ドイツ語の「まったく違う」は、anders(違う)の前に ganz を置く形のほかに、komplett・völlig・vollkommen を置く形もあり、4語とも「完全に」の意味で働きます。
この4語は、サッカー女子のドイツ代表の監督と選手が、10月に続けて戦ったオーストラリアと日本との違いを話した答えの中に、そろって出てきます。
違いの中身として日本に付いた語は technisch(技術の面で)と taktisch(戦術の面で)、オーストラリアに付いた語は intensiv(激しく)や körperbetont(体のぶつかり合いが多い)でした。
- 日本・オーストラリアとの違いに付いた ganz・komplett・völlig・vollkommen
- als gegen Australien と als in Europa
- 日本には technisch と taktisch、オーストラリアには körperbetont
- absolute Topmannschaft と unfassbar guter Gegner の強め方
- 相手チームが主語の fordern、wir が主語の gefordert
- kaum zu stoppen の sie は stoppen の目的語
- 名詞・動詞・不定詞に分けて言う「手ごわさ」
- 試合のあとの現在完了で、助動詞をどちらにするか
- 語尾の付いた ganze・komplette は「全体の」
- 強め語を読むときの ö・ts・強勢の位置
- Japanerinnen と Gegnerinnen の -innen
- -ly・-ment・-mente を付けずに副詞になる、ドイツ語の強め語
日本・オーストラリアとの違いに付いた ganz・komplett・völlig・vollkommen
ドイツの監督と選手が相手チームとの違いを言った箇所は、答えの中に9か所あり、話し手は6人です。
そのうち5か所に ganz・komplett・völlig・vollkommen のどれかが付き、ganz は Zicai 選手と Dallmann 選手が1回ずつ、komplett と vollkommen は Wück 監督、völlig は Kössler 選手が使っています。
| 答えの語句 | 話し手・掲載日 | 日本語訳 |
|---|---|---|
| eine komplett andere Spielweise | Wück 監督・10月12日 | (日本は)まったく違う戦い方 |
| einen ganz anderen Spielstil | Dallmann 選手・10月13日 | (日本は)まったく違うプレースタイル |
| etwas ganz anderes | Zicai 選手・10月6日 | (2つの相手が)まったく違うもの(を持ってくる) |
| ein vollkommen anderes Niveau als in Europa | Wück 監督・10月12日 | 欧州とはまったく違うレベル |
| völlig unterschiedlichen Spielstilen | Kössler 選手・10月7日 | (2つの相手の)まったく異なるプレースタイル |
| sehr unterschiedliche Herausforderungen | Kössler 選手・10月7日 | 大きく異なる2つの挑戦 |
| das genaue Gegenteil | Kössler 選手・10月7日 | (オーストラリアとは)正反対 |
| andere Spielstile | Minge 選手・10月7日 | 違うプレースタイル |
| eine andere Aufgabe als gegen Australien | Küver 選手・10月11日 | オーストラリア戦とは違う課題 |
強めの語は4つとも副詞で、語尾が付きません。
語尾を受け持つのは後ろの ander-(違う)のほうで、einen ganz anderen Spielstil は男性名詞の4格、eine komplett andere Spielweise は女性名詞の4格、ein vollkommen anderes Niveau は中性名詞の1格に合わせた形です。
つまり ganz や komplett を足しても消しても、anderen・andere・anderes の語尾は変わりません。
Zicai 選手の etwas ganz anderes では、etwas(何か)のあとなので anderes が中性の語尾 -es を取っています。
同じ Zicai 選手が etwas ganz Besonderes(とても特別なこと)では Besonderes を大文字で書いているのに対し、ander- は名詞のように使っても小文字で書くのが基本です。
名詞を伴わない Kössler 選手の völlig anders als in Deutschland(ドイツとはまったく違う)は、アメリカのクラブでの暮らしについての答えで、述語の anders には語尾が付いていません。
Sie haben eine komplett andere Spielweise, sind mit Ball einer der stärksten Mannschaften neben Spanien und werden uns fordern in der Arbeit gegen den Ball.
