タガログ語のオープンイノベーションダイアログ|協業提案の会話例

タガログ語

オープンイノベーション、つまりスタートアップや他社と組んで新しい価値を生む取り組み。そのタガログ語のやり取りは、フレーズ単体を覚えても流れの中での使い方が分からないと不安が残ります。

協業の打診から成果配分の確認まで、一連の会話として体に入れておくと、本番で自然に口が動きます。

フィリピンのビジネス会話には、丁寧さを示す小詞「po」「ho」を挟む習慣と、専門用語や数字を英語のまま使うコードスイッチングという二つの特徴があります。以下のダイアログもその実態を反映しています。

この記事で分かることは次の3つです。

  • 協業の打診・PoCのすり合わせ・成果配分の確認を、実際の流れに沿ったダイアログで確認できる
  • 自社側と相手側の往復で、どんな一言がやり取りを前に進めるか分かる
  • 会話の直後に日本語解説があり、なぜその表現が効くのかが理解できる

ここでは自社側を「当社」、相手のスタートアップを「SU」と表記して、3つの場面を見ていきます。

場面1|スタートアップに協業を打診する

イベントで知り合ったスタートアップに、協業を持ちかける場面です。

いきなり条件からでなく、共通の狙いと互いの強みから話を始めます。初対面なので「po」を多めに添えて丁寧に進めます。

話者 タガログ語 読み方(カタカナ読み) 日本語訳
当社 Salamat po sa oras ninyo. Matagal na naming sinusubaybayan ang trabaho ninyo. サラーマット ポ サ オーラス ニンヨ マタガル ナ ナーミン シヌスバイバヤン アン トラバーホ ニンヨ お時間ありがとうございます。御社の取り組みに注目していました。
当社 Nakikita po namin ang malaking potential sa pagtutulungan. ナキキタ ポ ナーミン アン マラーキン ポテンシャル サ パグトゥトゥルーガン 協業に大きな可能性を感じています。
SU Masaya po kaming marinig iyan. Ano po ang nasa isip ninyo? マサーヤ ポ カーミン マリーニグ イヤン アノ ポ アン ナーサ イーシップ ニンヨ うれしいですね。どんな構想でしょう?
当社 Nasa inyo ang teknolohiya, nasa amin ang distribution. ナーサ インヨ アン テクノロヒヤ ナーサ アーミン アン ディストリビューション 御社には技術が、当社には販路があります。
SU Kaya po magkakatugma ang ating mga lakas. カヤ ポ マグカカトゥグマ アン アーティン マガ ラカス つまり互いの強みを補い合えますね。
当社 Tama po. Open po ba kayo sa isang joint initiative? ターマ ポ オープン ポ バ カヨ サ イサン ジョイント イニシアティブ その通りです。共同の取り組みにご関心はありますか?
SU Oo naman po. Tuklasin natin kung ano ang pwedeng maging anyo nito. オーオ ナマン ポ トゥクラーシン ナーティン クン アノ アン プウェーデン マギン アンヨ ニトー もちろんです。形を一緒に探りましょう。

