になります。
EBITDAはイタリア語でどう読みますか?
「エビッダ」と読み、利払い・税・償却の前の利益を指します。
本業の稼ぐ力を見るための指標として、イタリアでも英語の頭文字のまま使われます。
guidanceとprospettiveの違いは?
どちらも業績見通しを指し、IRの場ではほぼ同義で使われます。
「guidance」のほうが会社が公式に示す数値目標のニュアンスがやや強めです。
「前年同期比」はイタリア語で何と言いますか?
「su base annua」です。前四半期比は「rispetto al trimestre precedente」と言います。
まとめ
IRのイタリア語は、テーマ別に整理して覚えると決算資料がぐっと読みやすくなります。
- 損益は ricavi から utile netto へ、利益率は margine で語られる。
- EPS・EBITDA・ROEなど指標は意味とイタリア語の言い方をセットで押さえる。
- guidance まわりは superare / deludere / potenziale rialzo / rischio di ribasso が議論の中心。
単語を覚えたら、実際の決算説明で使うフレーズや質疑応答の流れもあわせて確認すると定着します。
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