ターンテーブルが止まっても自分の荷物が出てこなかったとき、いちばん困るのはカウンターを離れたあとです。
空港では係員が手続きを進めてくれますが、翌日からは自分で英語のメールを書いて追いかけることになります。
扱うのは、その「カウンターを出たあと」だけです。
この記事で分かることは次の3つです。
- 当日の1通目から、案内で示された期日以降の連絡まで、番号と日付を差し替えれば送れる英文
- 航空会社から返ってくる定型返信の実物と、そこで何を引用し直すか
- メールアドレスが公開されていない会社で、書いた本文をどこへ貼るか
英語では delayed baggage から始まる
日本語の「ロストバゲージ」は、荷物が出てこない状況をまとめて指す言い方です。
英語の案内は、この状況を段階で分けて別の語を当てています。
lost と delayed は同じ段階を指していない
デルタ航空の案内ページは Damaged, Delayed or Lost Baggage という題で、3つを別の見出しに分けています。
フィンエアーも lost, delayed or damaged baggage の区分で案内を置いています。
申告した直後の荷物は、どの会社の案内でも delayed または mishandled の側に入ります。
| 段階 | 航空会社の案内で使われる語 | こちらが書く語 |
|---|---|---|
| 出てこないと分かった直後 | delayed baggage / mishandled baggage | delayed |
| 追跡が続いている間 | the bag has not been located / the file is still open | delayed、not located |
| 会社が扱いを変えたあと | lost baggage | 相手が lost と書いてきてから lost |
| 壊れて出てきた | damaged baggage | damaged |
| 中身が抜けていた | pilfered items / missing contents | missing contents |
相手が語を変えるまで、こちらは delayed で通す
1通目に lost と書くと、相手の記録上の区分と噛み合いません。
担当者は現在のファイルがどの状態にあるかを説明し直すところから返信を書くことになり、こちらが聞きたかった配送先の確認が後ろに回ります。
語を切り替える合図は、相手の文面のほうにあります。
返信に lost という語が出てきたら、そこで初めてこちらも lost に合わせます。
以下に載せる英文はすべて、この使い分けで統一してあります。
この記事が受け持つのは、カウンターを離れたあと
空港のカウンターで口に出す英語は、この記事では厚く扱いません。
その場で言う My luggage didn’t arrive. や Here’s my baggage claim tag. は、空港英会話の記事の側にまとめてあります。
カウンターで申告を済ませ、控えを受け取ってから読む前提で以下を組み立てています。
送る前に手元へ集める5つの情報
1通目を書き始める前に、次の5つを1か所に写しておきます。
この5つが揃っていれば、以降のメールはすべて同じ材料の並べ替えで足ります。
| 集めるもの | 英語での呼び名 | どこに書いてあるか |
|---|---|---|
| ファイル参照番号 | file reference number | 空港で渡された控え、または申告後に届く自動返信メール |
| 荷物タグの控えの番号 | bag tag number / baggage claim tag | 搭乗券の裏や台紙に貼られた控えのシール |
| 便名と搭乗日 | flight number and date of travel | 搭乗券、予約確認メール |
| 配送先の住所と滞在期間 | delivery address and dates of stay | 宿泊予約の確認メール |
| 現地で受けられる連絡先 | a contact number reachable in [国名] | 現地SIMの番号、または通話できるアプリの番号 |
参照番号は数字だけの10桁ではない
追跡には WorldTracer というシステムが広く使われていて、運営元は航空通信の SITA です。
そこで発行される参照番号の書式は、空港の3文字コードと航空会社の2文字コードに5桁の数字を続けた形になります。
たとえば PHL(フィラデルフィア)で DL(デルタ航空)が作ったファイルなら、PHLDL19676 のような並びです。
ブリティッシュ・エアウェイズの案内は「5文字の英字に5桁の数字が続く」と書き、シンガポール航空は「10文字の File Reference Number」と書いています。
呼び方も桁の説明も会社ごとに割れているので、手元の案内に書かれたとおりに1文字ずつ写すのが唯一の正解です。
案内での呼び名は会社ごとに違う
呼び名そのものも、次のように分かれます。
| 案内での呼び名 | どの会社の表記か |
|---|---|
| file reference number | デルタ航空、KLM、ブリティッシュ・エアウェイズ |
| Baggage File Reference | エア・リンガスの立替費用フォームの入力欄名 |
| Delayed Baggage Reference Number | エア・リンガスの案内 |
| WorldTracer report reference number | フィンエアーの案内 |
