オープンイノベーション、つまりスタートアップや他社と組んで新しい価値を生む取り組み。そのスペイン語のやり取りは、フレーズ単体を覚えても流れの中での使い方が分からないと不安が残ります。
協業の打診から成果配分の確認まで、一連の会話として体に入れておくと、本番で自然に口が動きます。
この記事で分かることは次の3つです。
- 協業の打診・PoCのすり合わせ・成果配分の確認を、実際の流れに沿ったダイアログで確認できる
- 自社側と相手側の往復で、どんな一言がやり取りを前に進めるか分かる
- 会話の直後に日本語解説があり、なぜその表現が効くのかが理解できる
ここでは自社側を「自社」、相手のスタートアップを「SU」と表記して、3つの場面を見ていきます。会話表は話者・スペイン語・読み方・日本語訳の4列で並べます。
場面1|スタートアップに協業を打診する
イベントで知り合ったスタートアップに、協業を持ちかける場面です。
いきなり条件からでなく、共通の狙いと互いの強みから話を始めます。
| 話者 | スペイン語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| 自社 | Gracias por su tiempo. Hemos seguido su trabajo de cerca. | グラシアス・ポル・ス・ティエンポ。エモス・セギード・ス・トラバホ・デ・セルカ | お時間ありがとうございます。御社の取り組みに注目していました。 |
| 自社 | Vemos un gran potencial en trabajar juntos. | ベモス・ウン・グラン・ポテンシアル・エン・トラバハル・フントス | 協業に大きな可能性を感じています。 |
| SU | Nos alegra oírlo. ¿Qué tenían en mente? | ノス・アレグラ・オイルロ。ケ・テニアン・エン・メンテ | うれしいですね。どんな構想でしょう? |
| 自社 | Ustedes tienen la tecnología; nosotros, la distribución. | ウステデス・ティエネン・ラ・テクノロヒア、ノソトロス、ラ・ディストリブシオン | 御社には技術が、当社には販路があります。 |
| SU | Entonces nuestras fortalezas se complementarían. | エントンセス・ヌエストラス・フォルタレサス・セ・コンプレメンタリアン | つまり互いの強みを補い合えますね。 |
| 自社 | Exacto. ¿Estarían abiertos a una iniciativa conjunta? | エクサクト。エスタリアン・アビエルトス・ア・ウナ・イニシアティバ・コンフンタ | その通りです。共同の取り組みにご関心はありますか? |
| SU | Por supuesto. Veamos qué forma podría tener. | ポル・スプエスト。ベアモス・ケ・フォルマ・ポドリア・テネル | もちろんです。どんな形になるか一緒に探りましょう。 |
「se complementarían」で互いの強みが補完関係にあると示すと、相手も組む意義をつかめます。
最後を「¿Estarían abiertos a…?」と問いの形にすると、押しつけずに前向きな返事を引き出せます。
場面2|PoCのスコープをすり合わせる
協業に前向きになり、まず小さく試すPoC(概念実証)の中身を詰める場面です。
範囲・期間・成功基準を一つずつ言葉にして、認識をそろえます。
| 話者 | スペイン語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| 自社 | ¿Por qué no empezamos con una pequeña prueba de concepto? | ポル・ケ・ノ・エンペサモス・コン・ウナ・ペケーニャ・プルエバ・デ・コンセプト | まず小さなPoCから始めませんか? |
| SU | Me parece bien. ¿Qué alcance están pensando? | メ・パレセ・ビエン。ケ・アルカンセ・エスタン・ペンサンド | いいですね。範囲はどうお考えですか? |
| 自社 | Hagamos un piloto de tres meses con una línea de producto. | アガモス・ウン・ピロト・デ・トレス・メセス・コン・ウナ・リネア・デ・プロドゥクト | 1つの製品ラインで3か月の試験運用にしましょう。 |
| SU | ¿Y cómo definirían el éxito ustedes? | イ・コモ・デフィニリアン・エル・エクシト・ウステデス | 御社にとっての成功基準は何でしょう? |
| 自社 | Una mejora del 10% en eficiencia sería un éxito claro. | ウナ・メホラ・デル・ディエス・ポル・シエント・エン・エフィシエンシア・セリア・ウン・エクシト・クラロ | 10%の効率改善が出れば明確な成功です。 |
