M&A(合併・買収)の英語資料を読むと、見慣れない専門用語が次々に出てきて手が止まる方は多いものです。
M&Aの単語は、ディールの流れに沿ってサブテーマ別に覚えると、頭に定着しやすくなります。
この記事で分かることは次の3つです。
- ディール構造・バリュエーション・財務・デューデリ・契約・統合の頻出単語
- 各単語のカタカナ読みと、実務で使う日本語訳
- 略語(LOI・DD・PMI など)の意味と使われる場面
説明はすべて日本語で、英単語にはカタカナ読みと日本語訳を添えています。
ディールの全体像に関する単語
まずは、案件の枠組みを表す基本語から押さえます。
合併と買収の違い、買い手と売り手の呼び方を確認します。
| 英語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| merger | マージャー | 合併 |
| acquisition | アクイジション | 買収 |
| acquirer | アクワイアラー | 買い手・買収企業 |
| target company | ターゲット カンパニー | 買収対象企業 |
| buy-side | バイサイド | 買い手側 |
| sell-side | セルサイド | 売り手側 |
| synergy | シナジー | 相乗効果 |
「buy-side / sell-side」は、自分がどちらの立場かを示すときに頻繁に使います。
「acquirer(買い手)」に対して、買われる側は target と呼ばれます。
まずこの7語を起点に、関連語を枝分かれで覚えると整理しやすくなります。
ディールの構造・形態の単語
買収にはいくつかの形があり、その違いを表す語があります。
株式取得か事業取得か、敵対的か友好的かを区別します。
| 英語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| share purchase | シェア パーチェス | 株式譲渡 |
| asset purchase | アセット パーチェス | 事業(資産)譲渡 |
| hostile takeover | ホスタイル テイクオーバー | 敵対的買収 |
| leveraged buyout (LBO) | レバレッジド バイアウト | 借入を活用した買収 |
| management buyout (MBO) | マネジメント バイアウト | 経営陣による買収 |
| tender offer | テンダー オファー | 株式公開買付け(TOB) |
| joint venture | ジョイント ベンチャー | 合弁事業 |
「LBO」「MBO」「TOB」は、ニュースでもよく見る代表的な略語です。
株式譲渡と事業譲渡は、税務や契約の扱いが大きく変わる重要な分かれ目です。
「hostile(敵対的)」と「friendly(友好的)」は、対象企業の同意の有無で使い分けます。
バリュエーション(企業価値評価)の単語
企業価値の評価は、M&A交渉の中心となるテーマです。
倍率や割引手法など、評価の基本語を押さえます。
| 英語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| valuation | バリュエーション | 企業価値評価 |
| enterprise value | エンタープライズ バリュー | 事業価値(EV) |
| multiple | マルティプル | 倍率 |
| EBITDA multiple | イービットダー マルティプル | EBITDA倍率 |
| discounted cash flow (DCF) | ディスカウンテッド キャッシュ フロー | 割引キャッシュフロー法 |
| premium | プレミアム | 上乗せ価格 |
| goodwill | グッドウィル | のれん |
「goodwill(のれん)」は、買収価格が純資産を上回る差額を指す会計用語です。
倍率法とDCF法は、評価の代表的な二大アプローチとして対で覚えます。
「enterprise value(事業価値)」は、株主価値に純有利子負債を加えた概念です。
財務・会計の単語
デューデリでは、対象企業の財務指標を読み解く力が問われます。
収益性や負債を表す基本的な財務語を確認します。
| 英語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| EBITDA | イービットダー | 利払い・税・償却前利益 |
| cash flow | キャッシュ フロー | 現金収支 |
| net debt | ネット デット | 純有利子負債 |
| working capital | ワーキング キャピタル | 運転資本 |
| off-balance-sheet | オフバランスシート | 簿外(債務) |
| recurring revenue | リカーリング レベニュー | 継続収益 |
| liabilities | ライアビリティーズ | 負債 |
「off-balance-sheet(簿外)」の項目は、見えにくいリスクとしてDDで重点的に確認します。
「recurring revenue(継続収益)」が多い企業は、評価でプレミアムが付きやすい傾向があります。
「net debt(純有利子負債)」は、有利子負債から手元現金を差し引いた金額です。
「working capital(運転資本)」の水準は、買収価格の調整項目になることがあります。
デューデリジェンスの単語
デューデリジェンス(買収監査)は、リスクを洗い出す調査工程です。
調査の場や懸念を表す言葉を覚えておきます。
| 英語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| due diligence (DD) | デュー ディリジェンス | 買収監査・適正評価手続 |
| data room | データ ルーム | 資料閲覧用の電子保管庫 |
| red flag | レッド フラッグ | 懸念材料・危険信号 |
| contingent liability | コンティンジェント ライアビリティ | 偶発債務 |
| customer concentration | カスタマー コンセントレーション | 顧客集中度 |
