チャンピオンズリーグ第2節の前日会見で、バルセロナのフリック監督とクバルシ選手の答えに tener que が11か所出てきます。
同じ第2節を前にしたレアル・マドリードとビジャレアルの4人の答えでは、肯定の tener que が3か所、主語を立てない hay que が4か所でした。
どちらも「しなければならない」を言う形で、違いは「私たちは」のような主語を動詞に持たせるかどうかにあります。
- estar atentos・estar juntos・estar centrados を tenemos que で言う
- hay que jugar muy bien に para sacar los tres puntos が付く
- ガラタサライ戦・ナポリ戦・ローマ戦の前日会見
- ビジャレアル監督の一文に並んだ tenemos que と hay que
- 名詞の necesidad と、主語を立てない se necesita
- lo más importante es が集まったチュアメニ選手の答え
- no tengo que comentar の打ち消し
- para・lo más・se が付いて長くなる「しなければ」「大事だ」「要る」
- hay que の hay は1音節、que は前の語に続く
- have to・il faut・man muss も、主語を立てるかどうかで分かれる
- モレイロ選手の dar nuestro 100% から始める練習
- Ahora nos toca la Roma の tocar は「番が回ってくる」
estar atentos・estar juntos・estar centrados を tenemos que で言う
tener que のあとには動詞の原形(不定詞)が来て、tener を主語に合わせて活用させ、「私は」なら tengo que、「私たち」なら tenemos que と言います。
スペイン語は動詞の語尾で主語が分かるため、yo や nosotros は書かないのがふつうです。
6人の答えにある tener que 15か所のうち11か所がバルセロナの2人の答えで、そのうち10か所が tenemos que でした。
tener que のすぐ後ろに来た動詞を、6人分まとめて並べたのが次の表です。
| tener que の後ろの動詞 | か所 | 意味 |
|---|---|---|
| estar | 3 | いる・ある(状態) |
| hacer | 2 | する |
| centrarnos | 2 | 集中する(自分たちが) |
| trabajar | 1 | 働く・練習する |
| mostrar | 1 | 見せる |
| continuar | 1 | 続ける |
| mejorar | 1 | 良くする |
| comentar | 1 | コメントする |
| correr | 1 | 走る |
| entender | 1 | 理解する |
| dar | 1 | 与える・出す |
いちばん多い estar の3か所は、どれも後ろに形容詞が続く「〜の状態でいなければ」の形です。
Tenemos que estar muy atentos desde el principio. Este estadio pone mucha presión, es complicado. Tenemos que estar juntos como equipo.
Pau Cubarsí(FCバルセロナの DF)2026年10月12日・ガラタサライ戦の前日会見/出典: fcbarcelona.es
訳:最初からしっかり注意していないといけません。このスタジアムは大きなプレッシャーをかけてくるので難しく、チームとしてまとまっていないといけません。
atentos(注意している)と juntos(一緒の)は、主語の「私たち」に合わせて男性複数の -os になっています。
フリック監督の Tenemos que estar centrados(集中していなければ)の centrados も、同じく -os の形です。
centrarnos の2か所は、「自分たちを集中させる」の再帰動詞 centrarse の nos を不定詞の後ろに付けた形です。
この nos は Nos tenemos que centrar のように tenemos の前に出すこともできますが、6人の答えの2か所はどちらも不定詞に付いています。
集中する(centrarnos)、注意している(atentos)、まとまる(juntos)と、試合の入り方を言う語がバルセロナの2人の答えに集まっていて、動作を言う trabajar や correr は1か所ずつです。
hay que jugar muy bien に para sacar los tres puntos が付く
hay que の hay は haber の特別な形で、主語を持たず、人称によって形を変えません。
そのため hay que は「(誰であれ)〜しなければならない」という、主語を決めない言い方になります。
6人の中でいちばん長く答えたモウリーニョ監督(859語)の答えでは、tener que・hay que・deber の中で肯定の「しなければ」に当たるのは hay que の2か所だけです。
この監督の答えにも tener que が1か所ありますが、no tengo que(〜する必要はない)という打ち消しの形でした。
hay que の2か所は同じ答えにあり、答えの最初の文が Hay que jugar muy bien(とてもいいプレーをしなければならない)です。
同じ答えの後半では、同じ hay que jugar muy bien の前に、何のためかを言う句が付いています。
Para sacar los tres puntos hay que jugar muy bien porque tenemos por delante un adversario importante.
