タガログ語のデザイン思考やUXの議論を聞くと、知らない専門語に何度もつまずく。そんな方へ。
デザイン思考の議論は、いくつかの頻出単語さえ押さえれば、ぐっと追いやすくなります。
フィリピンの現場では専門語の多くを英語のまま使い、説明や相づちにタガログ語が混ざるのが特徴です。だからこそ、英語の専門語とタガログ語の基礎語を両方知っておくと会話に乗れます。
この記事で分かることは次の3つです。
- デザイン思考の5段階とプロセスに関する基本語
- ユーザーリサーチ・UX・プロトタイプまわりの専門語
- ワークショップやフィードバックで飛び交う表現
サブテーマごとに表でまとめたので、必要なところから確認できます。読み方と日本語訳を添えたので、会議や記事で見かけたときの手がかりになります。
デザイン思考の5段階とプロセス
まずは、デザイン思考の骨格となる段階の名前から押さえます。
段階の名前は英語のまま使うことが多いですが、タガログ語の言い換えも知っておくと説明に役立ちます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| design thinking | ディサイン シンキン | デザイン思考 |
| pakikiramay | パキキラマイ | 共感する(Empathize) |
| pagtukoy ng problema | パグトゥコイ ナン プロブレマ | 問題を定義する(Define) |
| pag-iisip ng ideya | パグイイシプ ナン イデヤ | 発想する(Ideate) |
| prototype | プロトタイプ | 試作(する) |
| pagsubok | パグソボク | 検証する(Test) |
| nakasentro sa tao | ナカセントロ サ タオ | 人間中心の |
| pag-ulit | パグウリッ | 反復・繰り返し |
| ulit-ulitin | ウリッウリティン | 繰り返し改善する |
| pagpapalawak | パグパパラワク | 発散(広げる) |
| pagpipino | パグピピノ | 収束(絞る) |
| pananaw | パナナウ | 考え方・視点 |
各段階は一方通行ではなく、必要に応じて前の段階へ戻ります。pag-ulit(反復)は、その往復を表す重要な語です。
pagpapalawak(発散=広げる)と pagpipino(収束=絞る)は対になる語で、広げる時間と絞る時間を区別します。
共感・ユーザーリサーチの語彙
共感の段階では、ユーザーを観察し理解するための語が増えます。
調査手法の名前は英語が多いですが、観察や悩みに関わる語はタガログ語でも頻出します。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| empatiya | エンパティヤ | 共感 |
| user research | ユーザー リサーチ | ユーザー調査 |
| interbyu sa user | インテルビュー サ ユーザー | ユーザーへの聞き取り |
| pagmamasid | パグママシッ | 観察 |
| insight | インサイト | 洞察・気づき |
| pain point | ペイン ポイント | 悩み・困りごと |
| pangangailangan | パンガンガイランガン | ニーズ・要求 |
| persona | ペルソナ | 典型的なユーザー像 |
| empathy map | エンパシー マップ | 共感マップ |
| customer journey | カスタマー ジャーニー | 顧客の体験の流れ |
| stakeholder | ステークホルダー | 関係者 |
| target na user | ターゲット ナ ユーザー | 想定利用者 |
pain point(困りごと)は、解決すべき課題のタネとして頻出し、フィリピンの会議でも英語のまま使われます。
persona(ペルソナ)は、誰のために作るかを具体化する手法です。pangangailangan(ニーズ)はその裏にある要求を指します。
問題定義・発想の語彙
問題定義から発想にかけては、問いを立てて広げる語が中心です。
ブレインストーミングまわりの語をまとめて覚えておきます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| problem statement | プロブレム ステイトメント | 問題の定義文 |
| i-reframe | イリフレイム | 問題を捉え直す |
| Paano kaya natin | パアノ カヤ ナティン | どうすれば〜できるか |
| magbrainstorm | マグブレインストーム | アイデアを出し合う |
| pag-iisip ng ideya | パグイイシプ ナン イデヤ | アイデア出し |
| ideya | イデヤ | アイデア |
| sumakay sa ideya | スマカイ サ イデヤ | 〜に乗せて広げる |
| sticky note | スティッキー ノート | 付箋 |
| affinity diagram | アフィニティ ダイアグラム | 親和図(似た意見の整理) |
| dot voting | ドット ボーティング | シール投票 |
| unahin | ウナヒン | 優先する |
| limitasyon | リミタシヨン | 制約 |
Paano kaya natin…? は英語の How might we にあたり、現場では HMW と略して英語のまま使う人も多いです。
affinity diagram(親和図)は、付箋を似たもの同士でまとめる整理法です。sumakay sa ideya(案に乗る)は便乗して広げるときの自然な言い回しです。
プロトタイプ・検証の語彙
プロトタイプと検証の段階では、試作と評価に関する語が増えます。
完成度の段階を表す語は英語のまま使われることが多いので、そのまま覚えます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| prototype | プロトタイプ | 試作品 |
| paper prototype | ペーパー プロトタイプ | 紙の試作 |
| low-fidelity | ロー フィデリティ | 作り込みの粗い(試作) |
| high-fidelity | ハイ フィデリティ | 完成度の高い(試作) |
| mockup | モックアップ | 見た目の見本 |
| wireframe | ワイヤーフレーム | 画面の骨組み |
| usability test | ユーザビリティ テスト | 使いやすさの検証 |
| feedback | フィードバック | 意見・反応 |
| patunayan | パトゥナヤン | 有効性を確かめる |
| palagay | パラガイ | 思い込み・前提 |
| fail fast | フェイル ファスト | 早く失敗して学ぶ |
| pinuhin | ピヌヒン | 磨き上げる |
low-fidelity(粗い試作)と high-fidelity(精巧な試作)は、完成度の対になる語です。