「magkakatugma ang lakas(強みが噛み合う)」で互いの強みが補完関係にあると示すと、相手も組む意義をつかめます。

最後を「Open po ba kayo…?(ご関心はありますか)」と問いの形にすると、押しつけずに前向きな返事を引き出せます。

場面2|PoCのスコープをすり合わせる

協業に前向きになり、まず小さく試すPoC(概念実証)の中身を詰める場面です。

範囲・期間・成功基準を一つずつ言葉にして、認識をそろえます。

話者 タガログ語 読み方(カタカナ読み) 日本語訳
当社 Bakit po hindi natin simulan sa maliit na proof of concept? バーキット ポ ヒンディ ナーティン シムラン サ マリイト ナ プルーフ オブ コンセプト まず小さなPoCから始めませんか?
SU Maganda po iyan. Anong scope po ang iniisip ninyo? マガンダ ポ イヤン アーノン スコープ ポ アン イニイーシップ ニンヨ いいですね。範囲はどうお考えですか?
当社 Mag-pilot po tayo ng tatlong buwan sa isang product line. マグパイロット ポ ターヨ ナン タトロン ブワン サ イサン プロダクト ライン 1つの製品ラインで3か月の試験運用にしましょう。
SU At ano po ang magiging hitsura ng success para sa inyo? アット アノ ポ アン マギーギン ヒツーラ ナン サクセス パラ サ インヨ 御社にとっての成功基準は何でしょう?
当社 Kung may 10% na efficiency gain, malinaw pong panalo iyon. クン マイ テン パーセント ナ エフィシエンシー ゲイン マリーナウ ポン パナーロ イヨン 10%の効率改善が出れば明確な成功です。
SU Ma-validate po namin iyan sa maliit na scale. マバリデイト ポ ナーミン イヤン サ マリイト ナ スケール 小規模で検証できます。
当社 Kung gumana ang pilot, i-scale up po natin. クン グマーナ アン パイロット イスケール アップ ポ ナーティン うまくいけば本格展開します。
SU Ilagay po natin sa sulat ang scope para magkasundo. イラガイ ポ ナーティン サ スーラット アン スコープ パラ マグカスンド 認識をそろえるため範囲を書面にしましょう。

「Ano po ang magiging hitsura ng success?(成功はどんな姿か)」と成功基準を先に確認することで、PoC後の判断で揉めにくくなります。

最後に「Ilagay natin sa sulat(書面にしよう)」と書面化を促し、口約束のズレを防いでいます。

場面3|成果配分・知財を確認する

共同開発に進む前に、生まれた成果や知的財産の扱いを確認する場面です。

言いにくい話題ほど、早めに、しかし穏やかに切り出します。

話者 タガログ語 読み方(カタカナ読み) 日本語訳
当社 Bago po tayo magpatuloy, pag-usapan natin ang IP. バーゴ ポ ターヨ マグパトゥロイ パグウサーパン ナーティン アン アイピー 先に進む前に、知財の話をしましょう。
SU Sige po. Kanino po mapupunta ang resulta ng development? シーゲ ポ カニーノ ポ マププンタ アン レスルタ ナン デベロップメント もちろん。開発の成果は誰に帰属しますか?
当社 Gusto po naming panatilihin ang karapatan sa core technology namin. グスト ポ ナーミン パナティリヒン アン カラパータン サ コア テクノロジー ナーミン 当社は基幹技術の権利を保持したいです。
SU Patas po iyan. Ganoon din po ang gusto namin sa amin. パータス ポ イヤン ガノオン ディン ポ アン グスト ナーミン サ アーミン 妥当ですね。当社も自社分は同様に望みます。
当社 Para sa anumang gagawin nating magkasama, hatiin po natin ang karapatan. パラ サ アヌマン ガガウィン ナーティン マグカサーマ ハティイン ポ ナーティン アン カラパータン 共同で作る部分は権利を共有しましょう。
SU Sang-ayon po. Paano po natin hahatiin ang kita? サンガーヨン ポ パアーノ ポ ナーティン ハハティイン アン キタ 賛成です。収益はどう分けますか?
当社 Itali po natin ito sa kontribusyon ng bawat panig. イターリ ポ ナーティン イトー サ コントリブーション ナン バーワット パーニグ 双方の貢献度に応じて決めましょう。
SU Gumawa po tayo ng memorandum at iparepaso sa legal. グマーワ ポ ターヨ ナン メモランダム アット イパレパーソ サ リーガル 基本合意書を作り、法務に確認させましょう。

「panatilihin ang karapatan sa core technology(基幹技術の権利を保持する)」で、自社の基幹部分は守りたいと明確に伝えています。

共同部分は共有、貢献度に応じた配分、という整理で双方が納得しやすくなります。「Patas po iyan(それは公平です)」のような短い肯定が、合意の空気を作ります。

会話のコツ|協業を前に進める動き

3つの場面に共通する、協業ならではの進め方を整理します。

フレーズの暗記だけでなく、この型を意識すると会話が安定します。

コツ 使うフレーズの例 読み方(カタカナ読み) 日本語訳
共通の狙いから入る Nakikita po namin ang malaking potential sa pagtutulungan. ナキキタ ポ ナーミン アン マラーキン ポテンシャル サ パグトゥトゥルーガン 協業に大きな可能性を感じています。
強みの補完を示す Magkakatugma ang ating mga lakas. マグカカトゥグマ アン アーティン マガ ラカス 互いの強みを補い合えます。
小さく試す提案をする Bakit hindi natin simulan sa maliit na proof of concept? バーキット ヒンディ ナーティン シムラン サ マリイト ナ プルーフ オブ コンセプト まず小さなPoCから始めませんか?
成功基準を先に決める Ano ang magiging hitsura ng success? アノ アン マギーギン ヒツーラ ナン サクセス 成功基準は何でしょう?
知財を早めに切り出す Pag-usapan muna natin ang IP. パグウサーパン ムーナ ナーティン アン アイピー 先に知財の話をしましょう。
書面で認識をそろえる Ilagay natin sa sulat para magkasundo. イラガイ ナーティン サ スーラット パラ マグカスンド 認識をそろえるため書面にしましょう。

