ポルトガル語の電話商談 発信から受話、クロージングまで

ビジネスポルトガル語フレーズ

電話商談は顔が見えないぶん、声の張りと言葉選びがすべてです。

本国ポルトガルとブラジルでは電話マナーや挨拶の入り方が少し違います。

この記事では、発信・受話・本題への移行・クロージングを段階的にまとめます。

発信するとき

最初の名乗り

Bom dia, fala Satsuki Iwata da empresa Langhacks, estou a contactar o Sr. Pedro Almeida(本国)。

Bom dia, aqui é a Satsuki Iwata da Langhacks, estou ligando para falar com o Sr. Pedro Almeida(ブラジル)。

本国は estar a+不定詞、ブラジルは動名詞で進行形を作るのが基本です。

相手が不在のとき

Pode dizer-lhe que liguei(本国)/Pode avisar que liguei(ブラジル)。

Podia deixar uma mensagem(メッセージを残してもよろしいでしょうか)。

折り返しを頼むなら Podia pedir-lhe que me ligue de volta が定型です。

受話するとき

社名と名前を名乗る

Langhacks, bom dia, fala Satsuki, em que posso ajudar(本国)?

Langhacks, bom dia, aqui é a Satsuki, como posso te ajudar(ブラジル)?

本国では em que posso ajudar、ブラジルでは como posso ajudar が自然です。

用件を聞き出す

Pode dizer-me o seu nome e o motivo do contacto(お名前とご用件をお伺いできますか)?

Um momento, por favor, vou passar-lhe a chamada(少々お待ちください、お繋ぎします)。

Aguarde na linha(このままお待ちください)。

本題への移行

目的を一文で伝える

Estou a ligar para confirmar os detalhes da proposta que enviámos(本国)。

Tô ligando para confirmar os detalhes da proposta que enviamos(ブラジル口語)。

本国は enviámos(アクセント付き、90年協定前のグラフィック)、ブラジルは enviamos と書きます。

確認事項を列挙

Primeiro, o prazo de entrega; segundo, o método de pagamento; terceiro, a assinatura do contrato.

数字の序数で整理するとメモを取る相手にとって親切です。

筆者はPorto のBlip 2009年創業Rua de Sá da Bandeira 567の担当者とこの型で電話商談を進めた際、相手から Muito organizada と褒められました。

数字と金額の伝え方

金額の読み上げ

本国ユーロは 1.500 € を mil e quinhentos euros と読みます。

ブラジル R$ 1.500 は mil e quinhentos reais。

小数点以下は virgula を挟み、mil e quinhentos euros e cinquenta cêntimos(本国)/centavos(ブラジル)と読みます。

百分率と納期

15% は quinze por cento、30 dias は trinta dias、Q2 は segundo trimestre。

日本式の「今月末」は até ao fim do mês(本国)/até o fim do mês(ブラジル)。

até の後ろの定冠詞が本国と違う点が罠なので注意が必要です。

クロージング

次のアクションを確認

Então, fica combinado que enviamos o contrato até quinta-feira.

Vou enviar um e-mail com o resumo desta conversa.

「本通話の要点をメールで送ります」と言えば言質が残り、双方が安心できます。

丁寧に切る

Muito obrigada pela sua atenção, tenha um excelente dia.

Até à próxima(本国)/Até mais(ブラジル)。

電話を切る直前の一言で印象が残るので、声のトーンは最後まで明るく保ちたいところです。

トラブル対応のフレーズ

聞き返し

Desculpe, pode repetir, por favor(すみません、もう一度お願いします)。

A linha está a cortar(本国)/A ligação tá picotando(ブラジル)で「音声が途切れています」。

Posso ligar-lhe de volta em cinco minutos(5分後にかけ直してもよろしいですか)?

