ロシアを中心とするアイスホッケーリーグKHLで、SKA(СКА)がイーゴリ・ラリオノフ(Игорь Ларионов)監督に代えてアンドレイ・ラージン(Андрей Разин)監督を迎えました。メタルルグ(Металлург)もコンスタンチン・シャフラノフ(Константин Шафранов)監督を新たに据えています。
監督が替わった週も、多くの監督が試合のあとに、ピリオドごとの出来を記者の前で振り返っています。
その振り返りの文で、ピリオドを指す период の語尾は、в のあとでは периоде、после のあとでは периода です。
- в/во のあとの順序数詞と период は、そろって前置格になる
- 前置格の периоде が最も多く、生格・対格・主格が続く
- после・начало・концовка のあとの период は生格になる
- провели・сыграли の後ろの период は、主格と同じ形をとる
- 2つ目のピリオドからは、период を省いて во втором とも言う
- в первом・в третьем では、в の音が [f] に変わる
- ドイツ語の後半 Halbzeit も、in のあとで冠詞が der に替わる
- начало・конец・овертайм も、в と組むと -е で終わる
- по счету と в ступоре は、ピリオドの戦い方を短く言う
- 命令形の забей が、起きなかった得点を仮定する
- смена・первые・буллиты の格を、答えの文から見分ける
в/во のあとの順序数詞と период は、そろって前置格になる
「第2ピリオドに」「第3ピリオドで」と時を言う形は、в のあとに順序数詞と период を置き、両方を前置格にしたものです。
ミンスクのディナモ(«Динамо»)を率いる Брылин 監督の答えには、この形が2つ続けて出てきます。
Во втором периоде уверенно играли, заставляли «Ак Барс» много обороняться, но третий гол подкосил наш атакующий порыв. В третьем периоде не смогли забить, к сожалению, такой результат.
Сергей Брылин(ミンスクのディナモ監督)2026年10月18日掲載・アク・バルス戦(1対4)のあとの答え/出典: Матч ТВ
訳:第2ピリオドは自信を持ってプレーし、アク・バルスに守りの時間を長く強いましたが、3点目で攻めの勢いを削がれました。第3ピリオドは点を取れず、残念ながらこの結果です。
主格の形は второй период(第2ピリオド)で、в のあとでは второй が втором に、период が периоде に替わります。
順序数詞の語尾は、первый→первом、второй→втором、третий→третьем です。третий だけは語幹が柔らかい特別な変化をするので、-ом ではなく -ем になります。
ピリオドの言い方で в が во になるのは、втором の前です。в のあとに вт で始まる語が続くと в が重なって言いにくいため、母音 о を足して во втором と言います。
前置格の периоде が最も多く、生格・対格・主格が続く
素材にしたのは、試合を中継するロシアのテレビ局 Матч ТВ のサイトのホッケー欄に、10月17日から24日(モスクワ時間)までに載った記事です。
サイトマップと RSS でたどれたこの期間の記事300本のうち、本文の最初の段落が監督か監督代行の発言を伝え、2段落目がKHLの試合の結果を伝える記事を、試合結果を伝える記事に載った答えとして選びました。73本で、答えは200(段落にして223)、話した監督は24人です。
数えるのは監督の答えの部分だけです。記者のリード、試合の結果の段落、記者の質問、順位を伝える末尾の段落、放送の案内は数に入れていません。
記事の題は、記者が答えから抜き出した句をくり返していることがあるので数えません。記事に小見出しや表はありません。
ミンスクのディナモの Брылин 監督の10月18日の答えのうち1本と、メタルルグの Шафранов 監督の10月24日の答えは、本文の段落ではなくページ内の引用の枠にだけ載っています。この2本の答えも数に入れました。
ピリオドの語は、период と、ピリオドの意味で使われた отрезок(区間)の形をすべて1か所ずつ数えます。во втором и третьем периодах のように順序数詞が2つで名詞が1つの句は、名詞の1か所です。
период を省いて順序数詞だけで言った句は、同じ答えの中にピリオドの話が先に出ているものだけを、句ごとに数えます。始まり・終わり・延長などの語は、в начале года(年の初めに)や В конце концов(結局)のように試合の時間でないものと、記者が括弧で補った語(за секунду (до конца) の до конца)を外します。
同じ答えが2本の記事に重ねて載った例は、文ごとの照合で見つかりませんでした。73本の答えは、すべて別々の答えとして数えています。
答えはすべてロシア語の文面で載っていて、通訳の有無はどの記事にも書かれていません。
この記事では、どの監督の答えも Матч ТВ が載せたロシア語の文面として扱います。
引用した6本は、どれも監督が答えた文からそのままの文面で取っています。
ピリオドの語は、период の46か所と、Буше 監督の答えにだけある отрезок の2か所で、合わせて48か所です。24人のうち17人が使っています。
