国際宇宙ステーション(ISS)では、電力を増やす太陽電池アレイを取り付ける船外活動が10月29日と11月5日の2回に分けて組まれ、その合間にも日本の実験棟「きぼう」などで植物や細胞の実験が続いています。
NASA のブログは、こうした研究や実験を research・study・investigation・experiment の4語で書き分けています。
- research は24回とも単数形で、12回は別の名詞の前に立つ
- 単数の study などの前には、19回中18回 a か the が立つ
- a や the と名詞のあいだには、0〜3語が入る
- a も the もない単数の study は、analysis と並んで1回出る
- 「きぼう」の植物実験は、続く2文で別の名詞になる
- 名詞の前の research は、hardware の前に3回立つ
- 作例の research は、pieces や project を使って数を言う
- experiment の -ment は、名詞と動詞で母音が変わる
- フランス語の recherche は、複数形の recherches にもなる
- science は、pounds of のあとで重さで量られる
- 研究・実験・調査を言う5つの文は、数える形と量の形に分かれる
research は24回とも単数形で、12回は別の名詞の前に立つ
この記事で読むのは、NASA の Space Station Blog が2026年10月に載せた記事です。月別の一覧は6ページあり、別のブログ(Commercial Crew Program の blogs/commercialcrew と、毎ページの脇に出る blogs/missions)の記事を外すと39本になります。
そのうち10月3日の1本は生の HTML に本文の段落が無かったので、残る38本を使いました。
38本の書き手は Mark A. Garcia 氏が30本、Jason Costa 氏が7本、Elyna Niles-Carnes 氏が1本で、どれも NASA のサイトに載った、乗組員の作業や打ち上げを三人称で報告する記事の文です。引用に添える日本語は、当サイトで付けた訳です。
数える範囲は次の規則で決めました。本文の段落だけを使い、写真の説明・記事の題と、末尾に毎回付く案内の2段落(Learn more about station activities… と Get the latest from NASA…)は入れていません。
段落は文に分け、別の記事とまったく同じ文は最初に載った1文だけを残しました。言い回しを変えた再掲は、先に載った別の記事の文と語の重なりが65%以上の文を落とし、数字・曜日・月名だけが違う文は別の文として残しています。
この規則で12文と15文を落とし、残りは384文です。研究を言う語は research・study・investigation・experiment の語形を大文字小文字を区別せずに拾い、人を言う researchers の3回は数から外しました。
studied・studying・investigate・investigates・investigated・investigating と、直前が to・also・will・can・may の study は動詞として数えています。名詞は、すぐ後ろの名詞を修飾している形(research hardware)を「名詞の前」、それ以外を「中心」として分けました。
| 英語 | 名詞の形と回数 | 動詞の回数 |
|---|---|---|
| research | 24(中心12・名詞の前12。24回とも単数形) | 0 |
| study | 11(a 6・the 2・限定詞なし1・複数形 studies 2) | 9(studied 5・studying 1・to study 2・also study 1) |
| investigation | 9(a・an 2・the 4・複数形 investigations 3) | 2(investigates 1・investigate 1) |
| experiment | 8(a 2・the 2・複数形 experiments 4) | 0 |
research の後ろに -s が付いた researches は1回も無く、中心に立つ12回はすべて a・the・所有格のない形で始まっています。Costa 氏の記事の2回(advancing research and technology など)も同じ形です。
Space crops research wrapped up the week […]
Mark A. Garcia(NASA)2026年10月30日掲載「Space Crops and Advanced Tech Wrap Up Week Following Spacewalk」/出典: NASA Space Station Blog
訳:宇宙での作物の研究で、その週の作業が締めくくられました。
Menon and Kutryk had a light duty day on Friday with ongoing research planned for their short schedule.