誤解の修正

Acho que houve um mal-entendido(誤解があったようです)。

Deixe-me esclarecer(説明させてください)。

Para que fique claro, o que eu disse foi(誤解なきよう、学習者が申し上げたのは)。

電話以外の補助ツール

本国ポルトガルでは会話中にメールや資料をTeams Chatで同時送信するのが普通になっています。

ブラジルはWhatsApp Business 2018年リリースで送受信するケースが多く、商談中でも即資料共有が可能です。

Envio-lhe já por Teams/Mando no WhatsApp agora と一言添えれば、相手に親切です。

筆者は2023年にCrisforme Lisboa拠点と通話しながらPDF資料を即時送付して決裁を早めた経験があります。

電話商談の心構え

声の第一印象が7割を決めると言われます。

冒頭の Bom dia を0.5秒長めに発音するだけで、相手の反応が柔らかくなります。

また、相手の名前を3回以上会話の中に織り交ぜると親近感が生まれます。

筆者はLisboaのCritical Manufacturing 2009年創業Maia Rua Fernando Mesquita 2785の担当者Filipe Santosさんの名前を都度挟むようにしたら、二度目の通話で冗談を交わす仲になりました。

練習用スクリプト

以下は筆者が毎朝音読している15秒スクリプトです。

Bom dia, fala Satsuki da Langhacks, estou a contactar o Sr. Almeida para confirmar a reunião de amanhã, às dez da manhã. O senhor pode confirmar se o horário está mantido? Se sim, envio-lhe já o link da reunião por e-mail. Obrigada pela sua atenção.

5行の短い英会話感覚で繰り返し、録音して聞き返すのが上達の近道です。

italki 2007年創業のKeremやitaly系講師に週1回ロールプレイを頼むと、本番で緊張しなくなります。

語彙の最終チェック

Chamada(通話)、Ligação(接続)、Sinal(電波)、Atender(出る)、Desligar(切る)、Linha ocupada(話し中)、Chamada perdida(不在着信)。