Christian Wück(ドイツ女子代表監督)2026年10月12日掲載・日本戦の前に日本について話した内容/出典: DFB.de
訳:彼女たちは戦い方がまったく違い、ボールを持てばスペインと並んで最も強いチームのひとつで、ボールを持たない側の仕事では私たちを試してくるでしょう。
この一文の主語 Sie(彼女たち)は、2つ前の文の Japan を受けています。
| ドイツ語の区切り | 語順のままの直訳 | 意訳 |
|---|---|---|
| Sie haben eine komplett andere Spielweise, | 彼女たちは・持っている・まったく別の・戦い方を | 戦い方がまったく違い |
| sind mit Ball einer der stärksten Mannschaften neben Spanien | (彼女たちは)である・ボールとともに・最も強いチームのひとつ・スペインと並んで | ボールを持てばスペインと並ぶ屈指の強さで |
| und werden uns fordern in der Arbeit gegen den Ball. | そして・だろう・私たちを・求める・ボールに対する仕事の中で | 守備の時間には私たちを試してくるでしょう |
3つの区切りは同じ主語 Sie を共有していて、2つ目と3つ目では主語を繰り返していません。
書き言葉なら werden uns in der Arbeit gegen den Ball fordern と、不定詞 fordern を文の最後に置くのが基本の語順です。
Wück 監督はここで fordern を先に言い切り、in der Arbeit gegen den Ball(ボールを持たない時間の仕事で)をそのあとに足しています。
話し言葉では、言い終えた動詞のあとに補足の句を置くこの形がよく出てきます。
ドイツ女子代表は10月9日にカールスルーエでオーストラリアに4-2で勝ち、13日にはブレーメンで日本に2-1で勝ちました(DFB.de の試合記事)。
日本戦は Momoko Tanikawa 選手のゴールで日本が先にリードし、ドイツが前半のうちに追いついて、後半に勝ち越しています。
Wück 監督は2つの相手を「アジア杯の決勝を戦ったチーム」(Finalteilnehmer des Asiencups)と呼び、日本については「アジア杯(Asienpokal)でオーストラリアに勝った」と説明しています。
素材にしたのは、DFB.de の女子代表の欄に10月6日から13日までに載った記事のうち、監督と選手の名前を添えて答えを並べた8本です。
形は3種類あり、試合後に監督と選手の話を DFB.de が書き取って並べた記事が2本、話題ごとに答えをまとめた記事が4本、聞き手との一問一答のインタビューが2本です。
質問や記事の前文を除くと、答えは79か所・4,202語、話し手は監督1人と選手12人の計13人になります。
選手12人のうち Mara Alber 選手は23歳以下の代表で、この代表も同じ時期にブレーメンで試合をしており、Küver 選手との対談の形のインタビューに答えています。
代表の招集を発表した9月29日の記事2本は、チームが集まった10月5日より前なので、素材に入れていません。
ドイツ語のサッカーの言葉づかいはドイツ語のサッカー用語のまとめに、ブンデスリーガのクラブが載せた試合後の談話は第3節の両クラブの談話の記事にあります。
als gegen Australien と als in Europa
相手との違いを言った9か所のうち、比べる相手を als(〜とは)で書き添えたのは、Küver 選手の als gegen Australien と Wück 監督の als in Europa の2か所です。
Kössler 選手の2か所(völlig unterschiedlichen・sehr unterschiedliche)は、オーストラリアと日本という2つの相手どうしの違いを言っています。
das genaue Gegenteil(正反対)は、直前の文のオーストラリアを比べる相手にしています。
Die Australierinnen werden sicherlich intensiv und körperbetont auftreten. Bei den Japanerinnen erwarte ich eher das genaue Gegenteil – einen technisch starken und taktisch versierten Gegner.