José Mourinho(レアル・マドリード監督)2026年10月13日・ローマ戦の前日会見/出典: realmadrid.com
訳:勝ち点3を取るには、とてもいいプレーをしなければなりません。相手は手ごわいチームだからです。
para+不定詞(〜するためには)を文頭に置き、hay que、そのあとに porque(なぜなら)の理由が続く順番です。
sacar los tres puntos は「勝ち点3を取る」で、勝つことを言うときのサッカーの決まった言い方として使われます。
チュアメニ選手の hay que は、lo que hay que hacer mejor(もっとうまくやらなければならないこと)のように、lo que(〜こと)の中に入った形でした。
走行距離の数字について聞かれ、数字は「やるべきこと」を示すときもあれば示さないときもある、と答えた箇所です。
deber の1か所はイニゴ・ペレス監督の las dinámicas de Champions deben estar al margen で、主語は「チャンピオンズリーグでの流れ」という事柄です。
すべての試合を通した全体の流れとは切り離して考えるべきだ、という意味で、deber は人の義務というより「そうあるべきだ」という見立てを言っています。
ガラタサライ戦・ナポリ戦・ローマ戦の前日会見
第2節は10月13日と14日に行われ、出場するスペインの5クラブのうち、前日会見の答えを公式サイトの文章で読めたのはバルセロナ、ビジャレアル、レアル・マドリードの3クラブです。
バルセロナはイスタンブールでのガラタサライ戦(13日)を前に、12日にスタジアムの会見室でフリック監督(Hansi Flick)と DF のクバルシ(Pau Cubarsí)が答えています。
ビジャレアルは本拠地でのナポリ戦(13日)の前日、イニゴ・ペレス監督(Iñigo Pérez)と MF のモレイロ(Alberto Moleiro)がそろって会見に出ました。
レアル・マドリードは、ローマのスタディオ・オリンピコでのローマ戦(14日)を前に、13日にモウリーニョ監督(José Mourinho)と MF のチュアメニ(Aurélien Tchouameni)の記事を1本ずつ出しています。
アトレティコ・マドリードは公式サイトのページを取得できなかったため入れていません。ベティスの前日会見は動画だけで、文字の記事がありませんでした。
6人の答えはどれもクラブの記事に載ったスペイン語の文面で、会見の場でどの言語が話されたかは、どの記事にも書かれていません。
試合や戦術を言う基本の語彙はスペイン語のサッカー用語のまとめにあります。
材料にしたのは5本の記事の引用符の中の文面だけで、クラブの記者が書いた地の文は外しました。
記事の題と副題に載った発言は、本文の答えを短くまとめた形で、本文と語句が違うものもあるので、これも数えていません。
たとえばモウリーニョ監督の記事の副題は「tendremos delante a un rival importante」で、本文の同じ箇所は「tenemos por delante un adversario importante」と語句が少し違います。
地の文の中に引用符で埋め込まれた短い語句(Flick の “hambre” など)は、話した人の言葉として数えに入れました。
| 話した人(会見の日) | クラブと次の試合 | 答えの語数と「しなければ」 |
|---|---|---|
| Hansi Flick(監督・10月12日) | バルセロナ・ガラタサライ戦(13日・敵地) | 132語/tener que 5 |
| Pau Cubarsí(選手・10月12日) | バルセロナ・ガラタサライ戦(13日・敵地) | 153語/tener que 6 |
| José Mourinho(監督・10月13日) | レアル・マドリード・ローマ戦(14日・敵地) | 859語/tener que 1・hay que 2 |
| Aurélien Tchouameni(選手・10月13日) | レアル・マドリード・ローマ戦(14日・敵地) | 475語/tener que 1・hay que 1 |
| Iñigo Pérez(監督・10月12日) | ビジャレアル・ナポリ戦(13日・本拠地) | 302語/tener que 1・hay que 1・deber 1 |
| Alberto Moleiro(選手・10月12日) | ビジャレアル・ナポリ戦(13日・本拠地) | 180語/tener que 1 |
| 6人の計 | 3クラブ | 2101語/tener que 15・hay que 4・deber 1 |
バルセロナを除く4人では、肯定の tener que が3か所、hay que が4か所で、「しなければ」の形は2つの間で割れています。
6人を合わせた tener que の多さは、語数で全体の14%にあたるバルセロナの2人の答えによるところが大きい数字です。
ただし、会見のどの部分を記事に引くかはクラブが選んでいるので、会見で口にした回数そのものとは限りません。
レアル・マドリードの会見の時制は、ラ・リーガ開幕週の監督と選手の答えを読んだ過去形の回で扱っています。
ビジャレアル監督の一文に並んだ tenemos que と hay que
tener que と hay que が同じ一文の中に並んだのは、イニゴ・ペレス監督の答えの1か所です。
Tenemos que entender que es un partido de Champions en el que vas a atacar y te van a atacar, y que se puede hacer largo, así que hay que vivir con una madurez diferente a experiencias pasadas