Mark A. Garcia(NASA)2026年10月30日掲載「Space Crops and Advanced Tech Wrap Up Week Following Spacewalk」/出典: NASA Space Station Blog
訳:Menon 氏と Kutryk 氏の金曜日は軽めの作業の日で、短い予定の中に継続中の研究が組まれていました。
2つの文の research は、どちらも「研究」という作業をひとまとまりの量として扱う使い方です。英和辞典は research に「不可算」の印を付けていて、このブログの24回もすべて数えない名詞としての使い方です。
単数の study などの前には、19回中18回 a か the が立つ
study・investigation・experiment の3語を名詞で使った28回のうち、単数形は19回、複数形は9回でした。単数形の19回のうち18回は、a・an・the のどれかが名詞句の頭に置かれています。
複数形の9回は studies 2・investigations 3・experiments 4 で、several new experiments や Other investigations のように数や範囲を言う語を前に置いた例が2回あります。
[…] Delaney turned his attention to a cancer study to observe how cancer cells grow […]
Mark A. Garcia(NASA)2026年10月20日掲載「Blood Vessel Printing, Cancer Research, and Spacewalk Preps Keep Crew Busy」/出典: NASA Space Station Blog
訳:[…]Delaney 氏はがん細胞がどう増えるかを観察するがんの研究に取りかかりました[…]
同じ10月20日の記事では、その日の作業を並べる冒頭の段落に cancer research が出てきます。1件の研究に取りかかったと書くこの文では a cancer study、作業の種類を並べる文では cancer research が使われています。
a や the と名詞のあいだには、0〜3語が入る
a や the の位置は、名詞句の先頭です。限定詞のある単数18回のうち、限定詞と名詞が隣り合うのは an investigation と the study の2回だけでした。
| あいだの語数 | 回数 | ブログの句 |
|---|---|---|
| 0語 | 2 | an investigation/the study |
| 1語 | 9 | a respiratory study/a weeklong study/a cancer study/a new experiment/a physics experiment/the RelaxPro investigation(2回)/the Teledroid investigation/the Teledroid experiment |
| 2語 | 5 | a cellular printing study/a plasma crystal study/the space botany study/a space botany investigation/the next-generation Teledroid experiment |
| 3語 | 2 | a different virtual reality study/the Plant Cell Division investigation |
あいだに入るのは、cancer や physics のように研究の分野を言う名詞か、respiratory や weeklong のような形容詞です。RelaxPro・Teledroid・Plant Cell Division は実験の名前で、名前を前に置いた単数6回はすべて the で始まります。
日本語で「がんの研究」「呼吸の研究」と言うときの「の」は、英語では名詞を前に並べるだけで表せます。そのときの a の置き場所は、並べた語のさらに前です。
a も the もない単数の study は、analysis と並んで1回出る
3語の単数19回のうち、a も the も持たないのは10月16日の1回です。4人の乗組員が、試料を携帯用の冷凍庫などからステーションの冷凍庫や研究用ラックへ移した作業を伝える文に出てきました。
[…] into station science freezers and research racks for upcoming study and analysis.
Mark A. Garcia(NASA)2026年10月16日掲載「Crew Unpacks Dragon and Begins Activating New Science Experiments」/出典: NASA Space Station Blog
訳:[…]この先の研究と分析に向けて、ステーションの科学用冷凍庫と研究用ラックへ[移した]。
ここの study は、「調べること」という作業を量で言う名詞として analysis と並んでいます。study には数える使い方と、このように数えない使い方の両方があり、ブログでは数えない使い方がこの1回でした。
「きぼう」の植物実験は、続く2文で別の名詞になる
日本の実験棟「きぼう」で行われた植物の実験は、10月21日の記事で、続けて書かれた2つの文に別々の名詞で出てきます。
[…] samples for the Plant Cell Division investigation. The space botany study takes place in the Kibo laboratory module […]
Mark A. Garcia(NASA)2026年10月21日掲載「Spacesuits, Lunar Agriculture, and Breathing Research Top Wednesday’s Schedule」/出典: NASA Space Station Blog
訳:[…]Plant Cell Division(植物細胞分裂)の実験に使う試料[を処理した]。この宇宙植物学の研究は「きぼう」実験棟で行われ[…]
前の文は実験の名前のあとに investigation を置き、次の文は中身を言う space botany のあとに study を置いています。名詞が替わっても、どちらも the で始まる単数形です。
10月30日の記事は、緑藻とタバコの培養細胞で細胞分裂を調べるこの実験を、a space botany investigation と書いています。実験の名前を出さないこの文では、the ではなく a が名詞句の頭に立っています。
名詞の前の research は、hardware の前に3回立つ
名詞の前に立つ research の12回で、後ろの名詞は hardware 3・operations 2 と、mission・duties・racks・furnace・methods・schedule・samples の各1回です。
[…] servicing a variety of research hardware.