Melissa Kössler(ドイツ女子代表)2026年10月7日掲載・DFB.de のインタビュー/出典: DFB.de
訳:オーストラリアの選手たちはきっと激しく、体のぶつかり合いを前に出して戦ってくるでしょう。日本の選手たちには、むしろ正反対のもの、つまり技術が高く戦術に通じた相手を予想しています。
残る4か所は、比べる相手を文に書いていません。
Dallmann 選手の ganz anderen Spielstil や Wück 監督の komplett andere Spielweise は、ドイツと比べたのか、オーストラリアと比べたのかを、文の中では決めていません。
Wück 監督の komplett andere Spielweise の直前には、日本は同じレベルにいるという文(befinden sich auf demselben Niveau)が置かれていますが、誰と同じレベルかは書かれていません。
「違う」の比べる相手は als で示し、「同じ」のほうは Schulze Solano 選手の im selben Rhythmus … wie die anderen Spielerinnen(ほかの選手たちと同じリズムで)のように wie で示します。
日本には technisch と taktisch、オーストラリアには körperbetont
相手の戦い方を言う語は、日本とオーストラリアではっきり分かれました。
technisch(技術の面で)は、Kössler 選手と Küver 選手が日本に、Kett 選手が日本の Tanikawa 選手に使い、Kössler 選手と Küver 選手は taktisch(戦術の面で)も並べています。
Ich schaue den Japanerinnen gerne beim Fußballspielen zu, weil sie technisch und taktisch anspruchsvoll agieren.
Camilla Küver(ドイツ女子代表)2026年10月11日掲載・DFB.de のインタビュー/出典: DFB.de
訳:日本の選手たちのサッカーを見るのが好きです。技術と戦術の両面で、高いレベルのプレーをするからです。
Kett 選手の technisch sehr gut(技術がとても高い)は、同じクラブでプレーする Momoko Tanikawa 選手ひとりに向けた言葉でした。
Nüsken 選手は日本戦のあと、Japan hat es clever gespielt(日本は賢く戦った)と、戦い方を副詞 clever で言っています。
オーストラリアに付いたのは、Kössler 選手の intensiv(激しく)と körperbetont、Schulze Solano 選手の athletisch(身体能力の高い)で、どれも激しさや体の強さを言う語です。
Wück 監督は試合の前日にオーストラリアを erfahren(経験のある)と言い、Schulze Solano 選手はオーストラリアが vertikal(縦に)攻めるのを好み、その点でドイツに少し似ているとも話しています。
答え全体で technisch は4回出てきますが、日本以外に向けたのは Baum 選手が自分の成長について話した1回だけです。
absolute Topmannschaft と unfassbar guter Gegner の強め方
日本とオーストラリア(とその選手)の強さを格付けした語句は、形容詞+Gegner(相手)の形も含めて11か所あり、話し手は Wück 監督・Kett 選手・Kössler 選手・Schulze Solano 選手・Alber 選手の5人です。
| 答えの語句 | 話し手・誰について | 日本語訳 |
|---|---|---|
| eine absolute Topmannschaft | Wück 監督・日本 | 文句なしのトップチーム |
| einer der stärksten Mannschaften neben Spanien | Wück 監督・日本 | スペインと並ぶ最も強いチームのひとつ |
| auf demselben Niveau | Wück 監督・日本(誰と同じかは書かれていない) | 同じレベルに |
| ein unfassbar guter Gegner | Kett 選手・日本 | 信じられないほど強い相手 |
| einen technisch starken und taktisch versierten Gegner | Kössler 選手・日本 | 技術が高く戦術に通じた相手 |
| eine Weltklassespielerin | Kett 選手・Tanikawa 選手 | 世界的な選手 |
| zwei absolute Topteams | Alber 選手・日本とドイツ | 文句なしのトップチーム2つ |
| zwei Mannschaften mit sehr, sehr hohem Niveau | Wück 監督・日本とドイツ | とても高いレベルの2チーム |
| eine Mannschaft mit unheimlich viel Qualität | Wück 監督・オーストラリア | ものすごく質の高いチーム |
