タガログ語の財務資料を前にして、単語の意味が取れずに固まってしまう。そんな悩みを持つ方へ。
フィリピンの財務単語は、ひとつ大きな特徴があります。多くの専門用語が英語のまま使われ、純粋なタガログ語の訳語はあまり登場しないという点です。
budget、cost、revenue といった語は英語のまま覚え、動詞や形容詞でタガログ語が混ざる、という感覚を持つと一気に読みやすくなります。
この記事では、会計・予算で繰り返し出てくる単語をサブテーマ別に整理しました。
- 予算策定・コスト管理・予実差異の基本語
- キャッシュフロー・損益・財務諸表に関する語
- 投資判断・承認プロセスで使う語
各表は、左からタガログ語(実務での言い方)・読み方・日本語訳の順です。英語のまま使う語には、必要に応じてタガログ語の言い換えも添えています。
予算・予測の基本単語
まずは予算会議の土台になる単語からです。
「予算」「予測」「実績」の3語は、財務の会話の中心になります。フィリピンでは budget・forecast・actuals をそのまま英語で使うのが普通です。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| budget | バジェット | 予算 |
| forecast | フォーキャスト | 予測・見通し |
| actuals | アクチュアルス | 実績値 |
| tantya / estimate | タンチャ/エスティメイト | 見積り・概算 |
| allocation | アロケイション | 配分 |
| taon ng pananalapi | タオン ナン パナナラピ | 会計年度 |
| quarter | クォーター | 四半期 |
| baseline | ベースライン | 基準値 |
| palagay / assumption | パラガイ/アサンプション | 前提・想定 |
| projection | プロジェクション | 予測・見込み |
「tantya(タンチャ=見積り)」のように、日常語ではタガログ語が残る場合もあります。一方 fiscal year は taon ng pananalapi(タオン ナン パナナラピ)と訳せますが、口語では fiscal year と英語のまま言うことも多いです。
コスト・経費の単語
コスト管理では、費用の種類を表す単語が欠かせません。
固定費と変動費の区別は、タガログ語の会議でも頻繁に問われます。gastos(ガストス)は「費用」を表す基本のタガログ語です。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| gastos / cost | ガストス/コスト | 原価・費用 |
| gugol / expense | グゴル/エクスペンス | 経費 |
| fixed cost | フィックスト コスト | 固定費 |
| variable cost | バリアブル コスト | 変動費 |
| overhead | オーバーヘッド | 間接費 |
| recurring cost | リカーリング コスト | 継続的な費用 |
| one-off cost | ワンオフ コスト | 一度きりの費用 |
| pagbabawas ng gastos | パグババワス ナン ガストス | コスト削減 |
| paggastos / spending | パッガストス/スペンディング | 支出 |
| natipid / savings | ナティピッ/セイビングス | 節約額 |
「gastos(費用)」「gugol(経費)」はタガログ語ですが、fixed cost・variable cost・overhead は英語のまま使うのが標準です。pagbabawas ng gastos(コスト削減)は会議でよく出るフレーズなので、まとめて覚えておくと便利です。
予実差異(variance)の単語
予実レビューで差異を語るときの単語です。
差の方向と評価を表す語をセットで覚えると、報告がスムーズになります。variance は英語のまま使うのが一般的です。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| variance | バリアンス | 差異(予算と実績の差) |
| over budget / lumagpas | オーバー バジェット/ルマグパス | 予算超過 |
| under budget | アンダー バジェット | 予算未満 |
| favorable variance | フェイバラブル バリアンス | 有利差異 |
| unfavorable variance | アンフェイバラブル バリアンス | 不利差異 |
| pagkakaiba / discrepancy | パグカカイバ/ディスクレパンシー | 食い違い・不一致 |
| kakulangan / shortfall | カクランガン/ショートフォール | 不足・未達 |
| sobra / surplus | ソブラ/サープラス | 余剰・黒字分 |
| line item | ライン アイテム | 項目・費目 |
| i-reconcile | イレコンサイル | 突き合わせる・照合する |