Mark A. Garcia(NASA)2026年10月30日掲載「Space Crops and Advanced Tech Wrap Up Week Following Spacewalk」/出典: NASA Space Station Blog
訳:[…]さまざまな研究用の機材を整備して[過ごした]。
a variety of の a は variety に付いた a で、research hardware には a も -s も付いていません。hardware も数えない名詞で、ここでは「いろいろな」を a variety of で前から添えています。
| ブログの句 | 直訳 | 意訳 |
|---|---|---|
| research hardware | 研究ハードウェア | 研究用の機材 |
| research racks | 研究ラック | 実験装置を収める研究用の棚 |
| a specialized research furnace | 専門化された研究炉 | 研究専用の炉 |
| their research duties | 彼らの研究任務 | 研究の仕事 |
| their research schedule | 彼らの研究予定 | 研究の予定表 |
| frozen research samples | 凍った研究試料 | 冷凍した研究用の試料 |
直訳の列は名詞をそのまま「研究」に置き換えた形で、意訳の列では、機材や試料には「研究用の」、仕事や予定には「研究の」を補っています。their research duties の their は duties に係るので、research の前にあっても research の限定詞ではありません。
作例の research は、pieces や project を使って数を言う
research を1件、2件と数えたいときは、数えられる名詞を外側に置くか、study に替えます。次の作例は、すべてこの記事のために作った文です。
| 英語の作例 | 数え方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| She has done three pieces of research on coral reefs. | piece を複数形にして数える | 彼女はサンゴ礁の研究を3件手がけてきた。 |
| She has done three studies on coral reefs. | study を複数形にして数える | 彼女はサンゴ礁の研究を3件手がけてきた。 |
| Our lab started a new research project in April. | project に a を付けて数える | 私たちの研究室は4月に新しい研究プロジェクトを始めた。 |
| Our lab started a new experiment in April. | experiment に a を付けて数える | 私たちの研究室は4月に新しい実験を始めた。 |
| The museum needs more research on old maps. | more で量を言う | その博物館には古地図の研究がもっと必要だ。 |
1行目と2行目は同じ意味ですが、research を残すなら pieces of を、名詞を替えるなら studies を使います。3行目の research project は、名詞の前に立つ research の使い方そのもので、a は project に掛かっています。
数を言わない5行目の文は、research のままです。more research は「より多くの研究」で、ふつうは more research と言います。
experiment の -ment は、名詞と動詞で母音が変わる
experiment は名詞と動詞で綴りが同じでも、最後の -ment の母音が違う語です。名詞は弱い「ムント」に近い音(-mənt)、動詞は「メント」とはっきり言う音(-ment)になりやすく、ブログの experiment は8回とも名詞です。
名詞の research は、後ろの音節を強く読む re-SEARCH(rɪˈsɜːtʃ)と、前の音節を強く読む RE-search(ˈriːsɜːtʃ)の2通りが英語の辞書に載っています。動詞の research は、後ろを強く読むのがふつうです。
investigation は5音節で、強勢は語尾 -tion の直前の ga に来ます。in-ves-ti-GA-tion と、後ろから2つ目の音節を強く長めに読みます。
study は STU-dy と前を強く読み、studies・studied でも強勢の位置は変わりません。この節の発音は、4語とも英語の辞書の表記によるものです。
フランス語の recherche は、複数形の recherches にもなる