| SU | Eso lo podemos validar a pequeña escala. | エソ・ロ・ポデモス・バリダル・ア・ペケーニャ・エスカラ | それは小規模で検証できます。 |
| 自社 | Si el piloto funciona, lo ampliaremos. | シ・エル・ピロト・フンシオナ、ロ・アンプリアレモス | うまくいけば本格展開します。 |
| SU | Dejemos el alcance por escrito para no perder el rumbo. | デヘモス・エル・アルカンセ・ポル・エスクリト・パラ・ノ・ペルデル・エル・ルンボ | 認識がぶれないよう範囲を書面にしましょう。 |
「¿Cómo definirían el éxito?」と成功基準を先に確認することで、PoC後の判断で揉めにくくなります。
最後に「dejar el alcance por escrito」と書面化を促し、口約束のズレを防いでいます。
場面3|成果配分・知財を確認する
共同開発に進む前に、生まれた成果や知的財産の扱いを確認する場面です。
言いにくい話題ほど、早めに、しかし穏やかに切り出します。
| 話者 | スペイン語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| 自社 | Antes de seguir, hablemos de la propiedad intelectual. | アンテス・デ・セギル、アブレモス・デ・ラ・プロピエダ・インテレクトゥアル | 先に進む前に、知財の話をしましょう。 |
| SU | Claro. ¿A quién pertenecerán los resultados del desarrollo? | クラロ。ア・キエン・ペルテネセラン・ロス・レスルタドス・デル・デサロージョ | もちろん。開発の成果は誰に帰属しますか? |
| 自社 | Queremos conservar los derechos de nuestra tecnología principal. | ケレモス・コンセルバル・ロス・デレチョス・デ・ヌエストラ・テクノロヒア・プリンシパル | 当社は基幹技術の権利を保持したいです。 |
| SU | Es justo. Nosotros querríamos lo mismo con la nuestra. | エス・フスト。ノソトロス・ケリアモス・ロ・ミスモ・コン・ラ・ヌエストラ | 妥当ですね。当社も自社分は同様に望みます。 |
| 自社 | Lo que creemos juntos, compartamos los derechos. | ロ・ケ・クレエモス・フントス、コンパルタモス・ロス・デレチョス | 共同で作る部分は権利を共有しましょう。 |
| SU | De acuerdo. ¿Cómo repartimos los ingresos? | デ・アクエルド。コモ・レパルティモス・ロス・イングレソス | 賛成です。収益はどう分けますか? |
| 自社 | Atémoslo a la contribución de cada parte. | アテモスロ・ア・ラ・コントリブシオン・デ・カダ・パルテ | 双方の貢献度に応じて決めましょう。 |
| SU | Redactemos un memorando y que lo revise el área legal. | レダクテモス・ウン・メモランド・イ・ケ・ロ・レビセ・エル・アレア・レガル | 基本合意書を作り、法務に確認させましょう。 |
「conservar los derechos de nuestra tecnología principal」で、自社の基幹部分は守りたいと明確に伝えています。
共同部分は共有、貢献度に応じた配分、という整理で双方が納得しやすくなります。
会話のコツ|協業を前に進める3つの動き
3つの場面に共通する、協業ならではの進め方を整理します。
フレーズの暗記だけでなく、この型を意識すると会話が安定します。
| コツ | 使うフレーズの例 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| 共通の狙いから入る | Vemos un gran potencial en trabajar juntos. | 協業に大きな可能性を感じています。 |
| 強みの補完を示す | Nuestras fortalezas se complementarían. | 互いの強みを補い合えます。 |
| 小さく試す提案をする | ¿Por qué no empezamos con una prueba de concepto? | まずPoCから始めませんか? |
| 成功基準を先に決める | ¿Cómo definiríamos el éxito? | 成功基準はどう定めましょう? |