| PIR number | 各社の案内と、旅行保険の請求書類 |
フィンエアーは ABCYZ12345 という形の例を自社の案内に載せています。
PIR は書類の名前
Property Irregularity Report は、空港のバゲージサービスデスクで作られる報告書の名前です。
頭文字を取って PIR と呼ばれ、日本語では手荷物事故報告書と訳されます。
KLM の案内には「報告を作ると Property Irregularity Report が参照番号つきで発行される」という趣旨の説明があります。
ここでは PIR を書類の名前としてだけ扱います。
受け取れる補償や条件は各社の運送約款と案内で決まるので、そちらを読む前提で読み進めてください。
荷物タグの控えの番号は、参照番号と別
搭乗券に貼られた控えの番号は、ファイル参照番号と混ぜてはいけない別の番号です。
アメリカン航空の案内は、この番号を「10桁の数字、または英数字8文字」と説明しています。
業界の用語では license plate number と呼ばれますが、読者が書くときは bag tag number で通じます。
メールでは、2つの番号を別々の行に置きます。
1行に並べて書くと、相手側の入力で取り違えが起きます。
当日、カウンターを離れてから送る1通目
1通目の目的は3つに絞ります。
- 配送先の住所を相手のファイルに正しく載せること
- 現地で通じる連絡先を渡すこと
- 自分の側にも送信の記録を残すこと
件名に番号を入れる
件名の先頭に段階の語と参照番号を置くと、返信のたびに相手が番号を探さずに済みます。
段階が進んでも件名の骨組みは変えず、後半だけ差し替えます。
| 送る段階 | 件名 |
|---|---|
| 当日の1通目 | Delayed baggage – file ref [file reference] – [flight number], 2026/09/14 |
| 2通目以降 | Delayed baggage – file ref [file reference] – follow-up |
| 立て替えた費用の確認 | Interim expenses – file ref [file reference] |
| 保険に出す書類の依頼 | Documents for an insurance claim – file ref [file reference] |
1通目の全文
Subject: Delayed baggage – file ref [file reference] – [flight number], 2026/09/14
Dear Baggage Services,
My checked bag did not arrive on [flight number] on 2026/09/14, and a delayed baggage report was filed at the airport on the same day.
The file reference is [file reference].
The bag tag number is [bag tag number].
The bag is a [colour] [hard-shell or soft] suitcase with [one distinguishing feature].
I am writing to confirm the delivery address while the bag is being traced. Until [check-out date] I am staying at [address], and I can be reached on [phone number] or at this email address.
Could you confirm that the delivery address on the file is correct, and let me know the current status of the file?
Thank you for your help.
Kind regards,
[Full name]
差し替えたあとの見え方
括弧の中を埋めた状態で、文がつながっているかを確かめます。
以下の番号・便名・住所は書式を示すための例で、実在のものではありません。
Subject: Delayed baggage – file ref CDGAF30417 – AF275, 5 October
My checked bag did not arrive on AF275 on 5 October, and a delayed baggage report was filed at the airport on the same day.
The file reference is CDGAF30417.
The bag tag number is 0074512983.
The bag is a navy hard-shell suitcase with a red luggage strap.
I am writing to confirm the delivery address while the bag is being traced. Until 12 October I am staying at Hotel Bellevue, 4 Avenue des Peupliers, 75000 Paris, and I can be reached on +81 90 1234 5678 or at this email address.
