タガログ語の会議で進行役(facilitator)を務めるとき、フレーズだけでなく「進行に特有の単語」を知っているかどうかで理解度が変わります。
ファシリテーション(会議進行)の世界には、agenda や facilitator のように決まった呼び方を持つ言葉が数多くあります。フィリピンの会議では、こうした語が英語のまま(taglish で)使われることも多いです。
この記事で分かることは次の3つです。
- 会議進行で頻出する単語をテーマ別にまとめて確認できる
- それぞれの読み方(カタカナ)と日本語訳がそろっているので、聞き取りと発話の両方に使える
- 進行役が言われたとき・言うときに知っておきたい語彙が一通りそろう
参加者として発言する単語ではなく、議事を回す側が押さえておきたい語彙を中心に集めました。タガログ語の言い方と taglish の両方に触れていきます。
会議運営の基本ボキャブラリー
まずは、会議そのものの構造を表す基本語です。
進行役はこれらの単語を使って、会議の枠組みを参加者に説明します。pulong(会議)はタガログ語、meeting は taglish で、どちらもよく使われます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| facilitator | ファシリテイター | 進行役 |
| pulong / meeting | プロン / ミーティング | 会議 |
| agenda | アジェンダ | 議題(一覧) |
| layunin | ラユニン | 目的・ゴール |
| dumalo | ドゥマロ | 出席する |
| kalahok | カラホク | 参加者 |
| minutes | ミニッツ | 議事録 |
| tagapagsalita | タガパグサリタ | 発言者 |
minutes は「分」ではなく「議事録」を指す点に注意すると、会議後のやり取りで混乱しません。フィリピンでは議事録もそのまま minutes と呼ぶのが一般的です。
layunin(目的)と agenda(議題一覧)の違いも押さえておきます。layunin は会議全体で達成したいゴール、agenda はそのために話す項目の一覧です。
進行・場をコントロールする単語
議事を前に進めたり、流れを整えたりする動作を表す語です。
進行役が最も頻繁に使うグループといえます。タガログ語の動詞は接頭辞で形が変わるので、原形とあわせて覚えておくと応用がききます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| magsimula | マグシムラ | 始める・開始する |
| mamahala | ママハラ | 取り仕切る・管理する |
| magpatuloy | マグパトゥロイ | 続ける・先へ進む |
| tapusin | タプシン | 終える・締めくくる |
| ibuod | イブオッ | 要約する |
| balikan | バリカン | 後で戻る・立ち返る |
| i-park | イパーク | いったん保留にする |
| manguna | マングナ | 主導する・先頭に立つ |
i-park は「課題をいったん置いておく」意味で、後述の parking lot とセットで覚えると便利です。英語に i- を付けて動詞化するのは taglish の典型です。
mamahala と manguna はどちらも「仕切る」を含みますが、ニュアンスが異なります。mamahala は全体を管理する、manguna は先頭に立って引っ張る、という違いがあります。
発言を促す・意見に関する単語
参加者から意見を引き出す場面で使う語です。
進行役は発言の偏りを防ぐため、これらの言葉で水を向けます。opinyon(意見)と pananaw(視点)は対で覚えておくと便利です。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| opinyon | オピニョン | 意見 |
| pananaw | パナナウ | 視点・観点 |
| mungkahi | ムンカヒ | 提案 |
| feedback | フィードバック | 反応・意見 |
| magbigay ng kuro-kuro | マグビガイ ナン クロクロ | 所見を述べる |
| sumali sa usapan | スマリ サ ウサパン | 会話に加わる |
| brainstorm | ブレインストーム | 自由に案を出し合う |
| magsalita | マグサリタ | 発言する・話す |
magbigay ng kuro-kuro(所見を述べる)は、進行役が意見を募るときに使える言い回しです。kuro-kuro は「思うところ・所感」を指すタガログ語らしい語です。
mungkahi(提案)と opinyon(意見)も似ていますが、使い分けがあります。mungkahi は具体的な提案、opinyon は感想や立場を含む幅広い意見、というニュアンスです。
議論を整理・要約する単語
出てきた意見をまとめ、論点を整える場面の語です。
議論が散らかったとき、進行役はこれらを使って交通整理します。buod(要約)は議事録づくりでも頻出します。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| buod | ブオッ | 要約 |
| linawin | リナウィン | 明確にする |
| magkaisa | マグカイサ | 認識をそろえる・一つになる |