「i-reconcile(照合する)」は英語動詞に i- を付けた Taglish で、帳簿と実際の数字を突き合わせる作業で使われます。kakulangan(カクランガン=不足)と sobra(ソブラ=余剰)は対になるタガログ語です。
キャッシュフロー・資金の単語
資金繰りに関する単語は、利益とは別の概念として押さえます。
黒字でも資金が不足する状況を理解するうえで欠かせません。cash flow や liquidity は英語のまま使うのが標準です。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| cash flow / daloy ng pera | キャッシュ フロー/ダロイ ナン ペラ | 資金繰り・現金収支 |
| liquidity | リクイディティ | 流動性(資金の余裕) |
| working capital / puhunan | ワーキング キャピタル/プフナン | 運転資金 |
| pumapasok / inflow | プマパソク/インフロー | 収入・流入 |
| lumalabas / outflow | ルマラバス/アウトフロー | 支出・流出 |
| reserba / reserve | レセルバ/リザーブ | 準備金・積立 |
| receivable | レシーバブル | 売掛金 |
| payable | ペイアブル | 買掛金 |
| burn rate | バーン レイト | 資金燃焼率 |
| runway | ランウェイ | 資金が尽きるまでの期間 |
「burn rate」と「runway」はスタートアップ財務でよく使われ、資金の持ち時間を表します。pera(ペラ=お金)と puhunan(プフナン=資本)は基礎語なので、英語と併せて覚えておきましょう。
receivable(売掛金)と payable(買掛金)は方向が逆で、受け取る予定が receivable、支払う予定が payable です。
損益・財務諸表の単語
損益や財務諸表に関する単語は、決算の理解に直結します。
利益の段階を表す語を区別できると、数字の読み方が深まります。kita(キタ=利益)は日常でも使うタガログ語です。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| kita / revenue | キタ/レベニュー | 収益・売上高 |
| tubo / profit | トゥボ/プロフィット | 利益 |
| lugi / loss | ルギ/ロス | 損失 |
| gross margin | グロス マージン | 粗利率 |
| net income | ネット インカム | 純利益 |
| bottom line | ボトム ライン | 最終損益 |
| break even | ブレイク イーブン | 損益分岐 |
| balance sheet | バランス シート | 貸借対照表 |
| income statement | インカム ステイトメント | 損益計算書 |
| depreciation | ディプリシエイション | 減価償却 |
「kita(売上・利益)」「tubo(利益)」「lugi(損失)」は会話で頻出するタガログ語です。一方 balance sheet・income statement・depreciation などの正式名称は、英語のまま使うのが現地の標準になります。
投資・承認プロセスの単語
投資判断と予算承認の場面で使う単語です。
リターンや回収を表す語は、提案の説得力を左右します。ROI や capital expenditure は略語や英語のまま使えます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| puhunan / investment | プフナン/インベストメント | 投資 |
| return on investment | リターン オン インベストメント | 投資利益率(ROI) |
| payback period | ペイバック ピリオッ | 回収期間 |
| capital expenditure | キャピタル エクスペンディチャー | 設備投資 |
| pondo / funding | ポンド/ファンディング | 資金提供・予算 |
| sign-off | サインオフ | 承認 |
| pag-apruba / approval | パグアプルーバ/アプルーバル | 承認・許可 |
| contingency | コンティンジェンシー | 予備費 |
| break-even point | ブレイクイーブン ポイント | 損益分岐点 |
| profitability | プロフィタビリティ | 収益性 |
「contingency(予備費)」は、想定外の支出に備えて予算に組み込む余裕分を指します。pondo(ポンド=資金)や pag-apruba(パグアプルーバ=承認)はタガログ語ですが、会話では funding や approval と英語のまま言うことも多いです。
税務・銀行・資金調達の単語
財務の話題は、税金や借入の単語も避けて通れません。
資金をどう集めるかを表す語を押さえると、経営の議論が読みやすくなります。buwis(ブウィス=税金)と utang(ウタン=借金)は重要なタガログ語です。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| buwis / tax | ブウィス/タックス | 税金 |