参照番号の CDG は空港、AF は航空会社を指す部分です。
自分の番号がこの並びに見えなくても、案内に書かれた文字列をそのまま写せば問題ありません。
差し替える箇所の一覧
以下は、この記事に載せた英文すべてで使っている括弧の一覧です。
日付の括弧は名前が似ているので、どの日を指すのかを1つずつ確かめてから埋めてください。
航空会社に送る文面で使う括弧
| 括弧の中 | 入れるもの |
|---|---|
| [file reference] | 空港の控えか自動返信メールに書かれた文字列 |
| [case number] | 問い合わせフォームから送ったあとに別途発行される番号 |
| [bag tag number] | 搭乗券に貼られた控えの番号 |
| [flight number] | 搭乗券の便名(アルファベット2文字と数字) |
| 2026/09/14 | 搭乗日。5 October のように日と月で書く |
| [airport] | 申告した空港。CDG のような3文字コードではなく、空港名か都市名で書く |
| 2026/09/14 | 空港で申告した日。搭乗日と同じことが多い |
| 2026/09/14 | 相手から最後に連絡が来た日 |
| 2026/09/14 | 返事が来ていない自分のメールを送った日 |
| 2026/09/14 | こちらが返事をもらいたい期日 |
| 2026/09/14 | 航空会社から案内のメールが届いた日 |
| [the date in the notice] | その案内に期日として書かれていた日 |
| 2026/09/14 | 返事を書く相手のメールの日付 |
| 2026/09/14 | 立て替え分の書類を出した日 |
| [their subject] | 相手のメールの件名をそのまま写す |
| [their name] | 返信してきた担当者の署名にある名前 |
| [address] | 荷物を届けてもらう住所の英語表記。宿泊先なら施設名から書く |
| [check-out date] | その住所で荷物を受け取れる最終日 |
| [phone number] | 国番号から書く。現地で着信できる番号 |
| [colour] | スーツケースの色(navy、black、silver など) |
| [hard-shell or soft] | hard-shell か soft のどちらかを残す |
| [one distinguishing feature] | ベルト、ステッカー、タグなど外から見て分かる特徴 |
| [Full name] | 航空券に印字されているとおりの氏名 |
宿泊先・ツアー会社に送る文面で使う括弧
番号は上の表と同じものを使うので、下の表では繰り返しません。
| 括弧の中 | 入れるもの |
|---|---|
| [hotel name] | 宿泊先の名称。予約確認メールの表記に合わせる |
| [company name] | ツアー会社・現地手配会社の名称 |
| [booking number] | その宛先での予約番号。宿泊先には宿泊の、ツアー会社にはツアーの番号 |
| [check-in date] | 宿泊の開始日 |
| [tour name] | 申し込んだ行程の名称 |
| [tour date] | その行程に参加する日 |
| [item] | 預けた荷物に入っていて手元にない装備(hiking boots など) |
| [time] | 宿泊先に着く見込みの時刻。24時制で書くと取り違えがない |
| [arrival date] | その時刻に着く日 |
宿泊先とツアー会社宛の [Full name] は、航空券ではなく予約に使った氏名を入れます。
1通目に書かないこと
中身の全リストは、この段階では求められていません。
金額の話も、追跡を担当する窓口の仕事ではありません。
「困っている」「旅行が台無しになった」といった心情も、1通目からは外します。
追跡の担当者が読むのは、番号と住所と連絡先の3つです。
依頼を1通に1つだけ置くと、返信も1つの答えで返ってきます。
返ってくる定型返信と、そこから引き直すもの
送ったあとに返ってくるのは、担当者が一から書いた文ではありません。
ほとんどが定型文で、種類は5つほどに収まります。
| 返ってきた文 | 相手の側で起きていること | こちらが次に足すもの |
|---|---|---|
| We have received your enquiry and will respond within [n] working days. Your case number is [xxx]. | 受付だけが済み、担当はまだ付いていない | 以後の件名に case number を足す。file reference も残す |
| Your bag has not yet been located. The file remains open. | 追跡は続いていて、止まってはいない | 前回の連絡日と、配送先が変わっていないことの再確認 |
| We are pleased to inform you that your bag has been located at [station]. | 見つかり、配送の手配に移った | 受け取れる時間帯と、最新の配送先の住所 |
| We have forwarded your case to our Baggage Service Office. | 宛先が受付窓口から処理部門へ移った | 新しい宛先へ、これまでの経緯を3行にまとめて再送 |
| Please complete the attached form and return it within [n] days. | メール本文ではなく所定の様式で出す段階 | 期日を控え、書いた本文を様式の記入欄に写す |
この表の [n]・[xxx]・[station] は相手の文面に元から入っている変数で、こちらが埋めるものではありません。
case number が増えることがある
問い合わせフォームから送ると、新しい case number や reference が別に発行される場合があります。
これは空港で作られたファイル参照番号とは別の番号です。
どちらか片方だけを書くと、相手の検索でヒットしない側の記録が置き去りになります。
2つ出てきた時点から、本文の冒頭に両方を1行ずつ並べます。
File reference: [file reference]
Case number: [case number]
引用し直すとは、番号と日付を毎回書き足すこと
やり取りが4通、5通と続くと、相手の担当者は毎回別の人になります。
前のメールが引用符で下にぶら下がっていても、読まれる前提では書けません。
2通目以降は、本文の最初の1文を次の形で固定します。
I am following up on file reference [file reference], opened at [airport] on 2026/09/14.