協業は相手を説き伏せるより、共通の土台を一つずつ確認して積み上げる姿勢が言葉を選びやすくします。

特に知財や成果配分は、後回しにすると関係がこじれやすい論点です。

切り出しにくくても早めに言葉にしておくと、信頼を保ったまま前へ進めます。

オンラインで協業を打診する一場面

初回の打診はオンライン会議で行うことも増えています。

画面共有と資料送付を交えた短いやり取りを見てみましょう。

話者 タガログ語 読み方(カタカナ読み) 日本語訳
当社 I-share ko po ang screen ko at ipaliwanag ang deck namin. イシェア コ ポ アン スクリーン コ アット イパリーワナグ アン デック ナーミン 画面共有して資料をご説明します。
SU Sige po, tuloy lang. シーゲ ポ トゥロイ ラン ぜひお願いします。
当社 Ipinapakita po ng slide na ito kung saan kasya ang lakas namin. イピナパキタ ポ ナン スライド ナ イトー クン サアン カーシャ アン ラカス ナーミン このスライドが当社の強みの活かしどころです。
SU Nakakatulong po iyan. Pwede po bang ipadala ang deck mamaya? ナカカトゥーロン ポ イヤン プウェーデ ポ バン イパダーラ アン デック ママヤ 分かりやすいです。後で資料を送れますか?
当社 Oo naman po. I-drop ko rin po ang NDA draft sa chat. オーオ ナマン ポ イドロップ コ リン ポ アン エヌディーエー ドラフト サ チャット もちろん。秘密保持契約の案もチャットに送ります。
SU Ayos po. Mag-set up po tayo ng follow-up call sa susunod na linggo. アーヨス ポ マグセット アップ ポ ターヨ ナン フォローアップ コール サ ススノッド ナ リンゴ いいですね。来週フォローの打ち合わせをしましょう。
当社 Isasama ko po ang aming R&D lead doon. イササーマ コ ポ アン アーミン アールアンドディー リード ドオン その回は研究開発の責任者も同席させます。

「ipaliwanag ang deck(資料を説明する)」と順に説明する流れは、オンラインの打診で定番です。

「Isasama ko po ang…(〜を同席させます)」で次回の同席者を予告すると、相手も準備しやすくなります。

よくある質問

Q. 協業ダイアログはどう練習すればいいですか?

自社側のセリフだけを音読して、自分の言葉として口になじませるのがおすすめです。

「打診・PoC・知財確認」の流れを通しで練習すると、本番でも順番が崩れにくくなります。

Q. 「po」と「ho」はどう違いますか?

どちらも丁寧さを添える小詞で、「ho」は「po」よりやや柔らかくくだけた響きです。

ビジネスでは「po」が一般的なので、まずは「po」を使えば失礼になりません。

Q. 知財の話はどう切り出せば角が立ちませんか?

「Bago po tayo magpatuloy, pag-usapan natin ang IP.(先に進む前に知財の話を)」のように前置きを置いてから入ると穏やかです。

共同部分は共有、自社の基幹部分は保持、と整理すると合意しやすくなります。

Q. オンラインで資料を共有するときの言い方は?

「I-share ko po ang screen ko at ipaliwanag ang deck namin.(画面共有して資料を説明します)」が定番です。

「Pwede po bang ipadala ang deck mamaya?(後で資料を送れますか)」と頼まれたら「Oo naman po.(もちろんです)」と応じます。

まとめ

オープンイノベーションの会話は、フレーズ単体ではなく一連の流れで覚えると本番で動けます。

  • 打診では共通の狙いから入り、互いの強みの補完を示す。
  • PoCは範囲・期間・成功基準をそろえ、書面で認識を合わせる。
  • 知財は早めに切り出し、共同部分の共有と貢献度配分で整理する。

会話の型が身についたら、協業でよく出る単語をまとめて押さえておくと、さらに言葉が出やすくなります。

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