| sehr gute Spielerinnen | Schulze Solano 選手・オーストラリア | とてもいい選手たち |
| gute Gegnerinnen | Wück 監督・2つの相手 | いい相手 |
強さを名詞の側で言う語は Top-(トップの)と Weltklasse-(世界的な)で、この2試合の相手については、どちらも Mannschaft(チーム)・Team・Spielerin(女子選手)の前に付けて1語の複合名詞にしています。Küver 選手が23歳以下の代表のころの米国戦を話した gegen einen Top-Gegner のように、Gegner にも付きます。
absolut(文句なしの)は名詞の前の形容詞なので、eine absolute Topmannschaft・zwei absolute Topteams と語尾が付いた形です。
これに対して unfassbar(信じられないほど)と unheimlich(ものすごく)は副詞で、ein unfassbar guter Gegner で語尾 -er を受け持つのは gut のほうです。
unfassbar は答えの中に4回あり、相手チームに向けたのは Kett 選手のこの1回で、残りは仲間の選手の性格・プレーの理解力と、カールスルーエのスタジアムの雰囲気を言っています。
unheimlich も5回のうち相手に向けたのはオーストラリアについての1回で、ほかの4回はドイツのベンチの層の厚さ、Kett 選手の技術、試合の楽しさ、テストマッチの大切さを強めています。
Alber 選手は日本戦の前に、Da treffen zwei absolute Topteams aufeinander(トップチームどうしがぶつかる)と、ドイツと日本の両方を Topteam と呼びました。
相手チームが主語の fordern、wir が主語の gefordert
fordern は「要求する」が元の意味で、スポーツの答えでは「(相手が)こちらに力を出し切らせる」「手を焼かせる」の意味で使われます。
相手チームを主語にして uns(私たちを)を目的語に置いた fordern は3か所で、Wück 監督が2か所、Küver 選手が1か所です。
Es war ein sehr gutes Testspiel, weil die Australierinnen uns sehr gefordert haben.
Camilla Küver(ドイツ女子代表)2026年10月11日掲載・DFB.de のインタビュー/出典: DFB.de
訳:とてもいいテストマッチでした。オーストラリアの選手たちが、私たちに力を出し切らせたからです。
Wück 監督は日本戦の前日に werden uns fordern(試してくるでしょう)と未来の見立てで言い、試合のあとには関係文の中で次のように現在形で言っています。
[…] eine Mannschaft wie Japan, die uns defensiv so sehr fordert […]
Christian Wück(ドイツ女子代表監督)2026年10月13日掲載・日本戦のあとの談話/出典: DFB.de
訳:守備の面でこれほど私たちを苦しめる、日本のようなチーム
関係代名詞 die は女性名詞 Mannschaft を受けて主語になり、uns は fordern の4格の目的語です。
オーストラリア戦の前日には、同じ Wück 監督が Wir werden gefordert(私たちは試される)と、wir を主語にした受動の文にしていて、この文の中には相手を書いていません。
同じ前日の答えには、けが人や所属クラブでの出場の少なさを指す Bedingungen, die uns herausfordern(私たちに挑んでくる条件)もあり、こちらは前つづり heraus- の付いた herausfordern です。
素材の外ですが、招集を発表した9月29日の記事でも、Wück 監督は欧州外の2チームとの試合について werden wir zwei Spiele auf hohem Niveau haben, die uns auf andere Weise fordern werden(違うやり方で私たちを試してくる、高いレベルの2試合になる)と言い、fordern と ander- を一つの関係文に入れています。
kaum zu stoppen の sie は stoppen の目的語
[…] den Japanerinnen keine Zeit lassen, sonst sind sie kaum zu stoppen.
Franziska Kett(ドイツ女子代表)2026年10月12日掲載・日本戦の前に日本について話した内容/出典: DFB.de
訳:日本の選手たちに時間を与えないこと。そうしないと、ほとんど止められません。
sein + zu 不定詞は「〜されうる・〜されなければならない」を言う形で、sie sind kaum zu stoppen は「彼女たちはほとんど止められない」になります。
文の主語 sie(日本の選手たち)は、意味の上では stoppen(止める)の目的語にあたる語です。
Japan hat natürlich einen ganz anderen Spielstil – schwer zu verteidigen.
