フランス語のM&A頻出単語|買収・契約のボキャブラリー

フランス語

フランス語のM&A(合併・買収)資料を読むと、見慣れない専門用語が次々に出てきて手が止まる方は多いものです。

M&Aの単語は、ディールの流れに沿ってサブテーマ別に覚えると、頭に定着しやすくなります。

この記事で分かることは次の3つです。

  • ディール構造・バリュエーション・財務・デューデリ・契約・統合の頻出単語
  • 各単語のカタカナ読みと、実務で使う日本語訳
  • 英語由来の略語(LOI・DD・PMI など)がフランス語でどう扱われるか

説明はすべて日本語で、フランス語の単語にはカタカナ読みと日本語訳を添えています。

ディールの全体像に関する単語

まずは、案件の枠組みを表す基本語から押さえます。

合併と買収の違い、買い手と売り手の呼び方を確認します。

フランス語 読み方 日本語訳
fusion フュズィオン 合併
acquisition アキジスィオン 買収
acquéreur アケルール 買い手・買収企業
société cible ソスィエテ スィブル 買収対象企業
repreneur ルプルヌール 引き受け手・買い手
cédant セダン 譲渡人・売り手
synergie スィネルジ 相乗効果

「acquéreur / cédant」は、買い手と売り手のどちらの立場かを示すときに頻繁に使います。

「acquéreur(買い手)」に対して、買われる側は société cible と呼ばれます。

まずこの7語を起点に、関連語を枝分かれで覚えると整理しやすくなります。

ディールの構造・形態の単語

買収にはいくつかの形があり、その違いを表す語があります。

株式取得か事業取得か、敵対的か友好的かを区別します。

フランス語 読み方 日本語訳
cession d’actions セスィオン ダクスィオン 株式譲渡
cession d’actifs セスィオン ダクティフ 事業(資産)譲渡
offre hostile オフル オスティル 敵対的買収
rachat avec effet de levier ラシャ アヴェック エフェ ドゥ ルヴィエ 借入を活用した買収(LBO)
rachat par les cadres ラシャ パル レ カードル 経営陣による買収(MBO)
offre publique d’achat オフル ピュブリック ダシャ 株式公開買付け(OPA)
coentreprise コアントルプリーズ 合弁事業

「OPA(offre publique d’achat)」は、英語のTOBに当たるフランスでよく見る略語です。

株式譲渡と事業譲渡は、税務や契約の扱いが大きく変わる重要な分かれ目です。

「hostile(敵対的)」と「amicale(友好的)」は、対象企業の同意の有無で使い分けます。

バリュエーション(企業価値評価)の単語

企業価値の評価は、M&A交渉の中心となるテーマです。

倍率や割引手法など、評価の基本語を押さえます。

フランス語 読み方 日本語訳
valorisation ヴァロリザスィオン 企業価値評価
valeur d’entreprise ヴァルール ダントルプリーズ 事業価値(EV)
multiple ミュルティプル 倍率
multiple d’EBITDA ミュルティプル デビトダ EBITDA倍率
flux de trésorerie actualisés フリュ ドゥ トレゾルリ アクチュアリゼ 割引キャッシュフロー法(DCF)
prime プリム 上乗せ価格
écart d’acquisition エカール ダキジスィオン のれん

「écart d’acquisition(のれん)」は、買収価格が純資産を上回る差額を指す会計用語です。

倍率法とDCF法は、評価の代表的な二大アプローチとして対で覚えます。

「valeur d’entreprise(事業価値)」は、株主価値に純有利子負債を加えた概念です。

財務・会計の単語

デューデリでは、対象企業の財務指標を読み解く力が問われます。

収益性や負債を表す基本的な財務語を確認します。

フランス語 読み方 日本語訳
EBITDA エビトダ 利払い・税・償却前利益
trésorerie トレゾルリ 現金収支・手元資金
dette nette デット ネット 純有利子負債
besoin en fonds de roulement ブゾワン アン フォン ドゥ ルルマン 運転資本
hors bilan オール ビラン 簿外(債務)
revenus récurrents ルヴニュ レキュラン 継続収益
passif パスィフ 負債

「hors bilan(簿外)」の項目は、見えにくいリスクとしてデューデリで重点的に確認します。

「revenus récurrents(継続収益)」が多い企業は、評価でプレミアムが付きやすい傾向があります。

「dette nette(純有利子負債)」は、有利子負債から手元現金を差し引いた金額です。

「besoin en fonds de roulement(運転資本)」の水準は、買収価格の調整項目になることがあります。

デューデリジェンスの単語

デューデリジェンス(買収監査)は、リスクを洗い出す調査工程です。

調査の場や懸念を表す言葉を覚えておきます。

フランス語 読み方 日本語訳
audit d’acquisition オディット ダキジスィオン 買収監査・適正評価手続
data room デタ ルーム 資料閲覧用の電子保管庫
point de vigilance ポワン ドゥ ヴィジランス 懸念材料・注意点
passif éventuel パスィフ エヴァンチュエル 偶発債務
concentration de la clientèle コンサントラスィオン ドゥ ラ クリアンテル 顧客集中度
litige リティージュ 訴訟
qualité des résultats カリテ デ レズュルタ 収益の質