Iñigo Pérez(ビジャレアル監督)2026年10月12日・ナポリ戦の前日会見/出典: villarrealcf.es
訳:チャンピオンズリーグの試合は、こちらが攻めれば相手も攻めてくるし、長く感じることもあると理解しておかなければなりません。だから、これまでの経験とは違う落ち着きをもって臨む必要があります。
この一文を意味のまとまりで5つに区切り、左から順に日本語を当てると次のようになります。
| スペイン語のまとまり | 語の順に当てた日本語 | 文として整えた日本語 |
|---|---|---|
| Tenemos que entender | 私たちは理解しなければならない | 理解しておかなければならない |
| que es un partido de Champions | それがチャンピオンズの試合だということを | チャンピオンズリーグの試合は |
| en el que vas a atacar y te van a atacar, | その中で君は攻め、彼らは君を攻める | こちらが攻めれば相手も攻めてくる |
| y que se puede hacer largo, | そしてそれが長くなりうることを | 長く感じることもある |
| así que hay que vivir con una madurez diferente a experiencias pasadas | だから過去の経験と違う成熟さで生きなければならない | だから、これまでとは違う落ち着きをもって臨む必要がある |
前半の主語は tenemos の「私たち」、つまりビジャレアルのチームです。
3つ目のまとまりの vas(君は行く)と te(君を)は2人称単数で、「試合に出る人は誰でも」という一般の主語として読めます。
日本語の「攻めれば攻められる」にあたる言い方で、話し言葉ではこの「一般の君」がよく使われます。
最後のまとまりは主語を持たない hay que で、「誰であれ、そういう構えで臨むものだ」という結論の形です。
vivir は「生きる」が第一義ですが、vivir un partido で「試合を戦う・味わう」の意味になり、ここでは「臨む」と訳しました。
madurez は「成熟」の名詞で、ここでは経験を積んだチームの落ち着きを言っています。
名詞の necesidad と、主語を立てない se necesita
「要る・必要だ」を言う語は5か所で、動詞 necesitar が3か所、名詞 necesidad が2か所です。
チュアメニ選手の lo que necesitamos o no(私たちに何が必要で何が要らないか)は、「それを話すのは君たちの仕事だ」と記者に返した文の中にあります。
記事の小見出しに載った問いは ¿Hace falta un centrocampista más creativo?(もっと創造的な MF が必要か)で、問いの hace falta を答えでは necesitar で受けています。
モレイロ選手の se necesita un periodo de tiempo(ある程度の時間が要る)は、se を付けて「誰が」を言わない形です。
「新しい監督が来れば、ある程度の時間が要るものだ」という一般論の中の文で、誰が必要とするのかは書かれていません。
名詞の necesidad は、モウリーニョ監督の sentí la necesidad de cambiar(変える必要を感じた)のように、sentir(感じる)と組んで出てきました。
イニゴ・ペレス監督の la ilusión, la esperanza y la ‘necesidad’ emocional de ganar では、記事の文面で necesidad だけが引用符で囲まれています。
この引用符を誰が付けたのか、話し手がどう発音したのかは記事から分かりません。
モウリーニョ監督の los partidos que faltan para jugar の faltar は「(まだ)残っている」の意味で、「必要だ」の意味の hace falta とは別の使い方です。
lo más importante es が集まったチュアメニ選手の答え
importante と fundamental の14か所を、置かれた場所で分けると次のようになります。
| 置き場所 | か所(話した人) | 実際の語句 |
|---|---|---|
| 名詞の後ろ(un partido importante) | 3(モウリーニョ1・チュアメニ1・イニゴ・ペレス1) | un adversario importante un partido importante un equipo importante |
| es・serán の後ろ | 4(クバルシ1・チュアメニ1・イニゴ・ペレス2) | la edad no es importante eso es importante serán importantes mañana es fundamental |
| lo (más) importante の形 | 7(チュアメニ7) | Lo importante es trabajar lo más importante es tener eso es lo más importante |
lo は形容詞の前に置いて「〜なこと」という名詞にする中性の冠詞で、lo importante は「大事なこと」、lo más importante は「いちばん大事なこと」です。
この形は7か所すべてがチュアメニ選手の答えにあり、ほかの話し手の importante は名詞の後ろか、es・serán の後ろに置かれています。
Lo importante es trabajar como equipo en el mediocentro y ayudar a ganar partidos.