Linda Dallmann(ドイツ女子代表)2026年10月13日掲載・日本戦のあとの談話/出典: DFB.de
訳:日本はもちろんプレースタイルがまったく違います。守りにくいです。
Dallmann 選手の schwer zu verteidigen は動詞のない断片で、主語を補うなら Japan ist schwer zu verteidigen(日本は守りにくい)とも、直前の Spielstil を受けた Der Spielstil ist schwer zu verteidigen(そのスタイルは守りにくい)とも読めます。
この形は相手チームに向けたもの以外にもあり、Wück 監督はオーストラリア戦のあとに so ist auch die ausgeglichene zweite Halbzeit zu erklären(それで互角の後半も説明がつく)と言っています。
Alber 選手の Das ist gut zu wissen(それは知っておくといいことだ)も同じ型で、主語の das は意味の上では wissen(知る)の目的語にあたり、kaum zu stoppen の sie と同じ位置づけです。
名詞・動詞・不定詞に分けて言う「手ごわさ」
日本語では「日本は強い」「日本は手ごわい」と形容詞ひとつで言える内容を、答えの文は名詞の格付けや動詞、zu 不定詞に分けて言っています。
| 素材にない短い作例 | 答えの文(話し手) | 違い |
|---|---|---|
| Japan ist sehr stark.(日本はとても強い) | Japan ist eine absolute Topmannschaft.(Wück 監督) | 形容詞 stark の代わりに、Top- の複合名詞と冠詞を置いて格付けする |
| Japan ist ganz anders.(日本はまったく違う) | Sie haben eine komplett andere Spielweise(Wück 監督) | 動詞を haben にして、違いを名詞 Spielweise(戦い方)に持たせる |
| Japan ist schwierig.(日本は難しい) | die uns defensiv so sehr fordert(Wück 監督) | 相手を主語にし、uns を目的語に置いて、こちらへの作用を言う |
| Wir können Japan kaum stoppen.(私たちは日本をほとんど止められない) | sonst sind sie kaum zu stoppen(Kett 選手) | wir と können を消し、相手を主語にした sein + zu 不定詞にする |
| Australien ist stark.(オーストラリアは強い) | eine Mannschaft mit unheimlich viel Qualität(Wück 監督) | 強さを Qualität(質)という名詞の量で言う |
作例の左列は、どれも主語が Japan か Australien で、動詞が ist の文です。
右列の動詞は ist・haben・fordert・sind で、最後の行は動詞のない名詞句です。
右列のうち3行目と4行目は、ドイツ代表を指す uns や、ドイツの側の動作を言う stoppen を文に入れて、相手の強さをドイツが受ける側から言っています。
試合のあとの現在完了で、助動詞をどちらにするか
次の5問は、本文で訳していない答えの文を使います。
どれも試合の前に話された文なので、試合が終わったあとに振り返って言う形にしてください(内容が実際の結果と合うかどうかは問いません)。
- Wück 監督の Es wird ein Spiel auf hohem Niveau werden. を、werden の現在完了で「高いレベルの試合になった」という文にしてください。
- Küver 選手の Darauf werden wir aber vorbereitet sein. を、sein の現在完了を使って「その準備はできていた」という文にしてください。
- Kössler 選手の Das sind zwei sehr unterschiedliche Herausforderungen, die wir gerne annehmen. を、関係文の動詞 annehmen を現在完了にし、主文の sind を過去形にしてください。
- Wück 監督の Es wird spannend sein, wie sie sich gegen eine erfahrene australische Mannschaft verhalten wird. を、主文を過去形、wie の文を現在完了にしてください。
- Mahmutovic 選手の Ich hoffe, dass ich ein gutes Spiel mache und die Null halte. の dass の中身を、「いい試合をして、無失点に抑えた」という現在完了の独立した文にしてください。
解答と解説
1. Es ist ein Spiel auf hohem Niveau geworden. werden の現在完了は sein を助動詞にし、過去分詞は geworden です。
2. Darauf sind wir aber vorbereitet gewesen. vorbereitet sein(準備ができている)の sein は、現在完了でも助動詞に sein を取り、過去分詞は gewesen です。
3. Das waren zwei sehr unterschiedliche Herausforderungen, die wir gerne angenommen haben. 分離動詞 annehmen の過去分詞は an と nehmen のあいだに ge を入れた angenommen で、関係文では haben が最後に来ます。