| 格 | 答えにあった形 | か所と話し手 |
|---|---|---|
| в/во+前置格 | в первом периоде・во втором и третьем периодах・в третьем отрезке | 24か所・12人 |
| 生格 | после второго периода・начало второго периода・проблему третьих периодов | 8か所・4人 |
| 対格 | провели третий период・сыграли третий период | 7か所・7人 |
| 主格 | Второй период нам помог・Первый период плохой | 6か所・6人 |
| 生格のうち数詞のあと | два периода сыграли・три периода нужно | 3か所・3人 |
「いつのことか」を言う в+前置格が48か所のうち24か所で、ちょうど半分です。
残りの半分は、前置詞や動詞の種類によって生格・対格・主格に分かれています。
после・начало・концовка のあとの период は生格になる
после(〜のあとで)は生格をとる前置詞で、после второго периода は「第2ピリオドのあとで」です。シビリの Люзенков 監督とネフテヒミクの Гришин 監督が、この形で第2ピリオドのあとに選手と話したことを伝えています。
前置詞がなくても、名詞が2つ並んで「AのB」を言うときは、後ろの名詞が生格になります。
Хорошее начало первого периода, такая же безобразная концовка первого периода.
Ярослав Люзенков(シビリ監督)2026年10月22日掲載・SKA戦(3対6)のあとの答え/出典: Матч ТВ
訳:第1ピリオドの入りはよく、第1ピリオドの終わりは同じくらいひどいものでした。
начало(始まり)と концовка(終わり)のあとに、первого периода が生格で続いています。2つの句にはどちらも動詞がなく、名詞句を並べただけで試合の流れを伝えています。
トルペドの Исаков 監督の начало второго периода(第2ピリオドの入り)も同じ組み立てです。
複数の生格 периодов は2か所で、Гришин 監督の начала периодов(各ピリオドの入り)と、ディナモ・モスクワの Тамбиев 監督の проблему третьих периодов(第3ピリオドの問題)です。
два と три のあとでは、単数の生格 периода を使う
数詞 два・три・четыре のあとの名詞は、単数の生格の形になります。
アフトモビリストの Кудашов 監督は два периода сыграли лучше(2つのピリオドはよりよく戦った)、ЦСКА の Никитин 監督は три периода(3つのピリオド)、Люзенков 監督は проигрывали по всем компонентам два периода(2つのピリオドの間、あらゆる面で劣勢だった)と言いました。
形は после второго периода の периода と同じですが、こちらは数詞に支配された形で、句全体は動詞の目的語や時間の長さの位置にあります。
провели・сыграли の後ろの период は、主格と同じ形をとる
период は男性名詞で、人や動物を指さない名詞です。この種類の男性名詞は、対格が主格と同じ形になります。
そのため、провели третий период(第3ピリオドを戦った)の третий период は、辞書の見出しと同じ形のまま動詞の目的語になっています。
Соглашусь, правильно сыграли третий период, старались играть без потерь, переводить шайбу в зону соперника.
Алексей Жамнов(スパルタク監督)2026年10月21日掲載・ЦСКА 戦(2対0)のあとの答え/出典: Матч ТВ
訳:同感です。第3ピリオドは正しく戦い、パックを失わずに相手のゾーンへ送ろうとしました。
対格の7か所で период を目的語にとった動詞は、провести(過ごす、戦う)2回、сыграть(戦う)1回、играть(戦う)2回、подправить(手直しする)1回、начать(始める)1回です。
主格の6か所では、период が文の主語になります。ЦСКА の Никитин 監督は Второй период нам помог овладеть преимуществом(第2ピリオドが、我々がリードを奪う助けになった)と言いました。
主格と対格が同じ形なので、どちらなのかを決める手がかりは動詞との関係です。
Первый период вроде начали хорошо(第1ピリオドは悪くない入りをした)の начали は複数の過去形で、主語は省かれた「私たち」です。период は начали の目的語なので、対格と読みます。
2つ目のピリオドからは、период を省いて во втором とも言う
同じ答えの中で一度ピリオドの話をしたあとは、период を言わずに順序数詞だけで次のピリオドを指す答えがあります。
Понимали, что в первом периоде «Адмирал» дома активнее играет, старались сдержать их. Во втором мы играли неплохо, как хотели.