Aurélien Tchouameni(レアル・マドリードの MF)2026年10月13日・ローマ戦の前日会見/出典: realmadrid.com
訳:大事なのは、中盤でチームとして働き、試合に勝つ手助けをすることです。
es の後ろに来たのは、不定詞が3か所(trabajar・hablar・tener)、名詞句が2か所(el equilibrio del equipo と lo que ganemos)、que+節が1か所でした。
残る1か所は eso es lo más importante(それがいちばん大事だ)で、lo más importante が文の最後に来ています。
lo que ganemos al final de la temporada の ganemos は接続法で、「シーズンの終わりに何を勝ち取るにせよ、それが」と、まだ決まっていない中身を指しています。
イニゴ・ペレス監督の mañana es fundamental は、El aspecto mental, siempre, pero mañana es fundamental. という一文の後半です。
es fundamental の主語は前半の el aspecto mental(メンタル面)で、後半では書かずに省かれ、mañana は「明日は」という副詞として入っています。
訳すと「メンタル面はいつでも大事だが、明日はとりわけ欠かせない」で、fundamental は importante より強く「欠かせない」を言う語です。
no tengo que comentar の打ち消し
6人の答えで tener que を打ち消した1か所は、前節のリーグ戦について聞かれたモウリーニョ監督の答えです。
Mañana es un partido de Champions y no tengo que comentar nada de lo que pasó en el partido de Liga
José Mourinho(レアル・マドリード監督)2026年10月13日・ローマ戦の前日会見/出典: realmadrid.com
訳:明日はチャンピオンズリーグの試合なので、リーグ戦の試合で起きたことについて私がコメントする必要はありません。
no tener que は「〜しなくてよい・〜する必要はない」で、義務がないことを言います。
6人の答えに no hay que は出てきません(no hay urgencia・no hay espacio は「〜がない」の hay で、別の組み立てです)。
一般に no hay que には、No hay que tocar el balón con la mano.(手でボールに触れてはいけない)のような禁止の読みと、No hay que preocuparse.(心配するには及ばない)のような「必要はない」の読みの両方があります。
no tener que も、文脈によっては禁止に近く読まれることがあり、どちらの読みになるかは前後で決まります。
「必要はない」をはっきり言いたいときは、no hace falta(〜するには及ばない)を使う言い方も一つの手です。
ドイツ語にも同じ分かれ方があり、dürfen nicht(してはいけない)と müssen nicht(する必要がない)の違いはオクトーバーフェストの案内のドイツ語の回で取り上げました。
para・lo más・se が付いて長くなる「しなければ」「大事だ」「要る」
短い作例と会見の文を並べると、会見の文には目的・程度・主語の扱いを決める語が足されています。
| 短い作例(当サイト) | 会見に出た文 | 足されたもの |
|---|---|---|
| Tengo que estudiar. (私は勉強しなければ) |
Tenemos que estar muy atentos desde el principio | 主語が「私たち」になり、後ろは動作でなく estar+形容詞の状態 |
| Hay que comer bien. (ちゃんと食べないと) |
Para sacar los tres puntos hay que jugar muy bien | para+不定詞で、何のためかを先に置く |
| Es importante leer. (読むのは大事だ) |
lo más importante es tener la cabeza fresca | lo más で「いちばん」を足し、大事なものを es の後ろへ回す |
| Necesito un café. (コーヒーが要る) |
se necesita un periodo de tiempo | se を付けて、誰が必要としているかを言わない |
1行目の作例は「私」ひとりの用事ですが、会見の答えは試合に出るチーム全体の話なので、主語が nosotros になります。
後ろに来る動詞も、勉強する・食べるのような具体的な動作から、estar atentos(注意している)のような「保つべき状態」へ移りました。
2行目の Para sacar los tres puntos は、目標を先に言ってから hay que で手段を言う並びです。
3行目の tener la cabeza fresca は直訳すると「頭を涼しく保つ」で、「頭をすっきりさせて冷静でいる」を言う決まった言い方です。
Es importante leer. のように es importante を文頭に置く形と違い、lo más importante es は「いちばん大事なのは」を先に出して、答えをその後ろに置きます。
4行目の se necesita は、Necesito(私には要る)の「私」を消して、誰にでも当てはまる話にしています。