4. Es war spannend, wie sie sich gegen eine erfahrene australische Mannschaft verhalten hat. sich verhalten(ふるまう)の過去分詞は不定詞と同じ verhalten なので、助動詞 hat だけが変わったように見えます。
5. Ich habe ein gutes Spiel gemacht und die Null gehalten. halten の過去分詞は gehalten で、die Null halten は「(スコアの)ゼロを守る」、つまり無失点に抑えることです。
語尾の付いた ganze・komplette は「全体の」
答え全体で ganz・komplett・völlig・vollkommen は17回出てきて、そのうち語尾の付かない副詞が12回、語尾の付いた形容詞が5回です。
形容詞の5回は Kössler 選手の meine ganze Familie(家族みんな)や Wück 監督の das komplette Trainerinnenteam(コーチ陣全員)のように、「全体の・そろった」の意味で名詞に付いています。
Dallmann 選手の als komplettes Team(チーム全体として)も形容詞で、日本戦のあとにチームのまとまりを言った答えです。
副詞の12回のうち、後ろが ander- か unterschiedlich だったのは6回で、残りは etwas ganz Besonderes(とても特別なこと)や ganz gut(まずまずよく)のように別の語を強めています。
Wück 監督の die Nations League komplett aus den Augen zu verlieren(ネーションズリーグをすっかり見失う)は、komplett が動詞句を強めた例です。
強め語を読むときの ö・ts・強勢の位置
| 語 | 読み方 | 注意する点 |
|---|---|---|
| völlig | フェリヒ[ˈfœlɪç] | ö は唇を丸めた「エ」。語末の -ig は標準発音で[ɪç] |
| komplett | コンプレット[kɔmˈplɛt] | 強勢は2音節目の plett。最後の t まで息を出す |
| ganz | ガンツ[ɡants] | z は[ts]。「ガンズ」と濁らない |
| unterschiedlich | ウンターシートリヒ[ˈʊntɐʃiːtlɪç] | 強勢は un。schied の d は音節の終わりで[t]になる |
| Japanerinnen | ヤパーネリンネン[jaˈpaːnəʁɪnən] | J はヤ行。強勢は pa に置き、-innen は弱く |
völlig の -ig は、ドイツ南部やオーストリアでは[ɪk](イク)と読む地域もあります。
völlige のように母音で始まる語尾が後ろに付くと、g の音は[ɡ]です。
ganz と komplett の強勢の位置は、強めの副詞として読むときも、語尾の付いた形容詞として読むときも変わりません。
Japanerinnen と Gegnerinnen の -innen
選手たちが相手の選手を国籍の語で言った7か所は、Japanerinnen・Australierinnen のように、すべて女性の複数形 -innen でした(23歳以下の代表の Alber 選手が使った Schottinnen・Schwedinnen を含みます)。
一方、相手チームそのものを言う Gegner(相手)は、答えの中に男性形で8回ありました。
女性形の Gegnerinnen を使ったのは Wück 監督の2回だけで、同じ監督が別の答えでは diesem Gegner(この相手)のように男性形の Gegner も3回使っています。
Gegner は相手のチームをまとめて指すときにも使う語なので、女子の試合の話でも男性形のまま使われます。
Nüsken 選手は日本戦のあと、Es hat einfach Bock gemacht(とにかく楽しかった)と、若者ことばの Bock で試合を振り返りました。
-ly・-ment・-mente を付けずに副詞になる、ドイツ語の強め語
| 言語 | 「まったく違う」 | 強めの語の性格 |
|---|---|---|
| ドイツ語 | ganz / komplett / völlig / vollkommen anders | 副詞は語尾を取らず、後ろの ander- が語尾を受け持つ |
| 英語 | completely different / totally different | -ly の副詞。形容詞 different に語尾の変化はない |
| フランス語 | complètement différent / totalement différent | -ment の副詞。différent は名詞の性と数で語尾が変わる |
| スペイン語 | completamente distinto / totalmente diferente | -mente の副詞。distinto は性と数で語尾が変わる |
英語・フランス語・スペイン語の「完全に」は、どれも形容詞に副詞の語尾(-ly・-ment・-mente)を足して作ります。
ドイツ語の komplett・völlig・vollkommen は、形容詞と同じ形のまま副詞として働き、見た目では区別がつきません。
英語の会見で「難しい」「手ごわい」を言う tough・tricky の置き場所は、F1シンガポールGPの会見の記事で扱っています。
日本とオーストラリアを評した語句は、どれもドイツの監督と選手が試合の前後に口にした見立てです。両チームの力の比べ方は編集方針に沿って記事の外に置きました。


