英語の会議で進行役を務めるとき、フレーズ単体を覚えても「実際の流れの中でどう使うか」が分からないと不安が残ります。
ファシリテーション(進行)は、開始から締めまでの一連の会話として体に入れておくと、本番で自然に口が動きます。
この記事で分かることは次の3つです。
- 進行役と参加者の往復を、実際の会議の流れに沿ったダイアログで確認できる
- 発言促し・脱線整理・時間管理・合意形成といった場面で進行役が何を言うか分かる
- 会話の直後に日本語解説があり、なぜその一言が効くのかが理解できる
ここでは進行役を Lead、参加者を A・B・C と表記して、3つの場面を見ていきます。
場面1|会議を開始し、発言を引き出す
定刻になり、進行役が会議を立ち上げる場面です。
最初にゴールを共有し、黙っている参加者から意見を引き出していきます。
| 話者 | 英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| Lead | Thanks for joining, everyone. Let’s get started. | みなさん、ご参加ありがとうございます。では始めましょう。 |
| Lead | I’ll be facilitating today. Our goal is to finalize the budget. | 本日は私が進行します。ゴールは予算を確定することです。 |
| A | Sounds good. Should we start with the marketing line? | 了解です。マーケティング費から始めますか? |
| Lead | Good idea. Let’s start there and work our way down. | いいですね。そこから順に進めましょう。 |
| Lead | What are your thoughts on the current numbers, B? | Bさん、今の数字についてどう思いますか? |
| B | I think marketing is a bit high for this quarter. | 今期はマーケティング費が少し高いと思います。 |
| Lead | Thanks. I’d love to hear from someone who hasn’t spoken yet. | ありがとうございます。まだ発言していない方の意見も聞きたいです。 |
| C | I agree with B. We could shift some of it to next quarter. | Bに同意です。一部を来期に回せそうです。 |
進行役が「I’ll be facilitating today」と宣言すると、参加者は誰が場を仕切るかを把握できます。
名前で指名し、さらに「まだ話していない人」に水を向けることで、発言が一部の人に偏るのを防いでいます。
場面2|脱線を整理し、時間を管理する
議論が盛り上がるあまり、本題から外れてしまった場面です。
進行役は出た話題を否定せず、いったん預けてから本題に戻します。
| 話者 | 英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| A | Speaking of tools, the new CRM has been really buggy lately. | ツールといえば、新しいCRMが最近不具合だらけで。 |
| B | Right, I keep getting logged out during demos. | そうそう、デモ中にログアウトされ続けるんです。 |
| Lead | That’s a real issue, but let’s park it for now. | 確かに問題ですが、いったん保留にしましょう。 |
| Lead | I’ll add the CRM to the parking lot and we’ll revisit it. | CRMの件は課題リストに入れて、後で扱います。 |
| Lead | Let’s bring it back to the budget. | 予算の話に戻しましょう。 |
| C | Sure. So are we agreed on shifting 10% to next quarter? | 了解です。では10%を来期に回す方向で合意ですか? |
| Lead | We have about ten minutes left, so let’s decide on that. | 残り10分ほどなので、そこを決めましょう。 |
| A | Works for me. | 私は問題ありません。 |
「park it」「parking lot」は、後で扱う話題をいったん置いておく進行役の定番表現です。
残り時間を口に出して共有すると、参加者が自然とペースを合わせ、決定に向かいやすくなります。
場面3|対立を整理し、合意して締める
2人の意見が割れ、議論が止まりかけた場面です。
進行役はどちらにも肩入れせず、一致点を探してから合意に持ち込みます。
| 話者 | 英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| B | I still think we should keep the full marketing budget. | やはりマーケティング予算は全額残すべきだと思います。 |
| C | But that leaves us no room for the new hire. | でもそれだと新規採用の余裕がなくなります。 |
| Lead | Let me make sure I understand both sides. | 双方の意見を正しく理解させてください。 |
| Lead | It sounds like we have two priorities: growth and hiring. | 成長と採用、2つの優先事項が出ているようですね。 |
| Lead | Where do we actually agree? | 私たちが一致している点はどこでしょう? |