| 知財を早めに切り出す | Hablemos primero de la propiedad intelectual. | 先に知財の話をしましょう。 |
| 書面で認識をそろえる | Dejémoslo por escrito para no perder el rumbo. | 認識がぶれないよう書面にしましょう。 |
協業は相手を説き伏せるより、共通の土台を一つずつ確認して積み上げる姿勢が言葉を選びやすくします。
特に知財や成果配分は、後回しにすると関係がこじれやすい論点です。
切り出しにくくても早めに言葉にしておくと、信頼を保ったまま前へ進めます。
オンラインで協業を打診する一場面
初回の打診はオンライン会議で行うことも増えています。
画面共有と資料送付を交えた短いやり取りを見てみましょう。
| 話者 | スペイン語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| 自社 | Comparto pantalla y les explico la presentación. | コンパルト・パンタージャ・イ・レス・エクスプリコ・ラ・プレセンタシオン | 画面共有して資料をご説明します。 |
| SU | Adelante, por favor. | アデランテ、ポル・ファボル | ぜひお願いします。 |
| 自社 | Esta diapositiva muestra dónde encajan nuestras fortalezas. | エスタ・ディアポシティバ・ムエストラ・ドンデ・エンカハン・ヌエストラス・フォルタレサス | このスライドが当社の強みの活かしどころです。 |
| SU | Muy útil. ¿Nos puede enviar la presentación después? | ムイ・ウティル。ノス・プエデ・エンビアル・ラ・プレセンタシオン・デスプエス | 分かりやすいです。後で資料を送れますか? |
| 自社 | Claro. También dejo el borrador del acuerdo de confidencialidad en el chat. | クラロ。タンビエン・デホ・エル・ボラドル・デル・アクエルド・デ・コンフィデンシアリダ・エン・エル・チャット | もちろん。秘密保持契約の案もチャットに送ります。 |
| SU | Genial. Agendemos una llamada de seguimiento la próxima semana. | ヘニアル。アヘンデモス・ウナ・ジャマダ・デ・セギミエント・ラ・プロクシマ・セマナ | いいですね。来週フォローの打ち合わせをしましょう。 |
| 自社 | Incluiré a nuestro responsable de I+D en esa. | インクルイレ・ア・ヌエストロ・レスポンサブレ・デ・イ・マス・デ・エン・エサ | その回は研究開発の責任者も同席させます。 |
「explicar la presentación」と資料を順に説明する流れは、オンラインの打診で定番です。
「incluir a nuestro responsable de I+D」で次回の同席者を予告すると、相手も準備しやすくなります。
よくある質問
協業ダイアログはどう練習すればいいですか?
自社側のセリフだけを音読して、自分の言葉として口になじませるのがおすすめです。
「打診・PoC・知財確認」の流れを通しで練習すると、本番でも順番が崩れにくくなります。
PoCの話を切り出すフレーズは?
「¿Por qué no empezamos con una pequeña prueba de concepto?」が自然です。
続けて「¿Cómo definiríamos el éxito?」と成功基準を確認すると話が締まります。
知財の話はどう切り出せば角が立ちませんか?
「Antes de seguir, hablemos de la propiedad intelectual.」のように、前置きを置いてから入ると穏やかです。
共同部分は共有、自社の基幹部分は保持、と整理すると合意しやすくなります。
オンラインで資料を共有するときの言い方は?
「Comparto pantalla y les explico la presentación.」が定番です。
「¿Nos puede enviar la presentación después?」と後送を求められたら「Claro.」と応じます。
まとめ
オープンイノベーションの会話は、フレーズ単体ではなく一連の流れで覚えると本番で動けます。
- 打診では共通の狙いから入り、互いの強みの補完を示す。
- PoCは範囲・期間・成功基準をそろえ、書面で認識を合わせる。
- 知財は早めに切り出し、共同部分の共有と貢献度配分で整理する。
会話の型が身についたら、協業でよく出る単語をまとめて押さえておくと、さらに言葉が出やすくなります。
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