イタリア語のクレーム対応を、フレーズ単体ではなく「会話の流れ」で身につけたい方へ。
実際の対応は、相手の返事に合わせて言葉を選ぶ往復のやり取りです。
場面ごとの会話例を読むと、どの順番で何を言えばいいかが自然に体に入ります。
この記事で分かることは、次の3つです。
- 顧客とサポート担当のリアルな往復会話(電話・店頭・チャットの3場面)
- クレームを「言う側」と「受ける側」、両方のセリフの組み立て方
- 各セリフの裏にある「対応の狙い」と言葉選びの理由
登場するのは、顧客(Cliente)とサポート担当(Operatore)の2人です。表の左端に話者を示しています。
会話は短く区切ってあるので、声に出して練習する素材としても使えます。それでは見ていきましょう。
場面1|届いた商品が違った(電話対応)
まずは、注文と違う商品が届いた顧客からの電話を想定します。
相手はやや苛立っていますが、担当者は受け止めから入ります。
| 話者 | イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| Cliente | Ho ordinato una giacca blu, ma ne ho ricevuta una rossa. È assurdo. | オ オルディナート ウナ ジャッカ ブルー、マ ネ オ リチェヴータ ウナ ロッサ。エ アッスルド | 青のジャケットを注文したのに赤が届いた。ありえない。 |
| Operatore | Mi dispiace molto per lo scambio. Grazie per averci avvisato. | ミ ディスピアーチェ モルト ペル ロ スカンビオ。グラーツィエ ペル アヴェルチ アッヴィザート | 取り違えて申し訳ありません。お知らせ感謝します。 |
| Cliente | Mi serve quella giusta prima del fine settimana. | ミ セルヴェ クエッラ ジュスタ プリーマ デル フィーネ セッティマーナ | 週末までに正しいのが必要なんだ。 |
| Operatore | Certo. Può darmi il numero d’ordine così controllo? | チェルト。プオ ダルミ イル ヌーメロ ドルディネ コズィ コントロッロ | 承知しました。確認するので注文番号をいただけますか? |
担当者は反論せず、まず謝罪と感謝で相手の温度を下げています。
「È assurdo(ありえない)」のような感情的な言葉には、内容ではなく感情に応えるのが定石です。
続いて、解決策を提示する後半です。
| 話者 | イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| Operatore | Ho trovato il suo ordine. Spediamo oggi la giacca blu con consegna espressa. | オ トロヴァート イル スオ オルディネ。スペディアーモ オッジ ラ ジャッカ ブルー コン コンセーニャ エスプレッサ | 注文を確認しました。本日、青を速達で発送します。 |
| Cliente | E quella rossa? | エ クエッラ ロッサ | 赤のほうはどうすればいい? |
| Operatore | La tenga pure per ora. Le inviamo un’etichetta di reso gratuita, senza fretta. | ラ テンガ プーレ ペル オーラ。レ インヴィアーモ ウネティケッタ ディ レーゾ グラトゥイタ、センツァ フレッタ | 今はお持ちのままで。無料の返送ラベルをお送りします、急ぎません。 |
| Cliente | Va bene, mi sta bene. Grazie. | ヴァ ベーネ、ミ スタ ベーネ。グラーツィエ | 分かった、それでいい。ありがとう。 |
| Operatore | Grazie per la pazienza. C’è altro in cui posso aiutarla? | グラーツィエ ペル ラ パツィエンツァ。チェ アルトロ イン クイ ポッソ アユタルラ | お待たせしました。ほかにご用件はありますか? |
返送を「急がなくていい(senza fretta)」と伝えることで、相手の負担感を減らしています。
最後に「C’è altro?」と添えるのは、対応を一方的に切らないための配慮です。
場面2|料理に不備があった(店頭・対面)
次は、レストランで提供された料理に問題があった場面です。
対面では声のトーンと表情も大切ですが、まずは言葉の流れを見ます。担当はカメリエーレ(給仕)です。
| 話者 | イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| Cliente | Scusi, la mia zuppa è fredda. Aspetto da venti minuti. | スクージ、ラ ミア ズッパ エ フレッダ。アスペット ダ ヴェンティ ミヌーティ | すみません、スープが冷たいです。20分待ったのに。 |