fail fast(早く失敗する)は、検証を恐れない姿勢を表します。palagay(思い込み)を検証で確かめるのがデザイン思考の基本です。
UX・デザイン全般の語彙
デザイン思考の周辺で、UXデザインの語もよく一緒に出てきます。
記事や設計書で頻出する基礎語を押さえておきます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| user experience (UX) | ユーザー イクスペリエンス | ユーザー体験 |
| user interface (UI) | ユーザー インターフェース | 操作画面 |
| usability | ユーザビリティ | 使いやすさ |
| accessibility | アクセシビリティ | 使える人の幅広さ |
| daloy ng user | ダロイ ナン ユーザー | 操作の流れ |
| use case | ユース ケース | 利用場面 |
| friction | フリクション | 使いづらさ・引っかかり |
| madaling gamitin | マダリン ガミティン | 直感的で使いやすい |
| seamless | シームレス | つながりが滑らかな |
| feature | フィーチャー | 機能 |
| saklaw | サクラウ | 対象範囲 |
| trade-off | トレードオフ | 両立しない選択 |
friction(引っかかり)が少ない設計が、良い体験につながります。madaling gamitin(使いやすい)は、説明なしで使える状態をほめる言い方です。
trade-off(トレードオフ)は、機能を足すと操作が複雑になるような、両立しない関係を表します。
ワークショップ進行の語彙
ワークショップの場で飛び交う進行用の語を集めます。
進行役の指示や時間管理に関する語を覚えておくと安心です。po を添えると丁寧になります。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| facilitator | ファシリテーター | 進行役 |
| workshop | ワークショップ | 共同作業の会 |
| warm-up | ウォームアップ | 場をほぐす導入 |
| time box | タイム ボックス | 区切った持ち時間 |
| breakout | ブレイクアウト | 小グループ作業 |
| whiteboard | ホワイトボード | ホワイトボード |
| i-park | イパーク | 議題を一旦保留する |
| tapusin | タプシン | 締めくくる |
| balikan ang punto | バリカン アン プント | 要点を振り返る |
| action item | アクション アイテム | やるべき作業 |
| takeaway | テイクアウェイ | 持ち帰る学び |
| pagkakaisa | パグカカイサ | 認識合わせ |
i-park(保留する)は、脱線した話題を一旦置くときの定番語で、parking lot という英語表現もそのまま使われます。
会の終わりには balikan ang punto(要点を振り返る)で takeaway(学び)を共有します。
チーム協働・意思決定の語彙
デザイン思考はチームで進めるため、協働や合意に関する語も欠かせません。
役割分担や意思決定の場面で出てくる語をまとめます。
| タガログ語 | 読み方(カタカナ読み) | 日本語訳 |
|---|---|---|
| pagtutulungan | パグトゥトゥルンガン | 協働 |
| cross-functional | クロス ファンクショナル | 部署横断の |
| konsensus | コンセンサス | 合意 |
| buy-in | バイイン | 賛同・納得 |
| pagmamay-ari | パグママイアリ | 当事者意識 |
| balakid | バラキッ | 障害・つまずきの原因 |
| scope creep | スコープ クリープ | 範囲の膨張 |
| deliverable | デリバラブル | 成果物 |
| milestone | マイルストーン | 節目・中間目標 |
| roadmap | ロードマップ | 工程の見取り図 |
| posibilidad | ポシビリダッ | 実現可能性 |
| magkasundo | マグカスンド | 折り合う・合意する |
buy-in(賛同)を得られると、チームが同じ方向で動きやすくなります。フィリピンの会議では buy-in も英語のまま使われます。
scope creep(範囲の膨張)は、対象がじわじわ広がってしまう状態を指します。magkasundo(折り合う)は合意間近を示す中心語です。
これらの語は会議録やプロジェクト管理の文書でも頻出するので、覚えておいて損はありません。
覚え方のコツ
語彙は一気に暗記するより、段階とひもづけて覚えると定着します。
「この語はどの段階で出るか」を意識すると、文脈ごと頭に残ります。
| 段階 | 象徴する語 |
|---|---|
| 共感 | empatiya / pain point |
| 問題定義 | i-reframe / Paano kaya natin |
| 発想 | magbrainstorm / sumakay sa ideya |
| プロトタイプ | mockup / low-fidelity |
| 検証 | usability test / fail fast |
象徴する語を1つずつ覚えれば、関連語も芋づる式に思い出せます。
よくある質問
Q. fidelity とはどういう意味ですか?
試作の「作り込みの度合い」を指します。
low-fidelity は粗い試作、high-fidelity は完成度の高い試作で、フィリピンでも英語のまま使われます。
Q. pain point と pangangailangan の違いは?
pain point は具体的な困りごと、pangangailangan(ニーズ)はその裏にある要求です。
困りごとを掘ると、満たすべきニーズが見えてきます。
Q. mockup と wireframe はどう違いますか?
wireframe は画面の骨組み、mockup は見た目を整えた見本です。
骨組みを描いてから、見た目を肉づけする順で進みます。
Q. fail fast は失敗を勧めているのですか?
失敗そのものでなく、早く試して早く学ぶ姿勢を指します。
小さく失敗するほど、修正の手戻りが少なくなります。
まとめ
語彙は段階ごとに整理しておくと、議論や記事の流れに乗りやすくなります。
- 5段階の名前を起点に、各段階の語をひもづけて覚える。
- pain point・persona など、共感段階の語は調査の土台になる。
- low-fidelity・fail fast など、検証段階の語は反復の前提を表す。
あとは、これらの単語を実際のフレーズや会話のなかで見ると、使いどころが定着します。フィリピンの現場では英語の専門語が多いので、タガログ語の相づちと組み合わせて慣れていきましょう。
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