この1文だけで、担当者は検索に必要な材料を全部受け取れます。
なお follow up は、件を目的語に取るときは on、人を目的語に取るときは with です。
ファイルや案件を追うので on を使い、担当者個人を追う言い方は避けます。
部署名が出てきたら宛先が変わった合図
返信に Baggage Service Office や Central Baggage Resolution Office のような部署名が出てきたら、担当が移った合図です。
移った先は、それまでのやり取りを読んでいない前提で書きます。
経緯は3行で足ります。
The bag was reported at [airport] on 2026/09/14 under file reference [file reference].
It has not been delivered, and the last update I received was on 2026/09/14.
The delivery address is [address], and I can be reached on [phone number].
間隔を置いて送る2通目、3通目
当日に1通、数日おいて1通、さらに間隔を空けて1通、という進み方になります。
当日・3日・7日は、送信の間隔であって扱いが変わる日ではない
ここは誤解しやすいので、先に切り分けておきます。
「3日」「7日」は、こちらが次のメールを出すまでの間隔にすぎません。
荷物の扱いがどの日に変わるかは、航空会社から届く案内に書かれた期日で決まります。
案内メールに日付が書かれていたら、その日付を自分の予定表に写します。
自分で日数を決めて「もう期限だ」と書き送るのは、相手の記録と食い違うもとになります。
2通目の全文
Subject: Delayed baggage – file ref [file reference] – follow-up
Dear Baggage Services,
I am following up on file reference [file reference], opened at [airport] on 2026/09/14.
The bag has not been delivered, and I have had no update since 2026/09/14.
Could you confirm whether the file is still open, and whether the bag has been located?
The delivery address is unchanged: [address]. I am reachable on [phone number] until [check-out date].
If the address needs to change, I will send the new one as soon as it is confirmed.
Thank you.
[Full name]
聞いていることは2つだけです。
ファイルが開いたままか、荷物が見つかったか。
3通目で足すのは窓口であって語気ではない
2通目に返信が来なかったときに強い言葉を足しても、担当者の手元の情報は増えません。
代わりに足すのは、送り先の窓口を1つ増やすことです。
同じ本文を、公式サイトの問い合わせフォームからもう一度出します。
3通目には、いつまでに何を知りたいかを1文で入れます。
I sent the message below on 2026/09/14 and have not had a reply.
Could you confirm by 2026/09/14 whether file reference [file reference] is still open, and which team is handling it now?
催促そのものの温度をどう上げ下げするかは、催促メールの記事に段階別の言い換えが揃っています。
ここでは同じ話を繰り返さず、荷物の件で足す情報だけを扱います。
同じ文面を続けて送らない
2通目と3通目の本文が同じだと、受け取る側の画面では重複した問い合わせに見えます。
1通ごとに、前回からの差分を1行入れます。
- 配送先の変更
- 受け取れる時間帯の変更
- 現地の連絡先の変更
変更が何もなければ、変わっていないことを1文で書きます。
メールアドレスが見つからないとき、書いた本文をどこへ貼るか
英文を書き上げたあとで、送り先が無いことに気づく場面があります。
大手の航空会社は問い合わせ用のメールアドレスを公開せず、Webフォームへ誘導する作りが主流です。
以下の英文は、フォームの自由記述欄にそのまま貼る前提で組んであります。
実在するフォームと窓口の名前
フォーム名や部署名を知っていると、案内ページの中から目的の入口を早く見つけられます。
記入して出す様式の名前
| 名前 | どの会社で出てくるか |
|---|---|
| Post Travel Enquiry Form | エア・リンガス |
| Baggage Interim Expenses Form | エア・リンガス |
| Passenger Property Questionnaire(Form OP124) | アメリカン航空 |
処理を担当する部署と請求区分の名前
| 名前 | どの会社で出てくるか |
|---|---|
| Central Baggage Resolution Office | アメリカン航空 |
| Baggage Service Office(BSO) | デルタ航空 |
| Potential Property Loss Claim / Damaged Bag Claim / Pilfered (Stolen) Item Claim | デルタ航空の請求区分 |
アメリカン航空の Form OP124 は PDF で公開されていて、記入欄と提出方法をそのまま読めます。
自由記述欄に貼る短縮版
フォームの記入欄には文字数の上限があることが多く、手紙の形のままでは入りません。
挨拶と結びを落として、番号と事実と依頼だけを残した版を用意しておきます。
Delayed baggage. File reference [file reference]. Bag tag [bag tag number]. [flight number] on 2026/09/14.
