オランダ語のM&A頻出単語|M&A・デューデリのボキャブラリー

オランダ語

M&A(合併・買収)のオランダ語資料を読むと、見慣れない専門用語が次々に出てきて手が止まる方は多いものです。

M&Aの単語は、ディールの流れに沿ってサブテーマ別に覚えると、頭に定着しやすくなります。

オランダ語の実務では、英語由来の語(due diligence、earn-out など)とオランダ語本来の語が混在するのも特徴です。

この記事で分かることは次の3つです。

  • ディール構造・バリュエーション・財務・デューデリ・契約・統合の頻出オランダ語
  • 各単語のカタカナ読みと、実務で使う日本語訳
  • 英語の略語(LOI・DD・PMI など)に対応するオランダ語表現

読み方はカタカナで添えますが、オランダ語の「g」「ch」は喉の奥で擦る音なので、雰囲気をつかむ目安としてください。

ディールの全体像に関する単語

まずは、案件の枠組みを表す基本語から押さえます。

合併と買収の違い、買い手と売り手の呼び方を確認します。

オランダ語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
fusie フュージー 合併
overname オーフェルナーメ 買収
koper コーペル 買い手・買収企業
doelonderneming ドゥールオンデルネーミング 買収対象企業
koperszijde コーペルスゼイデ 買い手側
verkoperszijde フェルコーペルスゼイデ 売り手側
synergie シネルヒー 相乗効果

「koperszijde / verkoperszijde」は、自分がどちらの立場かを示すときに頻繁に使います。

「koper(買い手)」に対して、買われる側は doelonderneming(対象企業)と呼ばれます。

まずこの7語を起点に、関連語を枝分かれで覚えると整理しやすくなります。

ディールの構造・形態の単語

買収にはいくつかの形があり、その違いを表す語があります。

株式取得か事業取得か、敵対的か友好的かを区別します。

オランダ語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
aandelentransactie アーンデレントランザクツィ 株式譲渡
activatransactie アクティファトランザクツィ 事業(資産)譲渡
vijandige overname フェイアンディヘ オーフェルナーメ 敵対的買収
leveraged buy-out レフェレッジド バイアウト 借入を活用した買収
management-buy-out マネジメント バイアウト 経営陣による買収
openbaar bod オーペンバール ボット 株式公開買付け(TOB)
joint venture ジョイント フェンチャー 合弁事業

「leveraged buy-out」「management-buy-out」は、英語のままオランダ語のニュースでもよく見る表現です。

株式譲渡(aandelentransactie)と事業譲渡(activatransactie)は、税務や契約の扱いが大きく変わる重要な分かれ目です。

「vijandig(敵対的)」と「vriendschappelijk(友好的)」は、対象企業の同意の有無で使い分けます。

バリュエーション(企業価値評価)の単語

企業価値の評価は、M&A交渉の中心となるテーマです。

倍率や割引手法など、評価の基本語を押さえます。

オランダ語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
waardering ヴァールデリング 企業価値評価
ondernemingswaarde オンデルネーミングスヴァールデ 事業価値(EV)
veelvoud フェールファウト 倍率
EBITDA-multiple エビッダー マルティプル EBITDA倍率
contante waarde van kasstromen コンタンテ ヴァールデ ファン カスストローメン 割引キャッシュフロー法
premie プレミー 上乗せ価格
goodwill フッドウィル のれん

「goodwill(のれん)」は、買収価格が純資産を上回る差額を指す会計用語です。

倍率法(veelvoud)と割引キャッシュフロー法は、評価の代表的な二大アプローチとして対で覚えます。

「ondernemingswaarde(事業価値)」は、株主価値に純有利子負債を加えた概念です。

財務・会計の単語

デューデリでは、対象企業の財務指標を読み解く力が問われます。

収益性や負債を表す基本的な財務語を確認します。

オランダ語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
EBITDA エビッダー 利払い・税・償却前利益
kasstroom カスストローム 現金収支
nettoschuld ネットスヒュルト 純有利子負債
werkkapitaal ヴェルクカピタール 運転資本
buiten de balans バウテン デ バランス 簿外(債務)
terugkerende omzet テリュフケーレンデ オムゼット 継続収益
verplichtingen フェルプリヒティンゲン 負債

「buiten de balans(簿外)」の項目は、見えにくいリスクとしてデューデリで重点的に確認します。

「terugkerende omzet(継続収益)」が多い企業は、評価でプレミアムが付きやすい傾向があります。

「nettoschuld(純有利子負債)」は、有利子負債から手元現金を差し引いた金額です。

「werkkapitaal(運転資本)」の水準は、買収価格の調整項目になることがあります。

デューデリジェンスの単語

デューデリジェンス(買収監査)は、リスクを洗い出す調査工程です。

調査の場や懸念を表す言葉を覚えておきます。

オランダ語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
due diligence デュー ディリジェンス 買収監査・適正評価手続
dataroom データルーム 資料閲覧用の電子保管庫
aandachtspunt アーンダフツピュント 懸念材料・要注意点
voorwaardelijke verplichting フォールヴァールデレイケ フェルプリヒティング 偶発債務
klantconcentratie クラントコンセントラーツィ 顧客集中度
rechtszaak レヒツザーク 訴訟
kwaliteit van de winst クヴァリテイト ファン デ ヴィンスト 収益の質