hay que の hay は1音節、que は前の語に続く
hay は「アイ」のように聞こえる1音節の語で、a と y は切れずにひと続きです。
que は強勢のない語なので、前の hay に続けて「アイケ」とひとまとまりに聞こえます。
tenemos que は te・ne・mos の真ん中の ne に強勢があり、mos の s と que の k の音が続きます。
tengo que は「テンゴケ」で、ten に強勢があり、ng は日本語の「ン」に近い音です。
スペイン南部やカナリア諸島などでは音節の終わりの s が弱く息のように発音されることがあり、その場合は「テネモ・ケ」に近く聞こえます。
聞き取りでは、文頭の「テネモ(ス)ケ」か「アイケ」のすぐ後ろに来る動詞の原形が、しなければならない中身です。
have to・il faut・man muss も、主語を立てるかどうかで分かれる
英語では we have to が tenemos que にあたり、主語を立てない言い方には you have to(一般の you)や one must があります。
ソルハイムカップの前日会見を扱った英語の We have と We’ve got の回では、have got to が「義務」と「経験」のどちらにも読める例を取り上げました。
フランス語の il faut は、主語の il が何も指さない非人称の形で、スペイン語の hay que に近い働きをします。
ASモナコの会見の peu importe を読んだ回には、Peu importe la situation, il faut essayer d’être cohérent のように、peu importe と同じ文に il faut が出る例があります。
ドイツ語では wir müssen が tenemos que に、一般の主語 man を使った man muss が hay que に近い形です。
日本語の「〜しなければ」はもともと主語を言わないことが多いので、tenemos que と hay que の差は、訳すと「私たちは」を書くかどうかの差にしか残りません。
確約の強さで言い方がどう変わるかは、7言語を並べた「これからやります」の言い方の特集で扱っています。
モレイロ選手の dar nuestro 100% から始める練習
次の5問は、会見の答えのうち本文で引かなかった語句をもとにしています。
- モレイロ選手の tenemos que dar nuestro 100% para sacar la victoria を、話し手ひとりのこと(「私は」)に変えてください。
- クバルシ選手の Tenemos que continuar así を、「昨日は(あのとき)このまま続けなければならなかった」という過去の文にしてください。
- イニゴ・ペレス監督の hay que vivir con una madurez diferente を、「次の試合でも〜しなければならないだろう」という未来の文にしてください。
- フリック監督の Esto es lo que tenemos que hacer cada día をもとに、「私たちは毎日何をしなければならないのか」という問いの文を作ってください。
- モウリーニョ監督の necesitar hacer más cambios を使い、「私たちはこれ以上交代をする必要はなかった」という文を、過去の状態を言う線過去で作ってください。
解答と解説
1. Tengo que dar mi 100% para sacar la victoria. tenemos を tengo にすると、持ち主を言う nuestro も「私の」mi に変わります。
2. Ayer tuvimos que continuar así. tener の点過去は tuvimos で、「実際に続けた」ことまで含みます。
3. En el próximo partido también habrá que vivir con una madurez diferente. hay の未来形は habrá で、hay que は habrá que になります。
4. ¿Qué tenemos que hacer cada día? lo que(〜こと)を疑問詞 qué に替え、アクセント記号を付けます。
5. No necesitábamos hacer más cambios. necesitar の線過去の nosotros の形は necesitábamos で、前に no を置くと「必要はなかった」になります。
Ahora nos toca la Roma の tocar は「番が回ってくる」
モウリーニョ監督の答えには、tocar(触れる)が4か所ありました。
そのうち3か所は nos ha tocado los dos equipos más fuertes de Italia のように、「(くじや日程で)相手が回ってくる」の意味です。
Ahora nos toca la Roma は「今度はローマと当たる」で、nos はチームを、me han tocado los dos の me は監督自身を指しています。
残る1か所の me tocaré el corazón は、tocarse(自分の体に触れる)の未来形です。
tocar は nos toca jugar fuera(アウェーで戦う番だ)のように不定詞を続けると、「〜する番だ・〜しなければならない」の意味にもなります。
この6人の答えの4か所は、どれも後ろが名詞か名詞句で、「番が来る」相手や体の部分を言っています。
モウリーニョ監督とチュアメニ選手の記事には前節の判定をめぐる問答もありますが、ここで見ているのはその中の動詞の形です(編集方針)。