| unahin | ウナヒン | 優先する |
| paliitin | パリイティン | 絞り込む |
| pangunahing punto | パングナヒン プント | 要点・重要点 |
| napag-usapan | ナパグウサパン | 話し合った内容 |
| paglihis sa usapan | パグリヒス サ ウサパン | 脱線・本筋からのずれ |
paglihis sa usapan(話の脱線)は、進行役が軌道修正する前提となる表現です。lihis は「ずれる・外れる」を意味します。
linawin(明確にする)は、曖昧な発言を確認するときに重宝します。Pwede po bang linawin?(明確にしてもらえますか)の形でよく使われます。
合意形成・意思決定の単語
議論を結論へ導く場面で使う語です。
進行役は合意を可視化するため、これらの単語で決定を確定させます。kasunduan(合意)が中心の語です。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| kasunduan | カスンドゥアン | 合意・取り決め |
| magkasundo | マグカスンド | 合意する・折り合う |
| sang-ayon | サンガヨン | 賛成・同意 |
| kompromiso | コンプロミソ | 妥協・折衷 |
| gitnang solusyon | ギトナン ソルシオン | 折衷案・中間点 |
| tutol | トゥトル | 異論・反対 |
| magboto | マグボト | 採決する・投票する |
| pagtaas ng kamay | パグタアス ナン カマイ | 挙手 |
gitnang solusyon(真ん中の解=折衷案)は、対立を歩み寄りへ導くときに使う自然な言い回しです。kompromiso も同じく折衷を指す taglish 由来の語です。
magkasundo(合意する)と sang-ayon(賛成)はセットで使われ、「全員賛成で合意した」という決定の瞬間を表します。
アクション・フォローアップの単語
決まったことを実行に移す場面で使う語です。
進行役は担当と期限を明確にするため、これらの言葉を使います。owner や action item は taglish でそのまま使われます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| action item | アクション アイテム | 実行すべきタスク |
| owner / may-akda | オーナー / マイアクダ | 担当者 |
| magtalaga | マグタラガ | 割り当てる・任命する |
| deadline / takdang oras | デッドライン / タクダン オラス | 締切 |
| follow up | フォロー アップ | 後追いで確認する |
| susunod na hakbang | ススノッ ナ ハクバン | 次の段取り |
| deliverable | デリバラブル | 成果物 |
| timeline | タイムライン | 工程・予定表 |
action item と owner はセットで使われることが多く、「誰が何をやるか」を明確にする要となる語です。magtalaga(割り当てる)で担当を決めます。
susunod na hakbang(次の一歩=次の段取り)は、会議の締めで次のステップを共有するときの定番表現です。
時間管理・脱線対応の単語
時間を区切ったり、脱線を扱ったりする場面の語です。
進行役の時間感覚を支えるグループといえます。oras(時間)が軸になります。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| oras | オラス | 時間 |
| time check | タイム チェック | 時間の確認 |
| lumampas sa oras | ルマンパス サ オラス | 時間を超過する |
| parking lot | パーキング ロット | 後で扱う課題置き場 |
| offline | オフライン | 会議外で個別に |
| natitirang oras | ナティティラン オラス | 残り時間 |
| maantala | マアンタラ | 遅れる・後ろ倒しになる |
| buffer | バッファ | 予備の時間 |
i-offline natin ito(これは会議外で個別に話しましょう)は、全員の時間を奪わないための定番表現です。offline は taglish でそのまま使われます。
natitirang oras(残り時間)を口に出すと、参加者がペースを合わせやすくなります。maantala(遅れる)は期限の話で重宝します。
オンライン会議特有の単語
Zoom や Microsoft Teams、Viber での進行に欠かせない語です。
進行役はこれらを使って、オンライン特有の混線を整理します。ほとんどが英語のまま使われます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| mute | ミュート | 消音にする |
| unmute | アンミュート | 消音を解除する |
| raise hand | レイズ ハンド | 挙手機能 |
| screen share | スクリーン シェア | 画面共有 |
| breakout room | ブレイクアウト ルーム | 小部屋・分科会 |