「voorwaardelijke verplichting(偶発債務)」は、訴訟など将来発生しうる債務を指します。

「dataroom(データルーム)」は、近年ほとんどがオンラインの仮想空間で運用されます。

「kwaliteit van de winst(収益の質)」は、利益が一過性か持続的かを見極める観点です。

契約・法務の単語

最終契約には、専門的な法務用語が数多く登場します。

契約書で頻出する条項名を押さえておきます。

オランダ語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
intentieverklaring インテンツィフェルクラーリング 意向表明書(LOI)
geheimhoudingsovereenkomst ヘヘイムハウディングスオーフェルエーンコムスト 秘密保持契約(NDA)
aandelenkoopovereenkomst アーンデレンコープオーフェルエーンコムスト 株式譲渡契約(SPA)
garanties en vrijwaringen ハランティス エン フレイヴァーリンゲン 表明保証
vrijwaring フレイヴァーリング 補償
opschortende voorwaarden オプスホルテンデ フォールヴァールデン クロージングの前提条件
bindend ビンデント 法的拘束力のある

「garanties en vrijwaringen(表明保証)」は、英語の representations and warranties に対応する条項です。

「bindend / niet bindend」の区別は、その文書に拘束力があるかを左右する重要点です。

「vrijwaring(補償)」は、表明保証違反などで損害が出た際の埋め合わせを定めます。

支払い条件・ファイナンスの単語

対価の支払い方や資金調達にも、専門の言い方があります。

現金・株式・分割など、支払い形態を表す語を確認します。

オランダ語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
vergoeding フェルフーディング 対価
volledig in contanten フォレーディフ イン コンタンテン 全額現金の取引
aandelenruil アーンデレンラウル 株式交換
earn-out アーンアウト 業績連動の追加対価
escrow エスクロー 第三者預託
schuldfinanciering スヒュルトフィナンシーリング 借入による資金調達
breukvergoeding ブルークフェルフーディング 破談手数料

「escrow(エスクロー)」は、対価の一部を第三者に預けて保証に充てる仕組みです。

「vergoeding(対価)」は、契約では金銭や株式などの支払いを指します。

「breukvergoeding(破談手数料)」は、合意後に取引が不成立になった場合の違約金です。

統合(PMI)・関係者の単語

買収後の統合と、関与する専門家の呼び方も押さえておきます。

統合のテーマと、ディールを支えるプレイヤーを確認します。

オランダ語 読み方(カタカナ発音) 日本語訳
post-fusie-integratie ポストフュージー インテフラーツィ 買収後の統合(PMI)
talentbehoud タレントベハウト 人材の引き留め
culturele aansluiting キュルトゥレーレ アーンスラウティング 企業文化の適合
kostensynergieën コステンシネルヒエーエン コスト面の相乗効果
financieel adviseur フィナンシエール アドフィセウル 財務アドバイザー
participatiemaatschappij パルティシパーツィマートスハッペイ 未公開株投資ファンド(PE)
goedkeuring van de toezichthouder フートケウリング ファン デ トゥーズィヒトハウデル 当局の承認

「talentbehoud(人材の引き留め)」は、買収後の価値を守るPMIの核心テーマです。

「goedkeuring van de toezichthouder(当局承認)」は、大型案件でクロージングの前提条件となることが多い項目です。

「kostensynergieën(コスト相乗効果)」は、重複機能の統廃合などで生む節減効果を指します。

「participatiemaatschappij(PE)」は、未公開企業へ投資して価値を高める投資ファンドを指します。

よくある質問

Q. fusie と overname の違いは?

fusie は対等に近い「合併」、overname は一方が他方を取り込む「買収」を指します。

実務ではまとめてM&Aと呼ばれます。

Q. LOI・DD・PMI はオランダ語で何と言いますか?

LOIは intentieverklaring(意向表明書)、DDは due diligence(買収監査、英語のまま使用)、PMIは post-fusie-integratie(買収後統合)です。

Q. EBITDA とは何ですか?

利払い・税金・減価償却を差し引く前の利益で、オランダ語の商談でもそのまま EBITDA と呼ばれ、企業価値評価の倍率計算によく使われます。

Q. earn-out と escrow の違いは?

earn-out は将来業績に連動した追加対価、escrow は対価の一部を第三者に預けて保証に充てる仕組みです。

まとめ

M&Aの単語は、ディールの流れに沿ってサブテーマ別に覚えると定着しやすくなります。

  • 全体像(fusie / overname / koperszijde)から構造(aandelentransactie / openbaar bod)へ広げる。
  • 評価・財務・デューデリの語は、数字を読むときの土台になる。
  • 契約・支払い・統合の語まで押さえると、ディール全工程に対応できる。

単語を覚えたら、実際のフレーズや会話例とあわせて使うと、本番でも自然に口から出てきます。

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