Михаил Кравец(バルイス監督)2026年10月21日掲載・アドミラル戦(4対5の延長負け)のあとの答え/出典: Матч ТВ
訳:第1ピリオドはホームのアドミラルが攻勢に出ると分かっていたので、抑えにいきました。第2ピリオドは思いどおりに悪くない戦いができました。
Во втором の втором は、省かれた периоде に合わせた前置格の語尾 -ом を残しています。名詞が消えても、どの格で言ったのかは順序数詞の語尾で分かります。
名詞を省いた句は10句、話し手は7人です。8句が в/во+前置格、2句が主格でした。
省かずに言い直す答えも多く、順序数詞でピリオドを指した箇所のうち、同じ答えで2度目以降の23か所では、период や отрезок を言った例が14か所、省いた例が9か所です。Кравец 監督と Жамнов 監督と Буше 監督は、省く言い方と省かない言い方の両方を使っています。
名詞をくり返して書いた作例と、実際の答えの文を並べると、省いた部分がはっきり見えます。作例はこの記事で作った文で、素材にはありません。
| 名詞をくり返した作例 | 答えの文 | 省かれた語 |
|---|---|---|
| Первый период мы провели в ступоре, а во втором периоде мы перестроились. | Первый период провели в ступоре, во втором перестроились(ラーダの Горбенко 監督代行) | периоде と主語の мы |
| Первый период был неплохой, но второй период и третий период были лучше. | и первый был неплохой, но второй и третий были лучше(Жамнов 監督) | период を3回 |
| Хороший первый период, а во втором периоде подвела игровая дисциплина. | Хороший первый период, во втором игровая дисциплина подвела(ロコモティフの Квартальнов 監督) | периоде |
| Второй период нам помог, и в третьем периоде мы играли по счету. | Второй период нам помог овладеть преимуществом, и в третьем играли по счету(Никитин 監督) | периоде と мы |
Жамнов 監督の второй и третий были лучше では、省かれた период の代わりに、順序数詞が主格のまま主語の位置に立っています。
второй と третий はどちらも単数の形ですが、2つ並んで2つのピリオドを指すので、述語は複数の были になります。
в первом・в третьем では、в の音が [f] に変わる
前置詞 в は1文字だけの語で、次の語と続けて1語のように読む決まりです。そのため、次の語の頭の子音によって音が変わります。
п・т・к のような声帯を震わせない子音の前では、в も声帯を震わせない [f] になります。н や母音の前では [v] のままです。
| ロシア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| в первом периоде | フ・ピェールヴァム・ピリーアヂェ | 第1ピリオドに |
| в третьем периоде | フ・トリェーチイェム・ピリーアヂェ | 第3ピリオドに |
| во втором периоде | ヴァ・フタローム・ピリーアヂェ | 第2ピリオドに |
| в конце | フ・カンツェー | 終わりに |
| в начале | ヴ・ナチャーリェ | 初めに |
| в овертайме | ヴ・アヴィルターイミェ | 延長で |
во втором では、во の в は母音 о の前なので [v] で、втором の頭の в が т の前で [f] になります。綴りでは同じ в が2つ並びますが、音は「ヴァフ」と分かれます。
период の強勢は2つ目の и にあり、読みは「ピリーアト」です。語尾が -е になっても強勢の位置は動かないので、периоде も「ピリーアヂェ」です。
強勢のない о は「ア」に近く弱まるため、во も втором の最初の о も「ア」の音で書いています。
ドイツ語の後半 Halbzeit も、in のあとで冠詞が der に替わる
ピリオドや前半・後半のような試合の区切りに「〜に」を付けるとき、前置詞のあとで語尾を替える言語には、ドイツ語もあります。
ドイツ語ではサッカーの後半を die zweite Halbzeit と言い、「後半に」は in der zweiten Halbzeit です。in が時を言うときは与格をとるので、冠詞 die が der に、形容詞 zweite が zweiten に替わります。
サッカー女子ドイツ代表の記事では、監督が die ausgeglichene zweite Halbzeit(互角の後半)と主格で後半を言った例を読めます。
英語では in the second period でも the second period was better でも、second と period の形は変わりません。役目の違いは前置詞 in の有無と語順だけで表します。
日本語の「第2ピリオドに」「第2ピリオドは」「第2ピリオドの後で」は、名詞の形を変えずに助詞を付け替えます。ロシア語は助詞の仕事の一部を名詞の語尾が受け持つ言語で、格の全体像をまとめたのがロシア語の格の記事です。
начало・конец・овертайм も、в と組むと -е で終わる
ピリオドより細かい区切りや、ピリオドの外の時間を言う語も、答えに出てきます。試合の時間を言った箇所を、語ごとに数えると次のとおりです。
| 語 | в+前置格で使った形 | か所と話し手 |
|---|---|---|
| начало(始まり) | в начале(4か所) | 10か所・9人 |
| конец(終わり) | в конце(3か所) | 3か所・3人 |
| концовка(終盤) | в концовке(2か所) | 4か所・3人 |
| овертайм(延長) | в овертайме(2か所) | 4か所・2人 |
| буллиты(シュートアウト) | なし(по буллитам が2か所) | 3か所・3人 |
в のあとの前置格は、中性の начало も、男性の конец・овертайм も、女性の концовка も、そろって語尾が -е になります。
Нам тяжело даются игры на выезде, особенно в овертайме.