The bag has not been delivered. The file was opened at [airport] on 2026/09/14 and the last update I received was on 2026/09/14.
Delivery address: [address], valid until [check-out date]. Contact number: [phone number].
Please confirm whether the file is still open and whether the bag has been located.
I can provide itemized receipts and a copy of the report on request.
体裁を捨てても、番号が先頭にあれば処理は進みます。
添付欄が無いフォームで足す1文
フォームによっては、ファイルを添付する欄そのものがありません。
そこで「送れません」と書いて終わらせず、送り先を聞く1文に変えます。
I have itemized receipts for the essential items I bought while the bag was delayed, and I can send them to any address you specify.
相手から返送先が指定されれば、そこが次の宛先になります。
送信の控えを自分で作る
フォームからの送信は、自分のメールの送信済みフォルダに残りません。
送信画面を閉じる前に、貼り付けた本文と送信日時を自分宛のメールに写しておきます。
後日「いつ何を送ったか」を書くときの材料になります。
- 送信日時
- フォームの名前と入口のURL
- 貼り付けた本文そのもの
立て替えた費用と、保険に出す書類を頼む
荷物が届かない日が続くと、着替えや洗面用具を現地で買うことになります。
この費用の扱いは会社ごとに違うので、こちらから金額を提示するのではなく、扱いを聞く形で書きます。
interim expenses という言い方
エア・リンガスには Baggage Interim Expenses Form という名前の書式が実在します。
同じ書式の中では out-of-pocket expenses という語も使われています。
フィンエアーの案内には necessary items という言い方が出てきます。
どの語を使う会社でも、interim expenses と書けば「荷物が届くまでの間に立て替えた分」として通じます。
扱いを問い合わせる文面
Subject: Interim expenses – file ref [file reference]
Dear Baggage Services,
I am writing about file reference [file reference], opened at [airport] on 2026/09/14.
While the bag was delayed I bought a small number of essential items, and I have kept the itemized receipts.
Could you confirm how interim expenses are handled for this file, and which form you would like me to use?
If the receipts need to be submitted in a particular format, please let me know before I send them.
Thank you.
[Full name]
金額も上限も、この文面には入れません。
相手が様式を指定してから、その様式に沿って出します。
レシートに写っていなければならないもの
デルタ航空の案内は、受け取るレシートに含まれるべき項目を5つ挙げています。
| 英語の項目名 | レシートで確認すること |
|---|---|
| Merchant name | 店名が読める状態か |
| Date of purchase | 購入日が印字されているか |
| Itemized list of goods | 品目ごとの内訳が出ているか |
| Total amount | 合計金額と通貨 |
| Method of payment | 現金かカードかが分かるか |
合計だけが印字された短い伝票は、内訳の条件を満たしません。
買った当日に、レシートの全体が入るように撮影しておきます。
保険会社に出す書類を航空会社へ頼む
旅行保険に請求する場合、保険会社から航空会社発行の書類を求められます。
書類の名前を英語で指定して頼むと、往復が1回で済みます。
Subject: Documents for an insurance claim – file ref [file reference]
Dear Baggage Services,
I am preparing a claim with my travel insurer for file reference [file reference], opened at [airport] on 2026/09/14.
The insurer has asked for three documents:
– a copy of the Property Irregularity Report
– written confirmation of the dates between which the bag was delayed
– the delivery receipt showing the date the bag was returned to me
Could you send these to this email address, or tell me where to request them?