| B | We both want results this quarter, I suppose. | 今期に成果を出したい点は共通していますね。 |
| Lead | Then can we find a middle ground, like a partial shift? | では一部だけ回すような折衷案で合意できますか? |
| C | A 10% shift sounds reasonable to me. | 10%の移動なら妥当だと思います。 |
| Lead | If there are no objections, we’ll go with a 10% shift. | 異論がなければ、10%移動で進めます。 |
| Lead | Let’s assign owners and I’ll send the notes after. | 担当を決めて、後で議事録を送ります。 |
「Where do we actually agree?」と一致点を問い直すことで、対立していても共通の土台が見えてきます。
最後は「If there are no objections」で合意を取り、担当割り当てと議事録送付を約束して締めています。
進行役のダイアログから学べる3つのコツ
3つの場面に共通する、進行役ならではの動き方を整理します。
フレーズの暗記だけでなく、この型を意識すると会話が安定します。
| コツ | 使うフレーズの例 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| ゴールを最初に言い切る | Our goal is to finalize the budget. | ゴールは予算を確定することです。 |
| 名前で発言を促す | What are your thoughts on this, B? | Bさん、これについてどう思いますか? |
| 脱線をいったん預ける | Let’s park it for now. | いったん保留にしましょう。 |
| 残り時間を共有する | We have about ten minutes left. | 残り10分ほどです。 |
| 一致点を探す | Where do we actually agree? | 一致している点はどこでしょう? |
| 反対がなければ決定とする | If there are no objections, we’ll go with this. | 異論がなければ、これで進めます。 |
進行役は自分の意見を主張するより、参加者の意見を引き出して整える役割だと意識すると、言葉が選びやすくなります。
オンライン進行で起こりがちな一場面
オンライン会議では、声のかぶりやミュート忘れが進行を止めがちです。
進行役が交通整理する短いやり取りを見てみましょう。
| 話者 | 英語 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| A | I think we should— sorry, go ahead. | 私は思うんですが、あ、お先にどうぞ。 |
| B | No, you first— | いえ、そちらからどうぞ。 |
| Lead | Let’s go one at a time. A, please start. | 一人ずつ話しましょう。Aさんからどうぞ。 |
| A | Thanks. I suggest we move the deadline up a week. | ありがとうございます。締切を1週間早める提案です。 |
| Lead | Got it. C, you’re on mute, by the way. | 了解です。ちなみにCさん、ミュートになっています。 |
| C | Oops, sorry. I support moving it up. | 失礼しました。前倒しに賛成です。 |
| Lead | Great. If you have more, drop it in the chat. | いいですね。追加があればチャットへどうぞ。 |
「Let’s go one at a time」と順番を整理するだけで、オンライン特有の沈黙と混線が解消します。
ミュートの指摘やチャット誘導も、進行役が担うと会議全体がスムーズに回ります。
よくある質問
ダイアログを使った進行練習はどう活用すればいいですか?
進行役のセリフだけを音読して、自分の言葉として口になじませるのがおすすめです。
場面ごとに「開始・脱線整理・合意」の流れを通しで練習すると、本番でも順番が崩れにくくなります。
発言が止まったとき、進行役は何を言えばいいですか?
“Where do we actually agree?” と一致点を問い直すと、議論が再び動き出します。
名前で指名する “What are your thoughts, B?” も沈黙を破る定番です。
脱線をやんわり止めるフレーズは?
“That’s a real issue, but let’s park it for now.” のように、いったん認めてから預ける形が角が立ちません。
オンライン会議で声がかぶるときの対処は?
“Let’s go one at a time.” と順番を指定し、必要なら名前で次の話者を指名します。
チャットや挙手ボタンの活用を促すのも効果的です。
まとめ
ファシリテーションは、フレーズ単体ではなく一連の会話の流れで覚えると本番で動けます。
- 開始ではゴールを言い切り、名前で指名して発言を引き出す。
- 脱線は預け、残り時間を共有しながら本題に戻す。
- 対立は一致点を探して整理し、合意と担当割り当てで締める。
会話の型が身についたら、進行でよく出る単語をまとめて押さえておくと、さらに言葉が出やすくなります。
関連記事:英語の会議で使えるフレーズ
📚 英語をもっと伸ばすなら、まず語彙から。
フレーズを使いこなす土台になるのは語彙力。英語の頻出単語を頻度順に、発音・日本語訳・用例つきでまとめたPDF単語帳です。
頻出500単語 入門編A1相当・最初の500語¥525 税込詳しく見る
頻出500単語 初心者編A2相当・次の500語¥525 税込詳しく見る
2冊セット(入門+初心者)入門+初心者を15%OFF¥893 税込まとめてお得に入門編 → 初心者編 の順がおすすめ/2冊セットなら15%お得