Сергей Брылин(ミンスクのディナモ監督)2026年10月24日掲載・トルペド戦(延長で2対1)のあとの答え/出典: Матч ТВ
訳:アウェーの試合は苦しく、延長はとくにそうです。
同じ語でも в がなければ形が変わり、начало は主格で4か所、концовка は主格と対格で1か所ずつ使われています。ディナモ・モスクワの Тамбиев 監督の Он овертайм не играл(彼は延長には出なかった)では、овертайм が играть の目的語として主格と同じ形をとっています。
буллиты は2か所で по буллитам の形をとり、アク・バルスの Гатиятулин 監督は мы уступили по буллитам(シュートアウトで敗れた)と言いました。по+与格の複数で、勝敗がどの方法で決まったかを示します。
バルイスの Кравец 監督の По началу была хорошая игра(初めのうちはいい試合だった)は、記事の文面では по と началу が2語に分かれています。辞書では1語の副詞 поначалу(初めのうちは)として載る語です。
по счету と в ступоре は、ピリオドの戦い方を短く言う
ピリオドの出来を言う答えには、日本語に直訳すると意味が通りにくい語句が混ざります。直訳と、試合の場面に合わせた訳を並べます。
| ロシア語 | 読み方 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| провели в ступоре | プラヴィリー・フ・ストゥーパリェ | 直訳「昏迷の中で過ごした」/意訳「体が動かないまま終えた」(Горбенко 監督代行) |
| в третьем играли по счету | フ・トリェーチイェム・イグラーリ・パ・ショートゥ | 直訳「第3ではスコアに従ってプレーした」/意訳「第3ピリオドはリードを守る戦い方をした」(Никитин 監督) |
| во втором мы вышли заряженными | ヴァ・フタローム・ムィ・ヴィーシュリ・ザリャージェンヌィミ | 直訳「第2では私たちは充電されて出た」/意訳「第2ピリオドは気持ちを入れて出ていった」(Буше 監督) |
| во втором игровая дисциплина подвела | ヴァ・フタローム・イグラヴァーヤ・ヂスツィプリーナ・パドヴィラー | 直訳「第2ではプレーの規律が裏切った」/意訳「第2ピリオドは反則が重なった」(Квартальнов 監督) |
| «устаканили» свою игру | ウスタカーニリ・スヴァユー・イグルー | 直訳「自分たちの試合を落ち着かせた」/意訳「自分たちの形を取り戻した」(シャンハイ・ドラゴンズの Лав 監督) |
по счету の счет は「スコア」です。по+与格は「〜に合わせて」の意味で、リードしている点差に合わせて無理をしない戦い方を言います。
Квартальнов 監督は、игровая дисциплина подвела のすぐあとに、удаления нас немножко подкосили(反則による退場が少しこたえた)と続けています。そのため、ここでの дисциплина は反則を出さない規律と読むのが自然です。
устаканить は「落ち着かせる、安定させる」の口語です。記事の文面では引用符 «…» に入っていて、くだけた語であることを示す書き方になっています。
命令形の забей が、起きなかった得点を仮定する
SKAのラージン監督は、就任して初めての試合となった10月20日のアフトモビリスト戦を1対3で落としました。試合後、記者からグリマルディ選手(Гримальди)の出来を聞かれ、次のように答えています。
В первом периоде забей он в конце «один в ноль», это его бы приподняло.