| Cameriere | Mi dispiace tantissimo. Non è il servizio che vogliamo offrirle. | ミ ディスピアーチェ タンティッシモ。ノン エ イル セルヴィツィオ ケ ヴォリアーモ オッフリルレ | 大変申し訳ありません。本来あってはならないことです。 |
| Cliente | Voglio solo qualcosa di caldo. | ヴォーリオ ソーロ クアルコーザ ディ カルド | とにかく温かいものが食べたいんだ。 |
| Cameriere | Certamente. Le porto subito un piatto caldo e fresco. | チェルタメンテ。レ ポルト スービト ウン ピアット カルド エ フレスコ | もちろんです。すぐに温かいものをお持ちします。 |
「Non è il servizio che vogliamo offrirle」は、非を認めつつ前向きに響く謝り方です。
相手の要望(温かいもの)をそのまま繰り返して、ズレなく応じています。
解決のあと、埋め合わせを添える後半です。
| 話者 | イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| Cameriere | Ecco la sua zuppa, appena fatta. Ancora scusi per l’attesa. | エッコ ラ スア ズッパ、アッペーナ ファッタ。アンコーラ スクージ ペル ラッテーザ | できたてのスープです。お待たせして重ねてお詫びします。 |
| Cliente | Grazie. Ora sembra ottima. | グラーツィエ。オーラ センブラ オッティマ | ありがとう。今度は良さそうだ。 |
| Cameriere | Come scusa, il dolce stasera lo offre la casa. | コメ スクーザ、イル ドルチェ スタセーラ ロ オッフレ ラ カーザ | お詫びに、本日のデザートはサービスします。 |
| Cliente | Oh, molto gentile. Grazie. | オ、モルト ジェンティーレ。グラーツィエ | それは親切に。ありがとう。 |
「lo offre la casa(店のおごりです)」は、ちょっとした埋め合わせを伝える定番の表現です。
小さなサービスを一つ添えると、悪い印象が良い記憶に上書きされやすくなります。
場面3|サブスクの請求トラブル(チャット対応)
最後は、解約したのに課金された顧客とのチャットでのやり取りです。
チャットは文字だけなので、共感の言葉を省略しないのがコツです。
| 話者 | イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| Cliente | Ho disdetto il mese scorso, ma mi avete addebitato di nuovo. Perché? | オ ディズデット イル メーゼ スコルソ、マ ミ アヴェーテ アッデビタート ディ ヌオーヴォ。ペルケ | 先月解約したのにまた請求された。なぜ? |
| Operatore | Mi dispiace per la confusione. Verifico subito. | ミ ディスピアーチェ ペル ラ コンフジオーネ。ヴェリーフィコ スービト | ご混乱をおかけし申し訳ありません。すぐに調べます。 |
| Cliente | Ho l’email di disdetta, se serve. | オ レメイル ディ ディズデッタ、セ セルヴェ | 必要なら解約のメールも持ってる。 |
| Operatore | Mi sarebbe utile. Può dirmi la data riportata? | ミ サレッベ ウーティレ。プオ ディルミ ラ ダータ リポルタータ | 助かります。記載の日付を教えていただけますか? |
「Verifico subito」で、原因を決めつけずに調査の姿勢を見せています。
相手が証拠を出してきたら、否定せず「Mi sarebbe utile(助かります)」と歓迎します。
原因を確認し、返金を案内する後半です。
| 話者 | イタリア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| Operatore | Ha ragione. La disdetta non è andata a buon fine da parte nostra. | ア ラジョーネ。ラ ディズデッタ ノン エ アンダータ ア ブオン フィーネ ダ パルテ ノストラ | おっしゃる通りです。当方で解約処理が通っていませんでした。 |