Thank you.
[Full name]
どの書類が要るかは加入している保険の約款で決まるので、請求先の案内を先に確認してから頼みます。
案内で示された期日以降に送る文面
追跡が続いたまま日が過ぎると、航空会社の案内に書かれた期日に届きます。
日数はこちらで決めない
その期日は、届いた案内メールか、案内ページの記述に書かれています。
何日目にどう扱いが変わるかは会社と路線によって違うので、この記事では日数を置きません。
読者がすることは、案内に書かれた日付を控えて、その日を過ぎてから送ることです。
その段階の文面
Subject: File ref [file reference] – status after [the date in the notice]
Dear Baggage Services,
The notice I received on 2026/09/14 gave [the date in the notice] as the point at which the file moves to the next stage. That date has now passed.
Could you confirm the current status of file reference [file reference], and tell me which step comes next and which team handles it?
If an inventory of the contents is required, please send me the form you would like me to complete.
Thank you.
[Full name]
この時点で相手が lost という語を使い始めたら、次の返信からこちらも lost に揃えます。
中身の申告を求められたとき
この段階では、スーツケースの中身を書き出す様式を渡されます。
KLM の案内にも、内容物の一覧を出す手順があります。
| 記入欄 | 書くこと |
|---|---|
| Item | 品目を英語で1行(wool coat、running shoes など) |
| Purchased | 購入した年月。覚えている範囲で |
| Where purchased | 店名。通販ならサイト名 |
| Value | 購入時の金額と通貨 |
手荷物に入れていたものと、預けた荷物に入れていたものを混ぜません。
思い出せない品目は空欄のままにして、後から追記する旨を1文添えます。
提示を受けたときに確認する事項
会社側から金額を含む提示が届いたら、返事の前に確認する項目があります。
| 確認すること | 確認しないまま返事をすると |
|---|---|
| どのファイル参照番号と case number に紐づく提示か | 番号が2つある状態では、意図しない側の記録に返答が付く |
| 途中経過の連絡か、最終の連絡か | 途中経過を最終回答と読み違えて、こちらから連絡するのをやめてしまう |
| すでに出した立て替え分が含まれるのか、別に扱われるのか | 同じ分を二重に出すか、逆に出し忘れる |
| こちらの返事の期限はいつか | 期限を知らないまま書類を探し始めて、返事が間に合わなくなる |
この4点を聞く文面が、次の1通です。
Subject: Re: [their subject] – file ref [file reference]
Dear [their name],
Thank you for your message of 2026/09/14.
Before I reply, could you confirm four points?
– which file reference and case number this relates to
– whether this is an interim response or a final one
– whether it covers the interim expenses I submitted on 2026/09/14, or whether those are handled separately
– by when you need my reply
Once I have those, I will come back to you.
Thank you.
[Full name]
提示の内容をどう判断するかは、契約している保険や運送約款の条件で変わります。
ここでは、判断する前に揃えておく事実だけを扱っています。
同じ日に、ホテルとツアー会社にも送る
荷物が届かないと決まった日に連絡するのは、航空会社だけではありません。
宛先が3つあり、それぞれ送る目的が違います。
3つの宛先は目的が違う
| 宛先 | 送る目的 | 1通に必ず入れる情報 |
|---|---|---|
| 航空会社 | 追跡の状況確認と配送先の確定 | file reference、bag tag number、便名と日付 |
| 宿泊先 | 不在中に届く荷物を受け取ってもらう | 予約者名と予約番号、宿泊期間、file reference |
| ツアー会社・現地手配会社 | 行程への影響の共有と、当日の連絡先の確認 | 予約番号、参加する行程名と日付、今分かっている状況 |
航空会社宛だけを丁寧に書いて、あとの2つを後回しにすると、荷物が届いた日に受け取れない事態が起きます。
宿泊先へ送る全文
Subject: Incoming baggage delivery for guest [Full name], [check-in date] to [check-out date]
Dear [hotel name] team,
I have a reservation under [Full name] from [check-in date] to [check-out date], booking reference [booking number].
A checked bag was delayed by the airline and is due to be delivered to the hotel by a courier. The delivery may arrive while I am out.
Could the front desk accept the delivery on my behalf and hold the bag until I collect it?