| chat | チャット | チャット欄 |
| host | ホスト | 主催者 |
| lag | ラグ | 遅延・もたつき |
breakout room は少人数に分けて議論させる機能で、進行役が大人数会議を回すときに役立ちます。
Naka-mute po kayo.(ミュートになっています)は、相手のマイクが切れているときの定番の声かけです。進行役がこの一言を添えるだけで、発言の取りこぼしを防げます。
判断・状態を表す進行ボキャブラリー
議論の状態や判断の度合いを表す語も、進行役には欠かせません。
「決まったのか、保留なのか」を正確に言い分けるために使います。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| nakabinbin | ナカビンビン | 保留中の |
| tapusin / finalize | タプシン / ファイナライズ | 最終決定する |
| pansamantala | パンサマンタラ | 暫定的な |
| nasa tamang daan | ナサ タマン ダアン | 順調に進んで |
| balakid / blocker | バラキッ / ブロッカー | 進行を妨げる要因 |
| saklaw / scope | サクラウ / スコープ | 対象範囲 |
| milestone | マイルストーン | 節目・中間目標 |
| desisyon | デシション | 決定・判断 |
balakid(バラキッ=障害)は「進行を止めている要因」を指し、進捗会議で課題を共有するときによく使われます。英語で blocker とも言います。
nakabinbin(保留中)と desisyon(決定)を言い分けられると、「これは決まった/まだ保留」という状態を正確に共有できます。
会議の種類・進行スタイルの単語
最後に、会議の形式そのものを表す語をまとめます。
どんな会議を進行しているかを言葉にできると、参加者と前提を共有しやすくなります。多くは英語のまま使われます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| stand-up | スタンドアップ | 短時間の進捗共有会 |
| kickoff meeting | キックオフ ミーティング | 開始会議 |
| retrospective | レトロスペクティブ | 振り返り会 |
| workshop | ワークショップ | 体験型の会合 |
| pagpupulong | パグププロン | 会合・打ち合わせ |
| check-in | チェックイン | 近況・状況確認 |
| debrief | ディブリーフ | 事後の報告・総括 |
| one-on-one | ワン オン ワン | 1対1の面談 |
retrospective はプロジェクト終了後の振り返りを指し、進行役が改善点を引き出す場でよく使われます。pagpupulong はタガログ語で「会合」を表す堅めの語です。
よくある質問
Q. 会議の単語は普通のビジネス英単語と何が違いますか?
ここで扱うのは進行に特化した語彙で、parking lot や facilitator のように会議運営でよく使う表現が含まれます。
一般的なビジネス語よりも、議事を回す場面に直結している点が特徴です。
Q. なぜ英語の単語がそのまま多いのですか?
フィリピンの職場では英語とタガログ語を混ぜる taglish(タグリッシュ)が標準で、ビジネス用語は英語のまま定着しているものが多いからです。
agenda・action item・deadline などは無理に訳さず、英語のまま使うほうが自然に伝わります。
Q. minutes はなぜ「議事録」の意味になるのですか?
会議の記録を指す英語の名詞として定着しており、時間の「分」とは別の意味で使われます。
フィリピンでもそのまま minutes と呼び、Ipapadala ko ang minutes.(議事録を送ります)のように使います。
Q. parking lot と i-park の関係は?
i-park は動詞で「いったん保留にする」、parking lot は名詞で「後で扱う課題の置き場」を指します。
I-park muna natin ito sa parking lot.(いったん課題リストに入れましょう)のようにセットで使われます。
Q. magkasundo と sang-ayon はどう違いますか?
magkasundo は「合意する・折り合う」という双方の到達を指し、sang-ayon は「賛成する」という個人の同意を表します。
合意形成では Sang-ayon ako(賛成です)が積み重なって magkasundo(合意成立)に至るイメージです。
まとめ
ファシリテーションの語彙は、進行の場面ごとに整理して覚えると定着しやすくなります。
- 運営・進行・発言促しの基本語をまず押さえる。
- parking lot や gitnang solusyon など、会議運営特有の表現を意味とセットで覚える。
- オンライン会議や会議の種類を表す語まで広げると、どんな進行にも対応しやすい。
単語が頭に入ったら、実際の進行フレーズや会話の流れと組み合わせると、本番でさらに言葉が出やすくなります。英語のまま使う taglish の感覚も一緒に押さえておきましょう。
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