| pre-tax | プリタックス | 税引き前の |
| after-tax | アフタータックス | 税引き後の |
| bawas / deduction | バワス/ディダクション | 控除 |
| utang / loan | ウタン/ローン | 融資・借入 |
| interest rate / patong | インタレスト レイト/パトン | 金利 |
| debt | デット | 負債・借金 |
| equity / sariling puhunan | エクイティ/サリリン プフナン | 自己資本・株主資本 |
| hulugan / installment | フルガン/インストールメント | 分割払い |
| credit line | クレジット ライン | 融資枠 |
「debt(負債)」と「equity(自己資本)」は、資金の調達手段を二分する重要な対比で、utang(借入)と sariling puhunan(自己資本)というタガログ語でも表せます。
hulugan(フルガン=分割払い)は買い物でもよく使う身近な語です。
会計でよく出る動詞・形容詞
名詞だけでなく、財務の文章でよく使う動詞や形容詞も押さえておきます。
これらが読めると、レポートの主張がつかみやすくなります。英語動詞に i- や mag- を付ける Taglish の形にも注目してください。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| maglaan / i-allocate | マグラアン/イアロケイト | 配分する |
| i-forecast | イフォーキャスト | 予測する |
| lumagpas / exceed | ルマグパス/エクシード | 上回る・超える |
| i-offset | イオフセット | 相殺する |
| i-amortize | イアモタイズ | 分割償却する |
| kumikita / profitable | クミキタ/プロフィタブル | 黒字の・採算が取れる |
| cost-effective / sulit | コストエフェクティブ/スリッ | 費用対効果の高い |
| masikip / tight | マシキプ/タイト | (資金が)厳しい |
| bawasan / i-cut | バワサン/イカット | 削減する |
| i-break down | イブレイク ダウン | 内訳に分解する |
「i-offset(相殺する)」は、ある費用を別の収益で埋め合わせる場面でよく使われます。sulit(スリッ=元が取れる・お得)はフィリピンらしい便利な形容詞で、cost-effective の口語版として日常でも頻出します。
「Pwede mo bang i-break down ang mga gastos?」のように使うと、詳細な説明を引き出せます。
よくある質問
Q. actuals とは何ですか?
A. 予測(forecast)に対する「実績値」を指し、タガログ語の会議でも英語のまま使われます。予実レビューでは budget・forecast・actuals の3つをよく比較します。
Q. 財務単語はタガログ語と英語、どちらで覚えるべき?
A. 専門用語(budget・revenue・variance など)は英語のまま、基礎語(kita・gastos・utang など)はタガログ語で、という二段構えがおすすめです。実務ではこの2つが混ざる Taglish が標準なので、両方知っておくと会話にも資料にも対応できます。
Q. revenue と profit の違いは?
A. revenue は売上高(入ってくる総額)で kita とも言い、profit はそこから費用を引いた利益で tubo とも言います。最終的な利益は bottom line や net income と呼ばれます。
Q. capital expenditure とは?
A. 設備や機器など、長期的に使う資産への投資を指します。CapEx と略され、日常の経費(OpEx)とは区別されます。
フィリピンの会議でも英語のまま CapEx と呼ぶことが多いです。
Q. sulit はビジネスでも使えますか?
A. 使えます。sulit(スリッ)は「払った分の価値がある・お得」という意味で、cost-effective のカジュアルな言い換えとして社内会話でよく登場します。
フォーマルな資料では cost-effective を選ぶと無難です。
まとめ
タガログ語の財務単語は、サブテーマ別に整理し、英語とタガログ語の使い分けを意識すると一気に読みやすくなります。
- 専門語(budget / forecast / actuals)は英語のまま起点にする。
- 基礎語(kita / gastos / utang)はタガログ語で押さえる。
- 差異は variance、方向は over / under budget で押さえる。
- 投資判断は ROI と payback period をセットで覚える。
単語が頭に入ったら、実際の会議で使うフレーズや会話の流れと結びつけて定着させましょう。
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