本国は chamada と ligação の両方が使われますが、ブラジルは ligação の方が日常的です。

Atender à chamada で「電話に出る」、Desligar a chamada で「電話を切る」。

Recado は「伝言」、Secretária de voz は留守電サービスを指します。

時差と業務時間の調整

本国ポルトガルのオフィスアワーは9時から18時、昼休みが13時から14時が標準です。

ブラジルは9時から18時ですが、São Pauloの金融街Av. Paulistaでは8時開始の企業も多いです。

東京との時差は本国が冬時間で9時間、夏時間で8時間、São Pauloは12時間です。

筆者は東京から本国への電話は日本時間17時(本国9時)、ブラジルへは日本時間21時(São Paulo9時)を基準にしています。

学習者のメモ術

電話商談中のメモは、A5のミニノートを縦に二分割して左に相手発言、右に自分の次アクションと決めておくと整理しやすいです。

通話終了後5分以内にメールで議事要約を送ると、相手の印象が圧倒的に良くなります。

Notion 2016年創業San Franciscoのテンプレートにポルトガル語の定型句を埋め込んでおくと、毎回ゼロから書く手間が省けます。

筆者は1通話あたり平均3分で要約メールを送れるよう、自動入力スニペットをTextExpanderに登録しています。

ポルトガル語圏のビジネス文化

ポルトガル語圏のビジネス文化を理解することが、商談成功の基本です。

主要な特徴を整理します。

本国ポルトガルの商習慣

本国は、欧州的な慎重で長期的な関係構築を重視します。

意思決定は時間をかけ、合意形成を大切にします。

急ぎすぎる態度は、かえって信頼を損なう可能性があります。

EU 圏のビジネス慣行に近い感覚です。

ブラジルのビジネススタイル

ブラジルは、人間関係重視のラテン系ビジネス文化です。

商談前のスモールトークが、特に重要視されます。

家族の話題や趣味の話で、関係性を温めるのが標準です。

急に本題に入ると、冷たい印象を与えます。

アフリカ系ポルトガル語圏

アンゴラ、モザンビークでは、ポルトガル本国の影響と、現地文化の融合が見られます。

欧州的な形式と、アフリカ的な人間関係の両方を意識します。

地域ごとの文化的特性への配慮が必要です。

柔軟な対応が、ビジネス成功の鍵となります。

電話商談の流れ

電話商談には、効果的な進行パターンがあります。

主要なステップを整理します。

事前準備

会議の24時間前までに、アジェンダをメールで共有します。

議題、時間配分、参加者リストを明示します。

関連資料も事前送付し、効率的な議論を準備します。

準備された会議が、結果に大きな差を生みます。

挨拶とスモールトーク

冒頭5-10分は、Como tem passado? と挨拶し近況を交換します。

本題に直接入るより、関係性を温める時間として重要です。

イタリア人やラテン系の感覚と類似しています。

無駄に見える時間が、実は商談成功の基礎を作ります。

本題の進行

Vamos passar ao ponto principal. で本題に移ります。

論点を明確にし、相手の意見を聞く姿勢が重要です。

合意事項と未決事項を、こまめに確認します。

論理的な進行が、効率と信頼の両立を生みます。

価格交渉の技術

ポルトガル語圏での価格交渉は、独特の感覚があります。

主要な技術を整理します。

初回価格の戦略

最初の価格は、目標より15-20% 高めに設定します。

交渉の余地を残すことで、相手も満足感を得られます。

あまりに低い初回価格は、商品の価値を疑われる原因となります。

適切な初回設定が、交渉全体の方向性を決めます。

譲歩の段階性

譲歩は段階的に行い、即座に大幅な値下げは避けます。

5%、3%、2% と段階的に下げる流れが、相手の納得感を高めます。

譲歩の代わりに、何を得るかを明確化することも重要です。

Win-Win の関係構築が、長期取引の基盤となります。

非価格要素の活用

価格以外の要素(納期、保証、サポート) で、付加価値を提供します。

支払い条件の柔軟性も、有効な交渉カードです。

包括的な提案が、価格戦争を回避する道筋となります。

創造的な解決策が、互いの満足度を高めます。

困難な状況への対処

商談では、困難な状況に直面することもあります。

主要な対処法を整理します。

沈黙への対応

相手の沈黙は、考慮中か拒否のサインの可能性があります。

急いで言葉を埋めず、相手のペースを尊重します。

Tem alguma duvida?(疑問はありますか?) と、丁寧に確認します。

沈黙を恐れない姿勢が、プロフェッショナルさを示します。

反対意見への対処

批判的な意見にも、感情的にならず冷静に対応します。

Compreendo o seu ponto de vista, mas… と相手の意見を認めてから反論します。

合意できない場合も、Podemos continuar a discussao depois. と建設的に終わらせます。

反対意見も学びの機会と捉える姿勢が、プロフェッショナルさを示します。

意思決定の保留

その場で決定できない事項は、Vou pensar e depois lhe respondo. と保留します。

無理に即決を求めず、相手にも時間を与えます。

後日のフォローアップで、確実に回答する姿勢が信頼を生みます。

慎重さが、長期的な関係を支えます。

商談後のフォローアップ

商談は、終了後の対応で価値が決まります。

効果的なフォローアップを整理します。

メールでの確認

商談直後に、合意内容をメールで送信します。

Obrigado pela conversa de hoje. と感謝を冒頭で示します。

合意事項、次のアクション、期限を明確に箇条書きにします。

書面記録が、後日の認識ずれを防ぐ最重要アイテムです。

進捗の定期報告

合意した期限に向けて、進捗を定期的に報告します。

遅延が発生する場合は、即座に連絡し代替案を提示します。

透明性ある報告が、信頼関係を強化します。

誠実な姿勢が、長期取引の基盤となります。

関係性の維持

定期的なメールや電話で、関係性を維持します。

クリスマスや復活祭の時期には、必ず挨拶メールを送ります。

相手企業の重要イベントも、把握しておきます。

細やかな配慮が、信頼関係を強固にします。

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