「passif éventuel(偶発債務)」は、訴訟など将来発生しうる債務を指します。

「data room(データルーム)」は、フランス語でも英語のまま使われ、近年はオンライン運用が主流です。

「qualité des résultats(収益の質)」は、利益が一過性か持続的かを見極める観点です。

契約・法務の単語

最終契約には、専門的な法務用語が数多く登場します。

契約書で頻出する条項名を押さえておきます。

フランス語 読み方 日本語訳
lettre d’intention レトル ダンタンスィオン 意向表明書(LOI)
accord de confidentialité アコール ドゥ コンフィダンスィアリテ 秘密保持契約(NDA)
contrat de cession d’actions コントラ ドゥ セスィオン ダクスィオン 株式譲渡契約(SPA)
garantie d’actif et de passif ガランティ ダクティフ エ ドゥ パスィフ 表明保証
indemnisation アンデムニザスィオン 補償
conditions suspensives コンディスィオン スュスパンスィヴ クロージングの前提条件
engageant アンガジャン 法的拘束力のある

「garantie d’actif et de passif(表明保証)」は、GAP と略されることもある重要な条項です。

「engageant / non engageant」の区別は、その文書に拘束力があるかを左右する重要点です。

「indemnisation(補償)」は、表明保証違反などで損害が出た際の埋め合わせを定めます。

支払い条件・ファイナンスの単語

対価の支払い方や資金調達にも、専門の言い方があります。

現金・株式・分割など、支払い形態を表す語を確認します。

フランス語 読み方 日本語訳
contrepartie コントルパルティ 対価
paiement en numéraire ペマン アン ニュメレール 全額現金の支払い
échange d’actions エシャンジュ ダクスィオン 株式交換
complément de prix コンプレマン ドゥ プリ 業績連動の追加対価
séquestre セケストル 第三者預託
financement par dette フィナンスマン パル デット 借入による資金調達
indemnité de rupture アンデムニテ ドゥ リュプチュール 破談手数料

「séquestre(第三者預託)」は、対価の一部を第三者に預けて保証に充てる仕組みです。

「contrepartie(対価)」は日常語の「見返り」とは別に、契約では金銭等の対価を指します。

「indemnité de rupture(破談手数料)」は、合意後に取引が不成立になった場合の違約金です。

統合(PMI)・関係者の単語

買収後の統合と、関与する専門家の呼び方も押さえておきます。

統合のテーマと、ディールを支えるプレイヤーを確認します。

フランス語 読み方 日本語訳
intégration post-acquisition アンテグラスィオン ポスト アキジスィオン 買収後の統合(PMI)
fidélisation des talents フィデリザスィオン デ タラン 人材の引き留め
compatibilité culturelle コンパティビリテ キュルチュレル 企業文化の適合
synergies de coûts スィネルジ ドゥ ク コスト面の相乗効果
conseil financier コンセイユ フィナンスィエ 財務アドバイザー
capital-investissement キャピタル アンヴェスティスマン 未公開株投資(PE)
accord des autorités アコール デ ゾトリテ 当局の承認

「fidélisation des talents(人材の引き留め)」は、買収後の価値を守るPMIの核心テーマです。

「accord des autorités(当局承認)」は、大型案件でクロージングの前提条件となることが多い項目です。

「synergies de coûts(コスト相乗効果)」は、重複機能の統廃合などで生む節減効果を指します。

「capital-investissement(PE)」は、未公開企業へ投資して価値を高める投資ファンドの総称です。

よくある質問

fusionとacquisitionの違いは?

fusion は対等に近い「合併」、acquisition は一方が他方を取り込む「買収」を指します。

実務ではまとめて fusions-acquisitions(M&A)と呼ばれます。

英語の略語LOI・DD・PMIはフランス語でどう言いますか?

LOIは lettre d’intention(意向表明書)、DDは audit d’acquisition または due diligence、PMIは intégration post-acquisition に当たります。

EBITDAはフランス語でも使いますか?

はい、EBITDA はそのまま使われます。利払い・税金・減価償却を差し引く前の利益で、倍率計算によく登場します。

complément de prixとséquestreの違いは?

complément de prix は将来業績に連動した追加対価、séquestre は対価の一部を第三者に預けて保証に充てる仕組みです。

まとめ

フランス語のM&Aの単語は、ディールの流れに沿ってサブテーマ別に覚えると定着しやすくなります。

  • 全体像(fusion/acquisition/acquéreur)から構造(LBO/MBO/OPA)へ広げる。
  • 評価・財務・デューデリの語は、数字を読むときの土台になる。
  • 契約・支払い・統合の語まで押さえると、ディール全工程に対応できる。

単語を覚えたら、実際のフレーズや会話例とあわせて使うと、本番でも自然に口から出てきます。

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