The airline file reference is [file reference] and the bag tag number is [bag tag number]. The courier may ask for either.
Thank you very much.
[Full name]
フロントで対面のやり取りになったときの言い方は、ホテル英会話の記事にまとめてあります。
ツアー会社・現地手配会社へ送る全文
Subject: Baggage delay affecting [tour name] on [tour date]
Dear [company name],
I am booked on [tour name] on [tour date], booking reference [booking number].
My checked bag was delayed on arrival and has not been delivered, so I may not have the clothing and equipment listed in the joining instructions.
Could you tell me whether I can still join the tour without [item], and who I should contact on the day if the bag arrives late?
I will confirm as soon as the airline gives me a delivery date.
Thank you.
[Full name]
ここでの依頼は、参加できるかどうかの判断材料をもらうことです。
返金や振替を求める文面は入れません。
到着が遅れる連絡も同じ骨組みで書ける
乗り継ぎが遅れて宿泊先への到着が遅くなる場合も、宛先と目的の並べ方は変わりません。
本文を2文に縮めれば足ります。
My inbound flight has been delayed and I now expect to reach the hotel at around [time] on [arrival date].
Could you hold the reservation under [Full name] for a late arrival?
たとえば乗り継ぎ便で預けた荷物が最終地に届かず、到着も深夜になる場面では、この2文を先ほどの受け取り依頼の前に足します。
送る前に見る3点と、この記事の外にあること
投函の直前に見るのは3つだけです。
- 件名の先頭にファイル参照番号が入っているか
- 段階の語が相手の書き方と揃っているか
- 本文の依頼が1つに絞られているか
この3つが揃っていれば、英語の細かい言い回しは返信の速さに影響しません。
この記事が扱わないこと
補償の可否や金額、いつ何が確定するかは、航空会社の運送約款と各社の案内で決まります。
この記事は文面の作り方だけを扱っていて、権利の説明はしていません。
周辺の場面は、それぞれ別の記事に置いてあります。
| 場面 | 置いてある記事 |
|---|---|
| カウンターや窓口で口に出す英語 | 空港英会話の記事 |
| 問い合わせやクレームのメールの型そのもの | トラブル対応メールの記事 |
| 返事が来ないときの言い換え | 催促メールの記事 |
| パスポート紛失や盗難など荷物以外の事故 | 海外トラブル対応の記事 |
荷物の件は、番号を1本の糸にして最後までつなぐ作業です。
1通目で番号を件名に置いておけば、あとは同じ材料を並べ替えるだけで最後まで書けます。
よくある質問
1通目から lost と書いてはいけませんか
禁止されてはいませんが、相手の記録上の区分と噛み合わなくなります。
申告直後の荷物は、航空会社の案内では delayed や mishandled の側に置かれています。
相手の返信に lost が出てきてから、こちらも切り替えるのが無理のない進め方です。
参照番号が数字だけではないのですが、写し間違えていますか
英字と数字が混じった文字列で問題ありません。
WorldTracer の書式は、空港の3文字コードと航空会社の2文字コードに5桁の数字を続けた形です。
ブリティッシュ・エアウェイズは「5文字の英字に5桁の数字」、シンガポール航空は「10文字」と説明していて、呼び方は会社ごとに違います。
手元の案内に書かれたとおりに写せば大丈夫です。
航空会社のメールアドレスがどこにも見つかりません
大手はアドレスを公開せず、Webフォームだけを入口にしている場合が多くあります。
本文に載せた文面は、フォームの自由記述欄に貼る前提で書いてあります。
挨拶と結びを落とした短縮版を用意しておくと、文字数の上限にも収まります。
日本語で送っても読んでもらえますか
日本語の窓口を持つ会社もありますが、追跡を担当する部署は英語で運用されている場合があります。
番号と日付と住所さえ正しければ、英語の文が簡潔でも処理は進みます。
迷ったときは、この記事の短縮版をそのまま使うのが早い方法です。
何日おきに送ればいいですか
当日に1通、数日おいて1通、さらに間隔を空けて1通という進み方が扱いやすい形です。
ただし荷物の扱いが変わる日は、航空会社から届いた案内に書かれた期日で決まります。
その日付を控えて、過ぎてから次の文面に切り替えてください。