英語の research にあたるフランス語の recherche は、la recherche と単数で分野全体を言うほか、des recherches と複数形にして一つひとつの研究を言うこともできます。
当サイトのフランス語のMBA出願フレーズには、Les recherches du professeur Martin(マルタン教授の研究)という複数形の例文があります。英語なら Professor Martin’s research と単数のまま書くところで、同じ「研究」でも数え方は言語によって別々です。
日本語の「研究」は、1件・2件と助数詞を付ければ数えられます。英語で書くときは、日本語で「件」を付けたくなる場面で study や a research project を選ぶと、数の形がそろいます。
science は、pounds of のあとで重さで量られる
10月13日に打ち上げられた Dragon 補給船の荷が6,300ポンドを超えることは、ブログの7つの文に出てきました。そのうち3つの文が、荷の中身を science で言っています。
Loaded inside Dragon are over 6,300 pounds of science, supplies and roll-out solar arrays […]
Mark A. Garcia(NASA)2026年10月13日掲載「Dragon Launches New Cargo as Crew Works Biomedicine, Advanced Space Tech」/出典: NASA Space Station Blog
訳:Dragon には、科学実験の品々や補給品、ロールアウト型太陽電池アレイが6,300ポンド(約2.9トン)以上積まれています[…]
ここでの science は、実験に使う試料や機器をまとめて言う語で、research と同じく数えない名詞として pounds of のあとに置かれています。同じ日の別の記事は、同じ荷を more than 6,300 pounds of scientific investigations and cargo と、数える名詞の複数形で書いています。
残る3つの文では、荷は supplies、cargo、food, supplies, and equipment です。
機器名の Life Science Glovebox を除くと、science が名詞の中心に立つのは9回で、どれも -s の付かない形でした。science freezer や science module のように名詞の前に立つ形は17回あります。
研究・実験・調査を言う5つの文は、数える形と量の形に分かれる
次の日本語を英語にするとき、空欄に入る語句を考えてください。名詞を数える形にするか量の形にするか、動詞をどちらの数に合わせるかが問題の中心です。
| 問 | 日本語 | 英語(空欄あり) |
|---|---|---|
| 1 | 宇宙での睡眠についての研究は、まだ限られている。 | Research on sleep in space ( ) still limited. |
| 2 | 彼女の研究の1つが賞を取った。 | One of her ( ) won a prize. |
| 3 | その報告書は、1件の研究にもとづいている。 | The report is based on ( ) of research. |
| 4 | 生徒たちが行った化学の実験は、どれも10分で終わった。 | All of the students’ chemistry ( ) ended in ten minutes. |
| 5 | その町は川の水質の調査を2つ始めた。 | The town began two ( ) into the river’s water quality. |
問1〜問3の答えと解説
問1は is です。research は数えない名詞なので、単数の動詞で受けます。
問2は studies です。One of のあとは複数形の名詞が来るので、数える名詞の study を複数形にします。
中身によっては experiments や projects も入ります。
問3は a piece です。of research の前で1件を言うので、数える名詞の piece に a を付けます。
文を組み替えてよければ The report is based on a study. とも言えます。
問4・問5の答えと解説
問4は experiments です。日本語の「どれも」にあたる All of the のあとなので、実験を複数形にします。
問5は investigations です。two のあとなので複数形にし、into で調べる対象を続けます。
調査の中身によっては studies も使えます。
10月29日の船外活動は7時間11分続き、Menon 氏と Kutryk 氏は7枚目のロールアウト型太陽電池アレイ(IROSA)をステーションの電力系統 2A に取り付けました。