| litigation | リティゲーション | 訴訟 |
| quality of earnings | クオリティ オブ アーニングズ | 収益の質 |
「contingent liability(偶発債務)」は、訴訟など将来発生しうる債務を指します。
「data room(データルーム)」は、近年ほとんどがオンラインの仮想空間で運用されます。
「quality of earnings(収益の質)」は、利益が一過性か持続的かを見極める観点です。
契約・法務の単語
最終契約には、専門的な法務用語が数多く登場します。
契約書で頻出する条項名を押さえておきます。
| 英語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| letter of intent (LOI) | レター オブ インテント | 意向表明書 |
| non-disclosure agreement (NDA) | ノンディスクロージャー アグリーメント | 秘密保持契約 |
| share purchase agreement (SPA) | シェア パーチェス アグリーメント | 株式譲渡契約 |
| representations and warranties | レプリゼンテーションズ アンド ワランティーズ | 表明保証 |
| indemnity | インデムニティ | 補償 |
| closing conditions | クロージング コンディションズ | クロージングの前提条件 |
| binding | バインディング | 法的拘束力のある |
「representations and warranties(表明保証)」は、reps and warranties と略されることが多い条項です。
「binding / non-binding」の区別は、その文書に拘束力があるかを左右する重要点です。
「indemnity(補償)」は、表明保証違反などで損害が出た際の埋め合わせを定めます。
支払い条件・ファイナンスの単語
対価の支払い方や資金調達にも、専門の言い方があります。
現金・株式・分割など、支払い形態を表す語を確認します。
| 英語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| consideration | コンシダレーション | 対価 |
| all-cash deal | オールキャッシュ ディール | 全額現金の取引 |
| stock-for-stock | ストック フォー ストック | 株式交換 |
| earn-out | アーンアウト | 業績連動の追加対価 |
| escrow | エスクロー | 第三者預託 |
| debt financing | デット ファイナンシング | 借入による資金調達 |
| break fee | ブレイク フィー | 破談手数料 |
「escrow(エスクロー)」は、対価の一部を第三者に預けて保証に充てる仕組みです。
「consideration(対価)」は日常語の「考慮」とは別に、契約では金銭等の対価を指します。
「break fee(破談手数料)」は、合意後に取引が不成立になった場合の違約金です。
統合(PMI)・関係者の単語
買収後の統合と、関与する専門家の呼び方も押さえておきます。
統合のテーマと、ディールを支えるプレイヤーを確認します。
| 英語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| post-merger integration (PMI) | ポストマージャー インテグレーション | 買収後の統合 |
| talent retention | タレント リテンション | 人材の引き留め |
| cultural fit | カルチュラル フィット | 企業文化の適合 |
| cost synergies | コスト シナジーズ | コスト面の相乗効果 |
| financial advisor | ファイナンシャル アドバイザー | 財務アドバイザー |
| private equity | プライベート エクイティ | 未公開株投資(PE) |
| regulatory approval | レギュラトリー アプルーバル | 当局の承認 |
「talent retention(人材の引き留め)」は、買収後の価値を守るPMIの核心テーマです。
「regulatory approval(当局承認)」は、大型案件でクロージングの前提条件となることが多い項目です。
「cost synergies(コスト相乗効果)」は、重複機能の統廃合などで生む節減効果を指します。
「private equity(PE)」は、未公開企業へ投資して価値を高める投資ファンドの総称です。
よくある質問
mergerとacquisitionの違いは?
merger は対等に近い「合併」、acquisition は一方が他方を取り込む「買収」を指します。
実務ではまとめてM&Aと呼ばれます。
LOI・DD・PMIは何の略ですか?
LOIは Letter of Intent(意向表明書)、DDは Due Diligence(買収監査)、PMIは Post-Merger Integration(買収後統合)です。
EBITDAとは何ですか?
利払い・税金・減価償却を差し引く前の利益で、企業価値評価の倍率計算によく使われます。
earn-outとescrowの違いは?
earn-out は将来業績に連動した追加対価、escrow は対価の一部を第三者に預けて保証に充てる仕組みです。
まとめ
M&Aの単語は、ディールの流れに沿ってサブテーマ別に覚えると定着しやすくなります。
- 全体像(merger/acquisition/buy-side)から構造(LBO/MBO/TOB)へ広げる。
- 評価・財務・デューデリの語は、数字を読むときの土台になる。
- 契約・支払い・統合の語まで押さえると、ディール全工程に対応できる。
単語を覚えたら、実際のフレーズや会話例とあわせて使うと、本番でも自然に口から出てきます。
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