| Cliente | Quindi mi rimborsate? | クインディ ミ リンボルサーテ | じゃあ返金されるの? |
| Operatore | Sì. Le rimborso l’intero importo e arriverà in 3-5 giorni lavorativi. | スィ。レ リンボルソ リンテーロ インポルト エ アッリヴェラ イン トレ チンクエ ジョルニ ラヴォラティーヴィ | はい。全額返金し、3〜5営業日で反映されます。 |
| Operatore | Ho anche verificato che ora il suo account è disattivato. | オ アンケ ヴェリフィカート ケ オーラ イル スオ アッカウント エ ディザッティヴァート | アカウントが解約済みであることも確認しました。 |
| Cliente | Ottimo, grazie per averlo risolto. | オッティモ、グラーツィエ ペル アヴェルロ リゾルト | よかった、解決してくれてありがとう。 |
非を認めるときの「Ha ragione(おっしゃる通り)」は、潔さが信頼につながる場面で効きます。
返金額・反映日数・再発防止の3点をまとめて伝え、不安を残さず締めています。
会話を成功させる5つのポイント
3つの場面に共通する、対応のコツを整理します。
細かいフレーズより、この骨組みを押さえるほうが応用が利きます。
| ポイント | 具体的な言動 | 狙い |
|---|---|---|
| 感情を先に受ける | Mi dispiace / Grazie per averci avvisato | 相手の怒りを鎮め、本題に入りやすくする |
| 言い分を繰り返す | Per conferma… / Quindi intende… | 聞いている姿勢と認識の一致を示す |
| 選択肢を示す | rimborso o sostituzione, cosa preferisce? | 押しつけず、相手に主導権を渡す |
| 期限を明言する | entro 24 ore / entro venerdì | あいまいさをなくし安心させる |
| 前向きに締める | rimediare / c’è altro? | 悪い印象を良い記憶に上書きする |
この5つは、業種が変わっても使える共通の型です。
つまずきやすい一言と直し方
会話の途中で、つい出てしまう言い方があります。
悪気がなくても相手には冷たく響くので、言い換えを覚えておきます。
| つい言いがち | 言い換え | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Strano, di solito funziona. | Verifico cosa è andato storto. | 何が起きたか調べさせてください。 |
| L’ha fatto correttamente? | Vediamo insieme i passaggi. | 一緒に手順を確認しましょう。 |
| Deve aspettare. | La ricontatto il prima possibile. | できるだけ早くご連絡します。 |
| Non posso aiutarla con questo. | La metto in contatto con chi può. | 対応できる者におつなぎします。 |
相手を主語にした疑問(L’ha fatto…?)は、責めているように聞こえやすいので避けます。
よくある質問
怒っている相手にまず何と言えばいい?
説明や反論より、謝罪と受け止めを先に置きます。
「Mi dispiace, grazie per averci avvisato(申し訳ありません、お知らせ感謝します)」で温度が下がります。
相手の言い分を繰り返すのはなぜ?
「聞いている」姿勢を示し、認識のズレをその場で防げるからです。
「Per conferma…(確認ですが)」と要点を言い直すのが効果的です。
自社のミスだと分かったらどう言う?
潔く非を認めると信頼が回復します。
「Ha ragione. È stato un nostro errore e lo correggiamo(おっしゃる通り、当方のミスです、修正します)」と続けます。
その場で解決できない会話の終え方は?
あいまいにせず、いつ連絡するか期限を伝えます。
「La ricontatto entro domani(明日までにご連絡します)」のように具体化します。
まとめ
イタリア語のクレーム対応の会話は、流れの型を知っているだけで落ち着いて運べます。
- 受ける側は最初に感情を受け、言い分を繰り返して認識を合わせる。
- 解決は選択肢で示し、できないことは期限を切って約束する。
- 非があれば潔く認め、前向きな一言で締める。
会話の中で出てくる単語に詰まらないよう、頻出ボキャブラリーもあわせて押さえておきます。
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