Андрей Разин(SKA監督)2026年10月20日掲載・アフトモビリスト戦(1対3)のあとの答え/出典: Матч ТВ
訳:第1ピリオドの終わりに、相手の守りがいない形で彼が決めていれば、それで彼は乗っていけたでしょう。
забей は забить(決める)の命令形です。命令形を主語 он の前に置くと、「もし彼が決めていたら」という、実際には起きなかったことの仮定になります。
後半の это его бы приподняло には бы が入り、「〜だっただろう」と結果の側を言っています。前半の仮定を если бы で言い換えると、если бы он забил(もし彼が決めていたら)です。
в конце は、ここでは直前の в первом периоде を受けて「第1ピリオドの終わりに」を指しています。«один в ноль» は「1人対0人」の意味で、攻める選手の前に相手の守りがいない場面を指す言い方です。
2日後の10月22日、SKAはシビリに6対3で勝ち、敗れたシビリの Люзенков 監督も命令形の仮定を使いました。После этого был хороший момент у Косолапова, попади и совсем другая игра бы была(そのあとコソラポフにいい好機があった、あれが入っていればまったく違う試合になっていた)の попади が、попасть(当たる、入る)の命令形です。
Люзенков 監督は同じ日の別の答えで Если бы выиграли было бы лучше(勝っていればもっとよかった)とも言っていて、если бы の形と命令形の形の両方を使っています。
смена・первые・буллиты の格を、答えの文から見分ける
ここまでで詳しく扱わなかった区切りの語を含む答えの文を5つ選びました。смена は、選手のセットが氷に出てからベンチに戻るまでの1回の出番を言う語です。
どの文も、区切りの語の格と、その格になった理由を考えてください。
問1 トラクトルの監督が選手をほめた文
Скотт Гордон 監督:В каждой смене он выкладывается на все сто.
каждой の語尾 -ой は、何格の何性の形ですか。
答えと解説
女性の前置格です。каждый(それぞれの)は形容詞と同じ変化をする語で、в のあとの女性名詞 смене に合わせて、女性形 каждая が каждой になっています。
男性名詞の前なら в каждом периоде のように -ом になります。
「出番ごとに、彼は全力を出し切る」という意味で、в は「どの時間の中か」を示す前置詞です。
問2 メタルルグの監督代行が守りの時間を語った文
Владимир Воробьев 監督代行:Где‑то не успевали смениться, смены были длинными, и возникали опасные моменты у наших ворот.
смены は何格で、何の数ですか。
答えと解説
主格の複数で、были длинными の主語です。「交代が間に合わないところがあり、出番が長くなって、ゴール前で危ない場面が生まれた」という意味です。
直前の смениться は同じ語根の動詞で、「交代する、入れ替わる」を言います。
問3 ソチの監督が試合の入りを語った文
Андрей Миронов 監督:Попытались активно начать игру, провели пару неплохих смен, но пропустили чуть ли не первым броском.
смен に語尾が付いていないのはなぜですか。
答えと解説
複数の生格だからです。смена の複数生格は語尾のない смен になります。
пару(2つ、いくつか)は пара の対格で、そのあとの名詞は複数の生格になります。「悪くない出番を2つほど過ごした」という意味です。
問4 スパルタクの監督が ЦСКА 戦の入りを語った文
Алексей Жамнов 監督:В первые 20 минут у нас не было контроля шайбы, злости и агрессии которую хотели, но в целом, хорошая, командная победа.
В первые 20 минут の первые は前置格ですか。
答えと解説
前置格ではなく、対格の複数です。в は時間の幅を言うとき対格をとることがあり、「最初の20分間に」を в первые 20 минут と言います。
前置格なら в первых 20 минутах になります。минут は数詞20のあとの複数生格です。
問5 シビリの監督がシュートアウトの勝利を語った文
Ярослав Люзенков 監督:Удачно забили, а дальше решили буллиты.
буллиты は решили の主語ですか、目的語ですか。
答えと解説
主語です。буллиты は人を指さない名詞の複数なので、主格と対格が同じ形で、形だけでは決まりません。
решить はここでは「勝負を決める」の意味で、勝負を決めたのはシュートアウトの側です。「うまく点を取り、その先はシュートアウトが決着をつけた」という意味になります。
10月21日にアク・バルスをシュートアウトで破ったトルペドの Исаков 監督は、Все решилось по буллитам(すべてはシュートアウトで決まった)と言っていて、こちらは по+与格の形です。
メタルルグのシャフラノフ監督は、就任が発表された翌日の10月24日、シビリを5対1で破った試合で初めて指揮を執りました。

